2014年2月アーカイブ


とにかく暖かい、一日だった。

これならミヤマセセリが飛んでいてもおかしくない、そう思いながら林を歩いた。

しかし、ミヤマセセリの姿はなく、ルリタテハとアカタテハが元気に舞っていた。

アカタテハは庭のアセビの花で慌ただしく吸蜜していった。

翅はだいぶ擦れている。

アカタテハ3Z5A7273.JPG庭でも近所の畦道でも、土筆が姿を見せ始めた。

土筆3Z5A7332.JPG
( 写真:  Canon EOS 5D Mark III   EF100mm f/2.8L Macro IS USM )



朝起きて、まず寒さを感じなくなった。布団からすんなり出れる。

ストーブも炊かなくて済むから、ずいぶんと過ごしやすくなってきた。

このところ近所の畑の上空では、しきりとヒバリ達のさえずりで、賑やかだ。

モンシロチョウは雨でない限り、毎日、飛んでいる。

今日は、モンキチョウ、モンシロチョウ、アカタテハ、ルリタテハ、ルリシジミを

我が家の敷地内で見る。昨日は、ツマグロキチョウも飛んでいた。

庭のゴマダラチョウ樹上越冬幼虫も台座から離れ徘徊していた。

ゴマダラチョウ3Z5A7194.JPGでもエノキの芽吹きはまだまだ先のことだ。 しばらくウロウロしていたが

餌もなく、台座のある枯れ葉に戻って落ち着いていた。

ゴマダラチョウ3Z5A7196.JPGキタテハは元気に占有行動をとっていた。 同種を見つけると激しく追飛行していた。

キタテテャ3Z5A7210.JPG
( 写真:  Canon EOS 5D Mark III     EF100mm f/2.8L Macro IS USM )





仕事部屋の扉を開けて外から部屋に入った瞬間、

床に、コツバメがいてびっくりした。

コツバメ3Z5A7153.JPG
昨年、庭のアセビにコツバメが産卵し、その卵を少し回収して飼育をした。

で、どうやら飼育ケースから脱走し室内のどこかで蛹化したものがいたようだ。

その蛹から羽化したのだろう。 蛹が乾燥した室内の劣悪な環境下で越冬できたことに驚く。

さっそく捕獲して、外に放したが、屋根の上まで飛んでいきすぐに姿を見失った。

林には、イボタガもいた。 

イボタガ威嚇3Z5A7144.JPG
こちらの動きに機敏に反応しては、翅を広げ震わせる。

写真ではわかり易いように手を入れてみたが、ここまでしなくても、ちょっとした動作で

反応するから、余程、視力にも優れているのだろう。

「近寄る者、許スベカラズ!」 とでも言いたげな様子だった。

テングチョウ

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午前中、モンシロチョウやキタテハを庭で見ていたので、

アブラナの多く咲く、下のクリ林に降りてみた。

背の低いウメの花には、テングチョウが頻繁に訪れていたが、

あまり吸蜜には熱心ではなかった。 もっぱら日光浴。

テングチョウ3Z5A7047.JPG家の中より、余程外のほうが暖かいので、室内作業を止めて、そっくり外に移転した。

屋外仕事701A1156.JPG無線LANもちゃんと届くし、なるほど、これは快適!

部屋で仕事をしていると、窓の外が気になって落ち着けなかったが、

外だととても気分良く仕事が進んだ。 

消しゴムをゴシゴシ使っても、削りカスをそのもまま捨てれるのも、いい。

そう、私はいまだに鉛筆でラフコンテを描いている。

午後4時を過ぎた頃から、少し風が冷たくなってきたので撤収したが、

短い時間ながらも、作業は充実していた。

先日の伐採作業を手伝い思ったのは、今の仕事で食えなくなったら、

山仕事で日雇い人夫をするのが私には一番だということだった。

案外、そう先の話でもないような気がする。

体をもっと鍛えねば!

