2015年8月アーカイブ


宮崎県高千穂町

宮崎県は九州山地を境にして熊本県と背中合わせに並んでいる。九州を人間の上半身に例えるなら、背骨が九州山地で、左右のあばら骨にあたるのが、熊本県と宮崎県とでも言えようか。宮崎県は熊本県と同じように南北にとても長い。したがって、県北と県南では、自然環境にも明瞭な違いがある。それに関連して、文化もだいぶ違う。文化の違いというのは、例えばお酒。北では日本酒の醸造蔵もあり、焼酎も米・麦の良質な銘柄が豊富だが、一方、南に下れば、圧倒的に芋焼酎が主流となる。日本酒は見向きもされず、商品棚に並ぶ銘柄もきわめて貧弱。県南に棲む私だが、正直言って、芋焼酎はあまり好きではない。色々な銘柄を飲んで来たが、結局、麦か米焼酎に落ち着く。まあそれはともかく、今日の写真は先日、23日に五カ所高原のコナラで見つけた、オオミドリシジミの卵。
オオミドリシジミ卵_5A_9111.JPG
関東では平地の雑木林に普通に見られる、オオミドリシジミだが、宮崎県では事情が違う。ということを実際に知ったのは2007年の春のことだった。県南では平地性ゼフが普通ではなく、オオミドリシジミを見たければ、県北のしかもかなり山地に入る必要があると、ある方から教えていただいた。夏のうちに産卵された卵はこのまま、秋、冬を休眠して過ごし、ふ化するのは翌年の4月以降となる。卵の直径は0.9ミリ程度。

講演のお知らせ

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自著本のプロフィール写真用に、毎年、欠かさず自撮りしている。今年は4月1日〜5日、与那国島へ遠征したので、そのときにも自撮りをしておいた。まあ、ヨナグニサンのでっかさを表現するには、これしかないなあ、とも思えた。自撮り棒などは無いので、三脚とリモートスイッチを使う。
ヨナグニサン701A7173.JPG写真は、与那国島でヨナグニサンを探し歩いてようやく、初めて出会ったオス。月明かりの下、風が少しあった。大きなヨナグニサンはゆったりと揺れていて、今にも飛び立ってしまいそうな気配を感じた。ここぞとばかり、撮影したのは言うまでもない。


さて、10月2日に東京の銀座で講演を行います。講演時刻は、午後6時〜7時半。詳しくはこちらをご覧ください。聴講には申し込みが必要で、受付は9月1日からです。




ジョロウグモ

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三股町 田上

玄関先で朝陽を浴びていた、ジョロウグモの巣網。
霧島山ジョロウグモIMG_7955.JPGまだ小さいが、特徴ある馬蹄型。立派な巣網を張るまでには、あと数回脱皮して成体とならねば。
今日は朝から雨がよく降った。写真は一昨日のもの。

久しぶりに邦画「スウィングガールズ」を家族と一緒に鑑賞した。


牛糞をいただく

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三股町 上米公園

ハイイロチョッキリを探しに町内の公園に行ってみたが、コナラのドングリの成りが悪く期待はずれだった。うちの林のコナラはドングリを一杯つけているが、まだ産卵の兆候が見られない。平地ではまだ早いのかもしれない。標高を上げればいいのだろうが、ここは「待ち」、と決めた。公園のイヌビワにシンジュサンの♀が止まっていた。目線の高さだったので、すぐに気付いた。
シンジュサンIMG_8308.JPGずいぶんと翅が傷んでいる。夜活動するシンジュサンの天敵とは、コウモリだろう。昔、愛媛の山中でコウモリを調査している方から、コウモリのねぐらの下には蛾の翅がたくさん落ちている、という話しを聞いたこともある。先日の五カ所高原のナイターでも実際、コウモリがやって来て、蛾類を補食していたそうだ。そのとき私は爆睡していたのだが、、、。シンジュサンをはじめ、ヤママユガ類を昼間に見つけるのはかなり難しい。出会えたらラッキーだ。写真のシンジュサン(神樹蚕)は翅ボロボロだったが、元気に飛んで行った。
ホオノキを見上げていたら、アゲハモドキと思われるシルエットがあった。
アゲハモドキIMG_8325.JPG
いや、大きさからしても、アゲハモドキに違いない。まあ、長年の感に頼るしかないのですが。いい感じだ。なんでここに落ち着いているのだろうなあ? 朴葉って、表面はツルツル滑りそうだしね。

