| 薄曇りで今日は寒い。風も冷たい。しかし中里の雑木林ではきっといろんな虫が待っているに違いない。マンション裏のヤマグワには今朝も2頭のキボシカミキリがしがみついていることを確認してから林に赴く。昨日は書き漏らしてしまったが、ずっと観察していたゴマダラチョウ幼虫最後の1頭が一昨日の夜、姿を消した。おそらく地上に降りたのであろう。エノキの葉には残された台座の糸が白く光っているだけであった。来年の春、エノキに幼虫たちが再び戻って来る姿が楽しみでもある。 林ではさっそく「セスジツユムシ」のメスが次々と4頭見つかった。さすがにオスの姿も鳴き声もここのところ皆無だ。最後にオスを見たのは10日以上前だったと思う。メスも触角が切れたり(写真上)脚がどれかもげていたりして彼らの活動期も終焉に近いようだ。
5日前ヘラクヌギカメムシのオスを探したところ、そのとき見つかったのはクヌギカメムシのオスばかり(3頭)であった。今朝はしかし、「ヘラクヌギカメムシ」のメスが3頭、コナラの幹で産卵している(写真中)。「ヘラクヌギ」と「クヌギ」を識別するポイントは腹部気門の色を見るのが確実であるが、カメムシを背面から見た時、両種には体色と斑紋の違いがあるような気が段々してきた。その差異とはなんとなく感じるという微妙なもので、おそらく多数の個体を見ていくなかで会得できるものだと思う。それにしてもこのクヌギカメムシ2種の間に生態上の差異というものがあるのか?「種」とはなんぞや?である。
以前(10/26)雑木林と遊歩道を区切る金網で産卵するコカマキリを紹介したが、今日はその金網のひさしで「ニホンヤモリ」を見つけた。ヤモリを中里の林で見るのは初めてだ。私が小学生のころだから30数年も前の話しだが、四国、松山の町中にはヤモリがいくらでもいたものだ。夜歩けばあちこちの家の外壁にヤモリがへばりついていた。もっとも西日本では関東などに比べてニホンヤモリの個体数は多い。けれど松山の町中も今ではすっかりビルだらけだ。餌の昆虫類も確実に減っているであろうから、ヤモリたちの繁殖も難しくなってきているのではないか。夜行性のニホンヤモリのことだ。私は彼らのことをこの中里の林では最初から意識していなかっただけかもしれない。夜の観察はこれから冬に入っても断然面白い。これを機会に夜間撮影の態勢を整えようと思う。
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