2009年4月アーカイブ


田の神さま。

また別嬪になったでねえかあ!!

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ああ~♪よか、よか、よか、よか、よか~とねえ~♪

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( 写真/ E-330  ズイコーデジタル14-54ミリズームレンズ )


俵おどり

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毎年、5月29日には、三股町で「早馬まつり」が催され、

早馬神社の広場では、三股町各地域に古くから伝わる踊りが披露される。

今年は、田上の「俵おどり」もお披露目となり、うちの嫁さんも三味線の伴奏で参加した。

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俵おどりは、早馬神社だけでなく町のあちこちを移動しては踊って回る。

朝から夕方まで続き、最後は田上に戻って「田の神さま」の前や、

新築したお宅を一軒一軒回っていく。

W22980891.jpg私も踊り手の一人として参加するはずだったが、2月に手術を受けたため、練習にもほとんど

参加できず、まだ踊れない。

踊れたにしても、朝から晩まで踊り続ける体力はまだ無い。

この記事を書いている今頃は、皆さん打ち上げで大いに盛り上がっていることだろう。

皆さんほんとうにお疲れさまでした。












空き家をもとめて

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昨日の夕方のこと、

庭の水道で手を洗おうと蛇口を回すと、いきなりハキリバチがポロリと転がり出てきた。

ハキリバチは、蛇口の管に営巣するつもりだったのだろう。

で、今日になってふと見れば、やはり蛇口にすがりつくようにして舞う姿があった。

X22989902.jpg蛇口の管は短いけれど、育児巣を設える空間としてはギリギリ間に合うのだろうか。

しかしやはり諦めたのか、ハキリバチはやがて他の空き家を探して飛び去った。

しばらくして、ブロック塀にかけておいたビニールホースの口から

ハキリバチが出入りしていることに気付いた。

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このホースは昨年の秋ころから、ずっとここにかけたままだったが、

まさかこんな無造作に置いたホースに営巣するとは少し驚いた。

X22989493.jpg上の写真の左側下にある口からハキリバチは出入りしている。

ホースはまっすぐ垂れているのだが、わずかに傾斜したあたりに育児巣を設えているようだ。

X22990011.jpgこのホースはときどき風でゆらゆらと揺れているのだが、ハキリバチは平気のようだ。

葉っぱを次々と運び込むと、次に花粉と蜜の搬入という具合に忙しく働いていた。

たしかにこのホースだと雨水も入らないし、乾燥しているので育児巣を設える空き家としては

うってつけだ。


( 写真2段目以外全て/ E-3  ズイコーデジタル8ミリ魚眼+ストロボFL36R2台+

                      ツインフラッシュブラケット )

( 写真2段目/  E-3 シグマ105ミリマクロ )




朝食を済ませると、まずは庭を眺めたあと、林の中を歩く。

タケトゲハムシの産卵現場を見ておく、というのがこのところ一つの課題となった。

今朝はしかし、メダケの葉上で食事中のタゲトゲハムシは多く見るも、

産卵するメスはいない。時間帯の条件もあるだろうか。

ナナフシの幼虫は体長5センチくらいまで成長している。

その小さなナナフシ幼虫に顔を近づけているとき、ふと左脇に何やら気配を感じた。

気配を感じた、というのは嘘っぽいが何気なく左を向くとそこに、

「オオキマダラヒメガガンボ」がカラスザンショウの葉上に佇んでいた。

X2288670.jpgこのオオキマダラヒメガガンボには久しぶりに会ったような気がする。

が、さて記憶を辿ってみれば、これまでにもあちこちで何度かは見ているはずだ。

( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン、ストロボFL36R )


