2011年12月アーカイブ


命、つながる

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昨年の今日はどうだったろうか?

この「ひむか昆虫記」アーカイブを手繰ってみれば、

なんと積雪があったと記されている。そうか、昨年はずいぶんと寒かったのだ。

しかし今日は風もほとんどなく暖かい一日で、大掃除も順調に進んだ。

うちの林は南向きの斜面になっているので、キタテハが3~4頭、日光浴していた。

今朝のキタテハ.jpgこういう季節だから余計そう感じるのかもしれないが、いい蝶だなあ、とあらためて思った。

暖かいとは言っても、朝晩はやはり冷える。

朝一番、外に出てみれば霜が一面に降りて白くなっていた。

朝の風景.jpg先月の末頃、ウスタビガの配偶行動を観察、撮影したクヌギの梢には

ヤマカマスがぶら下がっている。  その繭には小さな卵がしっかりと貼り付いている。

ウスタビガ卵つながる.jpg無造作に産みつけられたように見えても、

この卵の子供らが、ちゃんと春には新芽に辿り着ける。

生きることとは何だろう?  こうして命をつなぐこと、なのかな。



大晦日とて、我家ではNHKの紅白歌合戦に釘付けとなる。

しかし私はこの番組を観るのは苦痛なので、レンタルビデオを借りておいた。

SF新作映画と日本映画を2本。

独り、仕事部屋で映画鑑賞します。

それでは、皆さん、よいお年を。



おさらい

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先日、松山で拾い集めたヤナギ流木。

切断面にはカミキリムシ幼虫のトンネル孔があり、幼虫の姿も確認できている。

クワカミキリの幼虫。
シロスジカミキリ幼虫.jpg流木とはいえ、まだ枝葉を伸ばしており枯死しているわけではない。

ヤナギの種類は後で調べるつもりで、丁寧に撮影しておいた。

ヤナギ葉っぱ.jpg葉表の写真だが、艶面が白く反射してしまった。まだ種名をきちんと調べていない。






越冬さなぎ

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松山市の実家の回りで越冬蛹を探してみた。

田んぼの用水路壁では、モンシロチョウ。

WW264178モンシロチョウ越冬蛹.jpg水路は三面護岸だが、ここにはシジミやそしてシオカラトンボのヤゴが多い。

このモンシロチョウ蛹はおそらく田んぼにたくさん生えているスカシタゴボウ(イヌガラシ属)