さて、近所の農家を訪れ、落としたばかりのホカホカ、牛糞をいただいた。牛糞をいただいて立ち話をしていたら、他の牛が目の前で、ボトボトとうんちをした。あ、それが欲しいなあ、とは思ったけど、キリがない。阿蘇の高原などで放牧されている牛の糞とできるだけ近い糞がいいのだが、今日いただいた糞は匂い、色、感触ともに、なかなか良い感じ。以前、宮崎牛の撮影もさせていただいた農家だが、飼育牛は10頭前後と規模は小さい。でも、そのぶん飼育の世話が細やかなのがよくわかる。


秋の気配

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三股町 田上

日中は30度を超える暑さが続くが、朝晩は涼しく、むしろ夜は肌寒いくらいとなった。霧島山の山容ははっきりと秋の気配を伝えてくれる。これまでにも度々登場する絵柄ではあるが、山肌の立体感がよくわかるのもこれからの時期ならでは。
霧島山IMG_7952.JPG撮影に忙しいとは言え、台風被害の後片付けもやった。とりあえず人工池を完全に塞いでしまったアカメガシワ倒木を細かく切断し、除去しておいた。一時間程で終えたが、汗だくになった。除去はできてヒガンバナの花壇を解放できたが、アカメガシワの枝葉は相当な量になり、これらは庭に山積したままである。今日になって気付いたが、クヌギの大きな枝(4m)も落下しており、クワの木が根元から凪ぎ倒されていた。
8年前に引っ越してきた当時からすると、林の木々はかなり大きく成長している。以前は台風一過の爪痕はたいしたことなかったが、木々が大きくなり、虫害や病害によってもろくなった枝や幹も多くなったのだろう。敷地のあらゆる場所に散在する落枝の多さは、それを物語っているし、大きな枝の落下には、一つ間違えば、恐ろしい被害にもなりうる。
出掛ける前にヤママユの繭を点検していたら、すぐ傍のイチイガシの幹で、アブラゼミの悲痛な鳴き声がした。すぐ駆け寄ってみれば、なるほど、ハラビロカマキリ♀に捕まっていた。
霧島山アブラゼミIMG_8162.JPG
獲物に逃げられないよう、両翅の付け根をガッチリと抑え込んでいる。さすがだ。アブラゼミは悪魔のキッスで悶絶。助けてやりたい気持ちもあるが、ここは静観するしかない。
近所のタラノキでは、ここのところ、センノカミキリが後食する姿をよく見かける。
霧島山センノカミキリIMG_9114_1.JPG夕方遅く、犬の散歩で谷津田に降りてみれば、うちの林のクリの木やアカメガシワの大きな枝が折れていて、農道に垂れ下がっていた。ああ〜、これも早急に片付けないとなあ〜。


三股町 田上

午前7時50分頃、地震があった。けっこう揺れたと感じたが、震度は2だった。思わず霧島山や桜島の方角を眺めてしまう。「噴火したか!?」そうなる。
台風の爪痕の片付けはほとんどできていない。アカメガシワの幹が折れて落ちた場所は、ヒガンバナが植わっている場所なので、できる限り早く除去作業をしたいが、撮影の仕事に忙しく、時間がとれない。
むき出しになったヤママユの繭を眺めていたら、同じクヌギの梢で、ねぐらについたアゲハの♀がいた。
アゲハねぐらIMG_9077.JPG凪ぎ倒されたハナトラノオで吸蜜するのは、ホシホウジャク。
ホシホウジャクIMG_9051.JPG
畦道では、ワレモコウの花が咲き始めている。日が暮れると、歓迎できないアオマツムシの鳴き声が賑やかになった。
ワレ4モコウ花IMG_8105.JPG


