2010年8月アーカイブ


オオカマキリ終令幼虫を探しに、少し山間に入ってみた。

標高を上げればまだ幼虫が残っているかもしれない。

しかし、肝心のオオカマキリは成虫すら一匹も見つからなかった。



ついでに見ておこうと思っていたオオキンカメムシは、2年前にも繁殖したアブラギリに

幼虫たちがいた。

IMG_3845.JPGアブラギリの実に集まっていた数は10匹にも満たない。

オオキンカメムシの卵塊は100個以上になるから、幼虫はもっとたくさんいるはず。

他の幼虫たちは、おそらく目の届かない高い梢にいるのだろう。

キンカメムシは幼虫のときのほうがメタリックな色や輝きが強い。

IMG_3869.JPG林道を下りながら、キブシの実が気になった。

何となくいそうな気がして少し眺めていたら、やはりいた。

IMG_4001.JPGアカスジキンカメムシの4令幼虫たちだ。一匹は脱皮中。

アカスジキンカメムシはここ南九州ではたいへん少ないように感じる。

少なくとも平地ではまだ見たことが無い。

東京では公園などあちこちに多かっただけに、不思議な気がしていた。

今日、見つけた場所のキブシではかなりの数の幼虫が見られた。

数匹のメス親が集中的に産卵していったのではないだろうか。


昨夜の夜間撮影を終了できたのは、午前3時半。

部屋でパソコンに写真データを吸い上げていたら新聞配達のバイク音が聞こえてきた。

「ええ!!もうそんな時間!」撮影に没頭していて、時計をまったく見ていなかった。

午前6時過ぎには起きたので、睡眠時間は2時間ほどしかない。

目的のオオカマキリも見つからず、さすがに夕方頃にはドッと疲れが出た。

今日、入った林道ではミヤマカラスアゲハの吸水する姿が多く、さかんにおしっこを

飛ばしていたが、それをじっくりと撮影する余裕もなかったのは残念だ。







厳しい陽射しを受けていたかと思えば、パラパラとすぐに雨が落ちてくる。

IMG_3026.jpg昼前に一度だけ、ザアーザアーと激しく降り続いた。このまま雨模様になるかと思えば、

またカンカンと照り始めた。それでも草原は一日中、濡れたままだった。

IMG_2884.jpgクサキリのメスがいた。

たいていは草むらの奥へと逃げ込むが、うまいこと上へ上へと登ってくれた。

IMG_2897.jpgこのところ、敷地内で仕事をすることばかりで、ほとんど遠くのフィールドへ出かけること

がない。長くこういう状況が続いているので、思い切り遠くへ出かけたくなる。

自分の土地で仕事が捗れば、経費節約にもなるしこれに越したことはないのだが。

仕事の段取りを考えながら、遠出するタイミングを計ってみよう。

IMG_3234.jpg夕方、犬の散歩でオオカマキリの幼虫を探すも、やはりもう時期が遅いようだ。

なんとかせねば。  東北でもすでに成虫になっているようだから厳しいかもしれない。

ふと足元を見れば、セマダラコガネが風の匂いをかいでいた。


今日は夜間撮影もかなり長引く。日付をまたいでなお、撮影はまだ終わらない。






三股町、「みまたんえき」での写真展は、今日が最終日。

午前と午後の2回、ギャラリートークを1時間ずつ行った。

P8290019.jpg写真パネルはA1とA2のアルミフレームがメインだが、

A4、3枚組のボードもいくつか作ってみた。

上の写真もその一つ。真ん中は私が住む田上地区にある「田の神さま」。

田の神さまには公家や坊さんなどいろいろな姿があるなかで、

田上のお地蔵さん型は、けっこう気に入っているほうだ。念入りにお化粧しているが、

普段は地味で、もっと子供っぽい表情である。いつかその表情も紹介してみたい。

もしかしたらすでに一度、紹介したかもしれない。

P8290022_1.jpgギャラリートークは上の写真のような椅子の配置になるが、これだと外光が強く入って、

投影スクリーンの画像が鮮明にならないのが残念。

来年にもまた写真展は予定されているので、そのときには観客椅子の配置とスクリーンの

向きを改善したいものである。

今朝、犬の散歩から戻ってみれば、駐車場のアスファルト面で

カラスアゲハのオスが吸水していた。

IMG_2763.jpgこのところ連日、晴れていてもにわか雨が多く、洗濯物も野ざらしに干せない日々が続く。

いくらガンガンに陽が照っていても、安心はできない。

その代わり虹も毎日拝むことができる。

うちの駐車場は普通車なら7台くらいは納まる広さがあるが、その中で

カラスアゲハのオスはあちこち場所を変えながら吸水に余念がない。

翅の表も撮影したくなって、飛ぶ瞬間を待ってみた。

みまたんち2010 (3)_1.jpg写真は少しトリミングしているが、数日前から使い始めたEF-S60ミリマクロは

程よい焦点距離だと感じる。無限遠から等倍までレンズの長さが変わらないのも良い。

ブレ防止機構が内臓されていない分、値段も安い。

P8290028_1.JPG写真展最終日、会場にはこんな↑バッジも登場!