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III   EF100mm f/2.8L Macro IS USM 

                          EF24-70mm f/4L IS USM     )





伐採作業

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敷地西側にある、クヌギ(画面右)とナナミノキ(画面左、常緑樹)を伐採した。

作業開始3Z5A6885.JPG知り合いの業者の方にやってもらうことになったが、私もチェンソーを持ち出して

切り落とした枝の解体や集荷作業にできる限り加わった。

かなりの重労働だった。

伐採3Z5A6905.JPG木に登っての作業はさすが、プロだ。 私なら登ることはできても、そこでチェンソーを

自在に扱うことは無理だろう。 生木というのは、物凄く重い。切リ方次第では、

自分に降りかかってくるから、その辺の計算もできないと危ない。

午前9時頃作業を開始し、全部の作業を終えたのはちょうど、午後4時半だった。

作業終了3Z5A6909.JPG右のクヌギは横枝一本を中途半端に残している。

「なぜ切らないの?」との質問もこれからいろいろな方から受けることだろう。

これには理由がある。じつは昨年から冬芽の撮影を続けており、少なくとも春の終わりころまで

は切れないのである。その撮影が終われば、自分の手で切り落とす予定。

左のナナミノキも幹回りが太すぎて、根元からの切断は断念した。幹は2メートルほど

残っている。 

切り落とした枝や幹は、積み上げておいた。 自宅に土場ができた。

土場3Z5A6916.JPG写真ではたいした量には見えないが、奥行もたっぷりとある。

今年の初夏からは、カミキリムシを筆頭に様々な昆虫たちがやって来ることを期待したい。

通常なら「ゴミ!」と言われる伐採木が、私にとっては「宝の山」なのである。

飛来する昆虫が多いようなら、ここで観察会もできそうだ。

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III    EF24-70mm f/4L IS USM )



今朝、仕事部屋の外灯にトビモンオオエダシャクの♂が飛来していた。

とっくに梅も開花しているし、早春蛾、トビモンオオエダシャクの登場を見るにつけ、

もう間違いなく、春なのだ。 そうなると、それはそれで少し寂しい気もする。

もう少し冬であって欲しい。 






Emberiza elegans

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Emberiza elegans は ミヤマホオジロの学名。

学生の頃、最初に覚えた鳥の学名だ。 たしかに憶え易い。

地味なカシラダカと比べて、ミヤマホオジロに憧れた時期もあった。

朝一番、我が家の林で十羽前後の群れが採餌していた。

私が歩むと林床からパラパラと、飛び立った。 林の天井にはカワラヒワが賑やかだった。

居間で仕事をしていると、庭から囀りが聞こえてきた。 数も多い。

そっと窓の外を見ると、家屋のすぐ傍の地面で採餌していた。

ミヤマホオジロ♂IMG_3720.JPGしきりと地面から草の種子を拾い頬張っていた。 私の目では見落としているけれど、

食料はたっぷりところがっているようだ。 へえ~、こんなところにミヤマホオジロも

来るんだ!  ビンズイもよく来ているから、余程、餌があるようだ。

ミヤマホオジロ♂IMG_3745.JPG写真は窓ガラス越しに撮影しているので、鮮明さに欠けるが、ガラス面が反射し室内は

外より暗いおかげで、こちらの姿や挙動が、ミヤホオジロには見えづらいようだった。

( 写真:  Canon EOS 6D     EF400mm f/5.6L USM +2x III )

「備忘録」:タラノキの刺では、意外にもモズのはやにえが少ない。

刺の数は多いが、長さが足りないせいだろうか。 それでもようやくのこと見つけることが

できたのは、ジグモと写真のナナホシテントウ。以前、蛾の一種も立てられた。

早贄ナナホシIMG_3184.JPG3年前の写真データを閲覧していて、久しぶりに思い出した1カットである。








テングダニ科?

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シイタケほだ木の傍に置いてある、水タンク。

プラドラム缶を半分に切ったものだが、雨水が自然と貯まる。

今日は暖かいので気になって、水面を覗いてみた。

すると、、無数のトビムシ類が漂っていた。

水面は地面から45センチの高さにあるが、トビムシ達は風で飛ばされてきたのだろうか?

マルトビムシ類は色紋様も綺麗で思わずカメラで追いかけていたら、

脚が8本のダニ類も混じっていた。

一番大きなダニは、体長2ミリ弱で、おそらくテングダニ科の一種だろう。

701A1070.JPG困っているのだろうか?  微風に煽られて水面を延々と流されていた。

(写真:  Canon EOS 5D Mark III   MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo )


カレハガ越冬幼虫

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只今、九四オレンジフェリーの船中。目指すは、大分県臼杵港。

四国地方には強風波浪注意報が出ていて、港の外では白波が目立ち始めた。


松山の実家近くの重信川河川敷。 このあたりは、河口から11キロほど上流になる。

河川敷701A0945.JPG河川敷は民有地と官有地が交互に入り乱れている。民有地では家庭菜園が多い。

画面左手の菜園には、以前はツマキチョウが多かったが今ではどうだろう?