台風15号の爪痕

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三股町 田上

深夜から今朝にかけて、強風が吹き荒れた。「ああ〜、これはけっこう凄まじいなあ」。朝起きて庭に出てみれば、なるほど台風15号の爪痕があちこちに散らばっていた。犬小屋が4m先まで吹き飛ばされていた。犬のチョロは縁側の下に避難していた。さらに目立ったのが、林の中のアカメガシワでは一番の巨木がほほ中段あたりでボキリと折れていた。
台風一過IMG_7850_1.JPG倒れた枝葉が、人工池に覆い被さっていた。このアカkメガシワの幹が折れた理由は明らかで、コウモリガ幼虫の食害である。数年に渡りコウモリガ幼虫がアカメガシワの髄に大きな空洞を残したせいで、幹はその部分が虚弱になっていたのだ。
林の中に降りてみれば、樹高8mほどのヌルデが、根元から折れて倒れていた。
台風一過IMG_7864_1.JPG幹はおもいっきり、裂けている。根際は窪んでウロになっていたが、何かしらの要因でそこが虚弱になっていたのだろう。そういえば、根際では樹液が滲み出ていた。他にもクヌギの落枝が一番多く、かなりでっかい枝まで落ちて、他の小木をなぎ倒していた、これらを片付けるには、数日掛かりそうだ。生木は重いので、これを切り分け、運ぶのは重労働になる。

強風に飛ばされ、家壁にやって来た昆虫も多かった。とくにハラビロカマキリ褐色型が3頭もいた。さらにクヌギカメムシも3頭、へばりついていた。クヌギカメムシもハラビロカマキリ褐色型も、普段はほとんど目にする機会が少ない。ハラビロカマキリとオオカマキリで、羽化に失敗したものもいて、それが強風のためにしっかりした足場を確保できなかったことだと、わかった。
台風一過IMG_7930.JPG写真のハラビロカマキリはまだ生きているが、体の損傷激しく弱々しい。羽化に失敗したオオカマキリの方は、途中で落下して逝ってしまった。花壇の花はすべてなぎ倒されてしまった。羽化脱皮のタイミングは台風が来ようが、それを事前に察知しようがないようだ。

クヌギについていたヤママユの繭の全てが、葉っぱを剥ぎ取られて、むき出しになっていた。こんな光景を見るのは初めてのことだ、



三股町 田上

台風が接近して、雨が降り出したが、降ったり止んだりと、妙に静かだ。庭ではサトキマダラヒカゲがしきりとササ薮に潜り込むので、産卵を期待したが、その観察は叶わなかった。と、その横ではクロコノマチョウの♀がメヒシバの葉で産卵を始めた。そこは葉表だよ!?
クロコノマチョウ産卵IMG_7838.JPG写真画面の上をご覧ください。シルエットだけど、葉裏に産み付けられた卵の列が主脈に沿って見えてます。わかるかな?

葉表の卵はこちら、5個あります。
クロコノマチョウ卵IMG_7842.JPG


高千穂町 五カ所高原

22日~23日、県北、五カ所高原での昆虫調査に参加させていただいた。すぐ隣は熊本県、阿蘇山の山容も眺めることができる。草原環境が広がっているが、放牧は行われていない。
22日初日、歩き始めた途端、杉林の中でツチアケビが赤く光っていた。
ツチアケビIMG_7684.jpg
草原にはイノシシ、シカが棲息しているが、とくにシカによる食害は深刻で、植生がきわめて貧弱になっている箇所が多い。そこで地元の方々と宮崎昆虫調査研究会によって獣害ネットを設置し保護地区を見守っている。その効果あって、保護地区ではかつてあった植生が復活している。高原ならではの植物、昆虫をいろいろ観察できたが、久しぶりに出会えたのは、ヒメカマキリモドキだった。クヌギの梢にいた。腹部の大きさから一目でメスとわかる。
ヒメカマキリモドキIMG_7570.jpg
うちからは3時間少しかかる高原だが、特徴ある自然環境が豊に残る五カ所高原。
五カ所高原IMG_7760.jpg
今回、私のお目当ての虫は見つからなかったが、また時期をかえて訪れてみたい。

三股町 田上

すぐ近所のクヌギ林。今月はじめころ、カブトムシ・クワガタムシ採集に家族連れや様々な人が訪れていた。そのときの踏み跡がしっかりと幾筋も残っている。夏休みもそろそろ終わり。子供たちは昆虫のことなどすっかり忘れ去って、宿題を片付けるのに忙しいのだろうなあ。客足が減ってしまった樹液レストランを覗いてみれば、サトキマダラヒカゲがいた。