で育ったと思われる。

カラタチの繁みには、クロアゲハ。

もちろんこの蛹はカラタチで育ったものであろう。

クロアゲハの蛹は寄生されているかして、すでに死んでいるようだ。

20111227_168.jpg次に裏の家の外塀には、アゲハ。

20111227_41.jpgアゲハ蛹が育ったのは庭に植えられている、キンカンであろうと思う。

キンカンからの移動距離は4メートルにはなるだろう。

アゲハもモンシロチョウも、まだ元気に腰を振る。


今日は、松山を午前6時半に発って宮崎には午後3時過ぎに到着。

越冬蛹の写真は全部、二日前に撮影したもの。

明日は宮崎昆虫同好会の集まりに顔を出す予定にしていたが、

飛び入りで仕事が入ってしまった。室内作業に徹することになりそうだ。




風もなく陽射しを浴びていると暖かい。

松山の実家からは、東方向に石鎚山がくっきりと見えていた。


石鎚連山.jpg午前中は所用でフィールドに出れなかった。

午後から時間はあまりないので、車の横付けできる場所でオオムラサキ越冬幼虫を

探してみた。松山周辺の少し山間に入れば大丈夫だろう。

ねらい通り、三本目のエノキで、オオムラサキ越冬幼虫が見つかった。

オオムラサキ横付けポイント.jpg同じ根際でゴマダラチョウも見つかったので、並べて撮影してみた。

オオムラサキゴマダラ.jpg右が、オオムラサキ幼虫、  左が、ゴマダラチョウ幼虫。

オオムラサキのほうがスリムである。

帰り道、イノシシの子供兄弟が前方を歩いていた。

こちらに気付いてからは猛ダッシュで山の急斜面を駆け登っていったが、

そのスピードの凄まじいこと。なるほど険しい山中でも自由自在に駆け巡っているわけだ。

オオムラサキ越冬幼虫の撮影を終えてから、砥部焼館に行こうかと思っていたが

市内は渋滞がひどく、とても閉店までに間に合いそうになかったので、諦めた。

松山は道路整備が遅れているので車の移動では苦労する。




ふたたび河原を歩く

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昨日に続き、今日も重信川の河原を歩いた。

流木を探して下流へ下流へと進むうちに1キロは歩いていた。

1キロというのは大した距離ではないが、石ころだらけの河原歩きは意外と疲れるものだ。

河原を歩く.jpg幸い風も穏やかで寒くはない。ヤナギを見つければノコギリで切断してカミキリのトンネル

を観察する。幼虫が確認できたり、あるいは期待が持てる材は持ち帰る。

ヤナギ断面.jpgこんなとき、ユニクロのビニール袋は大きくて好都合だ。昨日、スウェットの上下セットを

買ったばかり。

ユニクロ袋.jpg30センチほどに切り詰めた材を4本も入れるとけっこう重いが、

破れることなく持ち運びできた。

だだっぴろい河原に私一人か、と思えばそうでもない。

遠くに犬の散歩の人。何やら拾い集めているお爺ちゃん。 

まあ、一番怪しいのは、もちろん、私だろうけど。    「そこで、なにしてるんや!?

「はい、流木、切ってます。」

だから、それを どない するねん?

「はい、たきぎ にしようかと。」

ほんま かいな! しょうもなッ!

嘘をつくのはいけないことだが、説明するのが面倒になることもある。

いつもはニコヤカに丁寧に説明する私だが、今日は少々、疲れていた。

清流に繁茂していたのは、オオバタネツケバナ だろう。

クレソン群落.jpgこのあたりは松山市南高井町。「ていれぎ」と呼ばれるオオバタネツケバナ群落は

ちょっと有名である。「ていれぎ」は刺身のつまなどに使われる。

実家の庭のカシワで、エグリバ類の一種を見つけた。

数日前に気付いたが、ずっとここに落ち着いている。

エグリバSP.jpgエグリバ類は数種類いて、同定には慎重になる。

河川敷きの林ではマサキの実がたわわに実っているが、ほとんど誰もこの場所を

訪れることはない。

マサキの実.jpg



流木を追え!

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松山市、重信川の広い河原を歩いてみた。

ときおり、小雪が舞う。

VC264703.JPG目的は大雨で流されたヤナギの木を探すこと。

流されたのはヤナギ以外にもエノキ、センダン、アキニレの大木たち。

いったいどこまで流されたのだろうか?

ほどなく、100メートルほど下流にそれらしき流木群がいくつか見つかった。

VC264702.JPGヤナギはまだかろうじて生きていて枝葉を伸ばしていた。

流木を見てまず驚いたことは、どれも切断されていたこと。でっかいエノキの大木まで。

なぬ!?  誰の仕業だい?  

しばらくして納得できた。 おそらく河川を管理している建設省かどこかの部署に違いない。

河川氾濫の予防策ではないだろうか。

ヤナギの切断面には、お目当てのカミキリムシのトンネル孔があった。

VC264704.JPGトンネル孔は内側から木屑で塞がれている。

ということは、中にカミキリムシ幼虫が生存している証拠ではないだろうか?
 ※

※下線部の表記は怪しい。
穴がふさがっていたのは、切断した際の木屑が詰まったと思われる。
カミキリムシ幼虫が塞ぐことは、まずない。いや蛹部屋を作る際にはトンネルを塞ぐのだが
見たところ孔の径からして蛹部屋ではない。

河原を歩いていて、あちこちで草が齧られていることに気付いた。

VC264699.JPGこれは、ノウサギの仕業ではないだろうか、と思う。



エサキモンキツノカメムシという和名は、初めて聞く人にとっては覚えずらい

ようだ。

「エサキ」は偉大な昆虫学者「江崎悌三」博士の「江崎」から。

「モンキ」は背中にあるハート紋様。

そしてツノカメムシというのは肩の角状突起が特徴となっている「ツノカメムシ科」

に属することによる。

つまり、「エサキ」、「モンキ」、「ツノカメムシ」と区切って唱えておけばいい。

近似種に「モンキツノカメムシ」というのもいるから、略して「モンキツツノ」と

唱えるのは禁物。

さて、本日は大分県南部の山間で落ち葉めくりをして、

越冬中のエサキモンキツノカメムシを撮影した。

エサキモンキツノカメムシ.jpg


ヒメカマキリ?