川沿いにあったヤナギとアキニレの林にはシロスジカミキリがやたらといたが、

数年前の大雨で林はものの見事に流されてしまって、跡形もない。

松山を離れるまでに少し時間があったので、ツマキチョウの越冬蛹を探してみた。

ここなら付いているだろうと、当たりをつけた場所を覗き込んでいたら、予想外の

幼虫を見つけることができた。  カレハガの幼虫だ。 ウメの幼木で地上高50センチの位置。

カレハガ幼虫701A0937.JPG体長は3センチほど。 頭の向きは下。  頭部は体の下に隠されて見えない。

カレハガ幼虫701A0957.JPG     (写真:  Canon EOS 5D Mark III      EF24-70mm f/4L IS USM 

                                 EF100mm f/2.8L Macro IS USM )



お菊虫

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松山の実家近くで、この夏にジャコウアゲハが多数舞っていた。

ウマノスズクサに産卵する姿も見ていたので、その場所に行ってみた(重信川堰堤)。

ジャコウアゲハ蛹701A0924.JPGエノキの枝や石、そして写真の石塔などに越冬蛹が見つかった。 全部で4個。

上の写真を反対側から見ると。

ジャコウアゲハ蛹701A0928.JPG
(写真:     Canon EOS 5D Mark III     EF8-15mm f/4L FISHEYE USM 270EXⅡ )

松山の実家の庭に植えてあった、二本のカシワを切り詰め、掘り起こした。

根元の幹回りは15センチほどだが、太い根を断ち切り掘り起こすにはかなりの時間と

労力がいった。これを宮崎に持ち帰り自宅に植えるつもりだが、根付くかどうか自信はない。

二本のカシワは、十数年前に東村山市、秋津町の園芸屋から苗木を購入したもので、

当時、ある映像の仕事で使った。購入したのはたしか5本で、一本千円した。

その仕事が終わったあと、二本を私が引き取ったのだが、アパートやマンション住まいゆえ、

鉢植えでは限界となり、松山の実家に移植させてもらった。

松山の実家ですくすくと育ったカシワだが、狭い庭ではあまりにも繁茂すさまじく

伸び過ぎる枝葉を持て余すようになっていた。 

「剪定がたいへんだから、なんとかしてよ」と、親から言われ続けていたのだ。

※ 写真の中の高架は、松山自動車道。高速道路が実家のすぐ傍に開通したのは

もうだいぶ前のことで2004年。 

高速道ができるまでは、夜は静かでアマガエルの合唱が賑やかだった。

今は夜中でも車の通行音が降り注ぐようになった。

東京を離れ、地方に仕事場と住居を構えたい、そう考え始めた頃、

松山は最初から候補に入れてなかった。

いろいろ理由はあるが、一つには実家周辺の環境の激変が大きかった。



ヤツデの葉裏で見つかる、クロスジホソサジヨコバイの幼虫。 体長は3ミリ程度。

終齢だから、もうすぐ羽化する。 後ろ脚でピン!!とジャンプもする。

羽化したあとの配偶行動や暮らしの様子が、まったく観察できていない。

Z2153230.jpg
(写真: OLYMPUS OM-D E-M5 M.14-42リバース改造レンズ FL-300R )

今日から四国へ移動します。

ブログ更新はしばらく休みます。

もう、春

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昨日の午前中、庭でモンシロチョウが羽化していた。 今年のモンシロチョウ初見になる。

IMG_3624.JPGブロックについたは、先月25日に紹介したものだが、数日前から羽化兆候が現れていた。

冷たい北西の強風に煽られていた。冬でも地面に置かれたブロックはかなり温度が高くなる。

そのせいで、早い羽化となったのだろう。

このモンシロチョウは画面奥のキャベツ畑で育ったのだが、

蛹になったのは去年12月末頃と推定できる。なので、蛹期間はほぼ2ヶ月。

これは蛹越冬と言えるのではないだろうか。

昨日は、午後になってモンキチョウも庭に飛来した。

701A0880.JPG体を横倒しにして日光浴していた。

ところが、である、、、、、、、。

今朝のこと、キャベツ畑を覗き込むと、昨日羽化したモンシロチョウが地面に落ちていた。

モンシロチョウ701A0886.JPGこれは凍死しただろうと思えた。  しかも翅の斑紋が妙に薄いことも気になった。 

羽化不全でもあったか?