サトキマダラヒカゲIMG_7552_1.JPGピクン、ピクン、とまるでロボット歩きのように幹を移動していた。地味な姿の上に、花にはやって来ない。

高校生の頃、捕虫網でチョウを追いかけていたとき、このサトキマダラが足下から次々と舞い上がったことがある。場所は愛媛県皿が峰、上林。ベニモンカラスシジミが発見された場所の近くだった。今では幻のチョウとなってしまったが、おそらくあの当時にはまだ棲息していたのではないだろうか?
しかし、私はサトキマダラヒカゲやサカハチチョウの飛び乱れる光景に満足していた。いづれも初めて目にするチョウだったからだ。あんなにたくさんのチョウを見た経験も、もうすでに昔語りとなってしまった。

夕焼けIMG_7558_2.JPG方角からして、桜島の噴煙か?と一瞬思ったが、これは入道雲だった。今日は一日中、西風が強く吹いていた。


三股町 田上

「原発の安全委員会のお墨付きというけれど、どこまで安全かっていう基準は、いかにも稼働推進の前提でやっているようにしか見えないね。安全の解釈を都合いいように設定できるわけだ」などと、新聞を広げながら嫁さんに話していたときだ。
「バッタがテレビの前を歩いているよ」と嫁さん。「バッタ?  ああ〜、ヒサゴクサキリのオスじゃない!!」

ヒサゴクサキリIMG_7234.JPG畳の上を歩いたせいで、前脚のふ節にはホコリがいっぱいついていた。ちょっと気の毒になって、掴まえてホコリをとってやった。それから縁側に転がしてあった竹筒に移動。せっかくだから記念撮影をした。

ヒサゴクサキリはねえ、タケやササを餌にするんだよ。さらに西日本の太平洋側に偏って生息しているから、東京にいた頃はまったく縁のない虫だったわけさ。おまけにほぼ夜行性だから、滅多には会えないんだよ。しかし、どうやって家の中に紛れ込んだのかなあ?  歓迎するけどね」



三股町 田上

ハナトラノオにはたくさんの昆虫が訪れている。よほど、蜜が出ているのだろう。
ナガサキアゲハIMG_7148.JPG窓の外を見るたびに、ナガサキアゲハの♀が目に入った。


三股町 田上

クモは、巣網に掛かった枯れ葉などの異物は必ず排除して、巣網を綺麗に保つ。コガネグモではあるが実験までして、その細やかな行動を観察したことがある。ジョロウグモでもおそらく同じだろう、と思うと、昨日のナガサキアゲハの卵が気になった。さっそく覗いてみれば、やはり!

ナガサキアゲハIMG_6891.JPGナガサキアゲハの卵が付着していた枯れ葉は無かった。ジョロウグモがゴミ掃除したあとだった。もちろん、ナガサキアゲハ母蝶は、こんなリスクがあるとは、夢にも描くまい。しかし、しつこく眺めていると、巣網の下数センチの葉上に、卵はかろうじて着地していた。
ナガサキアゲハIMG_6894.JPG
このまま風で飛ばされでもしない限り、卵からふ化した幼虫は、無事に餌へと辿り着けることだろう。クモの糸がわずかに残っているので、それが命綱にもなっている。

さて、先月24日に延岡市で見つけた卵。ツバキの葉裏に行儀よく並んでいた。
クロシタシャチホコ_5A_8656.JPG氷上競技のカーリングで使われる、ストーンに、こんなデザイン、如何ですか?
このところ、国内某有名デザイナーのパクリが問題になっているけれど、自然界からデザインをパクるのは、問題ないよね。
卵の正体を突き止めるべく飼育をして成虫が羽化したのは一昨日。卵は、クロシタシャチホコと判明した。終令幼虫はこちら。ツバキの葉を暴食しています。
クロシタシャチホコ幼虫IMG_6966.JPG体長5cm。お尻にも特徴のある紋様があって、一度見たら忘れないでしょう。
クロシタシャチホコ幼虫IMG_6955.JPG熟令幼虫はツバキから降りて、土中に潜り込んで蛹化する。