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ナガサキアゲハ幼虫を見つけたミカンの木を今日も覗いてみた。

蛹化に失敗して死んだ幼虫のすぐ傍に蛹もあったが、どうやら寄生されているように

思われる。通常、健康な幼虫は自分の育ったミカンから離れ、あちこち放浪したのち

別の場所で蛹化することが多い。

アオスジアゲハなどもクスノキから離れて人工物などで蛹になったものは

ちゃんと羽化するが、そうでなく食樹の葉裏で見つかる蛹は

いづれ死ぬ運命にあることが多い。

これは越冬蛹の場合の話。

しかし、ミカドアゲハの越冬蛹は植樹のオガタマノキからほとんど離れない傾向が強い。

種によって越冬蛹の蛹化場所にはそれぞれの特性があるようだ。

さて、ミカンの葉上に ヒメカマキリ がいた。お腹が大きいメスである。

20111222WW224141.jpgということはこれから産卵するのであろうから、

つまり卵のうで越冬することになる。

こんな時期になっても成虫がまだいるというのは11月以降暖かい日が続いたせいだろうか。

一方、サツマヒメカマキリは今頃、若令幼虫が見つかる。幼虫越冬である。

手のひらに乗せてみた。

20111222WW224145.jpg体に触れると、すぐに死んだふりをする。

20111222WW224144.jpgまさに狸寝入り。   お見事!!