正午過ぎ、気になって再びキャベツ畑に行ってみると、モンシロチョウの姿が無かった。

あ、もしかして死んではなかったか!?

スズメか他の鳥に持ち去られた可能性もある。 がしかし、

このモンシロチョウは生きていて、そこいらを飛んでいるのではないか、そう思い何度も

あたりを見回してみた。 斑紋が薄いという特徴があるので、

もしもこのモンシロチョウが生きていて、ふたたび出会うことがあるなら、

きっと私には、わかるはずだ。







アリの巣の居候

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庭の花壇の回りに敷き詰めた石を起こすと、アリの巣が見つかる。

アリに混じってアリヅカコオロギの一種が数匹、ウロウロしている。

アリヅカコオロギ3Z5A6824.JPGアリは、トビイロシワアリだろうか?

アリヅカコオロギはまるでアリになりすましたように振る舞い、アリから攻撃されることはない。

まるで居候のようだ。

( 写真:  Canon EOS 5D Mark III    MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo )

今年の夏に出す予定の写真絵本の構成を練っている。

その中で使用する写真の一枚がポジフィルム写真。 できればデジタル写真で撮り直したい。

なぜかといえば、フィルム写真とデジタル写真の製版が混在すると、どうしても

流れがギクシャクするからだ。

そうは言っても、これから撮りおろしできる可能性は極めて

低い。かといってあっさり諦めることもできず、あがいてみたが、やはりダメだった。

デスクワークが続くと外で体を動かしたくなるが、ちょうどいい気分転換にはなった。






失敗作

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この時期にしては、雨の日が多いと感じる。 しかもかなり寒い。

室内撮影を少し、あとは今日一日デスクワークのみ。    

犬の散歩以外、フィールドを歩いていない。 夕食のシチューを仕込んでおいた。

今日の写真は、去年の5月に撮影した、失敗作。

ヨコバイ科IMG_2134.jpgクヌギの葉上で吸汁していた、ヨコバイ科の一種の幼虫だが、お尻から盛んに排泄していた。

(画面右側が頭)

かなり頻繁なので、排泄滴の撮影にトライしてみた。

幼虫の体長は3ミリ前後だから、接写倍率も高く、三脚にカメラを固定。

ググッと、お尻を持ち上げたところで、シャッターを切るタイミングを計る。

これがなかなか難しいが、何回かやっているうちにうまく写し止めることができた。

ところが、画面内に矢印で示したのが排泄滴だが、ピントが外れている。

なぜかといえば、排泄する瞬間、幼虫はお尻を曲げてしまうからだった。

体軸の右手方向にわずかにひねって、排泄している。どうやら右ひねりが癖とわかり、

そこで、幼虫の眼と滴の両方にピントが合うよう、カメラを微調整しようとした。

ところが、それがどうしてもできない。 葉っぱは微妙にうねっていて、大きな谷間となり、

レンズ前に壁となってしまう。

簡単な変更のようでもそれが不可能だった。無理矢理やれば、葉っぱがちぎれてしまい、

幼虫も逃げ出してしまっただろう。 被写体が小さいだけに、思い通りの撮影ポジションを

得ることができなかった。 こういうことは、高倍率接写ではよくある。

レンズ先端から被写体までの距離が短いという制約が、主な原因である。

( 写真:  Canon EOS 6D     MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo ストロボ2灯使用 )


枯れ葉布団

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クヌギの枝先にいた、キマエアオシャク幼虫(中令)。 

キマエエダシャク幼虫701A0694.JPG
「我、ここにあり!」

クヌギの枝先で次に目が合ったのが、ツチイナゴだ。

ツチイナゴ701A0702.JPGずいぶんと黄色い。 クヌギの枯れ葉が暖かい布団に見えてくる。

( 写真: Canon EOS 5D Mark III     EF100mm f/2.8L Macro IS USM )





