| マンション裏の白い給水タンク。 実はこの場所でのコアシナガバチの営巣は、迂闊にも今日まで見落としていた。 春先の営巣に幾度か失敗しての、後発組であろうことは間違い無い。 今朝は大柄なスズメバチが私の目線の先を飛んでいた。 その姿を目で追い掛けていくと、コアシナガバチの巣が見つかったわけだが、スズメバチの目的地もその巣であった。 「あっ!ヒメスズメバチだ!」 他の昆虫を撮影していた私は、急いで給水タンクの巣へと駆け寄った。 静かにカメラを構えたつもりだが、 私の動揺がヒメスズメバチに殺気として伝わったか、 1回シャッターを切ったところでヒメスズメバチは何もせずさっさと飛び去ってしまった(写真上)。 コアシナガバチの巣を覗き込んで見ると、卵や幼虫がまだ残っている。 おそらくこの巣の前で待っていれば、きっとヒメスズメバチは戻って来るはずだ。 (このような最中、巣をじっと窺うヤドリバエもいた!) そうは思うがしかし、私は他に仕事で片付けなければならない撮影を抱えており、このチャンスはあきらめるしかない。 で、室内での作業が一段落して外へ出掛け、しばらくしてから給水タンクへと回ってみた。 なんとそのとき、ヒメスズメバチが巣にぶらさがっていた! コアシナガバチのワーカー達が見守る横で、ヒメスズメバチはアシナガバチ幼虫を噛みほぐしていたのである(写真下)。 残念ながらまたもやヒメスズメバチは、私の動作が気に入らなかったようで、 2回シャッターを切っただけで、無情にも飛び去ってしまった。
ヒメスズメバチの暴挙?に対して、 何も抵抗しないアシナガバチのワーカー達は、戦ってもかなわないことを熟知しているのか、それとも恐怖で体が竦んでしまうのか? このヒメスズメバチは、国内産スズメバチ類の中では、最大級のオオスズメバチについで二番目に大きな体をしている。 ところが巣の規模はスズメバチ類の中で最も小さく、攻撃性も低い。 そして餌はもっぱらアシナガバチ類の幼虫や蛹の体液という、実に特殊な食生活を送る。
それでふと、わが部屋のベランダ植え込みに営巣しているコアシナガバチ達が気になり始めた。 ヒメスズメバチに襲われた巣から、20メートルほどしか離れていない。
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