カメラザックの蓋を開閉するジッパーが壊れてしまった。

ジッパーが壊れるともう使い物にならない。困った。修理できるだろうか?無理だろう。

カメラバックやカメラザックは、店頭でしっかり現物を見て選びたい。

しかし、宮崎県ではそれは叶わない。

新規にカメラザックを探すにしても、ちょっと厄介なことになる。




ナガサキアゲハ幼虫

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昨日はクモの卵のうを、アカイラガの繭と勘違いした。

大きさ、色ともそっくりだったからだが、糸をほぐしてみればまったく形状が違う。

すぐにもそういう確認作業をすれば良かったと反省した。

さて、家のすぐ横のミカンの木にはナガサキアゲハの終令幼虫が3頭いた。

うち1頭は蛹化台座を拵えたあと死んでいた。

あとの2頭は生きてはいるが、体がぶよぶよで張りがなく、動きも鈍い。

体に触れても臭角を出さないから、よほど弱っているようだ。

XA21657720111221.jpgしかも昨日には、寄生バチが体にまとわりついていたから、すでに寄生産卵を受けていると

思われる。万が一蛹化できても、来春に無事羽化できる可能性は少ない。


クモの卵のう

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柿の枝先に二つ仲良く並んでいたのは、クモの卵のう。

最初はアカイラガの繭と勘違いしたが、糸を解体してみるとクモの卵のうだった。

アカイラガ繭ダブル.jpg卵のう内には孵化した子グモがびっしり詰まっていた。


これから出る本の紹介。

『こん虫のふしぎ全5巻』(偕成社) 監修:岡島秀治
                       編集・著:ネイチャー・プロ編集室

こん虫の親子表紙.jpg第5巻『こん虫のおやこ』の表紙写真は、ベニツチカメムシ

この写真は私が宮崎県内で撮影した。

「こん虫のふしぎ」シリーズは様々な写真家の写真で構成されているが、

どの写真が誰の作品かは記載されていない。


私の写真はほとんどが横位置の構図で撮影しており、

こういった縦長版型の表紙にはうまく納まらないことが多い。

人の視覚からして横長構図が落ち着くし、カメラの構造も横位置優先である。

縦位置のカットも撮影しておくのは、余裕があるときに限られる。



今日はオオムラサキの分布南限である山間に出掛けていた。

うちに戻ったのは午後4時過ぎ。

コナラの林に犬と降りてみた。ここはうちの土地ではないがもし可能なら買取りたいと

思っている。

VC194580コナラ林.jpgいつもの散歩道を歩く。

VC194594.jpg画面右手の日陰になっている斜面にはキチョウのねぐらがある。

越冬場所と言ってもいいのだろうが、暖かい日には飛び出してまた夕方には戻ってくる。

戻ってきたときに微妙に落ち着く場所が移動していることもある。

クワの枝にはクワエダシャク幼虫がいた。

最初は一匹しか目に入らなかったが、引き寄せて撮影してみると2匹並んでいた。

クワエダシャク2.jpg




「おねっこ祭り」の準備作業に参加した。

作業をするのは「田上伝統芸能保存会」のメンバーである。

午前9時から開始して終わったのは正午過ぎだった。

おねっこ準備02.jpg
おねっこ準備01.jpg
おねっこ準備03.jpg
作業は竹や笹の刈り出しから始まり、組み立てまで総勢10名ほどで行う。

「おねっこ祭り」本番は来年の1月7日を予定している。

XA186433.jpgヒヨドリジョウゴの実。うちの庭にはジョウビタキが頻繁にやってくるが、この赤い実を

ついばんでいる様子は無い。




我家の林を見上げる

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昨日紹介したムラサキツバメ越冬集団の写真は天候が思わしくなかったので、

今日、撮影し直しておいた。

近似種のムラサキシジミは集まってもせいぜい5頭程度だが、

なぜにムラサキツバメにおいては集合性が強いのか?

今回撮影した場所ではざっと数えても100頭はいたので、

他の場所や見落としの頭数を加えれば少なくとも倍の200頭はいてもおかしくない

だろう、と思えた。


さて、我家の林の天井。

EOS-5Dに EF8-15mm F4L フィッシュアイ USMをつけて、

全周魚眼での撮影。

我が家の林全周魚眼.JPG黒い部分はトリミングしておけば良かったとあとで思ったがもう遅い。

対角線魚眼での撮影はこちら↓

我が家の林魚眼.JPG全周魚眼の写真を使うことはかなり稀ではあるが、ときにはこういった絵柄も面白い。


昨日の停電はどうやら近所で交通事故があって、電柱が倒れたかしたようだ。

車は便利だが、たった一台の車の事故で何百世帯もの停電に繋がることもある。





ミカドアゲハ越冬蛹を探しに、都城市のある公園を訪れた。

オガタマノキに着く前に、クロガネモチの梢でムラサキツバメとムラサキシジミの越冬集団が

見つかった。ムラサキツバメは15頭の一塊、

、ムラサキシジミは4頭+ムラサキツバメ2頭の混合集団。

ツバキの梢では推定30頭程度のムラサキツバメ集団もいた。

なるほど、この場所は風が強く吹いても比較的、穏やかな谷間になっている。

肝心のミカドアゲハ蛹は見つからなかったが、もうそれは如何でもよくなった。

どうやら越冬集団のツボのような場所であるらしい。

ならばまだ見つかるだろうとしつこく眺め歩いたら、やはりもう一つ集団があった。

カクレミノの枯れかけた葉っぱに集まっている。  遠いけど、いい感じだ。

ムラサキツバメ集団カクレミノ1.jpg     (写真:E-PL1s  40ー150ミリズーム 望遠端で撮影 )

崖の上にあって簡単には近づけない絶妙な場所である。ここなら人にも気付かれまい。

しかし、遠目からでもよく目立つ。探している人間にはよく見えるのだ。もっともこれを

見て蝶の集団とわかる方は稀であろうかと思う。枯葉の塊にしか見えなくて当然。

近くから撮影したいので遠回りしてから崖の上へと登ってみた。

崖から突き出した葉っぱなので、空中浮遊でもしない限り

正面からカメラを構えることは不可能jだ。

そこで片手でカメラだけを突き出し、ノーファインダーで撮影した。

XA166411.jpg      (写真:E-PL1  9-18ミリズーム FL-300R 使用 )