「オンブバッタ」オリジナルバッチは、三股町でないと手に入らない、、、、、、、、。

いや、残念ながらこれは売り物ではありません。





午後6時過ぎころ。

ミツカドコオロギの鳴き声を辿って、家から道一本隔てた草むらに入ってみた。

すると足元をクロコノマチョウが舞っていて、すぐにイネ科の葉うらに止まった。

産卵している様子だったが、私の気配に驚いて飛び立ってしまった。

葉をめくれば3個の卵があった。

クロコノマのメスはまた近くでフワリフワリと迷っているようだったが、

背丈の低い葉うらに静止。今度は遠目から刺激しないように観察してみた。

やがて飛び去ったので葉うらを覗いてみれば、5個の卵が並んでいた。

L1277966調整.jpg産み付けられたイネ科の植物は小さい。孵化した幼虫はすぐにも引越しせねば、

餌不足となるだろう。

チョウの卵にもいろいろな形や色あるが、私はジャノメチョウ類の卵が気に入っている。

どうしても撮影しておきたくなる


さて、今日は午後3時から、三股駅みまたんえき「M★うぃんぐ」で写真展が開場となった。

L1277932.jpgさっそくのお客さんは、南九州大学、昆虫生態学研究室の皆さん、そして近所の小学生の

お友達。

写真展は明日(午前9時~午後7時半)、明後日(午前9時~午後5時)

ギャラリートークは、明後日29日、午前10時半~、と午後2時~の2回。


このところ毎晩、クツワムシの大合唱の中にわが家はある。

アオマツムシの鳴き声も若干混じるが、クツワムシの音量の比ではない。

少し畑のほうに出向くと、こちらではタイワンクツワムシの鳴き声も増えてきた。

スズムシもあちこちに多い。マツムシはこの辺りでは少ないようだ。


(写真上: EP-1  14-42ミリズームレンズ改造 )

(写真下: EP-1  14-54ミリズーム )


先週からディーラーに修理出ししていた自家用車がようやく戻ってきた。

前輪左のホイールベアリングを2月に交換したのだが、

その部品が新品を取り寄せたはずなのに、なぜか劣化していた、という説明だった。

そのため短期間でおかしくなり、走行すると異音が発生したのであり、

修理解体作業にもたいへん手間取ったそうだ。

なんだか釈然としないがもちろん修理費用は無料であった。

とりあえず車はまた使えるようになったが、精一杯乗ったとしてもあと2ヶ月ほどで

廃車の予定。そのあとはどうするか、まだ未定。

車はともかく、バイクは欲しい。近場のフィールド探索にはバイクが良い。



朝鮮人参の香り

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けたたましいアブラゼミの鳴き声が窓の外から聞こえてくる。

アブラゼミを捕らえたのはたぶんハラビロカマキリだろうと、確かめに出てみた。

アカメガシワの幹上でがっちりと押さえ込まれたアブラゼミは身動きがとれない。

ハラビロカマキリは鳴き叫ぶセミの体に悠然とかぶりつく。

今の時期に多い光景だが、数日前にはアブラゼミを取り逃がした現場も見ている。

鎌脚でセミの両翅付け根を首尾よく押さえ込めればいいが、掴みどころが悪かった。

猛烈に暴れるアブラゼミはカマキリ自慢の腕を払って、逃げたのであった。

なんとなく後味の悪いようなカマキリの表情が印象的だった。

さて、庭に出たついでに畑のニガウリを覗いてみたら、シロオビノメイガが吸蜜していた。

IMG_2562.jpgニガウリの棚にはオオカマキリ幼虫がいたはずと探していたら、

サトイモの葉に、タイワントビナナフシがいた。

IMG_2563.jpg見慣れない人の目には、わらクズか何かに思えてまさか虫とは気付かないかもしれない。

たぶんそうだろう。

タイワントビナナフシは毎年こうして庭で出会う。なのにまだ出かけた先のフィールドで

目撃したことがない。探してこい、と言われても困る虫の一つだ。

今年の春はクヌギの梢でかなり小さい幼虫を見ている。クヌギの葉も食べて育つようだ。

虫である証拠写真をと、顔わかるように撮影しておく。

IMG_2584.jpg前脚と触角を前方に伸ばし、ピタリと揃えているので眼だけはわかるが、顔がどこやら

はっきりしない。化け上手なのだ。

レンズがすぐ近くに寄ってみても微動だにしない。

IMG_2582.jpgV字型に開いた前脚の間から、触角がはみ出している。

前脚よりか長~い触角は、タイワントビナナフシの際立った特徴の一つ。

で、やはり動きが見たいので、そっと体を摘んで持ち上げてみた。

すると摘んだ瞬間、ほのかな香りが漂ってくる。

漢方薬の朝鮮人参の香りによく似ている。

人参を漬け込んだ焼酎をずいぶんと昔にちびちびと賞味したことがあるので、

その香りはよく憶えている。

嫁さんの父親が大事に飲んでいたものを、こっそり盗み飲みしていたのだ。

ある日あまりにも量が減っているので、嫁さんにえらく叱られたこともあったなあ。

「少しならイイよとは言ったけど、こんなに飲んじゃって、お父さんにバレるでしょ!!

どうすんのよ!!」

「焼酎足しておけば、いいじゃん、、、、、」と私。


( 写真: EOS-7D  EF-S 60ミリマクロ  )




明日、27日~29日の三日間、三股町みまたんえき「M★うぃんぐ」にて(JR三股駅)、

私の写真展が開催される。

29日は午前(10:30~)と午後(14:00~)の2回、講演を行う。

今日は三股町役場のスタッフの方達と夜遅くまで会場の準備を行った。

P8260008.jpg去年もここの会場で写真展を開催したが、今回はレイアウトをすっきりさせて、

赴きを替えてみた。標本箱も並べている。

写真は3点以外はすべて新しいものに差し替えている。

前回に比べて、より三股町の風土に馴染んだ内容、とでも言えるだろうか。

そういえば、拙著の近作本ではほぼ100パーセント三股町町内で撮影した写真で構成し

ているものが5冊はある。まあどれも頁数は少ないけれど、全部併せれば

200頁にはなるだろうか。

P8260014.jpg役場のスタッフの方達からいろいろ展示方法のアイデアもいただいた。

私は漠然と準備していたのだが、良いアドバイスをいただけて楽しかった。

なんだか文化祭の準備を想い出すような雰囲気だったが、

あれ!?と思うことがあった。

スタッフの方9名のうち、私よりか歳上の人はいない?のではないか。

確実に同じ歳の方は一人。皆さん若い、、、はず。

あと2ヶ月ほどで私は、52歳。    

私の精神年齢はまだそこに追いついていないように思う。

いや、おそらく一生、実年齢と精神年齢がピタリと符号することは無いのであろう。

明日は午後3時から、開場する。

夏休みも終わってからの開催。どれだけお客さんが来てくれるだろうか?



