2015年4月アーカイブ


蛹、ふたたび

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朝から雷雨、そして気温も低かった。
庭のツワブキ葉裏にぶら下がっている蛹は、雨の雫で濡れていた。
ヒメジャノメ蛹_MG_7133.JPGよく見れば、羽化はまだ少し先のようだ。しかし、日が暮れてから、一気に羽化の兆しがはっきりしてきた。いくらなんでも、明日の朝にはきっと、羽化するはずだ。

カラスノエンドウに、エンドウヒゲナガアブラムシが猛繁殖しており、ナナホシテントウもいっぱい集まっている。アブラムシに寄生する寄生バチもやたらと多い。
ナナホシテントウ_MG_7144.JPG

昨日、庭にトゲアリスアブの♀がいた。とても新鮮な姿だった。昨年とほぼ同じ場所で、この♀が育ったアリの巣のすぐ傍であることもほぼ間違いないだろう。生まれ故郷からあまり離れないのも、この仲間たちの特徴である。

さなぎ

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午前中は北九州のフィールド巡りをと思っていたが、急遽、別の仕事も入り宮崎に戻ることになった。午前8時、小倉駅近くのホテルを発ち、九州道を下った。我が家の玄関に荷物を運んでいるとき、ツワブキの葉裏にぶら下がった、蛹が目に入った。ヒメジャノメの蛹だろうか?明日辺りには羽化しそうな気配だ。
ヒメジャノメ蛹_MG_7116.JPG
拷問とはこのことだろう、と思う程、4時間の運転中はヒドかった。座骨神経痛にとって、椅子に座る姿勢が一番、激痛を伴う。着座した途端に体をよじるほど痛く、それがずっと続くわけだ。泣いて、涙を出せばそのぶん苦痛もやわらぐなら、思い切り泣きたい気分だった。サービスエリアで3回、休憩をとり柔軟体操などしてみたが、やらないよりまし、という程度だった。こういった状況で高速道路を運転するのも危険極まりない。うちに辿り着いて、歩いたりしているときは痛みがかなり軽減する。まあ、しかし、何はともあれ頭がおかしくならないようには気をつけたい。昨夜は奇妙奇天烈な夢をみた。

北九州、二日目

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午前中、フィールドに出ると明るい陽射しがあったが、昼前から曇りとなった。昼飯はコンビニのおにぎりだ。
プロフィール_5A_4783.jpgおにぎりを立ったまま頬張り、こうして自撮りしたりと、座ってはおらねかった。座骨神経痛が今朝起きてから激しく、同じ姿勢、とくに座る姿勢を続けることが苦痛。立ち歩いたり、作業をしているぶんにはほとんど支障はないから、つねに体を動かしていた。

二つの目的のうち、一つは何とか撮影完了。けっこうきわどかったなあ。
お疲れさん、ということで、今夜は写真仲間と小倉駅の居酒屋で乾杯。



高速九州道をひたすら北上すること、3時間40分。休憩をこまめにとれば4時間は掛かる。車の座席に座った途端、座骨神経痛の痛みが始まり、もだえるようにして運転。そのせいか時間が経つのが速く感じて、救われた面もある。痛みを緩和しようと自然に腰がピンと伸びたままになる。熊本県の山並みはシイ・カシ類の花盛りで目に眩しいほど素晴らしかった。残念ながら運転中にて撮影は出来ず。同乗者がいてくれたらなあ、と思う。熊本県を抜けるころ、ようやく痛みはやわらいだ。
サトキマダラヒカゲ_MG_6742.JPG写真は先日、庭で撮影したサトキマダラヒカゲ。今日の記事とは関係ないが、ともかく花も虫もどんどん春の進行を告げて止まない。

