| キマエアオシャク幼虫の脱皮シーン 2006/04/09 | | 真冬にはコナラの枝そっくりの体つきをしているのがキマエアオシャクの幼虫(写真上)。
それが春になって、芽吹きとともにやがて脱皮すると、今度はコナラの若芽や葉っぱに姿が似てくる(写真中)。
季節の移ろいが際立ついまごろの雑木林では、尺取り虫たちの衣替えも進行しているわけである。
さて、キマエアオシャク幼虫のその脱皮シーンをビデオ撮影することが決まっていて、その撮影準備に入った。ところが本種の幼虫を多数、用意することはたいへん難しい。結局、入手できた2匹の幼虫で撮影することになった。これはかなりの冒険であるが仕方が無い。
ところでこういった脱皮や羽化、ふ化など昆虫の変態シーンを撮影する場合、その兆候を正確に把握して待機する必要がある。できれば事前に数多くの観察を積み、個体差も含めた変態の様子を頭に叩き込んでおくのが理想的だ。 そうでないといたずらに待機時間が長くなるばかりだし、しかも肝心なところで撮影チャンスを逃すというリスクも大きい。待つにしても自分なりの体力の限界があるから、無理はしない。 だが今回のキマエアオシャク幼虫の脱皮などは、事前の観察どころか本番撮影に至っても数を揃えるのは困難であるから、とにかく自分のこれまでの観察や撮影経験をフルに活かして、慎重に臨むしか他に手が無い。 で、変態の兆候を時々刻々、こまめに観察するのであるが、その場合によく使う道具が(写真下)のマクロレンズとレンズスコープコンバーター(Nikon)の組み合わせである。この組み合わせでは、少し離れた場所から拡大観察ができるので重宝する。 このレンズスコープコンバーター(Nikon)というのは、望遠レンズに取り付けて望遠鏡として使うのが本来の使い方であり、私も購入した時点では野鳥観察に使うつもりだった。望遠ズームレンズに取り付ければ、ズーム望遠鏡として威力を発揮しただろうが結局、望遠ルーペとして使っている。
(写真上、中/EOS-5D マクロ65ミリ) (写真下/D200 マイクロニッコール105ミリ) | |