ヒサゴクサキリは5月のころ、メダケで若い幼虫ならよく見かける。

しかし成虫は意外と目に付きにくい。

どうやら夜の灯りに来る習性もあるのか、窓や玄関前などで成虫が見つかることがある。

IMG_2531.jpgピタリとササの葉に身を伏せるように静止する。

胸部背面のひょうたん型の模様から「瓢草きり」と和名がついたようだ。

IMG_2521.jpg顔面には緑色の鬚のような模様が描かれている。

IMG_2515.jpgメスの産卵管はヘラのような形をしている。

この産卵管をメダケの葉鞘と茎の間に巻きつけて産卵するらしいが、その様子は是非

見てみたいものである。


( EOS-7D  シグマ50ミリマクロ )







先々週、お盆に帰省した愛媛県で、タケトゲハムシを見た。

場所は西予市、明浜町。

ササの葉には幼虫の食痕が白く目立っていた。

P8130026.jpg保育社の図鑑によれば、タケトゲハムシの分布域は九州そして中国となっている。

九州にしか棲んでいないハムシ、と思っていたが四国にも生息しているようだ。

四国のどの辺りまで確認されているのだろうか?

うっかり忘れそうになっていたので、今日、ここに書きとめておくことにした。



今夜は明るい月夜。

IMG_2142.jpg睡眠中のキチョウ。

そして、ジョロウグモの網巣に掛かった、ツクツクボウシ。

IMG_2237.jpg今夜はクツワムシをもう一度見ておいた。

数多く個体を見ていくと、緑色型と褐色型は半々くらいの割合でいる。

褐色というのは緑と茶色の中間型や、薄い茶色、赤味を帯びた茶色などと

変化があって、緑、茶色と単純に二分できない。緑色型でも脚の色などは茶色であり、

全身見事に緑色、という個体は見つからない。

明るい草むらでは、タイワンクツワムシが鳴いていたが、草の深い場所にもぐりこみ、

撮影は容易ではない。

今の時期はクツワムシの最盛期であって、林に囲まれた我が家はクツワムシの

鳴き声に包まれており、タイワンクツワムシの鳴き声はほとんど届いて来ない。



海教室

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今日は宮崎県日南市、潮小学校下の磯で、海教室に参加して来た。

主催は「にちなん文化の広場事務局」。

人の姿はほとんど無いに等しい綺麗な磯で、思う存分、海の生き物を観察できた。

P8230120.jpg磯の生き物を観察するというのは滅多にないが、私は小学生のころから好きではあった。

今日も夢中になって磯遊びする小学生の子ども数人が参加していたが、

その姿を見ていると懐かしい思いでいっぱいになった。観察とか自然科学とか、

そういう理科の時間など、要らんなあと思えるのであった。


野遊びと言えば、私は山や川よりか海のほうが断然好きだったから、

私がかつて自然音痴だったのは、海に行く機会があまりにも乏しかったせいではないか。

海にもっと連れて行ってもらえれば、私の人生は大きく違う方向へと歩んでいた可能性も

あり、自然イコール海、というのが幼い私の抱いていた世界観でもあったように思える。

山はどちらかといえば、嫌いだった。磯の香りが好きだったし、魚も海魚しか食べなかった。

なぜなら私の父親は川魚を泥臭いと嫌い、川魚が食卓に上がることは皆無だったという

かなり偏屈な家庭環境に育った。

さらに私の母親の実家は魚屋であり、小学2年生までその魚屋の隣に住んでいた。

だから毎晩のおかずはほとんど魚料理。鮎など子どものころにまったく食べた経験がない。

母親は店の手伝いもしていた時期があり、だから魚をさばくのはお手の物。

魚といえば海魚が常識でもあったのだ。瀬戸内の魚はほんとうに旨かった。

偏屈といえば、父親は海魚の刺身以外の刺身、鳥刺しや馬刺しなどは一切食べず

肉は何でもしっかりと火を通さねば絶対、食べないという性格でもあった。

そして母親は鳥肉がまったく苦手とくる。

まあ、そういう家庭環境でもあったので私の食生活上の好みも、大学生になるまでは

かなりいびつであったであろうと思う。そのなごりが今でも若干は残っている。

成人するまでに長く続いた家庭料理の嗜好性はけっこう根深いものが

あるようだ。鳥刺しや韓国料理のような超辛い料理などはまったく苦手。

そういう苦手意識はどこかで忘れてしまっていて、だからときどき失敗をする。

でもうちの家庭料理の中でも他人に自慢できるものも僅かにあって、

その手料理は嫁さんにも、それ以前に付き合っていた彼女にも受けた。

たいした料理ではないが、素朴な料理ほど何度食べても飽きないものだ。

海、といえばこうして食べる話になってしまうのも、海の生き物への知識が貧弱すぎるせいだ。

宮崎に移転した理由の一つは、海が近い、綺麗な砂浜や海岸が残っている、

そういう環境条件も大きかった。

海にすぐ行ける。それも人が少ない海に。

宮崎県といえば日南海岸というのが観光スポットにもなっているが、

人目を惹く派手な景観以外に、もっと当たり前に海の生き物に出会える優れた海岸なのであろう

と思える。

P8230107トリミング.jpg





夏休みもそろそろ終わりに近い。

子どもがいる我が家では、夏休みは何かと忙しく今日は毎夏恒例の「いかだ下り大会」

が催された。

残念ながら私は観察会やトークの仕事が重なり、いかだの準備までしか関われなかった。

わが「田上・唐杉チーム」の成績は3位だったそうだ(参加した筏チームは5チーム、、、)。

そもそもわがチームの筏は浮力が足りず、そこを改善しようとした試みは失敗だった。

P8220091.jpg漕ぎ手6人が乗ると、いかだは水面スレスレまで沈没してしまう。これでは推力が出ない。

水の抵抗が大き過ぎるのだ。

P8220087.jpg来年はもっと浮力を上げることと、漕ぎ手のモチベーションを上げるべく、

さまざまな工夫が必要のようだ。わが子も6年生となるので、来年が最後の参加となる。

暑い中、筏の準備や会場の草刈りなど、このイベントには多くの父兄の方や

小学校の児童がみんなで頑張った。お疲れさんでした!