今回の北九州のフィールドでは、主に二つの目的がある。まあ、まずまずの出足かな。せっかくだらもう少し、あちこち周りたいとろだが、家で飼育している虫や、撮影中の仕事もあるので、せいぜい2泊が限界だ。今朝も出発の間際まで撮影していた。思うに、数冊の本の仕事が並行して進んでいる。季節の進行を気遣いながら、全部の仕事をこなすのは、なかなかキツい。だから、これまで年に一冊と決めてきた。キツいな、と思う一方、楽しい。
だから、仕事のやり方にも工夫がいる。忙しいからといって、寝る時間を減らすわけにはいかない。以前ならカメラに張り付いてやった撮影も、自動撮影に切り替えて、体への負担を減らしたりしている。酒もほどほどに、飲みたいしね。


そういえば「帰ってきたウルトラマン」ってTV番組、あったね。番組に登場するウルトラ警備隊のジェット機のバルサ模型を作ったりしたのを想い出した。
昨日、窓越しで見たジャコウアゲハだが、我が家には滅多に現れないので、気になったが、今朝のこと我が家の林で遭遇した。確証はないが、おそらく同個体ではないかと思う。いや、そう思いたいだけ。

じゃこうあげは_MG_6930.JPG下の谷津田の畦道では、ヤブキリの幼虫が脱皮していた。
やぶきり幼虫脱皮_MG_6900.JPG



ナナフシ幼虫

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午後5時40分、実家の母親と電話で話しているとき、窓の外をアゲハモドキが飛んでいた。赤い紋様が特に際立っていた。と、その直後に今度はジャコウアゲハがやって来た。「え!?嘘だろ」思わずそうつぶやきそうになった。電話を切って追いかけて行きたい気持ちにもなったが、すぐに林の奥へと姿を消してしまった。

エノキの若葉に食痕がたくさんあった。犯人はナナフシの幼虫だった。シマシマ模様の脚がいいね。
ナナフシ幼虫_MG_6859.JPG腹一杯喰って、もう体はパンパン、そうじゃないかい。すると、脱皮も近いな、君。

庭のツツジも花盛りは終わった。毎年、気になっているのだが、桃色花の株に赤い花が必ず終盤になってから顔を出す。
ツツジ_5A_4579.JPG
「ちょいと、お席をお借りしやんした!」とでも言いたげな、赤花。桃色花株のすぐ向こう隣に赤花の株が植わっているのだが、それと関係があるのだろうか?逆に赤花株に桃色花が混じることはない。

昨日は、庭でクロスジギンヤンマ♂がパトロール飛翔をしていた。シオカラトンボ♂もいた。「ちょっと、待った!」と注文をつけたい気持ちにもなる。
ある撮影の仕事では、カメラをインターバルで12時間以上作動させている。夜間撮影なのでストロボを使い、長時間なのでAC電源で使えることが必須。ところが近頃のクリップオンタイプのストロボでAC電源対応の機種は皆無だ。そこで昔のサンパックのB3000Sを使っている。これもいくつか問題があるし、長期間使い込んだせいで、劣化して発光不能になったものもある。小型でAC電源対応のストロボが欲しいところだが、なかなか思い描く機種がない。FB発光対応という条件も満たして欲しい。

とにかく小さい、カミキリムシ。ゆったりと飛んでいるので、動体視力の鈍い私でも、撮影できた。
カミキリムシ飛翔_MG_6756.JPGまあしかし、できれば顔を見たい。正面から撮影したいよね。とりあえず4枚の翅はわかります。止まったところを横から見てみた。胴体は1センチほどで、触角がずいぶん長い。お尻をツンと上げるのが本種の習性だろうか?
ドウボソカミキリ_MG_6766.JPG

我が家の林では、ハナミョウガの花が咲き始めた。冬越しした葉はボロボロになったが、新しい若葉も育っている。
ハナミョウガ_5A_4624.JPG




都城市神柱公園の桜に、オビカレハ幼虫の行進を見た。
オビカレハIMG_0453.JPGそのすぐ傍のキンモクセイには、ベニモンアオリンガ、がいた。普通種ということだが、遭遇頻度は低い。
ベニモンアオリンガ_MG_6554.JPGパッと見た目には、葉っぱのかけらのようにしか見えないし、1センチ程度と小さい。我が家の林に戻るとイチイガシの葉を食べている、オビカレハ幼虫がいた。もう熟令。