小型軽量のE-PL1にストロボも小さなFL300R。この組み合わせにしておいて正解だった。

足場がたいへん悪く、気をつけないと崖から転落しそうだ。

折り重なるようにしているので正確な頭数はわからないが、40頭以上の集団である。

公園から帰り際に林を振り返ってみた。

ここで越冬しているムラサキツバメの数は200頭を超えるのではないだろうか。



今朝は午前6時ころから停電になった。

朝食のスープはすでに煮込みに入っていたので間に合ったが、

弁当作りは断念した。うちは井戸水だから電気が来ないとポンプが動かない。

ペットボトルの飲料水備蓄はあるが、懐中電灯での調理はやりづらい。

どうやら停電は我家周辺の集落だけのようだった。

生活水が止まるのはかなり困る。

ポンプだけでも稼動できるよう、小型発電機は買っておくべきかと思った。

停電は50分程度で回復したが、九電からは何の説明もない。

こちらから聞かない限り停電の原因や状況の仔細はわからないのだろう。

以前にもこういう一部地域の停電があった。

いずれまた停電は起こり得ると思うので、対策を備えておきたいものだ。


チョウのねぐら

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近くの散歩コースを犬と歩く。

できればロープ無しにしたいが、うちの犬は調教できていないからすぐに脱走してしまう。

尻尾を振りながら草むらでバッタ探しをする姿を見ていると、

犬の幸せな時間というものがあるように感じる。


さて、写真の場所は畑の脇。ねぐらについているキチョウは昨日もほぼ同じ場所にいた。

キチョウねぐら.jpg       (写真:E-PL1 9-18ミリズーム FL300R使用 )

2007年~2009年の3年間、この時期になるとタテハモドキが必ずこの場所をねぐらに

していた。その様子は以前の「昆虫ある記」でも何度か紹介したと思う。

ねぐらについたタテハモドキを手に取って、簡単な実験遊びまでできた。

しかし昨年の秋からこの場所ではタテハモドキを見ていない。

タテハモドキは昨年後半ころからうちの近辺では激減している。他の地域ではそこそこ

発生しているとも聞いているから、場所によって違うのかもしれない。

我家の庭にも必ず姿を現していたタテハモドキが、昨年からまったくやって来ない。

VC154514.jpg        (写真下:E-PL1s 40ー150ミリズーム )




キタテハ

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林に降りてみるとキタテハが少なくとも4匹、日光浴したり低い場所を飛翔していた。