エナガの食事

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朝一番、窓の外に冠雪した高千穂岳があった。 午前7時。

701A0620.JPG
昨夜のうちに雪が積もったようだが、平地はそれほど冷え込んでいなかったので、

意外な気がした。

霧島山冠雪IMG_3516.JPG午前9時過ぎ。 一層、白く輝いていた。

高千穂岳を撮影して玄関に戻ると、エナガの群れが来ていた。 10羽前後だ。

ヤシャブシの枝で何かをしきりとついばんでいた。 

エナガの食事IMG_3559.JPGPC上で拡大してみると、枝についたカイガラムシを削りとるようにして食べていた。

動きが早いので、とても肉眼では確認できない。

ヤシャブシの雄花も黄色く目立ってきた。  もう春は間近のように思える。

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III   EF70-300mm f/4-5.6L IS USM )

今日は一日中、スタジオで撮影をしていて、フィールドを出歩いていない。

生態撮影については、できるだけスタジオ撮影を避けるようにしているが、

標本や物撮りとなると別である。

いろいろ工夫の必要とされる撮影作業を続けていると、ふと昔のことが思い出された。

ある仕事で海外の昆虫標本を撮影していたときのことだ。

その日、昼食を食べながら胃の調子が悪いことに気付いた。

昼食後の休憩を終えて撮影に入ったものの、なんだが胸がムカムカし、油汗も出て

これは尋常ではないなあ、と感じた。しばらくして、気分が悪くなり嘔吐してしまった。

しかし、なぜゆえに体調不良となったか、思い当たることもなく撮影は続けた。

その夜は酒も控え、早々と布団に潜り込んだ。

撮影はフィルムだったので、後日、現像の結果を見て、驚いた。

撮影当初のフィルム2本分だけが、2絞り以上露出オーバーだったからだ。

つまり72カットは全部NG。

あとでわかったことだが、シグマ50ミリマクロレンズの絞りが連動していなかったのだ。

しばらく撮影しているうちに絞りは正常に戻ったようで、被害はフィルム2本で済んだ。

もちろん、NGのカットは後日、撮影し直した。

フィルムカメラを使っていたころの緊張感は、もうとっくに忘れてしまったかもしれない。

今の若い世代のカメラマンには理解できない話だろう。





越冬蛾

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朝から雨。 本日の写真は昨日、撮影したもの。

苗木を植えてから3年目のクヌギ畑。 

まだ林とは呼び難いが、私の身長を超える木も多くなってきた。

こういう幼木は越冬昆虫探しに向いている。枝や芽をつぶさに観察できるからだ。

ヤママユ越冬卵3Z5A6675.JPGヤママユの卵はすぐに見つかった。 10個ある。私の胸の高さ。

ヒメカギバアオシャク幼虫も次々と。
3Z5A6680ヒメカギバエダシャク幼虫.JPG画面奥、ボケてはいるが、幼虫が齧った生々しい痕が見える。

撮影のため枝を引き寄せた振動で、幼虫は枝になりきりポーズをとったが、

その直前まで枝先を摂食していた。


ハミスジエダシャク幼虫?も多かった。 ステージの若い、小さな幼虫は見つけにくい。

ハミスジエダシャク3Z5A6666.JPGハミスジエダシャクの属するHypomecis属は8種類いて、幼虫は互に似ている。

が、卵越冬や蛹越冬、ヨモギ喰いや、針葉樹喰いなどの種もいて、それら4種を除くと、

ハミスジエダシャクと紛らわしい種は、あと3種。

以前、幼虫を飼育してハミスジエダシャクであることを確認したこともあるが、

かといって、ハミスジエダシャク幼虫を確実に同定できる自信はない。

写真の幼虫は中令期で、春先にはもっと大きく成長する。


コミミズク越冬幼虫を見ておこうと思ったが、こちらは全く見つからず。

コミミズク幼虫はどこにでもいるが、一箇所で数多くまとまって見つかることは稀だ。

うちの庭でも毎年のように見かけはするが、せいぜい一頭くらい。

2007年の3月、松山のある場所で、

一本のクヌギの梢にたくさんのコミミズクを見たことがある。

ちょうど羽化している最中だった。  記憶にあるのはそのときだけである。

越冬幼虫はよく見るのに、春先に羽化したあとの成虫がまったく観察できない。

一年一化なのだろうか? 