「ひむか昆虫記」の記事で、

とくに撮影地を書かないときは、自宅の敷地内かせいぜい、三股町内のフィールドで

撮影した写真か、観察記録である。

それともう一つ、このブログでの取り決めとして、公表すると差し支えるような場所で撮影した

写真や記事は一切載せないことにしている。これまでにもうっかりミスをやらかして、

あとで削除した記事も何度かあった。


私が昆虫写真を撮るのはもちろん仕事のためであり、撮った写真はなんらかの出版物など

メディア上に公表されることを前提としている。

当ブログに登場してくる昆虫写真を見ていると、なんだかとても仕事に結びつきそうにない

マニアックなカットや内容ばかりと感じる方も多いだろうが、

しかし、私自身は仕事用とブログネタ用の写真とを特に区別はしていない。

ブログそのものは仕事ではないが、仕事を進める上で大事な役目を果たしているとは思う。

なんにせよ、日々の活動の備忘録として大いに重宝してもいるからだ。





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本日は宮崎市内の宮崎県立図書館で、講演を行ってきた。

W2267903.jpg親子連れの方々も多く来ていただき、こういう地味な催しに足を運んでいただいたことに

感謝したい気持ちになる。

宮崎に来てからの講演では、まるで松竹映画みたいな出だしで始めるスタイルになった。

松竹映画と違うのは、富士山ではなく、霧島山であることだが、、、、。

この霧島山の山容はうちの庭から撮影したものだが、今回から講演のたびに

撮影時期や時刻の違った絵柄を使うことにしてみた。今日のは2月に撮影したもの。

話のはじまり方をこういうスタイルにした理由は単純なことだが、、、、、、、、、。



これまで25年間過ごした東京での生活は、まさに根無し草とも言える心境にあった。

独身でいたころは言うに及ばず、家族ができて地域とのつながりが若干できたにしても

浮き草のような孤独感はずっと消えることがなかった。

自分の仕事の都合だけでなく、家族共々、地域に溶け込んで生活できるような環境に

移住したい。そういう思いは子供の成長を眺めていればいるほど、強くなっていった。

いづれは落ち着くべき場所へ行きたい。そういう思いをずっと抱いてきたわけだ。

その落ち着くべき場所が宮崎に定まったのはいろんな偶然や必然の絡み合い

の結果であり、一言で説明するのは難しい。

私の人生の後半期は、ともかく宮崎で一旦しきり直しをして再スタートした。

その生活の場を象徴するかのような存在が、霧島山であった。

講演のお話をするときに自己紹介の肩代わりとしても、まずは霧島山を眺める

私の心境からお話したい、、、、、というわけである。








講演のお知らせ

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明日、午後2時から

宮崎県立図書館で『虫のふしぎさがし』と題して私の講演がある。

今回は「こどもの読書週間」の行事としての記念講演。

宮崎に来てからまだ3年目を迎えたばかりだが、こうした催しに招いていただき

たいへん有難いと思っている。

大勢の方の前で虫の話をできる機会はとても稀であるから、とても楽しみにしている。

虫の世界のことをできるだけ正確に伝えることも大事かもしれないが、

私はそれ以上に虫という存在に目を向けるきっかけを得ていただきたい、と思っている。

虫はどこにでもいるからだ。

けっして、わざわざ出掛けていく必要などない。

お父さんやお母さんが、貴重な休日を費やして、そしてガソリン代を費やして、

名勝地へと遠出することなど、まったく必要ないのである。

アウトドア関係の雑誌など必要ない。

昆虫観察などと、肩に力を入れる必要もない。

そもそも、虫は向こうからやって来るからだ。

待てば良い。

虫を待つという、その感覚を掴むことができたなら、もう何も難しいことなどない。

来る虫が自分にとって好ましいか、そうでないか、

そのあたりの許容範囲が広がってくるなら、自然への洞察力も少しは深まってきたな、

と自信を持ってもいいではないだろうか。

明日は、写真だけでなく実物の虫も持参する予定である。

もしやその虫との出会いがある人にとっては素敵な出会いになるなら、

とわずかな期待もしたい。


















糞虫

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糞虫

「くそむし」、「ふんちゅう」、どちらの読み方をするかは、その人の暮らす家庭、生活環境なども

関わってくるだろう。

ただ最近、「くそむし」という言い方をする人に出会わない。少し寂しい気もする。

うちの犬が庭に落とした糞に、その「糞虫」が来ていた。

もっとも突っ立って眺めているだけでは、糞虫の姿は見えない。

まずしゃがみ込んで、糞をひっくり返してみる。

すると日光を嫌って、地中に潜り込もうとする黒く小さな糞虫の姿が見つかる。

さすがにその場で手に取って眺めることは、私ですら躊躇する。

糞虫観察にはピンセットが必須の道具であり、これは上質のものを買っておいて損はない。

ピンセットで上品につまみとった糞虫を、机の上でじっくり眺めてみよう。

観察の前にティッシュを詰めた瓶ケースの中でしばらく彼らを泳がしておく。

ケースから取り出したら、こんどは水で濡らしたティッシュでかるく糞虫をぬぐってお清めだ。

X22583333.jpg手荒い仕打ちを受けた糞虫は、脚をピタリと縮めて死にまねをする。

丸っこい体だからまるでダルマのようになり、虫やら鼻くそやら何やら区別がつかない。

写真上は、体の下側から見たところ。

しばらくするとまずは触角を伸ばしてピコピコさせてから、脚をバタバタさせて生き返る。

すると今度は一転してすばやく歩き回り、滑走路を移動する軽飛行機となる。

離陸する一瞬前に、まず中脚を上げ、

X22583531.jpg前翅を浮かすと同時に、プロペラの後ろ翅がフル稼働して、一気に飛び立つ。

X22583512.jpg
このあと速度が上がって上昇するにつれ、前脚を前方に伸ばす姿勢になると思う。

飛翔するさっそうとした姿を写し止めようと思ったが、

何度も離陸を繰り返しているうちに、糞虫は疲れてしまったのかフライトしなくなった。

この糞虫は、フトカドエンマコガネのメスだが、体長は1センチにも満たない。

そんな小さな虫の飛翔を手持ち撮影しようというのだから、かなり無謀ではある。

ともかく、糞虫はその重厚な体型に似合わず、軽やかに飛翔する運動能力に恵まれている。

なぜなら、大地に落とされた糞ができるだけ新鮮なうちに、その神聖な場所へできるだけ

迅速に駆けつけたいからではないだろうか。

( 写真/  E-3 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン+ストロボFL36R )











タイムカプセル

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コナラシギゾウムシが歩いていた。

もちろんうちの林である。

X22481545.jpgとんでもなく欲張りなストローだ。ちょこまかと、どこを目指すのか一心に歩いていく。

彼女(おそらく)は、この春、地中に埋もれた繭部屋というカプセルから出てきたのである。

そのカプセルは1年前の秋か、あるいは2年前か、もしかしたら3年前に、

土中に埋められたものだ。

3年前だとすれば、私がこのうちにやってくる前の年ということになる。

土中深くのカプセルの中で、彼女らはなぜに長く眠りこけてしまうのだろうか?

そして、今の彼女がコナラの団栗に産卵するのはずっと先の9月のことである。

これから4ヶ月以上もの間、いったい何処で、何をして暮らしていくのだろう?

自分が育ったコナラの木から、遠くはなれたコナラへと長い旅にでも出るのだろうか?


( 写真/  E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+2倍テレコン )






へその緒

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タケトゲハムシ(イッシキトゲハムシ)は、九州に分布している。

大分県でも熊本県でも見たことがあり、そして私のうちの林にもこのタケトゲハムシは多い。

うちの林では主にメダケの葉を糧としている、ハムシである。

X224818744.jpgタゲトゲハムシは今、産卵期である。

メダケの若い葉っぱを注意深く見ていくと、その先端部分に卵を産み付けてあるのが

わかる。1個~多いときで5個。だいたい2個のことが多いようだ。

X224829411.jpg
葉っぱの先端近くに産卵する習性には、何らかの理由があるのだろう。

ともかくこの習性のおかげで、産卵箇所はすぐにわかる。

この習性については昨年の観察で気付いていたことだ。

しかし、今日はこれまで見落としていた意外な事実を見つけた。

まずは写真↓を見ていただこう。

X224825833.jpg
卵は葉表から葉肉内に産み込まれている。

写真の白く見える部分は、葉表面の薄皮が卵の挿入で押し上げられて浮いているのである。

葉表皮の裂けたところから茶色の卵がわずかに露出している。

そして、その卵からはヒョロ~ンと、一本の毛髪のようなものが突き立っている。

この毛髪のようなものは今日、初めて気付いたのである。

もう少し、真横から見てみよう。

X224827722.jpg卵から天空へと突き立った毛髪のようなものは何であろうか?

じつは、産卵直後の卵は純白に近い色であり、

その時点ではこのなぞの毛髪もほぼ透明に近い。

したがって、よほど注意深く見ない限りこのような不思議な毛髪には気付きもしない。

最初は私もそうであったのだ。

しかし、時間が経つにつれて卵もそしてこの毛髪も茶色を帯びてくるのだ。

それは例えば、べっこう飴細工にも似ている。

現段階では憶測に過ぎないが、

これはタゲトゲハムシの母虫が卵を産み落とすときに、

卵を何らかの粘液で被っているためで、その粘液の粘性が高いことから、

母虫が産卵管を引っ込め、お尻を浮き上げるときにできたものではないか?

ソフトクリームのアイスの渦を盛るときに、最後にできるとんがり頭を思い出すのだ。

あのとんがりが長く伸びるほど、おいしそうに見える。

( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン+ストロボFL36R )




訂正

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先日、カラスノエンドウを食すオオタコゾウムシの幼虫を紹介したが、

本種がオオタコゾムシであるのか、あるいはアルファルファタコゾウムシであるのか、

断定しがたく、訂正したい。

すでに過去の記事内では、オオタコゾウムシとしていたものを、

タコゾウムシsp. と書き改めた。


また、オオタコゾウムシは冬の間にも幼虫が見られ、早春には

成熟することも調べられているようだ

   『オオタコゾウムシの越冬形態と耐寒性(生活史)』:渡辺匡彦(蚕昆研)

オオタコゾウムシ、アルファルファタコゾウムシ両種とも外来昆虫であり、

近年になってからレンゲやクローバーなどに被害が出ているという。

両種の成虫を見ればその区別は難しくないようだが、はたして幼虫の形態の違いは

どうなっているのだろうか?

写真は、今日の日没を庭から。

X2238078.jpg( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+2倍テレコン )





青筋と麝香

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庭のレンゲがそろそろ終わりの時期となり、

それと入れ替わるようにしてクローバーの白い花が目立ってきた。

今朝はサツマシジミのメスが彷徨っていたが、それっきりでついに花には来なかった。

そうこうするうちに、ジャコウアゲハがゆったりと舞い降りてきて、

ツツジの花でたっぷりと時間を過ごしていった。

X22378572.jpgうちに飛来するジャコウアゲハはたいへん少ない。

昼食を終えて窓の外をちらりと見れば、アオスジアゲハがクローバーにまとわりついていた。

X22379161.jpgクローバーは花がたくさん集まって咲いているから、

一ヵ所に留まって吸蜜する時間も長い。

俊足のアオスジアゲハだが、このときばかりは撮影チャンスに恵まれる。

アオスジアゲハを見ていると、一昨年に同じ場所で撮影したミカドアゲハのことを

思い出す。ミカドアゲハをまともに撮影できたのは、それが初めてでもあった。

その写真は「昆虫ある記」宮崎編で紹介したが、その写真データが入った撮影日の

フォルダーごと消失してしまった。どうやらバックアップ時にそのフォルダーが抜け落ちた

ようだ。そのような消失事故?がこれまでに2回ほどある。

人為的なミスなのか、パソコンの転送ミスなのか、不明である。


( 写真上/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+2倍テレコン )

( 写真下/ E-3  ズイコーデジタル50-200ミリズーム )









田の神さま

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散歩コースにある「田の神さま」。

ふとそのお顔を拝んでみれば、、、、、、、。

X22276923.jpg今日はどうしたことか、どえらく厚化粧でねえかい!?