三股町  田上

「あれは、何?」という嫁さんの声に振り向くと、ナガサキアゲハの♀がゆったりと舞っていた。
「ナガサキアゲハの♀だよ。綺麗だね。あの飛び方はね、卵を産みたいんだよ。ほらユズの葉にこだわっているでしょ」


私が説明している目の前で、ナガサキアゲハの母蝶は、はばたきながら空中に静止して、お尻をJの字型にグイッと曲げた。「あ、ほら産んだよ!」
ナガサキアゲハ食樹外産卵IMG_6868.JPG卵が産みつけられた場所は、ジョロウグモの巣網糸に絡んだ枯れ葉だった。ナガサキアゲハはクモの糸に脚でつかまり、産卵したのであった。

「あれ!? これと全く同じシーンを6年前にも見ているよ! そのときは、キンカンだったけどね」




鈴木知之さんの新著「ずかん さなぎ」(技術評論社)が、届いた。

さなぎ.JPG
さなぎについて、今まで知らなかった知見も豊富である。興味深い内容が多いなか、オオアヤシャクの蛹部屋の窓についての考察にば、思わず唸り声をもらすほど驚いた。オオアヤシャク幼虫がそこまで手のこんだことをやるのだろうか?しかし、鈴木さんの解説文にある通りにしか、解釈のしようがないと思える。オオアヤシャクと言えば、ホオノキの芽にそっくりの幼虫の姿ばかりに注目していたが、こんな盲点があったとは!?
さなぎの写真は大きくレイアウトされ、迫力があり、細かいディテールが綺麗に表現されていて、眺めているだけでも楽しい。加えて、さなぎの形態、生態につていの解説文も内容が濃い。また、鈴木さんの著書はすべてそうだが、写真には必ず撮影データ(撮影地、撮影日)が添えられている。これは極めて大事なことだと思う。

三股町 田上

午前8時から、地区の公民館で、盆祭り会場の準備作業に参加した。今年は帰省している長男も一緒に汗を流した。
盆祭り会場P8130021.jpg予報では曇り時々雨だったが、夏空の下、作業は順調に運んだ。涼しい風もあって過ごし易い一日だった。もう秋の気配すら感じる。会場入り口の灯籠看板は年季が入っている。5年前に作ったものだ。

盆祭りP8130023.jpg
ヤブミョウガの葉では、クロセセリ幼虫が育っている。彼らは糸を巧みに使い、巣を作る。
糸は数十本以上も張り、しだいに収縮するのか、葉は二つ折りになる。葉っぱハウスはこうして作られる。



三股町 田上

今日は一日中、小雨が降ったり止んだりで、涼しい風もあった。ようやく猛暑から解放された。

昨日のこと、庭先でコクロアナバチと出会した。竹筒の巣に獲物を持ち帰ったところだった。獲物はオナガササキリの♀で、まだ若い成虫。
コクロアナバチIMG_6538.JPG私の姿に驚き、獲物を抱えたまま飛び去った。しばらくして戻って来たが、そこにはヤドリバエも待ち受けていた。ほほ45度の角度を空中できっちり保ち、コクロアナバチを見据えていた。
コクロアナバチIMG_6544.JPG

コクロアナバチIMG_6541.JPG
このあと、コクロアナバチは竹筒の巣内に獲物を運び入れた。ヤドリバエは姿を消したが、きっと諦めてはいないはずだ。

三股町 田上

ツクツクボウシの羽化が連日続いている。午後9時。
ツクツクボウシIMG_6613.JPG写真画面、手前と奥の二頭は同じタイミングで羽化していた。二頭ともメス。お尻に産卵管がはっきりと見えている。例年よりツクツクボウシの発生が早い。

クツワムシ、ハヤシノウマオイの合唱で賑わう林を彷徨うこと小一時間。東京にいた頃は、職務尋問も受けたことがある。今は誰の目を憚ることなく自然観察ができる。このような時間に価値を見いだせるか、そうでないかによって、人生観も大きく違ってくるだろう。大仰な物言いかもしれないが、感性をどこに向けるかは、とても大事なことだと思う。

MacBookAirの復元を試みたが、素直に動いてくれず、いつまでも復元元を検索しているので、ブチ切れてしまった。とりあえずは、メールソフトのサンダーバードだけを回復した。