ときおりアカタテハも現れるが、こちらはかなり神経質でなかなか近寄れない。

キタテハ日光浴12月.JPG先日、ツルウメモドキで見つけたホウジャク幼虫はホシホウジャクの幼虫と判明。

ツルウメモドキとヘクソカズラの蔓が絡んでおり、ヘクソカズラの葉っぱは食べ尽くされて

いた。それで最初はツルウメモドキを喰うホウジャクとは何だろう?と疑ってしまった。

近くでもう一匹幼虫を見つけたが、ヘクソカズラの葉は黄色くなり始めており、このままでは

食草が足りなくなるのではと思われる。

VC144451.jpg





冬の樹液

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午後から歩いたフィールドは三股町、上米公園。

風もなく暖かい一日だった。

キタテハが上空へと舞い上がり、その姿を目で追いかけたら樹液に行き着いた。

アラカシ樹液キタテハ.JPG樹液を出しているのはアラカシ。ハエ類もたくさん来ている。

オオスズメバチ2匹がキタテハを追っ払う。

オオスズメバチ樹液アラカシ.JPGここにもう一匹オオスズメバチが飛んで来たが、やはりこの先客に追い払われていた。

暖かいとはいえ、もう12月半ば。

ヒナカマキリの卵のうを探して大きな石を覗き込んだら、ウシカメムシがいた。

路上では、弱っているのかヨロヨロと歩くゴミムシがいた。

ルイスオオゴミムシ だろうか?  体長は12ミリ程度。

頭部~前胸背にかけて赤銅色に輝く姿に目を奪われた。

ルイスオオゴミムシ.JPG上米公園は杉植林が大部分を占め、遊歩道沿いやちょとした広場にはやたらと

鑑賞木が植栽されている。サザンカ、ツバキ、アセビ、サクラ、ナンテン、カイドウ、、、、、、

花や実を鑑賞する目的であろうが、公園全体の植生が単調になってしまい、

自然観察者にとってはあまり有難くない環境だ。せっかく遊歩道が迷路のように

整備されているのに、わざわざ似たような鑑賞木を見て回るだけの趣向とはいったい

何が面白いのだろうかと思う。同じ種類の花をもの凄い面積に植えて楽しむ趣味も

理解し難いが、世の中にはそれが良いと感じる人も大勢いるのだろうから、仕方が無い。




長い名前である。

マエグロシラオビアカガネヨトウ

何度もこの和名を唱えていたら、写真をチラリと見た嫁さんが、

「見たまんま、じゃん。」と言って笑った。

たしかに。

マエグロシラオビアカガネヨトウ1.JPG本種は昨日、うちの林で見つけたのであるが、今日も同じ場所近くにいた。

ということは昨日から飛翔することもなくここでじっと休んでいたのだろう。

面白いのは前翅の翅端部が折れ曲がっていることで、まるでジェット機の垂直尾翼みたい

に見える。うしろからの写真はこちら↓

IMG_7138.JPG飛翔するとき、この山になった部分はこのままの形を保っているのか、

それともこうして翅を畳んでいるときだけの形状なのかは、知らない。

マエグロシラオビアカガネヨトウを最初に見たときは、SFアニメ「スーパージェッター」に

登場する「流星号」を思い出した。水陸空を自在に飛びまわれる

未来の乗り物でしなやかにボディが曲がったりする。

いわゆるロボットカーで未来から来た少年ジェッターの口頭指令に従うのが凄かった。


さて、今朝は霧島山のシルエットの南西方向に月が見えていた。

月と霧島山12月.JPG



ハイイロリンガ

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家族皆で林の手入れをした。

土日は原則として私も休日とするようにしている。

できるだけ家で過ごすようにする。ボーっと映画を観たりすることもある。

しかし観察会や講演の仕事が入ってしまうので、その原則も守れないことが多い。

寒くなってようやく山仕事に励むことができるようになった。

刈りとったササや落ち枝を運び上げ、薪にする。

カマドでも作ればと思い、実家にころがっていたお釜をもらってきてはいる。

作業は午前中だけ。昼食後、我家の林を歩いてみた。

イチイガシの葉裏で ハイイロリンガ を見つけた。

WW113907.jpg写真は四隅のケラレをトリミングカットし忘れた。

オリンパス25ミリレンズ+2倍テレコンに魚露目8号レンズの組み合わせでは

この程度のケラレが出る、という見本です。

本種は成虫越冬するようだ。食樹はヌルデ。

繭は特徴のある形をしていて、以前にも撮影したことがある。しかし、本種の成虫を撮影

するのは今回が初めてだと思う。

今日はクヌギの幹でも面白い形の翅をした蛾と、ツルウメモドキでホウジャク類の幼虫を

見つけた。どちらもまだ種名を調べていない。


シイタケの収穫

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コマ打ちをしたのは昨年の3月だった。

萌芽更新で伐採したクヌギは幹周りも大きく、

ほだ木を並べる作業だけでもたいへん苦労した。しかし苦労した甲斐もあって

数は少ないもののシイタケが出来た。

シイタケ1.jpgただし、シイタケが育っていることに気付くのが遅すぎて、20本ほどあったうちのほとんどは

傘が巨大なまでに成長してしいた。

シイタケ4.jpg大きくなりすぎたものは、干しシイタケにすることにして収穫した。

干しシイタケ.jpgまだ小指くらいの幼菌もあるので、これから成長を見るのが楽しみだ。

いったんは諦めかけていたのでけっこう嬉しかった。

これなら来年もまたコマ打ちをやってみたいと思った。思うが、

今度はホダ木のサイズを考えたほうがいい。

作業性から言えば、でっかいホダ木はたいへんなので、細いクヌギを選びたい。

けれどうちの林のクヌギはどれもでっかいので、そういう選択はあまりできない。

径が太いならば、長さをできるだけ短くすればどうだろうか?

まあともかく、シイタケ栽培も趣味の範囲でいろいろ工夫を楽しめるのだし、

酒の肴にもなるしで、めでたい。

今宵は酒蒸しでもと思ったが、あいにく日本酒をきらしている。

ので、自家製シイタケの味見はまずワインで一杯というのもいいかもしれない。



ハラビロカマキリ

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北風が強く、12月に入ってもっとも冷え込んだ。

気温が低いので昆虫も少ないだろうと林に降りてみたら、

クヌギの幹にハラビロカマキリの♀がいた。

ハラビロ♀威嚇魚露目.jpg     (写真:E-PL2  25ミリ+2倍テレコン+魚露目8号 ストロボFL-300R )