どこの、どなたがお化粧直しをなさっているのか、一度その現場を見てみたいものだと思う。

( 写真/ E-3 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン ストロボFL36R、2灯使用 )



オリンパスの新製品、ツインフラッシュブラケットが届いた。

昨年使ってみた試作品よりか、ずいぶんと軽く感じる。

さっそく犬の散歩がてら、ストロボFL36Rを2台装着して外に出てみた。

カメラはE-3で、レンズはマクロ35ミリ+1.4倍テレコン。

これを首からぶら下げると、なかなか厳つい。

ストロボ2台をくっつけた格好は、合体ロボットのようでもある。


ともかくは作例を載せておこう。

X22276704.jpgヒメナガメがイヌガラシで交尾していた↑。画面右が、メス。「菜亀」とは「菜っ葉につく

カメムシ」という意味だ。ヒメナガメとよく似た、ナガメも同所的に見られる。

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こちらは、トゲシラホシカメムシ。

X22277272.jpgさいごに、ナナホシテントウ幼虫。カラスノエンドウでたくさん見られるのは、今が旬。


さて、普段、私は接写撮影時にツイン発光というライティングは滅多に使わない。

私がこのツイン発光を主に使うのは水平魚眼広角レンズでの近接撮影のとき。

魚眼広角レンズの撮影のときには、拡散板を使用すると拡散板そのものが影として画面に

写りこんでしまうこともある。

魚眼広角レンズでの近接撮影で、被写体の下にできる影を抑えるのはけっこう厄介だが、

ツイン発光なら安心して使える。

これまで自作のブラケットをなんとかやりくりしてきたが、使いにくかった。

ツインフラッシュブラケットが装備に加わってこの問題が解消できたのは嬉しい。

( 写真/ E-3 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン、
            ストロボFL36R×2灯+ツインフラッシュブラケット )







昨日、ナナホシテントウの餌として紹介した、オオタコゾウムシタコゾウムシsp.の幼虫。

過去の写真データを整理していたら、もっとわかり易い写真があった。

ED5A9819.jpg写真は、2004年の1月20日に撮影したもの。

スイバの葉っぱの上であるのは、このときベニシジミの越冬幼虫を探していたときに

このオオタコゾウムシタコゾウムシsp.幼虫を地面間際で見つけたのだと記憶している。

オオタコゾウムシの幼虫は、『日本産幼虫図鑑』(学研)に載っているが、

残念ながら生活史の詳しい記載がない。

どうやら幼虫態で越冬するように思われるが、どうだろう?

( 写真/  EOS 1D  FE65ミリマクロ )



春風

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居間にごろんと横たわると、外の林がゆさゆさ風に揺れていた。

もうすっかりクヌギも若葉をまとった。

W2217861.jpg芽吹きがどうのこうの、と言ってたのはついこの間のことではないか。

W2217869.jpg風にはげしく身悶えるようなクヌギの木を見ていると、

そばに寄ってみたくなった。

大きな脚立を持ち出し、てっぺんまで登ってみたが、もっと高い脚立が欲しいな。

おおきいよな、おまえさん。

クヌギの花の時期もとっくに終わり、萎れた雄花が雨のごとく降り注ぐ毎日だ。

昨日の雨で、雨どいからドッと、その雄花くずが吐き出されていた。

W2217844.jpg( 写真上、下/ E-520  ズイコーデジタル14ー54ミリズーム )
( 写真中  /  E-520  ズイコーデジタル7-14ミリズーム ) 





来客

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朝、玄関を出たら足元にオオゾウムシが佇んでいた。

昨夜、玄関の灯りに飛来したのだろう。

いまの家に来て驚いたことの一つは、このオオゾウムシが多いことだった。

所沢や清瀬のあたりでは、まず見たことが無い。

指に止まらせると、鋭い鉤でしがみつく。

これを剥がしとろうとすれば、鉤が指肌にくい込んで痛い。

X2217568.jpg( 写真/ E-3 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )


アブラムシは、ナナホシテントウの主食といっていいだろう。

成虫も幼虫も、アブラムシを好んで食べるし、ナナホシテントウを探すときにはアブラムシの

たくさんついている植物が目当てになる。

ただナナホシテントウの餌はアブラムシに限られるわけではなく、副食のメニューも

けっこうある。

昨日、海野和男さんの『小諸日記』にもナナホシテントウの食事シーンが紹介されていた。

それでふと思い出したのだが、

以前、自分が撮影した写真でも同じようなシーンがあった。

撮影したのは2006年の4月、東京都清瀬市のマンション裏の草地。

『昆虫ある記』武蔵野編では紹介しなかった写真の一つ。

IMG_1671調整.jpg
ナナホシテントウが抱えるようにしてかじっているのは、オオタコゾウムシタコゾウムシsp.

の幼虫。

止まっている草は、カラスノエンドウであり、こうしてオオタコゾウムシタコゾウムシsp.幼虫

を食べている

ナナホシテントウは何匹かいた。

タコゾウムシsp.幼虫が、カラスノエンドウを食べて育っているのは間違いないだろう。

この幼虫はよほど美味いのか、クロヤマアリがせっせと持ち運んでいる姿もよく見た。

タコゾウムシsp.幼虫を飼育してみればよかったのだが、

飼育をおっくうに思う性格なのでいつのまにか忘れてしまっていた。

IMG_1677調整.jpg上の写真が↑、オオタコゾウムシタコゾウムシsp.幼虫。

国内では1978年に神奈川県で見つかって以来、今は各地で普通種になっているようだ。

本来、ヨーロッパ原産であるらしい。それが北アメリカにも進出して今に至っている。

ナナホシテントウは、他にも花の蜜や花粉、熟柿の汁、などいろいろと食事メニューが

豊かだ。

もっとも、同種の産んだ卵まで食べてしまうこともよくあり、われわれ人社会から見れば

なんとも残酷なイメージに映ってしまうことだろう。

IMG_1436調整.jpg( 写真/ Canon EOS5D EF65ミリマクロ )














脇役だが

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昨日は半年ぶりに草刈作業をしてみた。

してみた、というのは、やはりまだ体の調子が気に掛かるからだ。

筋力が落ちてもいるので刈り払い機を扱うのも慎重になる。

途中でけっこうバテテ、しばらく林内の倒木に座り込んでしまった。

それでも2時間ほどかけて、かなりの面積をこなした。

そうこうしているうちに小学校PTAの懇親会の時間となった。

シャワーを浴びている時間もなかったので、着替えだけして駆けつけてみれば、

参加者のほとんどの方が座についていた。

女性陣と男性陣が見事に分かれており、なんと男性陣のテーブルには空きが無い。

仕方が無いので女性陣の方へ割り込ませてもらった。

しばらくすると、私を見かねてか、男性陣のほうに席を用意してくれた方がいた。

さて、今日は雨となり、終日、デスクワークとなった。

そこで写真は数日前のもの。

X2157092.jpgナナホシテントウは昆虫のなかでもたいへんな人気者で、昆虫写真の仕事の上でも

注文や依頼は多い。

その一方、かならず被写体となるもナナホシテントウの餌として扱われるのがアブラムシ。

アブラムシという呼び方は、ときにゴキブリを指すのでこれまた不人気の要因になる。

ま、ウジャウジャと植物にたかる様は、気味悪いと嫌われ、園芸家にとっては憎き

害虫にしか過ぎない。そんなわけで、アブラムシに主演の依頼はまず来ないのだ。

だがしかし、待てよ。

アブラムシの姿をじっくりと見たことがある人が、どれだけいるだろうか?