夕方の犬の散歩途中、カラムシ上に、ラミーカミキリのオスがいた。
ラミーカミキリ_MG_6715.JPG
爆発的にとでも言えようか、虫の種類も数も一気に増えた。

庭にやってきたモンキアゲハの♀。最初は青いバケツに近づいていた。「へえ、青い色に反応するんだ」と見ていたが、その次には洗濯物へと移動。今度は洗濯バサミの青い色に、しきりと執着していた。口吻も伸ばしているから、花蜜を期待してのことだろう。
モンキアゲハ_MG_6330.JPG花蜜を探す手立てとして、色彩を手がかりにしているのだろう。
このあとツツジの花にもやって来た。もちろんツツジの花蜜をたっぷりと吸っていた。
モンキアゲハ_MG_6341.JPG
林ではクロヒカゲが元気に舞っていた。花にも来るが、意外と観察のチャンスが少ない。

クロヒカゲ_MG_6481.JPG


ナガサキアゲハ

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昨日、ナガサキアゲハの♂を庭で見かけたが、今日はメスが飛来し、ツツジでしきりと吸蜜していた。

ナガサキアゲハ_MG_6158.JPGこの場所には、モンキアゲハ雌雄、アゲハ♀、コチャバネセセリも来ていた。
サトキマダラヒカゲも姿を現し、門灯の灯りにオオゾウムシが来るようになった。コジャノメはもうだいぶ前から元気に飛んでいる。




庭にいた虫

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ツワブキの葉上に、モンシロモドキがいた。(撮影日:20日)
モンシロモドキ_MG_6067.JPG
スズメノエンドウには、フチグロトゲエダシャクの幼虫(体長:15mm)が、いた(撮影日:20日)。
フチグロトゲエダシャク_MG_6073.JPGフチグロトゲエダシャクは庭の草地で毎年、繁殖しているようだ。モンシロモドキは家の周辺で見かけることがあるが、たいへん稀。食草はキク科のスイゼンジナやビロードサンシチということらしいが、いづれも栽培園芸種。ベニバナボロギクも食べるようだから、きっと近所で幼虫も見つかるだろう。



ヒメウラナミジャノメ、ごく身近な蝶だけど、いいね。
ヒメウラナミジャノメ701A8205.JPG地味だけど、いいね。翅うらの模様には目が止まるけれど、表は意外と見ていなかった。表もいいね。
ヒメウラナミジャノメ_MG_6019.JPG
バイクで近所のフィールドを回ってみたのだが、オオテントウの生息地としてはもっとも近い場所が激変していた。杉山が伐採され私の頭みたいに坊主になっていた。
ホウライチク_MG_6054.JPG
禿げ山の手前に残された茂みが、ホウライチクの林。オオテントウの数は極めて少ないが、例年ここで発生していた。しかし、裏山がこのように伐採されてしまい明るくなったことは、オオテントウにとってはダメージが大きい。オオテントウは明るい環境を好まないからだ。

昨日、紹介したハラグロオオテントウとともに、オオテントウも日本のテントムシ科の中では最大級の大きさがある。ハラグロオオテントウはクワにつくクワキジラミを、オオテントウはホウライチクにつくタケツノアブラムシを主に餌として成長する。日本最大種のテントウムシに会いたければ、それぞれの好む環境、樹種を知っていることが第一条件となる。虫を見る前に自然環境を眺め、想像力を掻き立てる。肝心の虫に出会えなくても、「ああ、この景色があるなら、焦ることはない。いづれきっと出会えるはず。」という、読みができるようになる。自然を読み解く、とは一つにはこういうことかと思う。