カヤキリ

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カヤキリの体長は7センチ近くもある。ともかくでっかいバッタ。

明るい草原で「ジャー、」とも「ジイー」とも聞こえる連続音を立てるのが本種だ。

運転している車窓からも聞き取れるほど大きな音で、

「おお、この河原の草むらにはとくに多いなあ~」などと、あちこちに生息地が見つかる。

庭の家庭菜園の竹棚のてっぺんで夜、鳴いていたこともある。

JX195597.jpg頭でっかちなせいか、発音するときは写真のごとく下向きの姿勢でいることが多い。

口もでっかい。顔の半分はあるだろう。タレントの「京唄子」さんを思い浮かべる。

この大きな口で噛まれると痛い。実際、捕まえて油断した瞬間、親指に噛み付かれた。

「アイタタタ!!」と思わず声を上げてしまうほど痛かった。

グイグイと大アゴが食い込む。

指に穴が開き、出血した。噛み付いてもすぐには離さないから穴はけっこう深い。

草食バッタのカヤキリが、このような鋭い牙を普段はどのように使っているのだろうか。

やはり天敵に襲われたときの反撃用であろうか?

( EOS-7D  シグマ50ミリマクロ )






今日も午後三時ころからゴロゴロと空が唸り始め、

4時過ぎにはにわか雨となった。

ここのところ天候が安定しているのは午前中のみ。

1キロ先の道路沿いにあるクヌギ数本には樹液が出ていて、どこもそうだが

人の出入りした踏み痕が深くえぐれている。

ここのクヌギの一本にはカミキリムシが齧ったあとが点々と残っており、

糞屑がはみ出している箇所もある。カミキリムシの幼虫が穿孔しているに違いない。

その様子をあらためて撮影に行ってみたら、カブトムシのオスが来ていた。

IMG_1374.jpg他のクヌギにはメスもいたが、ここの樹液は静かである。カナブン、サトキマダラヒカゲ、

フクラスズメ、、、その程度。

そして以前から書いていることだが、ここにもスズメバチがまったくいない。

普段は鬱陶しいスズメバチも、まったく姿を見ないと逆に寂しいものである。

のどかではあるが、緊張感も欲しいところだ。

IMG_1266.jpg庭のヤマアジサイでは、オオカマキリが怒りのポーズ。

お尻もクインと上に曲げてけっこう迫力がある。がしかし、何か足りない。

このオオカマキリ、じつはまだ幼虫である。つまり足りないのは4枚の翅。

胸や前脚の付け根の青い模様、口の赤色など、もう成虫並みに凄みがある。

一昨日、駐車場の脇でオオカマキリの成虫を目撃しており、オオカマキリも羽化期に

入っているのだなあ、と感じたばかり。

写真の幼虫も数日内には羽化するのではないだろうか。







( 写真上、下:EOS-7D シグマ50ミリマクロ )
( 写真中:  EOS-7D   EF100ミリマクロ  )









三股町のお隣、山之口町の「あじさい公園」と、その近くにある池を見てきた。

案内してもらった池は昔ながらの姿を留めていて、水辺をちょっと覗き込んだだけで、

水生昆虫の豊かな水環境だとわかる。

JX175501.jpg池の岸辺ではそれほど水深は無いが、水底は泥がかなり堆積していて長靴で入るのは

躊躇われる。池の周囲をギンヤンマのオスがパトロール飛翔しており、

ときおりやってくる他のオスを追いかけていた。

よく見ればでっかいドブガイの貝殻がいくつか見つかった。さっそく掬い上げてみる。

JX175511.jpgときどき泥底のあちこちから大きな気泡が上がるのは、ドブガイの仕業だろうか?