気味悪いのは集団であるが故で、渋谷駅前の怒涛のような人ごみも

少し離れてみればいくら美人が多数混じっていようとも、

その有様は誰が見てもけっして心地よいものではない。

そう、アブラムシもよ~くその個体を見てみるべきだ。

美人ではないかもしれんが、なんとも可愛いやつなのだ。

X2157112.jpgそして、今の時期、どれも皆メスであって、成虫はこうしてお産に励んでいる。

厳密に言えば、お産ではなく産仔というが、ま、そんなことはどうでもいい。

こうしてたくさんのメスがどんどんこどもを産むので、あのような群れになってしまう。


( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン)







先週、紹介した近所のマムシグサだが。

20年前に出た『植物の世界 第2号』(教育社)の中でホソバテンナンショウの生活史や、

マムシグサ類全体の詳しい生態の話を読んだことを思い出した。

読んだ当時はただでさえ奇抜な格好をした植物である上に、

さらに株の大きさによって性転換するという解説文には驚愕したのであった。

また、私が東京の多摩丘陵で撮影したことのあるマムシグサと思い込んでいた種は、

正しくはムラサキマムシグサであって、今、住んでいる九州地方の方こそ、

マムシグサであることも改めて知った。

つまり、マムシグサ類の分類に関する解説を、昔は読み落としていたようだ。

マムシグサの受粉媒介には昆虫が必要だが、

あの妖しげな仏炎苞の袋状の形態は、まさに食虫植物そのものであり、

そこへキノコバエ類などが誘引されて、吸い込まれるように飛び込んでいく。

マムシグサの雄性、雌性それぞれの花序の様子などを見ておきたくなって、

さっそく先週、訪れた場所へ行ってみた。

ところがである。  その狭い斜面の道筋は、つい今しがただろうと思うが、

草刈が為された後であった。草は綺麗になぎ倒されていた。遅かったかあ!

しかし、よく見ればマムシグサは根っこをスパッと刈り払われただけで、

無傷の姿で地面にころがっていたのである。

さっそく一つの花序を見てみたら、雄性花序であった。

W2177752.jpg
そして、その仏炎苞の合わせ目を見てみれば、なるほど虫の出口がちゃんとある。

出口の奥には、仏炎苞の中で死んだ虫の脚先が見えるのがわかるだろうか。

W2177760.jpg雄性花序では出口が用意されているのだが、それでも外に出られずに死んでしまう虫も

けっこういるようだ。ともかく雄性花序でたっぷりと花粉を体に付けた昆虫が、

この出口から外に出て、運よく次に雌性花序の納まった仏炎苞を訪れてくれれば、

受粉が成功するという仕組みである。

雌性花序の様子を見てみると、、、、。

W2177707.jpg緑色のとうもろこしの粒々のようなものが子房で、その先端にめしべがある。

そして、雌性花序では仏炎苞の合わせ目はピッタリ閉じており、

なるほどこの中で死んだ昆虫の死骸も多い。

W2177735.jpg死骸はすでにカビが生えたものもあって、かなり以前に囚われの身となったであろうことが

窺える。

草刈で4株ともなぎ倒されてしまったが、すぐそばの林内にもマムシグサは点々と生えていた。

じつはうちの近所にはあちこちにマムシグサが多数生えていて、

その開花時期もダラダラと長いので、こうした興味深い花の生態観察には

うってつけの場所でもある。

( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )










庭のコデマリが花盛りとなった。

花にはコアオハナムグリを筆頭に、多種類の虫たちが訪れている。

原稿書く手を休めて花を眺めている時間のほうがどうしても長くなってしまう。

今日はトゲヒゲトラカミキリが何匹か来ていた。

W2167499.jpgトゲヒゲトラカミキリはせかせかと忙しく歩きまわる上に体も小さいので、

撮影には若干時間が掛かってしまう。

交尾しているカップルもいた。

W2167532.jpg面白いのは、オスのポーズだ。

前脚2本でメスの体にしがみつき、中脚、後ろ脚は宙に浮かせているのである。

とくに中脚はV字型に高く広げている。

この中脚をこのようにする理由とはなんであろうか?

それで思い出したのが、トウキョウヒメハンミョウの交尾姿勢だ。

トウキョウヒメハンミョウのオスは、大アゴでメスの体にしがみつき、

そして前脚を左右に広げているのである。

( 写真/ E-520  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )





産卵の真偽とは

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もうすぐ羽化を迎えようというスミナガシの越冬蛹。

おそらくここ数日内に羽化すると思われる。

その蛹は庭の梢の間にぶら下げてあったのだが、、、、、、、、、、。

W2167477.jpg蛹が身をよじらせるようにして、振り子運動をしていた。

何事かと近寄って見れば、キアシブトコバチがしつこくまとわりついていた。

どこからやって来たのか、どのように匂いを嗅ぎつけてきたのか?

こういう寄生バチを見るたびに不思議な気がするが、

キアシブトコバチはチョウの蛹を常にターゲットとして探し出す、プロフェショナルだ。

蛹あるところに、キアシブトコバチがやって来て当たり前といえる。

蛹は激しく体をゆすって抵抗するものの、どうやってもコバチの着地を阻止できない。

W2167488.jpgコバチと蛹との隙間をよ~く見ると、産卵管が突き立てられていた。

一方、蛹のなかではすでにチョウの体がほとんどできあがっていてそれが黒く透けて見える。

はたして、コバチにとってこの蛹は産卵に適しているのだろうか?

産卵管が突き立てられたからといって、ほんとうに産卵したかどうかはわからないが、

コバチの寄生可能な蛹とは、どの程度までの期間なら許容範囲に入るのであろうか。

( 写真/ E-520  シグマ105ミリマクロ )









犬の散歩で近くの公民館まで行く。

散歩コースのなかでも、今のところはここまでが最長コースであり、

その先まで足を伸ばそうか、という元気が出ない。

体調はかなり元に戻ってきたが、下腹部、脇腹の筋肉、神経などが完全治癒しておらず、

そのせいで疲れが出やすいのは、もうしばらくの辛抱だろう。

くしゃみをすれば縫合箇所がズキンと痛むのもまだ解消されていない。

昨日は、公民館の広場で犬のロープをはずしてみた。

走りたくてウズウズしている様子を見ていると、甘くなってしまう。

それがいけなかった。

チョロは広場を2周駆けると、私の制止する声も聞こえないほど興奮し、

有頂天になって外へと飛び出して行き、ついに昨夜は戻ってこなかった。

今朝になって犬小屋を覗いてみれば、ちゃんと寝そべっているではないか。

チョロが自主的に外泊したのは、これが初めてのこと。

どこをうろついていたかはおおよそ検討がつくが、餌はどうしたのだろう?

牛舎の匂いがプンプンするので、敷き藁の隅っこにでも潜り込んで

夜を過ごしたのだろうと思う。

公民館のサクラの幹では、ヨコヅナサシガメの羽化が盛んになってきた。

X2157128.jpg
羽化したあとも、新成虫は幼虫集団とともにしばらくは過ごしている。

もうじき、強い春風に乗って遠くへと分散していくのだが、

ヨコヅナサシガメの波打った腹部のひだの広がりが、

うま~く風を受けて翼の役目を果たすようだ。

( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )









お知らせ

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新開孝への連絡はこちらまで↓

kamakirisan@shinkai.info

X2146859.jpg             ※ねぐらに落ち着いた、ヤマトシジミ

                            (写真/E-3 50ミリマクロ )


春型、アゲハ

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ここ数日、アゲハが庭や林をよく飛び交っている。

どのアゲハもたいへん敏捷に飛翔し、花にも寄りつかない。

春型のアゲハが花を訪れている写真は、意外と手持ちのストックが乏しい。

夏や秋に比べて、発生個体数が少ないせいもあるかもしれない。

今日は朝まで雨が降り続いた。

庭のレンゲは去年より株が増えていて、花に来る昆虫の顔ぶれが気になっていた。

午後から晴れ間も出始めたが、風が強い。

ようやく春型のアゲハが、レンゲの花にやってきた。

強い風にあおられて、撮影するのも一苦労する。しかし、アゲハのほうも安定しない足場

のために手間取っていた。これは逆にチャンスだ。

メスのアゲハはレンゲの花でしばらく吸蜜したあと、一気に上空へと姿を消した。

X2146803.jpg

X2146808.jpg

そういえば3月21日にサンショの若芽に産卵されていた卵fだが、、、。

その後、4月7日にふ化して、そして今日、見に行ってみると2令の段階まで成長していた。

X2146817.jpgうちの林にはサンショの実生がたくさんあるので、先月のうちに何株かを庭に移植したり、

鉢植えを作っておいた。

アゲハの成長を追う撮影も予定に入れているが、その場合、鉢植えや地植えのサンショを

天敵からガードするためのネットも用意しなければならない。

( 写真/  E-3  シグマ105ミリ )