このところ虫の名前をどんどん忘れている。その理由について書くと長くなるので割愛するが、困るのが講演のときである。昨年もある講演で「タイワンオオテントウダマシ」が出て来なかった。一瞬ごまかそうかと思ったが、自分でも記憶がすっ飛んでしまったことがショックでアドリブが活かせなかった。さて、今朝のことカイコ様の餌を調達に出掛けた。と言っても300m先である。葉っぱを採っていると抱卵しているヒメツノカメムシの姿が多く目についた。交尾しているカップルもいた。そのうち、ハラグロオオテントウも見つかった。
ハラグロオオテントウ_MG_5991.JPG偽の目玉がいっぱいあります。本種の和名はデングリ返して確認しておきましょう。忘れないように。
ハラグロオオテントウ_MG_6006.JPG
                             ほらね。
クワの木がある場所は草刈りがずっと為されず、とくに朝は長靴を履いていても膝までびっしょり濡れてしまう。アプローチはかなり草深いのである。できれば胴長がいい。それでも、ヒメツノカメムシやハラグロオオテントウと出会えるのは嬉しい。
薮から這い出て畦道を辿っていると、モズが近くでやたらと警戒鳴きする。さては巣立ちヒナがいるのか?と思った。ズイズイ歩いていくと、モズの立てばかりのはやにえがあった。ツチイナゴだ。
はやにえ701A8166.JPGすぐ傍にはヌマガエルの真新しいはやにえもあった。この時期にはやにえを見るのは、初めてかと思う。


鹿児島県財部町「悠久の森」。路上ではミヤマカラスアゲハの♂が盛んに吸水していた。

ミヤマカラスアゲハ♂701A7941.JPGミヤマカラスアゲハ春型のオスはこれまで撮影したことがない。このオスはこの場所に執着していて一旦離れてもすぐに戻って来た。今日の仕事としては逸れてしまうが、小一時間ここで粘ってみた。時間が経つにつれ、ミヤマカラスアゲハ♂は私に馴れてきたようで、撮影チャンスが増えてきた。と、そのとき、林道の奥から白い高級車がのそりとやって来た。撮影舞台はぶち壊しだ。ナンバーを見れば「なにわ」とある。この野郎!である。この林道は車の通行禁止なのだ。林道の入り口に駐車場があって、そこから歩くようになっている。もう一度、言います「この、なにわ野郎!」
ま、怒っても何もならないので、すぐに頭冷やして撮影に戻る。

うちに戻って犬の散歩。チョロもだいぶ歳とったなあ。
このところよく路上を歩いているスジモンヒトリ幼虫。私の目では可愛いやつに見える。
ヒトリガ701A8043.JPG
ほらね。手にのせても平気です。

2月後半〜チラホラと姿を現した、フチグロトゲエダシャク。成虫はもうとっくに死に絶えたが、そろそろ幼虫達の様子を見ておこうと思った。まだ小さいながら探せば見つかるだろう。♀成虫が次々と羽化していた畦道に行ってみた。ヨモギをしばらく覗き込んでいたら、一番大きなので2センチほどの幼虫がいた。
見つかった幼虫は全部で5頭。体長はせいぜい1センチくらいのものがほとんど。ほんとにヨモギを喰うのか証拠写真(上)を撮るまで道路に寝転がって粘ってみた。
フチグロトゲエダシャク幼虫の終齢幼虫は、例年ゴールデンウィークの頃、よく見る。成熟するとやがて地面の土に潜り、蛹となる。蛹は長い休眠に入って、羽化するのは来年2月半ば以降となる。中にはさらに1年休眠し2年越しで羽化するものもいるようだ。

今朝も気温が低め。雲が多く、ときに陽射しあるも、風強く、体感気温が低く感じられる。夜になって空が真っ黒になり雷雨となった。おかしな天気が続く。


迷彩色

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個体数が少ないこともあって、ツマキチョウの寝姿を拝める機会は極めて稀である。今朝、犬の散歩途中で見つけた。ノイバラの蕾に止まっていた。
ツマキチョウ701A7860.JPG撮影する少し前までは陽射しがあったのに、急に曇ってしまった。ツマキチョウはオスで翅端のオレンジ模様がわずかに透けて見える。陽射しがあれば、もっと表現できたのだが、、

