| 撮影台も大事な空間だが、、、 2005/07/03 | |  | | | 昆虫写真の仕事では室内セットを使って撮影することが多い。室内セットの舞台を据えるのは撮影台の上。私の場合この撮影台というものは撮影内容、撮影方法によって組み立て分解を何度も繰り返している。大きくてしっかりした机があればそれでいいのだが、いかんせん私の仕事部屋は6畳間一室のみであり、がっしりした机を据え置くことは不可能である。したがって撮影舞台に必要な最低限の面積を確保するのが精一杯だ。 室内撮影を長期に渡っておこなわない場合は、撮影台を片付けてしまうことも可能(冬期など)。しかし、そうやって空きスペースを作ってしまうのは危険だ。なぜならあっという間に他の荷物に占拠されてしまうからだ。したがって撮影台の骨組みだけは常に残しておく。撮影台の天板はネジ数本を緩めれば取り払うことができる。 室内撮影では大光量のスタジオ用ストロボをごく最近までは常に使っていたが、最近はほとん出番がない。使うとしても主に出張で標本撮影をするときくらいだ。照明の微妙な具合も、デジタル撮影になってからテスト撮影で確認できるため、モデリングランプと露出計を使ったきめ細かいライティング調整に苦労することがほとんどなくなった。だから小型のストロボ数台があればいい。
いずれにしても以前から私の仕事場のあまりの狭さには限界以上のものをずっと感じている。ところが昆虫写真の仕事では室内撮影をゼロにすることは不可能であり、それ相応の作業スペースが必須であることに変わりはない。撮影以外にも昆虫の飼育スペースなどもいる。また原稿を書いたりする机と椅子の場所、膨大な写真ストックを収納する棚や、カメラ機材保管のスペース、工作台、文献類の詰まった書棚、どうやってもそれらが6畳間ひとつに納まりきるわけがないのである。ときどき編集者の方が私のところに来て打ち合わせをしたいと言われても、部屋の狭さを理由にいつもお断りするしかないのも当然である。ではさて、どうするか?どこか賃貸で仕事場を構えるか?ところがこれもさんざん考えた末、物価の高い東京圏に住んでいたのでは無理な話であるというところに落ち着く。 そこでかねてから望んでいた、いわゆる田舎への引っ越し、そういう思い切った決断をするときではないだろうかと考えるようになった。家族ごと引っ越すのであるからいろいろ問題は多い。しかし私が昆虫写真という仕事を続ける以上はどうしても避けて通れない問題なのである。まさに家族まるごとの移住計画は、かなり真剣な様相を呈してきた。 | |