クヌギで順調に育っているキマエアオシャク幼虫。まだ3匹とも健在。

脱皮したあとクヌギ若芽をかじるほどに、幼虫の体の色も若芽に似てきた。

X2136726.jpgこのあとクヌギの若芽が成長して若葉となるころには、

キマエアオシャク幼虫はもっと緑色の濃い姿へと変身していくはずだ。

もっともその様子を紹介できるまで、3匹の幼虫がみな無事でいるかどうかは、

かなりあやしいと思っていたほうが良いだろう。

( 写真/ E-3 シグマ105ミリ )

訂正/ 昨日の記事のなかで、マムシグサの仏炎苞の色について、宮崎や鹿児島では、

     紫色しか見ていないと書いたが、これは誤り。

     このブログの3月12日、「春の陽射し」で緑色の仏炎苞の写真を載せていたこと

     をすっかり忘れていた。

     しかし、紫色のほうが圧倒的に多いことは間違いない。





この原稿を書いている今も(午後7時47分)、

部屋の外からはジィーーーーーーーーーーーー!という、虫の鳴き声があちこちから

聞こえてくる。

玄関のすぐ前でも2匹が競うようにして鳴いており、これがけっこう賑やかだ。

虫の正体は、シブイロカヤキリのオス。

このあたりでは、シブイロカヤキリが多く、クビキリギス、オガサワラクビキリギスも

ほかにいる。

X2126501.jpgちょっとうるさいやつだな、なんて思いながらその様子を間近で見てみた。

するとシブイロカヤキリは、前脚をふんばって一生懸命がんばっているように見受ける。

うるさいけれど、憎めないなあ。

人が近づく気配を察すると、サッと鳴き止み、草に体をピタリと貼り付ける。

X2126521.jpgいわゆる「草化け」というポーズだろう。

こうなると、いくら近づいても逃げようとはしない。

( 写真上、下/ E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ +ストロボFL-36R )







紫色の花あり。

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犬の散歩から戻った嫁さんが、紫色してでっかくて奇妙な花を見つけたと言う。

話の様子からして、マムシグサだとわかった。

それでも嫁さんは初めて見たらしく、その「むらさき色」という表現を強調する。

行って見て来いというのでどうせ知っている花だよと言いつつ現地確認に出向いた。

うちからすぐ近くの林の縁に、なるほどやはりマムシグサが4株、並んでいた。

花とはいっても周知のように、花のように見える部分は

仏炎苞と呼ばれる筒状の苞であり、

花そのものはこれに隠れていて見えない。

どの株の仏炎苞も林のほうに向いており、散歩道を歩く目線からは、

下の写真のごとく髪を結った少女の後頭部にも見えて来る。

X2126440.jpgいや、あるいは鎌首を持ち上げたヘビの後頭部にも似ており、

マムシグサの仏炎苞は、「ヘビ少女」ではないかと思えてくる。

かつて多摩丘陵でよく見かけていたマムシグサの仏炎苞は薄い緑色のことが多かった。

宮崎や鹿児島では紫色が多い。

X2126413.jpg
マムシグサを撮影するとき、これまでは上の写真のように仏炎苞の開口部からのアングル

ばかりを選んできた。ま、この絵柄こそマムシグサの顔と言えるのだろうが、

先の写真のような後姿にも、妖しい雰囲気が漂っていることにあらためて気付いた。

嫁さんの発言がなければ、私もわざわざマムシグサを見に行くこともなかったわけだが、

騙されたと思って重い腰を上げたおかげだろう。

せっかくだから、少し遊び感覚で撮影してみた。

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( 写真上、中/  E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ )

( 写真下/    E-3   ズイコーデジタル8ミリ魚眼 )




来週4月19日(日曜日)、午後7時半~、

NHK総合テレビ番組、『街に出た名ハンター オオタカ』 が

放映される。取材撮影は、おなじみの つばめプロ さん。


人社会が優先する環境のなかで、オオタカがいかに生きているのか!?