そう、歩き始めた頃は、こんな感じの朝だった。

畑IMG_0412.JPG

ツマキチョウは、春の蝶のなかでもスプリングエフェメラルと言えるだろう。平地では3〜4月のこの頃だけ現れる。
高校生の頃、このチョウに憧れた。珍しいチョウでもないが、どこにでもいるわけでもないから、出会うにはちょっとしたコツがいる。そのコツを掴むきっかけは『愛媛の蝶』(井出秀信:愛媛新聞社;1974)から得た
虫との出会いに先立って、本との出会いがあり、私にとっての師匠とは、ほとんどが本である。

さて、今朝のこと我が家の自然観察路を通って、隣の土地に入り込んだ人影を確認。さっそくスクランブル発進だ(笑)。ガサゴソ、薮を切り開いている。しばらくして、闖入者を拿捕。近寄ると向こうから挨拶をしてきたので、点火寸前のミサイルは格納した。
「あ、こんにちわ。お宅の土地とこちらの境界線はどの辺りになりますかね?」
話を聞いてみれば、うちの隣に自動車修理工場を作りたいとかで、土地が狭いので斜面を埋め立てて、造成するトノコト。
「急斜面ですから、下から基礎を作る必要があります。」とは業者の説明。
私曰く、「そんなお金のかかる工事をやらなくても、都城にはいくらでも土地が余っているでしょう。他の場所を探せばいいじゃない!」
まあ、はっきり言って、我が家のすぐ隣に、自動車修理工場は要らん!!

田舎暮らしを求めて8年前に転居。が、その静かな環境もいつまで保証されるわけではない。





ジャコウアゲハの♂は、草むらをかすめるようにジグザグに飛翔していた。その黒い姿がひときわ目立つのも、春の野花の舞台があるからこそだろう。 ジャコウアゲハはいかにも人里の蝶、である。
ウマノスズクサIMG_0356.JPG
ウマノスズクサIMG_0362.JPG
越冬蛹がたくさん付いていた場所では、ジャコウアゲハの母蝶が数頭、舞っていた。産卵のためウマノスズクサを探している。葉っぱを裏返してみれば、卵もいっぱい見つかった。
ウマノスズクサIMG_0371.JPG
ウマノスズクサIMG_0384.JPG
すでにふ化した卵殻か?と一瞬思ったが、これはどうやら天敵に喰われてしまったようだ。ふ化幼虫の姿はどこにもない。(写真:上3枚 EOS-M3 EF-M11-22mm f/4-5.6 IS STM 
EF28-80mm f/3.5-5.6 USM前玉外し )

我が家の玄関先では、ハラビロトンボが羽化していた。
ハラビロトンボ701A7803.JPGこのスイレン鉢ではメダカを飼っている。ハラビロトンボの他にも何種類かのトンボのヤゴが育っているのだろう。(写真:EOS-5D MarkⅢ EF8-15mm f/4L FISHEYE USM )



マダニの季節

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朝から雲の多い一日だったが、正午前後のわずかな時間だけ、強烈な陽射しが出た。
畦道ではベニシジミがスイバの花穂で交尾していた。

ベニシジミ交尾IMG_0604.JPG汗が出そうなほど暑くなったが、それもつかの間だった。少しだけ観察歩きをして戻る途中、覗き込んだ草むらに、でっかいマダニがいた。
タカサゴキララマダニIMG_0617.JPG
タカサゴキララマダニの♀だ。これが飽血すると、何倍ものおそろしくでっかい風船のような姿になる。できれば、いやできるだけ、いやぜったい!吸われたくない。風船みたいな姿は見てみたい気もするが。

与那国島から戻ると、私を待ち詫びていたかのように、カイコが一斉にふ化した。去年の秋に産卵したものだ。屋外飼育室にいい加減に放り出しておいたのだが、カイコの卵はけっこう丈夫である。ふ化率はほぼ100%に近い好成績。その餌換え作業だけで、今日はほとんど潰れてしまった。一体、何匹いるのだろう!?

