5日間、家を空けて戻ってみれば、
夏型のベニシジミがやたらと多い。

写真の個体は昨日あたりに羽化したのだろうか、翅に傷一つ無い。
春型にくらべると橙色部分は控えめだが、白いふちどりが鮮やかさを引き立てている。
シジミチョウの中ではとくにサービス精神旺盛だと言えるだろう。
こうして翅を広げている時間はかなり長い。
( 写真/ E-330 ズイコーデジタル50ミリマクロ )
「野外用高倍率マクロ撮影」
野外で高倍率撮影と言えば、撮影倍率が3倍以上あたりかと思う。
この位の倍率からはレンズも限られてくるから、カメラメーカーによっては工夫が必要となる。
ここで撮影倍率とは35ミリ版換算としておこう。
キャノンだと1倍~5倍という65ミリマクロレンズがあって、これをAPS-Cサイズのデジ一眼
で使えば、1.6~8倍の接写撮影が可能となる。今のところこんな接写専用マクロレンズが
あるのはキャノンだけ。
このレンズは私も銀塩フィルムのころからずいぶんと使ってきたが、ともかくレンズがでっかく、
重く、なおかつ鏡筒が長く伸びるので、けっして使い易いレンズではない。
さらにこのレンズを使う場合、マクロツインストロボのようなマクロ専用ストロボまで
付随するので、ともかく機材がかさばることこの上ない。
さて、野外撮影でオリンパスの機材を使うことがほとんどとなった私は、
当然ながら高倍率撮影もオリンパスのレンズで行う。
マクロ35ミリレンズと2倍テレコンを組み合わせれば、倍率4倍まで撮影できる。
しかし、もう少し倍率を稼ぎたいことと、マクロ35ミリレンズは1.4倍テレコンと
組み合わせて、倍率の低い標準マクロレンズとして使う頻度が高いので、
この組み合わせをいちいちばらして、組み直すのも面倒。
そこで高倍率専用レンズを使うことにしている。
これは以前、海野さんが紹介していた方法だったと思うが、
ズームレンズの前玉はずしという荒技。
17.5~45ミリズームレンズという安価なレンズの前玉を、グイっとひねってはずすと
これがマクロレンズになり、このレンズを2倍テレコンと組み合わせれば最大約6倍の接写
が可能となる。写真右がその組み合わせ。左は同倍率をキャノンの65ミリマクロレンズで
撮影するときの状態。フォーサーズならこれだけコンパクトに組むことができるわけだ。

しかも17.5~45ミリズームレンズはプラマウントでもありたいへん軽い。
ズーミングできることから倍率の高い撮影でも被写体をフレームに掴まえ易いという
メリットも大きい。ただしテレコンと組み合わせるとオートフォーカスは効かないが
まずその必要性は無いから問題ない。
ストロボのライティングは、さすがに内臓ストロボでは光量不足となる。
そこで私は、サンパックB3000Sに自作のディフューザーを被せてこれをメイン光とし、
補助光としてFL-36Rを2灯、ツインフラシュブラケットで組見合わせて使っている。
サンパックB3000Sの発光部はレンズの光軸から左右にずれるので、
レンズ中心軸にくるよう、ストロボのアクセサリーシューも別途、取り付けている。

自作ディフューザーは発光部にスライド式で取り外しは簡単。
当初、このサンパックB3000Sとディフューザーの組み合わせは高倍率レンズ専用にと
用意したのだが、光源面が丸いのが気に入って、通常のマクロ撮影時にもよく使うように
なった。
ストロボが3台もカメラに取り付くと、これはものすごい合体ロボになってしまうが、
バラせば凡庸性が高く、機材の持ち運びに無駄がないのが良い。
どうせ外付けストロボは2台以上、いつも持ち歩く私だ。
オリンパスのツインフラッシュブラケットのおかげで、ずいぶんとすっきりした機材編成が可能と
なった。
17.5~45ミリズームレンズと、2倍テレコンの組み合わせで高倍率撮影をするときの
注意点としては、絞り値をf32以上で使うこと。f32で被写界深度はf16となる。
カメラの表示絞り値は、露出倍数の掛かった数字だから、つねに2絞り差し引いて計算
しておく必要がある。
肝心の画質だが、キャノンの65ミリマクロレンズと同倍率で比較してみたところ、
大きな画質の差はないと思えた。
ただしワーキングディスタンスが、65ミリマクロレンズのほうが長くとれるので、
ライティング上は有利でこれは評価できる。
が、しかしそこはライティングの工夫でなんとか克服できる。
今後、もっと良い方法を模索し続けてはいくが、
17.5~45ミリズームレンズ+2倍テレコンの組み合わせも、
今のところ実用範囲のレベルとして使っている。
レンズの前玉はずしは荒っぽい工作となるので、もしやレンズを壊してしまうことになっても
それは当人の責任の問題。私は決して薦めたりはしません。
もっともこの前玉はずしは、すでに多くの方が試していることと思う。
これとは別にズームレンズのリバースというやり方もあって、
糸崎さんが実際に使われているが、
工作を得意としない方は、二の足を踏むところだろう。
高倍率マクロレンズというのはほとんど商売にならないので、
どのカメラメーカーでもなかなか商品開発してくれないのだが、
だったらせめて、上記のような改造を有料サービスで行って欲しい、と思ったりする。
追記: ズームレンズをリバースしてもなお、絞り情報などレンズ情報全てがカメラ本体と
連動するためのアダプターを、何とか自作できないものかと思った。
以前、ノボフレックスだったかメーカーは定かでないが、
キャノンEOS用のリバースアダプターという製品があったことを思い出したからだ。
このアダプターはけっこうな値段で、昔、欲しかったけど手が出なかったのだ。
そうこうしているうちに65ミリマクロレンズが発売されこれもかなり高価なレンズだったが、
ともかく高倍率接写に欠かせないので思い切って買ったことも懐かしい。
さて、ズームレンズのリバースを、レンズの改造なしでできるなら、
そんなアダプターなら少しは需要があるだろうか?といえば、やはりごく少数だと思う。
したがってどこかのメーカーに頼るという望みは捨てて、自分で作ってみる。
これしかない。
思いついてしまうとシーズン中であっても、納得できるまで検討してみたい。
理屈では簡単なのだが、実際の工作はかなり厄介な工程だと思う。
さらに追記:キャノンEOS用
リバースアダプターはやはり、ノボフレックス社製のものだった。
今、国内のどこでこの製品を扱っているのかわからないが、
いろいろ調べてみると、リバースしたときのワーキングディスタンスがどうやら短いらしい。
そうなると高価なわりに使いにくいのかもしれない。
やはり自作するのが一番だが、ワーキングディスタンスを極力、長くとるための工夫が
要になってくる。