私の動きに対して威嚇ポーズをとる。

玄関前ではお腹の大きなコカマキリの♀もいたし、

家の外壁にもう一匹、ハラビロカマキリがいた。まだまだこれから産卵するのだろう。

日当たりの良いところではツマグロヒョウモンの♂が花(ホトケノザ)に来ていた。

一気に寒くなったので、防寒ズボンなど欲しくなって街の店を覗いてみたが気にいる

ものがなかった。一昨年買った安い防寒ズボンはどれもボロボロになって処分した。

やはりしっかりしたものを選びたいが、結局ネットで買い物となることが多い。

先日、上京したおりには登山用品店などで買い物をしておこうと予定していたが、

体調不良で出歩くのを最小限にしたのが悔やまれる。

わが家の林も少し、色づいた。

VC094414.jpg     ( E-PL1s  40-150ミリズーム )


ベニカミキリ新成虫

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今年の5月に ベニカミキリ の産卵行動を観察した。

卵が産みつけられた竹材は撮影のために細かく切り詰めてあったが、

それを割ってみると、すでに新成虫が羽化していた。

ベニカミキリ幼虫が成育するために必要な竹材は思ったより少なくて済むようだ。

紅.jpg 触角はまだ蛹皮を被っている。             ( 写真:E-620 35ミリマクロ )




陽射しがあったのは午前中ほんの僅かな間だけだった。

しばらく見ないうちに、うちの林で残ったモンキアゲハ幼虫は一匹になっていた。

もう蛹化場所に移動してもいいだろう、くらいに成熟している。

モンキアゲハ幼虫さいごの一匹.JPG他の幼虫たちの行方はもう少し先になってから探してみよう。

庭では イシガケチョウ が低く舞っていた。

飛び方は敏捷で直線的だ。

花びらがほとんど落ちたツワブキを訪れたりしていたが、日光浴することが多い。

やがてクサギの梢に止まった。

イシガケチョウとクサギ.JPGシルエットの部分は、ロールシャッハ・テストで使われる図版のようにも見える。

イシガケチョウが飛び去ったあと、イヌビワに目を移してみた。

イヌビワの黄葉は遠くからでも目立つ。近づいてみれば、そこにもロールシャッハがあった。

イヌビワ黄葉1.JPGこの黄葉の紋様を眺めて、いったいどういう想像を巡らすことができるだろうか。

正確には左右対称ではないが、まあともかくこういう紋様を見て想像力を発揮できたのは

幼い頃であったかと思う。熱出して布団の中に一日中寝ていなければならないときは

とても辛かったが、じっと天井を眺めていると

昔の天井板には様々な染みや木目の紋様があって、

怪物や気色悪い生き物などに見えて仕方が無かった。昭和の前半期頃までは、

今では考えられないような空間がまだたくさん残っていた。

などと思っているうちに、どんよりと空が曇ってきた。洗濯物は大丈夫だろうか?

昼過ぎになって出掛けようとしたら、ポツポツと雨粒が落ちてきた。

急いで洗濯物を庇の下へと移動させていたら、ドッカ~ン!!と衝撃波が来て

窓ガラスがビリビリと震えてにぎやかになった。桜島の噴火は朝からこれで4回目。

実際はもっと噴火回数は多いかもしれないが、家全体がビリビリ震えるほどの空振と

噴火音は4回だった。またか、と思うようになってそろそろ慣れてはきたが、

頻度がどんどん増えているのは、やはりなんだか不気味である。


犬のチョロがクンクン嗅いではバッタを探す横で、ヤマトシジミ がねぐらについていた。

ヤマトシジミとニガナ.JPG


新宿御苑の昆虫たち

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今日は東京滞在最終日。

出版社での打ち合わせ前に少し時間があったので、新宿御苑に入ってみた。

今にも雨が降り出しそうな曇り空。

「大木戸門口」から入ってすぐの左手にヤツデが植わっている。

ヤツデの花や実に、いくつかの昆虫が来ていた。

まずは、アオモンツノカメムシ 2匹。

アオモンツノカメムシ新宿御苑.JPG両者ともメスであった。近くの葉っぱをめくってみると、卵も見つかった。

どうも産みかけで止めたようだ。

アオモンツノの卵.JPG孵化した幼虫は寒さはともかく、ヤツデの実という餌には事欠かない。

何方かこの卵の行く末を観察してみませんか?