さて、先日、与那国島で出会った、オキナワホウジャク幼虫のことを書いておこう。
本種の食樹はユズリハで、島内のあちこちで出会った。若葉のところには卵と若齢幼虫がまとまって見つかる。卵だけでは自信がなかったが、傍に若齢幼虫がいたことから本種の卵として間違いないだろう。
オキナワホウジャク卵_MG_5266.JPG終齢幼虫は一匹しか見つからなかったが、12年前に石垣島で初めて出会って以来のこと。
当時、種名がわからなかったが、「スズメガ科幼虫図譜」松浦寛子(2004:増補版)で同定できたのは昨年のことである。
オキナワホウジャク幼虫701A7309.JPGとても鮮やかな色紋様で特徴がはっきりしている。まだ、成虫の姿は見たことが無い。
ユズリハにつく、鮮やかなホウジャク幼虫、ということで憶え易い。

島内の林道を歩いていると、よく目についたのが、紫色をしたマメ科の大きな花だった。
カショククズマメ701A7109.JPG
カショウクズマメ(トビカズラ属)で、別名「ハネミノモダマ」。実も面白い形をしているようだ。




久しぶりに青空を仰げたのは、 5日まで滞在した与那国島、以来だ。

台場クヌギIMG_0301.JPG        台場クヌギの萌芽も勢いを増している。
     メダラはもうとっくに食べごろを過ぎてしまった。
メダラIMG_0313.JPG雑木林IMG_0318.JPG近所から避難させていたクワエダシャク幼虫数匹は、クワの葉に食べ痕を残して姿を消していた。しつこく探したら、一匹だけまだいてくれた。 ずいぶんと、逞しい姿になったものだ。
クワエダシャク終令701A7665.JPG
もっとも、例年野焼きで地上部が丸焼けになる近所のクワは、今年に限って火入れが及ばなかった。引っ越しは取り越し苦労だったようだ。



8日の夕方、38度4分の発熱があり翌日も下がらないので、病院で検査したら、「インフルエンザB型」と診断を受けた。風邪も滅多にひかないのに、インフルエンザに罹るとは驚いた。「5日間は仕事先に出ないように。熱が下がっても処方したタミフルは全部、服用してください。」と医者は釘を刺した。
会社員なら13日までは病欠せよ、ということになるだろうが、私の場合、そうもいかない。

今日の朝、ようやく熱も下がり布団から出ることができたので、庭や林を歩いたり、数日間放置してあった作業を片付けておいた。力仕事もやったら、さすがに頭痛がして、体がフラフラしてきた。しかし、何よりそんな程度のことはまだいい。発熱とほぼ同調するかのように、座骨神経痛がぶり返したのが辛かった。食欲があっても、食卓の椅子に3分と座っておれなかった。左臀部から太もも、ふくらはぎに掛けて、針で刺されるような鋭い痛みが走る。横になると幾分楽になるので、食事はそこそこに切り上げざるを得なかった。それが、熱が下がった今朝、座骨神経痛も治まりかけたので、少々無理してでも出来るだけ体を動かすようにしてみた。午後になると痛みがほぼ薄らいだ。明日は停滞した仕事を一気に挽回せねば!

思うに与那国島ではずっとアルコール抜きで通した。それもいけなかった、ことかもしれない。渡島している間に体重が予想外に2キロ増えたが、インフルエンザに罹って3キロ減量となった。

うぐいす色

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一週間、留守にしていたつけは大きい。芽吹きのピークで、我が家の林はすっかり薄緑色に染まっていた。

芽吹きIMG_0243.JPGもうどこにも冬枯れの景色はない。緑の圧勝とも言えるだろう。わずか一週間、この時期のあらゆる植物の成長は凄まじい。
マムシグサの雌花は萎れたが、すでに新しい世代の成長が始まっていた。
マムシグサIMG_0232.JPG新鮮なツバメシジミの姿もあり。
ツバメシジミIMG_0283.JPGヨコヅナサシガメも羽化が始まっていた。
ヨコヅナサシガメ701A7509.JPG
今日の写真画像、上3枚はEOS-M3で撮影。 ピクチャースタイルは、オート。