このでっかいドブガイは食用とする地方もあるようだが、味噌汁だとお椀に入りきらない。

切り身にしては勿体無いように思えるが、どういった料理法なのか気になる。

去年、ナベブタムシを掬った川も、この池の近くを流れている。

宮崎に来てから水生生物に少し興味を抱き始めたのも、

私のような初心者にとって、とてもわかり易い水環境がこうして近所にあるからだ。


さて、同行の方から百均ショップで買い求めたという昆虫標本箱を見せてもらった。

なるほど!ほんとに標本箱だ。岐阜県の「株式会社セリア」の商品だ。

この会社は他にも昆虫カゴや飼育用品なども数多く手掛けている。

箱蓋の密閉性には問題があるが、桐製でコルク板も敷かれており、

とても百円とは思えないような仕上がり。サイズは21センチ×15.5センチ。高さ5センチ。

これはこれで今度の観察会の標本作りで使ってみよう、ということになった。

私も教わった店にさっそく出向き、一箱百五円の昆虫標本箱を数箱買ってみた。

とりあえず机の引き出しに入れてあった、サツマシジミとコクワガタの標本を並べてみる。

IMG_1159.jpgちなみにサツマシジミは、1995年5月に屋久島の西部林道で採集した古い標本。

コクワガタは先月、うちの庭で拾ったもの。

1995年は屋久島の民宿に滞在して仕事をしていた頃だが、タトウは一杯あっても、

展翅板までは用意していなかった。撮影した昆虫の同定用に標本も出来る限り残す

ようにしていたが、チョウはだいたいわかるので採集はしなかった。

しかし、サツマシジミだけは高校生の頃に採集できず、ずっと憧れていたチョウの一つ。

ふと懐かしくなって思わず採集したのであった。

展翅板がないのでタトウの綿を組み合わせてなんとか針無しで、展翅してみた。

今日はその針無し標本に昆虫針を刺して15年ぶりにようやく標本箱に納めたわけだ。

針を刺したく無いという気持ちが強いが、やはり標本は針が無いとたいへん扱いにくい。

あまりにも標本箱が寂しいので、先日採集したタマムシも標本にしてみた。

IMG_1147.jpgしばらく飼っていて、死んでしまったタマムシである。

タマムシの標本整形をしていて、ふと大学時代に同級生から

「新開、お前虫が好きなんやろう。そしたらなんで、その好きな生き物を殺してまで、

標本にするんぞ。わしには、その神経が理解できんが、、、、、、、。」

といかにも無邪気であまりにも思考の足りない質問を受けたことを思い出した。

あのとき、どういった答えを返したか、もう憶えていないが、

ああ、困った人だなあ、とあきれたものである。

さて、私が虫屋であるかないかに関係なく、

昆虫写真の仕事上、自分で標本を所有しておく必要性もあるにはある。

これも友人やあらゆる人脈で解決できる場合もあるだろうが、自分が所有していれば

これほど手っ取り早いことはない。標本を撮影中に壊して、神経を擦り減らす心配も無い。

かと言って、国内産の昆虫標本を一通り揃えておこう、などとは一度も考えたことがない。

そんな面倒なことは、到底、私にはできない。

ただ、なんらかの成り行きで昆虫を入手したとき、

これをときたま標本にしておこうか、などと思い立つことがある。



私の耳がどうかしているのだろうか?と、疑いたくなる。

一昨日、うちの林でタイワンクツワムシが盛んに鳴いていると書いたが、

今夜、あらためて撮影してみれば、鳴いている個体はどれも、クツワムシだった。

クツワムシの「ガシャ、ガシャ、ガシャ」というあの独特な鳴き声を聞き違える、

というのも考えにくいのだが、

「ギュルル」という音が混じるように聞こえる。

かつて所沢市の雑木林で聞きなれていた鳴き声とは少し違うような気がするのだが、

正確なところはよくわからない。クツワムシにも地方によって方言があるだろうか?

4年前にはしかし、うちの隣の林で鳴いていたクツワムシを鳴き声でピタリと見つけ撮影して

いる。そのときの印象では、とにかくクツワムシは少ない、一方でタイワンクツワムシが

多い、ということであった。もっとも、タイワンクツワムシは草丈の低い明るい草原でも

よく見かけ、生息地の好みがクツワムシと明らかに違うようだ

ともかく、うちの林で今、盛んに鳴いているのはクツワムシである。

気になるので捕まえてしっかりと体の特徴を見てみた。

IMG_1060.jpg翅の先端が丸みを帯びている。しかし、この特徴にも個体差があり数個体を撮影

してみると、翅の細長い個体もいる。タイワクツワとクツワムシ両者には、たいへん区別の

難しい個体もあるそうだ。

ヤマノイモの葉をかじっているメスも見つけた。

IMG_1096.jpgこのメスは最初、タイワンクツワかと思った。翅端が細長いからだ。

しかし産卵管は長く、まっすぐなのでクツワムシとわかる。このメスの傍ではクツワムシの

オスがしきりと鳴いていた。

IMG_1087.jpgこの原稿を書いている部屋の外から、今も競うようなクツワムシの鳴き声が聞こえてくる。

鳴いている姿もしっかりと見届けたので、もう間違えないとは思う。

うちの林は約2200平米(654坪)の広さがある。

4年前、林はササ藪に埋もれていた。

そのササを刈り払い、6割程度の林床は明るくなった。今では丈の低い草が繁茂している

が、ササは毎年刈っており、風通しのいい環境を維持している。

このことがもしかしたら、クツワムシの数が増える一つの要因となっているかもしれない。


今日のクツワムシの写真は、シグマ50ミリマクロレンズを使用している。

このレンズはとにかく逆光に弱い。ちょっとでも強めの光がレンズ前面に向かっていると

フレアが出る。夜の雰囲気を出すためにストロボをカメラから離して使っているので、

フレア対策として長めのレンズフードをセロテープで仮留めして撮影した。

セロテープでいちいち留めるのもカッコ悪いし、面倒なので、そのうち何か対策を

考えてみたい。

( 写真: EOS-7D  シグマ50ミリマクロ、ストロボFL-36R )


嫁さんが窓越しに「アゲハの蛹がゴーヤについているよ。」と言うので、

外でオニヤンマの実験準備をしていた私は、「どこよ、どこどこ?」と探してみた。

「目の前にあるでしょ。」と言われても、なかなか見つからない。

ようやく居場所がわかったときには、なるほどと納得できて、

「よく見つけたね!!」と、感心した。

XA160591.jpgアゲハの蛹の育った場所は、もっとも近くて5メートル離れたイヌザンショウと思われる。

アゲハ幼虫の徘徊は数時間以上も続くので、5メートル程度の移動は大した距離ではない

かもしれない。ただし、その移動の間に何らかの天敵に襲われる危険性は高い。

( 写真: オリンパスE-PL1 Mズイコーデジタル9-18ミリズーム )