葉裏にはクロスジホソサジヨコバイ の幼虫と成虫がいた。

クロスジサジヨコバイ幼虫新宿.JPG成虫の筋模様色には個体変異がある。私の記憶では雌雄の違いではなかったと思う。

クロスジサジヨコバイ1新宿.JPG
クロスジサジヨコバイ2新宿.JPG
ナミテントウも2匹見かけた。じっとして動かない。

ナミテントウ新宿御苑.JPGクロヤマアリもあまり元気はなかった。

クロヤマアリ新宿御苑.JPG宮崎空港に着いたのは午後7時過ぎ。

空港の外に出ても寒さを感じなかった。東京よりか8度も気温が高かったようだ。

さあ、たまった締め切り間近の原稿書きを明日からやらねば。



1987年~約20年間、通ったフィールドの一つが所沢市、下新井の広大な雑木林。

今日も森上さんの運転する車でフィールド巡りに出掛けた。

この時期にしては珍しくも、ニホントビナナフシのメスが健在だった。

ニホントビナナフシ2011.JPGコナラの枝先にはハミスジエダシャクの若令幼虫だろうか?

061.JPG体を伸ばしても、やはり枝に化けている。

053.JPG今回お目当てのスズメバチネジレバネはなんとか見つかったが、

メスだけでオスは見つからなかった。

103.JPGコナラ朽木の中で越冬中のコガタスズメバチを見つけ、撮影の準備をする森上さん。

126落日.JPGこうして手入れが行き届き、今でも「くずはき」が行われる林は少なくなった。

ほとんどの林は荒れてしまい、もう手がつけられないほどの状況だった。


今日は池袋で、小さな忘年会。ようやく酒が美味しく飲めたので、体調もだいぶ良くなった

と思う。


東京では早朝に地震があって目が覚めた。

「来たかあ~!」などと一瞬覚悟したりした。

東京に住んでいたころはこの程度の地震はけっこう体験していたはずだが、

宮崎では滅多に地震はない。

地震はないけど、桜島の噴火にともなう微振動はよくある。

さて、午前中は恵比寿の「東京都写真美術館」へ中瀬潤さんと出掛けた。

明日まで開催されている 畠山直哉展ナチュラル・ヒストーリーズ

を観に行った。

JR恵比寿駅から「東京都写真美術館」までの往復はけっこうある。

体調不良も少しあってゆっくりと歩いた。

埼京線で武蔵浦和駅まで移動、

森上信夫さんの運転する車で秋が瀬公園に行ってみた。

秋が瀬公園は昔、よく通っていたフィールドの一つ。

昼過ぎまで降っていた雨は、現地に着いた途端、嘘のように止んだ。

秋が瀬公園2.JPG森上さんが最近、使い始めたという機材の一つは「かつぎ棒」。

名前の由来は下の写真のようにかつぐ、スレーブストロボだから。

森上さんの延長棒.JPGストロボはオリンパスのFL-36R。このストロボのスレーブ機能は優れている。

マニュアル発光で1/128まで光量を落とせる。「かつぎ棒」はハクバの一脚ポールという

もので、三段階に伸縮する。カメラを右手で構え、左手で「かつぎ棒」を支えて

逆光を入れたりする。森上さんによると、こうしてかついで持ち歩くこともできるので

邪魔にならない、ということらしい。肩叩きの健康器具にも見えたりする。

「かつぎ棒」の根元には滑り止めのグリップを工夫されていた。

今日のフィールド歩きでは、コカマキリ♀が狭い範囲で次々と4匹も見つかったことと、

アブラゼミの病死によると思われる死骸が多かったことが印象的だった。

他にはキノカワガ3、シラホシコヤガ幼虫5、クヌギカメムシ3、エサキモンキツノカメムシ1、

サトクダマキモドキ♀1、ツユムシSP1,クビキリギス♂1、キイロテントウ3、

ウラギンシジミ4、ハラビロカマキリ♀1、アカボシゴマダラ幼虫1、

公衆トイレ内外壁に多数のナミテントウ、ケヤキワタアブラムシ?の有翅虫、などなど。



アカメガシワの黄葉

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12月に入ったというのに、朝から暖かい。

霧がたちこめる一日だった。

アカメガシワの葉もきゅうに黄葉が目立ち始めてきた。

アカメガシワ黄葉.JPGモンキアゲハ幼虫たちはほとんどじっとしたまま。

青々とした餌になる葉っぱも残っていない。

食べるとこない.JPG