( 写真:    Canon EOS 5D Mark III     MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo

                                          MT-24EX )








卵割

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アカガエル (ヤマアカガエルとは思うが、もうしばらく確認作業をしておきたい) の

卵は、産み落とされてから盛んに細胞分裂している。

卵割3Z5A6627.JPG
「食べるとは、命をいただくこと。」 と、朝ドラでもそんなセリフがあったが、

卵割が進むこのアカガエルの卵が、私にはなんとなく美味しそうに見える。

卵の質感が羊羹みたいでもあるし、いやそれ以上に食欲に訴えてくる。

「そんな感想しか言えないのか!」と、言われそうだが。

もっとも卵の実寸はあまりにも小さいから、写真画面で大きくしたときの話。

卵割3Z5A6653.JPG
(写真: Canon EOS 5D Mark III   MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo )


熊本市から戻り着いたのが、午後2時頃だった。

片道2時間半程度だが、高速道路の運転で日帰りはちょっと疲れた。 

出掛けるときは雨だったが、戻る頃にはすっかり青空になった。

庭ではアカガエルの清々しい鳴き声がしていた。 4匹のオスが集まって競い?鳴きしていた。

ヤマアカガエル♂701A0585.JPG 雨もたっぷり降ったことだし、そろそろ産卵したかな?、と池を覗き込んでみたら、

やはりあった。 一卵塊だけだが。

たまご701A0604.JPGそういえば、先週には、シジュウカラの番が巣箱の偵察に来ていた。

巣箱をめぐって、スズメ夫婦との睨み合いがしばらくあったが、

もう一番のシジュウカラも加わって、えらい騒ぎになっていた。

「巣箱を増設せよ!」と、せがまれているように感じるのは、私だけだろう。

(写真:  Canon EOS 5D Mark III  EF70-300mm f/4-5.6L IS USM

                          EF100mm f/2.8L Macro IS USM )




Z2052930アオムシサムライコマユバチ.jpg西日本の積雪が無い地方では、この時期になってもまだ、モンシロチョウの幼虫が見られる。

モンシロチョウのメス成虫は12月いっぱいまで生き延びるものがいて、

そのメス達が産み落とした卵から孵化した幼虫は、短日、低温条件の下、

きわめてゆっくりと成長し、年を越す。 

   モンシロチョウの幼虫は寒さにはかなり強い。 霜を体にまとっても平気だ。

このブログのバックナンバーでも、真冬のモンシロチョウ幼虫を紹介している。

例えば2012年2月9日など)

もっとも、前年の暮れまでに早々と蛹となり、蛹越冬のものも多い。

モンシロチョウの越冬ステージは、地域によっては幼虫と蛹の両方と言える。

で、この時期に蛹化するものもいれば、あるいは運悪く寄生されて

蛹になることなく命を落とすものもいる。

よく目にするのが、アオムシサムライコマユバチの黄色い繭だ。

今回の写真は、アオムシサムライコマユバチの幼虫が、

モンシロチョウ幼虫の体皮を食い破って外に出て、ただちに繭を紡いでいるところ。

口から糸を吐き続けるが、体を柔軟に動かす上、サイズも小さいので、

糸をシャープに写し止めるのは結構、厄介だ。

もっともこのようなシーンは、テレビの科学番組でも放映はタブーとされており、

アニメなどに差し替えられたことがあった。

「蛆虫の気持ち悪い映像なんか流すな!!」という抗議の電話も想像がつく。

テレビ局も神経質になるわけだ。

(写真: OM-D E-M5 ズイコーマクロ20ミリ FL-300R )








庭のシラカシを剪定した。 バッサリと幹を切り倒したら、ツヤアオカメムシが3匹

出てきた。 どうやらシラカシの梢に潜んでいたようだ。 日向に置くと活発になり、

今にも飛び立ちそうになる。

 写真はネズミモチの葉上を歩く、ツヤアオカメムシ。 3匹とも、メスだった。

ツヤアオカメムシIMG_8025.JPGついでに、カメムシ臭も堪能できた。 ネズミモチもバッサリ、剪定しておいた。

シラカシ、ネズミモチ、共々、萌芽力が強く、毎年剪定してもグングンと枝葉をしげらせ、

屋根を超えるまで伸び上がる。

庭ではカクレミノ、クロガネモチ、そしてシラカシ、ネズミモチが所狭しと伸び放題。

互に窮屈そうにしている。残念ながらカクレミノには、タテジマカミキリが来てくれない。

冬の寒さが厳しすぎるか?