オリンパスのマイクロフォーサーズ規格レンズ、Mズイコーデジタル9-18ミリズームが

その性能の良さを評価されて受賞したそうだ。

何かしら受賞するというのはめでたいことだと思うが、

たしかにこの広角ズームレンズは良く出来ていると感じる。

私はこのレンズを2本持っていて、一本は自分で改造して使っている。

カメラ機材というのは適材適所、自分で使い易いものを目的に併せて選ぶべきで、

メーカーへのこだわりなどは、あまり意味が無いと思う。

何をどう撮りたいか、それを決めてから機材の選択をすればいい。


ハラビロカマキリの成虫は今月に入ってから見るようになったが、

まだ幼虫の数の方が多い。

本日、庭のヤシャブシの梢でふと目があったのが、褐色型の成虫であった。

IMG_0928.jpgハラビロカマキリの褐色型は少ない。年に2回、出会えればいいほうだ。


半月ぶりに草刈り作業をした。草刈り機では刈れない場所はしゃがみ込んで鎌を

使う。草刈り機は2台を使い分けるが、ワイヤーカッターで細かい刈り込みをしているうちに

オニヤンマのオスが近づいてきた。

オニヤンマは回転するワイヤーカッターの円盤部分にしっかりと視線を定め、

60センチ~1メートルあたりの空中にピタリと静止した。

こちらが動けば、オニヤンマもそれに合わせて静止位置を移動する。

なるほど噂には聞いていたが、これほど見事に反応するとは驚いた。

回転円盤の色や模様はそれほど厳密でなくても良いようだ。

しかし、もう少し実験してみたくもなった。

電池駆動の小型扇風機を使っている人もいるようだ。

地面近くを舞う小さな蛾を追う瞬間、刈り機のワイヤーがはじいた草が

オニヤンマに当たったようだ。それに驚いたかオニヤンマは遠くへ飛び去った。



( 写真:EOSー7D  シグマ50ミリマクロ 内臓ストロボ使用 )








お盆休み

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今夏はお盆に帰省した。

実家は愛媛県なので、車だと宮崎から片道約8時間の行程。

鹿児島から飛行機を使えば、空港への移動時間を含めても3時間だが、

航空運賃が高過ぎる。

9日から今日の夕方まで家を空けていたが、うちに戻ってまず驚いたのが、

アオマツムシとタイワンクツワムシの鳴き声だった。

とくにタイワンクツワムシの鳴き声は爆発的に増えており、大合唱となっていた。

うちの林にはクツワムシとタイワンクツワムシの両種が生息しているが、

圧倒的にタイワンクツワムシの方が多い。


たしか10日ほど前に、林床でクツワムシの緑色型オスの姿を見て少しだけ安堵した。

それにしても、もうアオマツムシの鳴き声を聞くとは時期的に早いような気がする。


お盆とはいえ仕事を抱えているので、私の実家でも嫁さんの実家でも、

小さな撮影台を俄作りして撮影は続けていた。

被写体は2、3ミリの大きさだから、部屋の片隅などで静かに過ごせる場所なら

仕事はできる。

さて、松山の実家の庭で見つけたのがオオゴマダラエダシャク幼虫。

大きなシャクトリムシだ。

IMG_0606.jpg柿の枝を剪定していて、ふと塀の金網を見ればそこに止まっていた。

怒ったコブラのミニチュア版である。

IMG_0714.jpg実家でオオゴマダラエダシャクを見つけたのは初めてのこと。見つけた翌日には脱皮して

終令となった。


本日は宮崎の自宅に戻ってさっそく撮影の準備。

明日の朝まで撮影待機だ。

※ 16日の記事で、タイワンクツワムシではなく、クツワムシであったことを書いた。
タイワンクツワムシが多く、クツワムシは少ない、という思い込みが強かったこと、
鳴き声に関東近辺とは若干違う特徴が聞き取れること、など私の勘違いがあった。
傍線部分は訂正箇所です。



蛹のそっくりさん

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うちの敷地内に生えているイヌビワはせいぜい4株ほど。

そのイヌビワに、ときおりイシガケチョウが産卵していく。

イシガケチョウの終令幼虫を見たのは10日以上も前だったので、

どこかで蛹が見つかるころだろうと思っていた。

イヌビワから目線を外して歩きかけたとき、ふと視界の隅に蛹のシルエットが見えた。

040.jpgなんだ、こんなところで蛹化したのかとしゃがみ込んでみれば、これが蛹のそっくりさん。

いや、よく見れば全然違うのだが、目線が高い位置からだと、一瞬、蛹そっくりに見えた。

イシガケチョウの蛹はどう見ても、しぼんだ枯葉そのものだが、

その蛹をよく知っている者は、逆に枯葉に騙されてしまうわけだ。


明日より、しばらくブログ更新を休みます。



毎年、秋が近づくと田んぼの周囲に網が張り巡らされる。

とくに谷津田の奥の山に近い田んぼが、イノシシにやられる。

今朝も農家の方が家族総出で網の設置作業を行っていた。

猛暑の中、たいへんな労力を要するだろうと思う。

IMG_0211.jpg牛の肥育用トウモロコシもやられる。近い場所で被害が出た、ということでうちのすぐ下の

畑でも網を巡らしていた。

IMG_0195.jpg竹ざおの先にビニール縄の輪がぶら下げてある。これが網の外側にずらりと並ぶ。

一見、くくり罠のように見えるが、そうではない。

このビニール縄のわっかに触れるのを、イノシシは嫌がるそうである。

もっとも実際に効果を発揮するのかどうかは、仕掛けたご本人もよく知らないそうだ。

しかし、できる対策はあれこれ試してみたい、という気持ちはわかる。

イノシシ撃退対策として聞いた話には、他にもいろいろ面白いものがあって、

その根拠は今ひとつ明解ではないものの、こういう情報はあちこちへと広まるようだ。

埼玉県の越生で伺った話では、車などに積んでいるバッテリーを並べておくとイノシシが

これを嫌がるということだった。それで効果があったとも言う。

バッテリーの臭いが効く!という説明だったが、ではバッテリーのどの成分なのかは、

はっきりしない。臭いだと言うなら、バッテリーでなくても、その臭い成分を直接使えば

いいような気もするが、よくわからないこそバッテリーを並べるわけだ。


今朝は嫁さんが大きな声で騒ぐので駆けつけてみれば、イヌザンショウの脇に

カラスアゲハのオスが休んでいた。

IMG_0193.jpg「オーイ!でっかいチョウがいるよ~!!」

撮影しながら小5の女の子を呼ぶ。

網を持って走ってきたものの、

「おじちゃん、採って!ボクがやると失敗しそお~」

「オイオイ、またおじちゃんかい、、、、自分で、、、」

言っているうちにカラスアゲハは飛び立ってしまった。

私は網を受け取って追いかけ、間一髪のところで捕獲した。

虫追いかけて走るなんぞ、滅多にないことだゾ。

IMG_0230.jpgうちの林の縁では、大きなメスが休んでいた。

また呼ぶべきかどうか迷ったが、家まで距離があって声は届かないので止めておいた。

しかし、今日は撮影で外を出歩いている時間はあまりない。

写真を整理して、東京へ送る準備をしなければならない。

( 写真: EOS-7D シグマ20ミリ )