タイトルのように、ホテルで目覚めたときは雨音がしていた。シャワーを浴びたあと、一階の食堂で朝食をとっているときも、大きなガラス窓から、傘をさして歩く人をぼんやり眺めていた。が、しかし、チェックアウトした時点で、ピタリと雨は止んでいた。「自分は晴れ男」だと確信しておこう。

博多駅でお土産コーナーをぶらついて時間調整したが、背負ったカメラザックがやけに重い。晴れ男も歳には勝てないな、と思う。いや、観光客の雑踏のなかと、与那国島の森とでは、そりゃあ比べるべくもない。つまり場違いなわけだ。ツルツルの人工床を歩いて調子も狂う。傘をさすこともなく、貝塚駅から歩いて3分。新緑のクワ畑が迎えてくれた。
クワ畑P4060137.jpgこのようなクワ畑が我が家にも欲しい。昔は全国各地にこのような光景があったはず。

九州大学遺伝子資源研究センターで打ち合わせをしたあと、慌ただしく西鉄天神高速バスターミナルへ。九州では初めての高速バスに乗る。博多〜宮崎のスーパーフェニックス号(九州JR)の乗り場は、ビルの3階フロアにあった。地下鉄駅からバスターミナルへの順路はちょっとわかりづらかった。PARCOの店内を一部抜けるややこしいルートだ。
高速バスP4060142.jpg
「スターバックス」でホットベーグルサンド とアイスコーヒーを買い求め、6番乗り場から乗車。乗客は7名だった。車中、日本映画のDVDを視聴でき、面白かったが最後まで観れず残念。降車後、嫁さんの運転する車内に。まだ新車の香りがする。ライトに照らし出される畦道の光景が一変していることに、予想はしていたが、浦島太郎の気持ちになった。「うちの林も、もうウグイス色になったんだろうね」。

帰宅すると郵便物に混じって、CanonE-M3のマウントアダプターが届いていた。与那国島に行きそびれたよね、E-M3。

1日から継続観察していたヨナグニサン繭。2個のうち、一個が羽化した。♂であった。
ヨナグニサン♂.jpg繭の大きさから♀が羽化するのでは、と期待したが、やはり繭の外形で雌雄を判断することは不可能に近いと思えた。昨夜は闇夜を舞うヨナグニサンの姿も見た。短い滞在日数ではあったが、ヨナグニサンの暮らしをほんの一部だが、垣間見ることができた。

与那国島、最後のランチは、久部良の「ユキさんちのカレー」。
ユキさん1.jpg                                   
坂道の途中にあるお店は木々に囲まれている。

ユキさん3.jpg久部良湾を望む店内は涼しい風がよく通る。
ユキさん2.jpg今日は野菜たっぷりの、チキンカレー。美味しかった!

さて、灼熱の与那国島から乗り継いで、午後7時25分、福岡空港に到着。
今夜は博多泊まり。明日は九大で打ち合わせのあと、高速バスで宮崎に戻る。


ヨナグニサンの卵

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1日から泊まった民宿は、久部良にある。ここは漁港で上がった新鮮な魚介類中心の飲食店もあるが、今回は残念ながら一度も立ち寄れず。
久部良港3.jpg最西端の灯台下にはアダンの群落があった。今日は少し早めに山から降りて、海を見に行ってみた。
大気はけっこう澄んでいたが、台湾の山並みは見えなかった。
アダンの実.jpg

ミヤコキンカメムシはあちこちで見かけるが、他のカメムシはほとんど見かけない。ようやく亜熱帯らしい姿のカメムシが現れた。 クロジュウジホシカメムシだ。
クロジュジホシカメムシ.jpg                       コンロンカの花も咲き頃。
コンロンカ.jpgヨナグニサンの産卵も始まっているはずと思い、探してみたらすぐに見つかった。