興味ある方は是非、ご覧下さい。



さて、つばめプロさんから、番組お知らせハガキをいただいたとき、

オオタカの営巣していた林のことを思った。




所沢市の下新井という場所には広大な雑木林があって、私が29歳の頃から

そこはメインフィールドとして、ほとんど毎日のように通っていた。

アパートから車で15分と掛からないのでフィルムを切らしたときなど、

大慌てで取りに戻るなどということもできた。

水場に設置したロボットカメラは2時間ばかり所要で林から離れた隙に盗まれたこともあった。

平日はほとんど人気のない林だったが、やはり東京近郊でもあり

油断はできないと思い知った。

「無惨!昆虫写真家の卵、新開孝さん、絞殺される!」という

新聞記事の見出しが載るやもしれぬという、あわや一歩手前の恐い経験もした。

下新井の雑木林に初めて訪れた頃はゴミの投棄などもほとんどなく、

林はどこも綺麗に手入れされ、私が車を置く場所にも困らなかった。

ところが数年経たないうちに不法投棄が急激に増え始め、農家の方々も防衛策として

車の駐車を阻止するバリケードをあちこちに置くようになってしまった。

林の手入れも為されずササがはびこって荒れていく林も増えてきた。

林の変貌する姿を前にして、なんともやるせない気持ちになったものだ。

いろいろな想い出の詰まった雑木林ではあるが、主にこの林を舞台にして、

『武蔵野台地の四季』(NHK生きもの地球紀行』という番組を共同取材撮影したことも

懐かしい。もう10年も昔のことか。

林にはオオタカが営巣していて取材前から私もときどき巣の直下を歩いたりしていた。

1年半あまりの取材撮影のあいだにはいろんな出来事があった。

ある日、長野ナンバーの軽ワゴン車がオオタカの巣の近くに止めてあって驚いた。

サングラス掛けて雪駄を履いた兄ちゃんがウロウロしているので、

「ここで何しているのですか?」と尋ねると、

「釣り、釣り、釣りだよ。」と私の質問をはぐらかすように兄ちゃんはぶっきらぼうに答えた。

車の中を覗いてみれば、大きな竿網やらロープやらといかにも怪しい道具が載っていた。

他にも不可解な事件もあったりして、鳥に関わる撮影は昆虫の場合よりいかに

厄介な問題を孕んでいるかを体験した。

アオゲラの繁殖の撮影ではずいぶんと苦労したが、私と平野さんが交替で巣に張り付いた。

巣立ちのシーンを私が撮影したときには、平野さんからずいぶんと褒められて嬉しかった。

真冬の水場の撮影も、平野さんと私が日替わりでブラインドに篭った。

「お疲れさん!今日はどうでした?」とお互いが昼の弁当の差し入れをするたびに

成果を尋ねる。

「凄かったよ!!今朝はコジュケイが来てさあ!次々と手水に飛び乗ってきたよ。」

手水の水場でコジュケイの群れを撮影したときの興奮と感激は、

いろんな想い出の中でもとくに私にとっては忘れがたい出来事だった。

ガサゴソと藪の中から音がし始め、最初のコジュケイが姿を現す前から

私はビデオカメラを回し始めた。もうその時点で胸はドキドキと激しい鼓動を打ち、

足はガタガタと震えていた。手の震えがカメラに伝わるのではないかと心配したほど。


先日、その懐かしいビデオの冒頭部分だけを観てみた。

春風に舞うヤマザクラの花吹雪は、壮観だった。

私がパジェロの運転をし、車の天井で平野さんがカメラを担当した、

林の移動撮影の絵も、早春の芽生えが鮮やかに光輝くシーンだった。

パジェロをゆっくり始動したあとエンジンを切り惰性走行の間に

撮影をするというやり方だった。何度もNGを出してこれを繰り返したものだ。

エンジンを切ると途端にハンドルが重くなるので、ずいぶんと緊張した。


だが、しかし、あの壮大なヤマザクラの花吹雪の光景も、

雑木林を背景にした綺麗な桑畑の並んだ光景も、

いづれも今は跡形もない。




















太陽の下で

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今日の日射しは肌を焦がすほど強烈だった。

朝食を終えて玄関を出たとたん、オオカマキリのふ化シーンを撮影することになった。

まだ午前8時だったが、強い光線を直接受けるオオカマキリの卵と、

それとは逆に光をあまり受けていない背景の林や畑と、

それぞれの明るさにはたいへん差があって、露出の調整が少し手間取った。

これがスタジオ内での撮影なら、光の当たり加減は事前に思い通りに調節できるので

苦労しないが、しかし、太陽の下で撮影するときの清々しさが、室内にはない。

これは撮影者の気分の問題でもあるが、その気分とはけっこう大事なところだろう。

X2116171.jpg上の写真は野外で撮影したものだが、ここまでクローズアップするならば、

これとまったく同じ写真をスタジオでも再現できる。

けれども、撮影者である私がこのような写真を観るときに、スタジオでの作業を思い起こすのか、

それとも野外で気持ち良く撮影したことを記憶として持っているかでは、

言うまでもなく大きな違いがある。

売るための写真に徹する場合であれば、そのどちらであっても関係ないわけであるし、

スタジオ撮影のほうがはるかに効率は良い、はず。いわゆる経済効率大ということだ。

だが、2年前にここ宮崎に引っ越してから、そのへんの捉えかたというか、

気持ちの構え方が変わってきた。

( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )








ま、飼育法というほどでもないが、

飼育中のヤママユ幼虫たちも、ほとんどが2令へと脱皮したところである。

葉っぱを食べる量も日増しに多くなってくる。

水差しにするコナラの枝も大きくなってくるので、飼育ケースなどには納まらなくなった。

そこで、写真のような手抜き飼育法に切り替えてみた。

X2116220.jpg幼虫は餌の葉っぱがたっぷりとあって、個体密度も低くおさえておけば歩きまわることもなく、

このように解放しておいても逃走される心配はない。

この方式だと、糞の掃除も簡単だし移動も手軽にできる。

ただし気をつけたいのは、室内にいるであろうクモやムカデ類などの天敵である。

通常の家庭ならまず問題ないと思うが、うちではそうはいかない。

万全の策としては寒冷紗などで全体をすっぽりと覆っておくと良いだろう。

ビニール袋だと蒸れてしまうし、うっかりすると高温となって幼虫の健康上よろしくない。

( 写真/ E-520  ズイコーデジタル14-54ミリズーム )





今日は、ふ化

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オオカマキリの卵のうは、2月に入院する前に集めておいた。

ところが退院してうちに戻ってみれば、玄関先に置いてあった10個ほどの卵のうは、

全部消えていた。よく探してみるとあちこちに食いちぎられて散らばっていた。

おそらくカラスの仕業だろうと思っている。カラスがカマキリの卵のうを食べるところを

何度か目撃しているからだ。食べ散らかした痕の様子もまったく同じだった。

仕方が無いので、退院後にもう一度探し集めた。

そのうちの一個が今朝になってふ化した。

X2116084.jpg
一斉にふ化する様は、なんとも賑やかだ。

賑やかなのはいいが、このような状態はたいへん彼らにとっては危険なはずである。

体がしっかりしてくると、それぞれが地上の草むらへと飛び降りていく。

急いで草むらに逃げ込む必要があるのだろう。

X2116133.jpg草むらに降りてからのふ化幼虫たちは、あれだけいたのにも関わらずすっかり姿を隠してしまう。

あわてて幼虫たちを回収しようとしても、これがけっこう厄介だ。

下手に素手で掬い採ろうとすると、体のもろい幼虫を傷つけてしまう。

もっとも、草むらに迷い込んだ彼らを待ち受ける天敵も多くいる。

(写真/ E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ )






歩く枯れ葉

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庭の小さなクヌギには、キマエアオシャク幼虫が3匹いることは前にも紹介した。

さて、そのクヌギに残っていた枯れ葉になにやら気配を感じる。

最初はなんだかよくわからないが、それでも気に掛かるので近づいてみれば、

サツマヒメカマキリの幼虫だった。

いや、本種がサツマヒメカマキリか、ヒメカマキリなのかは、まだ確認できていない。

これは2年前に引っ越してきてからの課題となっているが、

ヒメカマキリ属 Acromantis 2種を、きっちりと区別同定できる人が、

いったい何人いることだろうか?

私はとりあえず、幼虫越冬するものをサツマヒメカマキリではなかろうか?と暫定的に

区別している。季節ごとに成虫標本を集め、きちんと整理して精査すれば手掛かり

くらいは掴めるか、と思うが、腰が重い。

(写真/ E-3 シグマ105ミリ )

X2105995.jpg

羽化

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昆虫が育つ上では、かならず脱皮を何回かおこなう。

これを変態というのは誰でも知っていることだが、「変態」と口に出して言うのは

なんとなく誤解を招きそうで、これを「変身」などと言い替えたりする。

さて、昆虫が成長を遂げて最後に行う脱皮が、「羽化」である。

幼虫時代にはなかった翅が成虫ではちゃんと揃うので、「羽化」というわけだ。

ここで「羽化」の「羽」がなぜ「翅」と書かないかは、よく知らない。

ところで、世の中では「羽化」と「孵化」がよく混同されて使われていることが多い。

「孵化」は、幼虫が卵から生まれ出てくることを指す言葉だ。

なぜ「孵化」と「羽化」が混同されてしまうのか?

これも理由はよくわからないが、ニワトリの孵化に「誕生」という強い認識があって、

昆虫の場合に成虫へ変身を遂げること(「羽化」)を、これも誕生と捉えるとき、

認識度の高いニワトリの「孵化」が、そのまま昆虫の羽化に置き換わるのであろうか?

私がいろいろな方と虫のお話をしていると、

この「孵化」と「羽化」を取り違えている人に出くわす機会は少なくない。

その取り違え方は、孵化を羽化とする場合と、羽化を孵化とする場合の

両方あることからも、これは「う」と「ふ」の発音が似ていることからくる混同かもしれない。

つまり漢字を念頭に入れてお話していないからかもしれない。

すると、昆虫の誕生日というのはいつを指すのだろう?

卵が産み落とされた瞬間か?それとも孵化したとき?

人間の感覚からすれば、やはり誕生日は孵化の日ではないだろうか。

そして強引に当てはめるならば、羽化は成人式?ということか。

羽化と孵化の違いを説明するとき、この誕生日と成人式という言い替えなどは

わかり易いかもしれないが、これはこれでまた別の誤解を招きそうだ。

前置きが長くなったが、

今朝はベニシジミがやっと羽化した。

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だいぶ前、このブログで3月に蛹化を紹介した蛹が羽化したわけだ。

地面近くの草むらで羽化するベニシジミは、

翅を伸ばす場所を求めて、しばらくはチョコチョコと歩きまわる。

( 写真/  E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ+2倍テレコン )