キャノンのカメラはもう型が古くなったので更新どきとみて、EOS-7Dを使うことにした。

カメラは10万以上するものは買わないと書いたが、EOS-7Dは最安値で11万ちょっと。

予算オーバーだがギリギリ許容範囲内と考えた。5Dマーク2などは論外。

ファインダー視野率100パーセント、というのもいい。

内臓ストロボはマニュアル発光で調光できるが、メニューを開かないとできない。

この辺りはオリンパスカメラの方が操作性がはるかに良い。

ただし、EOS-7Dでは1/3段での細かい調光が可能。オリンパスは2段階でしかできない。

E-TTL発光も露出が正確であまり大きくハズさない。オートでも広い範囲で使える。

オリンパスとキャノンを足して2で割ったようなカメラが無いものか、と感じる。

EOS-7Dの細かいところでは、バッテリーを6個までカメラに登録でき、

バッテリーの使用暦など管理チェックできるシステムは便利だ。

バッテリーにはそれぞれシリアルナンバーがあるから、どの程度使い込んだのか、

そろそろ替え時なのかどうかのチェックも個別にできる。







タマムシ

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昨日は小学6年生の男の子二人が訪れてくれて、近くの路上でマムシの死骸を

見つけたのであった。

やはりうちの周辺にマムシは普通にいるようだ。いるだろうとは想像していたが、

実物を確認できたのは初めてだった。

今日は午前中、遠くから小学6年生の男の子が新聞記者として私のことを取材に来た。

質問事項がいくつかあって、しっかりとした内容だった。

その質問のなかで、タマムシのこともあったが、

今日、午後5時過ぎころ、うちの下のクリ林で飛翔中のものを手で叩き落とした。

IMG_0087.jpgマムシの次はたまたま、タマムシ、というわけだ。

一瞬、視野の隅に入ったタマムシをとっさに叩き落としたあたり、やはり虫屋根性とでも

言えようか。          いや、はたして私はまだ虫屋なのだろうか?

昆虫写真家イコール、虫屋であろうか?この話題は長くなるので、ここでは割愛しておく。

そもそも、虫屋の定義というのは何だろう?

IMG_0094.jpgこの手の写真撮影で、100ミリマクロは辛い。あいにく交換レンズを持っていなかった

のだが、うちに戻ってシグマの50ミリマクロを取り出してみたら、同じレンズが2本あり、

驚いた。どうやら旧型レンズではデジタルカメラとの不具合があって、

それで新型レンズを買ったらしいのだが、そのことをすっかり忘れていた。

このところ物忘れが多い。


昨日から小学5年生の女の子もうちに来ている。

夏休みの自由研究でチョウの採集をするらしい。初日は張り切っていたが、

二日目の今日は、なんとなく気持ちが別のところへ行っている感じ。

ランタナの花に新鮮なアカタテハが来ていたが、ダッシュするどころか、

「おじさん、採ってえ~!!ボク、自信がないから。」ときた。

「オイオイ、おじちゃんが採ってどうすんのよ。研究は、、、、、、?」

しかし、この女の子、ともかく元気だ。

撮影用に組んであったやぐらにいつの間にか、サッサと登ってしまった。

「オイオイ、そこでグラグラ揺するのは止してよ。それ倒れるかもしれないよ。」

「平気だもん!倒れたらまた直したらイイじゃん!!」

「オイオイ、そのやぐら組むの苦労したんだから。オイ!コラ揺するなって!!」

馬耳東風とは、このことだ。

「登るのは簡単だけど、降りるときが危ないからね、、、、、、」

と言い終わる前にスルスルとやぐらから降りていて、ホッとしたのも束の間、

またスルスルと登ってしまった。

「アンタは、猿かああ!!」


(写真: EOS-7D  EF100ミリマクロ )



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ヘビを嫌う人は多い。

反対に、ヘビが大好きでたまらない人もいる。

私はどうか。

子どものころ、田舎道で目をつぶったまま母親の裾にしがみつき歩いた記憶がある。

昔はとにかくヘビが多かった。

駅から実家までの田舎道では歩を進めるごとにヘビが次々と横断していった。

ヘビに対する恐怖心はたいへん強かった。

そのくせ恐いもの見たさか動物園で真っ先に見に行くのは熱帯温室ケージで

とぐろを巻くニシキヘビだった。

それがなぜニシキヘビなのか?

理由はおそらく「野生の王国」というTV番組の影響もあるかと思う。

この番組ではパーキンス教授という動物学者?が登場し、

ジャングルの中でニシキヘビやアナコンダを生け捕りするシーンもあった。

パーキンス教授の体にヘビが巻きつき、「ああ、これ以上巻きつくと危険です!!」

などと緊迫したナレーションが入る。

泥水のような川で半身水に浸かっての大格闘の末、

助手に手伝ってもらって布袋に大蛇を押し込み紐で口を閉じ終えると、

観ている私もホッと、する。

びしょ濡れになったパーキンス教授はここでカメラに向かって

「ちょっとたいへんだったけど、大丈夫!

