| 地元のK氏に教わり、北端の平野へ赴く。氏の話では知人がバンナ岳の尾根でつい先日、マンゲツオオコロギスを捕らえたという。なんともうらやましい!おそらく場所を問わずあちこちに棲息しているのであろうが、とにかく個体数が極めて少ないようだ。と、思いたい。今日はK氏お薦めの平野の川辺でヒメシュモクバエ(写真上)などの撮影をすることにした。この珍奇なハエは、オモト林道沿いの川でかつて1995年に撮影した経験がある。その当時、ハエが発見され記載されてからまだわずか2年目。もちろん私は国内にシュモクバエの1種がいることなど知るはずもなく、最初見たときは驚愕のあまり「もう石垣島に永住しよう!」などと一大決心が頭をよぎったほどであった。私はさっそく翌年1996年の『科学朝日』3月号で、「日本でも見つかった奇虫シュモクバエ」と題して写真記事を掲載した。さて、平野へ行く途中、ずっと手前の星野の川も覗いてみたが川へ降りる道がわからない。付近をうろつくうちに見つけたのが、オキナワツノトンボのメスであった(写真中)。平野へもうじきという吉野の集落を過ぎたあたりで狩猟の人達に会う。猟犬を連れトランシーバーで連絡を取り合っている。なんだろうと不思議に思っていたら、目的地の川辺について答えがわかった。リュウキュウイノシシの狩りだったのだ。獲物の骨が多数ぶらさがっている(写真下)。
 | |