ヨナグニサン卵.jpg今夜がヨナグニサン羽化撮影のラストチャンスとなった。皆既日食の夜だ。




夏日

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漁師さんは「今日は雨」と言ってたらしいが、雲がときおり流れてくるも、ほぼ快晴の夏日だった。
低い霧のような雲が今日はなく、少しは風景撮影もできた。(TG-3 :パノラマモード)
与那国島遠景P4030033.jpgシマグワでは、キボシカミキリ(ヨナグニキボシカミキリ)が後食していた。
キボシカミキリ701A7225.jpg
与那国島のキボシカミキリは黄色い斑紋が鮮やかで、本州・四国・九州のものとは別亜種とされる。
昼食はカロリーメイトにするつもりだったが、コンビニ(みたいな)店に飲料水を買いに寄ってみたら、おにぎり弁当があったので、これにした。しかし、おかずは揚げ物ばかり。五目ごはんおにぎり、にしておけばよかった。ちなみにこのお店の営業時間は午前8時〜午後10時。ホテル「アイランド」の隣にある小さなお店。
弁当P4030029.jpg昨夜はヨナグニサンの新鮮な♂を撮影できたが、今日は午後3時頃、羽化間もない♀に遭遇できた。その場所は三日前から観察している繭のすぐ傍。2メートルしか離れていない。午前中、繭を見に行ったときにはいなかったから、昼間に移動してきたということになる。息を吹きかけると透明な蛹便を出した。明るい昼間なので、あらゆるレンズ、画角でここぞと撮影した。プロフィール写真用にツーショットも撮っておいた。




与那国島、二日目。気温は27度。風があって汗はさして出ない。ときに青空も覗くが雲がすぐに湧いてくる。風景撮影には条件が悪い。道ばたの花には、キムネカミキリモドキの姿が多い。
カミキリモドキ_MG_5310.jpg後ろ姿もなかなかいい。
カミキリモドキ_MG_5313.jpg
水辺がどこにあるのか、森の中にいた、アカスジベッコウトンボ。
トンボ_MG_5343.jpg
午前中、ようやくヨナグニサンのオスを見つけた。イヌビワの梢にぶら下がっていたが、残念ながら左前翅が大きく欠損し、だいぶ痛んだ個体だった。それでも生きた姿を初めて見ることができ、あともう少しでチャンスが到来するように思えた。とはいえ、午後からの探索では、空繭がいくつも見つかるだけで、成虫はついに現れず。夜の撮影に備えて5時には民宿に戻り、洗濯物を取り入れ、少し休憩する。

午後9時。月夜の森を歩いていると、いきなり懐中電灯にヨナグニサンのオスが浮かび上がった。久しぶりに興奮する。オスは新鮮で奇麗な翅をしていた。

ヨナグニサン701A7170.jpg


最西端の島を歩く

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那覇空港のアナウンスでは、与那国島空港の天候不良により、視界が悪い場合は那覇に引き返すか、石垣島に降りる、とあった。石垣島で降ろされたのではたまらんなあ〜、と少し不安になった。しかし、機内に搭乗したところ、搭乗員は「天候は晴れ、到着予定は定刻より5分ほど早まります」とにこやかに語った。その言葉通り、那覇からの直行便は、午前9時ちょうどに与那国島空港に着陸した。
島内は多少、蒸し暑い程度で予想していたほど暑くない。
昨年の12月に渡島したときより、あきらかに虫の姿が増えていた。
午後5時まで山中を歩いたあと、久部良の民宿にチェックインして夕食をとった。午後7時過ぎ、ふたたび夜の森に出掛けた。
ナミエシロチョウ_MG_5255.jpgねぐらについたナミエシロチョウがいた。懐中電灯に白く浮き上がった。昼間はビュンビュン飛んでいてすぐに視界から消えていたが、こうして眠っているときは、ぴくりともしない。他にもう一頭いたが、高過ぎた。写真のナミエシロチョウはほぼ目線の高さにいてくれた。