このアナコンダはもっと安全に暮らせる川に移住させます。」

などと、にこやかに語る。

この手の動物もの番組は、欧米に多い。

さて、少し長々と前置きを書くのも、

今日の写真はヘビ。

ブログを観てくださる方の中には、たいへんヘビを苦手にしている人も少なくない。

画像で見るのも嫌!!という心境もよくわかる。

なので、嫌な予感がする方は、ここから先スクロールを止めれば、写真画像を

見ないで済む。


































さてさて、今日は蝮の死骸を見つけた。

見つけたのは私ではなく、うちに遊びに来てくれた小学6年生のお友達。IMG_3782.jpg
死骸は小さな幼蛇である。

見つけたときは裏返しになっていた。

IMG_3776.jpg腹側の黒まだら模様を見ればすぐに、蝮とわかる。

この特徴を教えてくれたのは、私の父だった。

蛇は見つかりしだい不幸にして殺されてしまうことが多い。

この蝮の死因はどうだったか、よくはわからない。

大きな外傷は見当たらないが、強く打撲されたことが死因のようにも見受ける。


私は今でもヘビは苦手な方だ。

小さな幼蛇こそ手で掴めるが、腕に巻きついてくるような大人のヘビは触れない。

ヘビの写真がずらりと並んだヘビ図鑑を開くのさえ、ちょっと不気味に感じる。

しかし、今日の蝮はうちに持ち帰って撮影してみた。

撮影した写真画像をモニター画面上で拡大して見てみると、

意外や恐怖心が薄れる。ヘビのディテールを眺めていると、なぜか安心できる。

生き物の姿がかもし出すイメージとは別に、生命体の持つ神秘さに触れるからだろう。


( 写真: EOS-5D  シグマ50ミリマクロ )



ヒメアケビコノハ

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昨夜のこと。

夜間撮影から戻ってみれば、玄関の門灯に虫がいろいろ来ていた。

いつもと同じ顔ぶれだろうと思っていたら、そうでもない。

小振りなアケビコノハ?が気になった。

気になったので指で突いてみた。

XA030528.jpgバタバタ翅をはばたいているところをすかさず撮影。

オオオ! アケビコノハとは後ろ翅の模様が違う。

XA030521.jpg翅をピタリと閉じれば落ち葉そっくりだが、こうして興奮しているときは、

後ろ翅の模様がお披露目される。初めて見る、ヒメアケビコノハであった。



たまご

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カブトムシの産卵は、一週間前あたりから始まった。

飼育下のことだから、野外ではどうか?

カブトムシが活動を始めてすでに一ヶ月以上過ぎているから、繁殖活動も盛んになって

いるだろう。樹液には毎日、カブトムシの雌雄が見られる。

樹液といえば、この夏、スズメバチの姿がたいへん少ないことが気になっている。

たまにヒメスズメバチがやって来ることもあるが、ともかくうちの林や周辺の林でも

ほとんど見かけない。

昆虫採集する子ども達にとっては、スズメバチがいないほうが嬉しいだろうが、

スズメバチがいない樹液、というのは静か過ぎて、面白味に欠ける。

さて、カブトムシの卵は土中にあるので、飼育でもしないと目に触れる機会はない。

虫のなかでも体格の良いカブトムシだけに、さすが大きい。

その大きさを表現するため、ベランダの鉢植えでも見かけることの多い

アゲハの卵と並べてみた。

画面左がカブトムシの卵、右がアゲハの卵。

IMG_3346.jpg            (写真: EOS-5D  MP-E65ミリ ストロボFL-36R一灯 )


先日、中古三脚を探すにはどうすればいいかなどと書いたら、

大先輩のカメラマンの方がライトスタンドなどと一緒に譲って下さった。

思ってもいなかった展開で、とても助かった。

ライト三脚はこれで2台揃い、ライトスタンドも増えた。

撮影のやりくりにも余裕ができて、すこぶる効率が良い。

こういう道具類は、しゃべらないアシスタントみたいなものだが、

やはり撮影内容によってはしゃべって、聞く耳もった人間アシスタントが必要だ。

今日は、うちの子供二人を手伝わせて野外撮影をしてみた。

二人とも虫はとくに好きでも嫌いでもないが、

ノコギリクワガタを掴むのさえ、ずいぶんと手間取る。

「はさまれたら、どうすんのよ!」

意外と臆病だ。

「サッと背中側から摘めば大丈夫だよと、ホラ。」私が手本を見せる。

「おいおい!カブトムシが飛んで逃げるよ。網もってよ。

バット持って、どうすんのよ!」仕方が無いので私が素手でカブトムシを叩き落とす。

まあ、そんな調子でアシスタントとしては頼りにならない子供達だ。

私は子どもたちに対して虫や自然に馴染むよう、積極的にしつけたりしたことは

一度もない。

子どもたちが私のなりふりを見てどう感じるか、結局は本人達の感性の問題だと

思っている。

たまに子どもが自分で拾った虫の名前を聞きにくることもあるが、

名前以上に習性など説明し始めると、子どもはいつも嫌がる。

「はい、はい。また始まった。解説はもういいから!」

子供達はいづれ、自分の夢中になれる何かを見つけるのだろう。


闇夜のコーリング

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午前5時半。

積乱雲の子どもが朝陽を浴びていた。

ボーッと眺めていると、しだいに大きくなって入道雲となった。

XA020343.jpg暑いことは暑いが、涼しい西風が谷津田から吹き上げてくる。

わが家ではエアコンが要らない。

午後9時。

林を見に行く。しきりとフクロウが鳴いており、2羽が交互に鳴くので騒がしい。

ゴイサギか何か、サギ類のギョエ、ギョエ~という声も混じる。

フクロウの大きなシルエットが頭上を滑空し、バシン!!とクヌギの梢を激しく叩いた。

何かを捕らえたのだろうか?悠然と隣の林へ飛び去る。

目の前のクヌギの幹では、ノコギリカミキリのメスが産卵管を突き出して、

コーリングの最中。

XA020369.jpgノコギリカミキリのコーリングを見るのはこれで3度目くらいかと思うが、

長い時間、続ける。が、しかし、オスが呼びかけに応えてやって来たのを見たことがない。

やはり、もっともっと辛抱強く、待たねばならないのだろう。