シジミチョウ類の羽化は、たいへん素早いという印象が強い。

もちろん個体差もずいぶんあって、今朝のベニシジミは幸いにもゆっくりと羽化してくれた。

しかし、大概は速いのであって、蛹から抜け出すシーンを撮影するとき、

以前は連写モードを使っていたことがある。

その場合、ストロボの発光間隔も連写に同調させる必要があるので、

ストロボの電源には積層電池を使うか、ストロボの光量を最低に設定して

台数で光量を稼いだりしたものだ。

パリッと蛹の頭部に割れ目が入った瞬間シャッターを押し込みあとはカメラまかせ。

ビデオ撮影だと回し続けていればよく、フォーカス移動に専念できるからやり易い。

しかし動画では蛹に割れ目がはいる前の段階から絵が欲しいから、

羽化の少し手前のタイミングで撮影ボタンを押せるようにしないといけない。

私はオオミドリシジミの羽化をビデオで何回か撮影しているが、

そのタイミングを掴むまでずいぶんと苦労した。

















朝の日光浴

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朝、田んぼに降りてみた。

彼方のレンゲ畑を白いチョウが低く舞っていた。

飛び方は弱々しく、遠くてもツマキチョウだとわかる。

どこへ着地しようかと彷徨っているようだ。

そこで見失わないように気をつけながら畦道を駆け寄って行った。

おお!さすがに小走り程度の運動もできるようになったな、と改めて気付いた。

歩くだけでも疲れる、などと言っていたのはもうだいぶ前のことになった。

さて、私の期待通りにツマキチョウのオスはレンゲの花に着地してくれた。

翅をわずかにV字型に広げ、日光浴を始めた。

W2086995.jpgうちの林にはツマキチョウの蝶道ができていて、

林の同じようなコースをよく往来している。

ふと見れば、ツマキチョウのメスが林の真ん中のオニタビラコの花で吸蜜してた。

サンダルを履いていたので少し躊躇したが林の斜面を一気に駆け下りてみた。

林には2本の道をこしらえているが、それを辿っていたのではまどろっこしい。

急斜面を直滑降だ。こんな危なっかしいことして撮影できなければ、どうする!

一瞬そう思ったが、メスはいかにも落ち着いて吸蜜しながら私の到着を待っていてくれた。

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( 写真上/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

( 写真下/ E-520  ズイコーデジタル50-200ミリズーム )  











今日などは、フィールドを出歩けばかなりの種類の虫たちに出会えたであろうと思う。

うちの林や庭を眺めてみるだけでも、被写体に困らないほど虫たちでにぎわっていた。

少し書き連ねてみると、

コミスジ、ヒメウラナミジャノメ、モンシロチョウ、スジグロシロチョウ、ツマキチョウ、

モンキチョウ、キチョウ、アゲハ、タテハモドキ、キタテハ、ベニシジミ、ヤマトシジミ、

サツマシジミ、コチャバネセセリ、クロウリハムシ、クロオオアリ、クロヤマアリ、

ナナホシテントウ、シロオビハラナガツチバチ、クマバチ、ムシヒキアブの一種、

ナナフシ幼虫、セイヨウミツバチ、カワトンボ、、、、、、などなど。


リビングでコーヒーを飲んでいたら、今年から中学に進学するW君が遊びに来てくれた。

W君に最初に出会ったのは、彼が小学5年生でやはり春のことだった。

W君は昆虫少年だが、干潟の生き物、とくにカニやエビなども好きなようだ。

彼と林の前で話をしていると、足元のクマイチゴの葉上にシロオビナカボソタマムシが

何匹か目に付いた。

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W2087127.jpg( 写真/ E-520  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )






トウモロコシ畑

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暖かい、というよりか暑い!そんな一日だった。

部屋の中のほうが余程ひんやりしていて、思わず外に出たくなる。

街に用事で出掛けた帰りに、うちのすぐ下の畑で仕事しているNさんに出会った。

トラクターの後ろには何個も並んだタイヤが引っ張られている。

W2076912.jpg並んだタイヤの上にはコンクリートブロックの重しまで乗せてある。

興味が湧いて、畑の土をそうやって踏み固める理由を聞いてみた。

ここの畑は春先から堆肥を入れたり、耕したり、そして畦の草刈をしたりと

下準備の作業を何度も見かけていた。

この畑にはすでにトウモロコシの種子が蒔いてあるそうだ。

土を被せたあと、こうして踏み固めておくと、種が発芽したあとしっかりと根付くらしい。

作業としてはほぼ最後の段階だが、このあと除草剤も散布するという。

ともかくトウモロコシ畑一つとってみても、ずいぶんと作業量があることがわかる。

夏の7月ころに収穫できるトウモロコシは、牛の餌となる。

写真画面うしろにわが家が見える。

雑木林の芽吹き色もどんどん濃くなってきている。

( 写真/  E-520  ズイコーデジタル14-54ミリズーム )






春のはやにえ

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X2065532.jpg

モズのはやにえを、クリ林でいくつか見つけた。

はやにえは、秋や冬場にはよく見かけるが、

サクラも散り始めた今頃になってから見る機会は少ないように思う。

写真のニホンカナヘビは、つい先程に突き刺されたばかりのようで、まだ体は柔らかい。

他には、コアオハナムグリが2個体、そしてツチイナゴが一体、

同じようにクリの枝先に刺されてあった。

いづれも新鮮なはやにえであった。

この時期、モズは繁殖期の最中であって、モズのメスがねだり鳴きをして

オスから餌を受け取る様子があちこちから聞こえてくる。

春とはいっても花冷えする日が続き、モズの狩猟の成果にも影響があったのではないだろうか?

今日は一気に暖かくなった、そんな一日だった。

モズの目に止まる獲物の数も、連日の不作から一転してたちまち増えたのは間違いない。

彼らの習性としては、動く者はまず獲物として黙って見過ごすことはないはずだ。

衝動的に獲物に飛びかかっていけば、

あっと言う間に食べきれぬほどの食糧が手に入ったと思える。

(写真/ E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ )




オバボタル

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午後5時半ころ、オバボタルを散歩の途中で見つけた。

X2065572.jpgこのところ室内で撮影しているか、原稿を書いているので、あちこちのフィールド巡りはほとんどしていない。

せいぜいうちの敷地内かその周辺の散歩コースを歩く程度。

やはり2月に手術をしたことから、3月いっぱいで仕上げるつもりだった仕事が、

4月に入ってから始動している状況で、かなり忙しい。

しかし前にも書いたように、状況は忙しいものの、気持ちのほうはいたって穏やか。

それと自分の住んでいる敷地内、そして近所のさり気ないフィールドをこまめに継続して眺めることから

得るものも多い。

(写真/ E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ )


鈴木知之さんの本

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昆虫写真家の鈴木知之さんの、『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』(文一総合出版社)が届いた。

朽ち木にあつまる虫.jpg本書は、朽木という環境に関わる昆虫やその他の生きものをグループ別に解説したガイドブック。

このガイドブックを見てまず思ったことは、私には到底まねのできない仕事だということ。

昆虫各種の幼生期を丁寧に掘り下げて紹介しているが、

これだけの種類数を揃えるには野外観察のみならず、飼育観察も重要であり、

飼育の手間やその観察の持続というものは並の努力でできるものではない。

飼育の苦手な私などは早々に投げ出してしまいそうな仕事である。

しかし、鈴木さんがコツコツと地道に観察と撮影をなさったその成果は、

今後、野外に出ておこなう朽木に関わる観察を、一層興味深く、

そして面白い世界へと導いてくれることは間違いない。

これまで野外観察のなかで疑問に思っていたわだかまりの数々が、

本書をざっとめくっただけでも次々と解決できたくらいだ。

さらにじっくり読み込んでいけば、野外観察力も格段に向上するであろうと思う。











そばかす模様

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昨日、マダニ退治をしたばかりの飼い犬だが、

今日、首輪を新しいものに取り替えているときに、またもやキチマダニが一匹見つかった。

しかも飽血して体の大きさは小豆より大きい。やはり見落としがあったのだ。

さっそく消毒用アルコールとピンセットを使って、そっと飽血マダニを引き剥がした。

あまり神経質になっても、とは思うが散歩コースにはマダニが多い。

かといって、草むらを避けて舗装道路ばかりを歩かせるわけにもいかない。

こりゃあキリが無いなあ、ということでマダニ予防薬を買うことにしたのであった。

今日は朝から雨が降り続いたが、夕方近くになってようやく止んだ。

犬の散歩に出掛けてみると、クロコノマチョウの大きなメスや、そして草むらのねぐらで休んでいた

キチョウに出会った。

X2055421.jpg(写真/ E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ )








卵の色変化

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ミヤマセセリの卵色に明らかな変化が見られたのは、

産卵日(4月2日)から2日目のこと。

写真は上から順に、4月3日、4日、5日と一日おきに撮影した。


W2036848.jpg
W2046850.jpg
W2056855.jpg

卵の色変化は、モンシロチョウなどシロチョウ科のなかまではよく見られる。

(写真/ E-520   オートベローズ+ズイコーマクロ38ミリ トリミングあり )


今朝、犬の散歩から戻ってみれば、チョロの顔にマダニがついていた。

いつものことだからと思い、サッと指で摘んで取り払った。

摘むといっても相手は1ミリ前後のマダニだから、ちょっとコツも要る。

ところが、よく見れば一匹だけでなく次々と見つかる。ワサワサと歩き回っている。

摘み取っては石ころを使って一匹ずつ潰す。

潰しておかないと、またチョロの体に這い登ってしまう。

しかし、3匹潰したところでこれはイカンと思い作戦を替えた。

目の細かいノミ取りブラシでブラッシングをしながら、犬の体毛に隠れているマダニを摘み出すことにした。

見つかったマダニはピンセットで捕らえ、アルコール瓶に入れていった。

さて、発見できたマダニの数は6匹。どうやら、キチマダニの成虫とその若虫のようである。

そのキチマダニと、昨日、別の場所で捕獲してあった、タカサゴキララマダニのメスを一緒に並べてみた。

X2045381.jpg写真画面左の一番でっかいのが、タカサゴキララマダニのメス。ほぼ円形の体は直径5ミリはある。

画面右側の小さい5匹がキチマダニ若虫で、上のひときわ大きい(2ミリちょっと)のがメス成虫かと思われる。

タカサゴキララマダニは、昨日、都城市、安久児童館の小学生のお友達が草むらで見つけたもの。

「先生、これなんですか?」と、私に見せてくれたときの状況が、下の写真。

X2035282.jpg
写真のように草にしがみついていた。あとでわかったことだが、この状態ですでに死んでいた。

こんなでっかいマダニを見るのは私も初めての経験だったが、

このタカサゴキララマダニによる人への吸血被害はかなり多いようだ。

厄介なのは、こういったマダニに吸血されてもすぐには気付かないところだ。

犬の場合、マダニ予防によく効く薬があるが、けっこう値段もする。

それでも予防策があるから良いものの、人の場合はそうもいかないようだ。

草むらに這いつくばったままの姿勢で長時間に渡って撮影することもよくある私のような者は、

とくに気をつけなければならない。







今日は、昆虫観察会を行うための下見ということで、都城市の安久児童館というところに行ってきた。

散歩の時間に訪れた溜池のイヌビワで、イシガケチョウの卵をいくつか見つけた。

イヌビワの開きかけた若葉に産み付けられた山吹色の卵は、小さくても容易く発見できる。

しかし、この小さな卵を大きく撮影するとなると、けっこう厄介だ。

X2035338.jpg今日の写真は、撮影倍率で言えば約7倍となる。つまりカメラの受像素子面に実物の7倍の大きさで写し込むことになる。

使用したレンズはズイコーマクロ20ミリで、これに2倍テレコンを着けてカメラは、E-3。

この組み合わせで、手持ち撮影だから、かなり無謀と言える。

しかもオート絞りではないから、フォーカス合わせしたあとレンズの絞り込みボタンをグイっと押し込んでから、シャッターを切る。

となると、押し込んだ瞬間、カメラ全体が揺らがないようにしっかり保持していないと、
フォーカスが狂うし、被写体も画面の思い通りの場所から外れてしまう。

このような撮影法、通常は行わない。

機材を極力コンパクトにして、なおかつ高倍率接写撮影をしたいときに考えられる方法、つまり簡易撮影法ということだ。

機材を極力切り詰めたい辺境のフィールドで仕事をするときなど、重宝するときもあるかもしれない。

だからそんな場合にも備えて、敢えてこのような無謀な撮影法も練習しておきたい、、、、、、

などと言えば、聞こえもいいはず。

(写真/ E-3  ズイコーマクロ20ミリ + 2倍テレコン 内臓ストロボ、FL36Rストロボ2灯 )









8本あし

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カーテンを閉めようとして、テレビの後ろ壁にアシダカグモの幼体を見つけた。

幼体といっても、クモとしてはでっかい。脚を広げるとゆうに500円玉硬貨ほどの大きさはある。

もっと大きいか?

なんとか撮影しようと追い回したが、相手はとっても迷惑そうだった。

X2035207.jpg
クモは気持ち悪いとか、嫌われたりするけれど、体前半部の姿は「カニ」そのものではないか。

カニだよ、カニ。

正面から見てみると、お相撲だよ、お相撲。

はっけよい!

X2035216.jpg(写真/ E-3  シグマ105ミリマクロ + FL36Rストロボ使用 )






尺取虫

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クヌギやコナラの枝先でよく見つかるシャクトリムシとして、

ハミスジエダシャクがいる。

頭部が冬芽、体は枝となって、うま~く化けている。

冬場に見つかるこのシャクトリムシの体長は、せいぜい1センチ~2センチていど。

しかし、昨日見つけたヤツは、すでに体長3センチを超えていた。でっかい!

X2025106.jpg今日になって再び覗いてみれば、ほころびかけたクヌギの若芽を丸々たいらげていた。

尺取歩きも、ダイナミックである。速い、速い!

W2016772.jpg
どうやらこの幼虫の止まっていたクヌギは芽吹きが早く、栄養たっぷりの花芽をモリモリ食べて一気に肥えたのではないだろうか。

(写真上/ E-3  シグマ105ミリマクロ )

(写真下/ E-520  シグマ105ミリマクロ )






室内でやらねばならない仕事もたまっているが、

今日は久しぶりに晴れたような気もするので、午後から三股町のある場所へと行ってみた。

X2014919.jpg
X2014943.jpg

ここは去年の秋に見つけた場所だが、畑の周囲にクリとカキ、そしてクヌギが何本か植えられている。

こじんまりとした何の変哲も無い場所だが、私のお気に入りの空間の一つ。

ふと足元をみれば、ハルリンドウの花がたくさん咲いていた。

やはり、四季折々通えば面白い場所だと思える。

クヌギの芽吹きは始まりかけたばかりだが、その梢を見上げていたら、
目の前でミヤマセセリのメスが若芽にすがりつくようにして、産卵をしていった。

X2014925.jpg
卵は、クヌギの若芽の近くの細枝に産み付けられている。

画面中央にクリーム色の卵が見えるが、わかるだろうか?

X2014928.jpgもう少し卵に寄ってみると、、、、、、、、

X2014930.jpg
さらに、拡大してみれば、、、、、、、、、

W2016810.jpgミヤマセセリの産みたての卵は、このようにクリーム色をしている。

しかし、時間が経るにつれて、しだいに色変わりする。

その様子を撮影しておけば、また紹介できるだろう。

ちなみに『里山昆虫ガイドブック』にも、ミヤマセセリの卵の写真が載っているが、

卵の色はまったく違う。


(写真上から2枚目まで/ E-3 ズイコーデジタル14--54ミリズーム )
(写真3、4枚目/ E-3 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )
(写真、最下段 /E-520 ズイコーマクロ38ミリ+オートベローズ、トリミングあり )




枝が脱皮した。

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先月から紹介してきたキマエアオシャク幼虫が、今朝になって脱皮した。

X2014873.jpg写真では、下向きの姿勢をとっている。

シャクガ類の幼虫が脱皮するときは、こうして必ず頭を下にして、さかさま脱皮をする習性がある。

これから若芽や若葉を食べるにつれて、体色は新緑の色合いへとさらに変化していく。

脱皮をする瞬間を見逃したが、この少し前の状態が次の写真。

X2014726.jpg脱皮前の休眠状態のまま、数日間をこうして過ごしていたが、

連日の雨や低温続きのせいで脱皮もかなり遅れてしまったようだ。

(写真/ E-3  シグマ105ミリマクロ )