近所のクヌギ林。

7年前は私の背丈ほどの幼木だったが、今では5メートルを超える樹高。

クヌギの成長は早い、そしてここの林は下刈り、枝打ち、と毎年、手入れが行き届いている。

そのクヌギ林で先月見つけた、ヤママユの越冬卵。

IMG_8051.JPG写真ではずいぶん高い位置に見えるが、じつは私の目線の高さで撮影している。

この林は窪地で、道路が高台となっており、その地の利の良さが卵発見に至った。

木の根元に立てば、卵のついた位置は実際高くて、死角になってしまう。

クヌギの幹の太さを見ていると、もうそろそろほだ木用にと伐採される時期が近い。

来年か再来年か? 

この林と道路を挟んだ反対側の畑には、2年まえにクヌギの苗木が植えられた。

面積は少し広いだろう。 その苗木も順調に育ち、私のお腹くらいまで伸び上がった。

植えた最初の頃は、雑草に苗木が埋もれてしまい、大丈夫だろうか? と気がかりに

なったこともあった。 しかし、下刈り作業が入ってからは成長に勢いがついた。

( 写真:    Canon EOS Kiss X6i     EF40mm f/2.8 STM+魚ロ目8号 270EXⅡ )



春、間近

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ここ数日で、近所のウメが一斉に開花した。

ウメ開花701A0528.JPG昨夜はアカガエルが産卵するかどうか、気になっていたが、

暗闇の中で、オスが一匹だけ、ぽつんと座っていた。 メスはやって来ず、

産卵は結局なかった。

(写真:    Canon EOS 5D Mark III   EF70-300mm f/4-5.6L IS USM )

アカガエルの季節

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「ほら、聞こえるでしょ。 アカガエルだよ。」

昨日は日曜日には珍しく家族全員が揃って、昼食のテーブルを囲んだ。

「ランチのBGMがアカガエルの合唱って、これこそが贅沢なんだよ!

どうだい?そうは、思わないかい?」

しかし、子供達は無関心なのか、聞こえていないのか、返事はない。

黙々と雑炊をすすりながら、ときおりテレビ画面を見つめる。

だいたい、食事時にテレビなんかあるのがいけない。 ときどきテレビを捨てたくなる。

居間から5メートルほど先に人工池があって、毎春、アカガエルが集まって来る。

彼らはとても神経質だから、居間のカーテンを開けるだけでも、ピタリと鳴き止む。

今日はいつものように私一人で簡単な昼食をとったが、

ずっとアカガエルの鳴き声が続いていた。 耳を澄ましてみると、少なくとも

鳴いているオスは3匹いるようだ。 とくに頻繁に高らかに鳴くオスがいて、

他のオスはそれに呼応して鳴いている。

窓から撮影するには、手前に障害物が多かったので、

洗い物がまだ片付いて無かったが、三脚にカメラをセットして、そっと庭に出てみた。

3メートルまで近寄るとさすがにアカガエルは皆鳴き止み、水中に潜ってしまった。

そこで三脚を据えてから、岩になりきった。  ちょっとした手の動きも禁物だ。

待つこと十数分だろうか、手足が痛くなりかけたころ、ぷかりとアカガエルが

水面に姿を現した。 それも雌雄のカップルだった。 

写真は土に埋め込んだ睡蓮鉢。

ヤマアカガエルIMG_7996.JPG「まだ明るいんだから!」とでも言ったかどうか知らないが、雌はさっさと睡蓮鉢を

乗り越え、落ち葉の中へと姿を消してしまった。


取り残されたオスは、合唱に戻った。 このオスは二番手の歌い手だった。

ヤマアカガエル♂IMG_7999.JPG
ヤマアカガエルIMG_8012.JPG「キューロ、キューロ、キュロ、キュロ!」。無理矢理、言葉で表現するなら、

私の聴覚ではこう聞こえる。「キョーロ」のほうが近いか?

とにかく澄んだ清らかな、鳴き声だ。 聴いているだけで、心休まる。 

※ 当初、雌と思い込んだが、どうやらオスだった可能性も高いことを、

  後日の観察でわかった。オスは相手が動けばオスであってもすぐ反応して

  抱きつく。抱きついてすぐに離れるけれど、同じことを何度も繰り返す。


( 写真:     Canon EOS Kiss X6i レンズ    EF400mm f/5.6L USM +2x III )

キャノンのテレコン、エクステンダーEF2×Ⅲ を、EF400ミリと組み合わせて使ってみた。

手持ちの機材をできるだけ有効に使いたい、という経済的理由もあるが、

70-300ミリズームレンズもあるので、400ミリレンズを超望遠に仕立てるというのも

当然の成り行きとしてやってみたかった。 

エクステンダーEF2×Ⅲは、135ミリ以上の望遠レンズ専用でそれなりに価格もするが

しばらくテスト撮影してみて、実用レベルだと思えた。



飼育室の整理作業を一日掛けて行った。今日で仕上げ。

汗をかいてしまい、Tシャツ一枚になった。 夕方までTシャツで過ごせた。

午後5時には、夕陽を眺めながらシャワーを浴びた。 

我が家の風呂は、窓を全開にすれば、露天風呂となる。

飼育室の外にあったコンクリート塊は、ずっと邪魔で気になっていたが、

物凄く重たいので、手をこまねいていた。  100キロ以上はあるのではないか。

これを別の場所へと移動させるべく、鉄棒をてこにして、なんとか丸太二本の上まで

は自力で移動できた。 が、ここから先はさすがに一人では無理。

子供たち兄弟二人に手伝ってもらい、コンクリート塊を難儀しながら手押し車に乗せた。

塊CIMG2860.JPG中2、高3の二人でも、さすがにこの塊には、てこづっていた。

いや、力の使い方がわかっていないから、要領が悪い。力は私以上にあっても

それを活かしきれていない。 若いって、そういうことなんだ!と嬉しくもあり、歯がゆい

気持ちになる。  「ほら!足元、気をつけなよ! 」 思わず声を張り上げる。

手元の一つのことしか見えていないからだ。 いかにも危なっかしい。

3分で終わるから手伝って!、とは言ったものの、ちょっと時間を喰った。

手押し車に塊を載せてから、10メートル先までの移動は、長男が行った。

もちろん私が後ろからサポートしてだが。  ともかく、ご苦労さん!ありがとう。

ゴマダラチョウ越冬幼虫IMG_3479.JPG恵の雨もあって、ゴマダラチョウ越冬幼虫も体の張りが出たように思う。

昨日はさすがに、動いていたが、それも葉上でのこと。 春までこのまま樹上越冬

しそうだ。

コガネグモ幼体IMG_3499.JPG八本の脚を二本づつ束ねて、X字型の姿勢をとるのは、なぜだろうか?

今日も、コガネグモ幼体の様子を見ておいた。

( 写真:    Canon EOS 6D    EF100mm f/2.8L Macro IS USM

                                            EX-ZR300    )



コガネグモ

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霧が濃い朝だった。

霧の朝701A0507.JPGバスケットの試合で、次男を会場まで送る。視界が10メートルもなくて、運転には気を使った。

こういう日は、クモの観察に好都合である。

コガネグモの幼体を確認しておこうと、敷地内を探し歩いてみれば、数匹が見つかった。

小さいけれど、円網を張っている。円網に水滴がついて、すこぶる見つけ易い。

コガネグモ幼体IMG_3439.JPGここ数年、我が家の敷地内や近所でもコガネグモが減っている。3キロ先の休耕地では

かなり密度が高かったので、それほど心配することもないかとは思うが、

以前ほど普通に見かけなくなったのは、気になる。

水滴IMG_3464.JPG( 写真:   Canon EOS 6D    EF100mm f/2.8L Macro IS USM

          Canon EOS 5D Mark III    EF24-70mm f/4L IS USM  )

昨年の暮れに飼育容器の洗浄作業をしたが、その後、飼育室の整理をずっと怠っていた。

数日前から少しづつ、その作業を進め、今日はいよいよ大詰めとなった。