シンジュサン

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三股町 田上

仕事部屋の窓枠に、シンジュサンの翅がぶら下がっていたのは昨日の朝。
クロガネモチにぶら下がっている繭を点検してみれば、オスの繭一個が羽化済みだった。まさか、このオスの亡骸ではあるまいな?いやどうだろう。
シンジュサン翅IMG_6364.JPG同じクロガネモチの梢にあるメスの繭3個は、まだ羽化していなかった。メスが羽化すれば、きっとどこからかお婿さんが飛来するはずだ。その日が楽しみ。

今日は、嫁さんの知り合いの方が中学1年生の女の子と連れ立って、取材に来てくれた。夏休みの自由研究でカメムシの臭いをテーマにしたそうだ。ちょうど、オオキンカメムシとアカスジキンカメムシを飼育していたので、実物を目の前にして、お話ができた。
カメムシって、どんな虫?というお話をした。お話のメニューが濃過ぎたかな?


サツマニシキ幼虫

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宮崎市 田野町

ヤマモガシの梢を見上げてみれば、葉っぱに白く透けた食痕が多数あった。これはいるな、と思った瞬間、サマニシキ終令幼虫が目に飛び込んで来た。
サツマニシキ幼虫IMG_6378.JPG
葉っぱをたぐり寄せると、その振動に反応して防御液を出した。
サツマニシキ幼虫IMG_6380.JPG綺麗な水滴に、思わず触れてみたくもなるが、多分、皮膚には良からぬ影響があるかと思われ、人体実験には腰が引ける。

サtマニシキの成虫は、例年、我が家の近所でもよく見かけるが、しかし、三股町内でまだ、食樹のヤマモガシを見つけていない。ヤマモガシ、と聞いてこの樹を知っている人は少ないとは思う。

先日、アップルケアサービスから、修理出ししていたMacBookAirが戻ってきた。修理内容を見ると、ソリッドステートドライブ(SSD)を交換し、OSを再インストールしていた。つまり、私のノートブックは真っ白になって戻って来たわけだ。結局、故障の原因は闇の中。バックアップデータからシステム全体の復元作業はこれからだが、かなり気が重い。

日南市 北郷町

昨日、オオキンカメムシの様子を覗いてみたあと、車を停めた場所周辺をぶらついていたら、「えっ!!?」となった。見覚えある、ザトムシがいたからだ。
ギンボシザトウムシIMG_6240.JPG「これは、ギンボシザトウムシでは?」

先月末、久留米市 高良山で案内いただき、撮影したギンボシザトウムシは、こちら⬇️

ギンボシザトウムシIMG_5442.JPG
ギンボシザトウムシは、山口県、福岡県、佐賀県、鹿児島県、そして屋久島・種子島〜沖縄本島にかけての琉球列島に生息しているようだ(佐賀自然史研究16:33-36,2011 )。
もし昨日撮影したザトウムシがギンボシザトウムシであれば、宮崎県での初記録になるのかもしれない。

海浜

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都城市から志布志を経由し、串間市の山中を巡ること、1時間45分。
砂浜P8070003.jpg2キロ以上続く海浜に辿り着いた。風が強く波も高い。こんなところにも、昆虫は棲んでいる。こんな場所に棲む、理由を問いつつ、こんな場所、という思い上がりにも気付く。潮風が体中にまとわりつく。


都城市 早水町

?付きながら、モミジツマキリエダシャク幼虫としておく。メモリ付きの尺取り虫だ。

もみじつまきりえだしゃく.JPG
午後10時過ぎ、稲光が続き、やがて雨となった。久々のお湿りだ。

アゲハモドキ

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コガネグモ、今夏は多い。過去3年間はずいぶんと減ったように感じたが、それは我が家の周辺域の状況でしかなかったかもしれない。ともかく今年は多いので、仕事上、助かる。
谷津田に降りてみると、稲作はしないはずの田んぼに、水が張ってある。水面に映っているのは我が家の林。
水田IMG_6186.JPG水が涸れないようにか、どんどん注水している。なぜに?
この水環境には、シオカラトンボが多くやって来ている。
水田IMG_6197.JPG

午後9時。仕事部屋の外灯に、アゲハモドキが来ていた。他にはノコギリクワガタ♂、モンクロシャチホコ
、ツマキシャチホコ、、ほか。
水田IMG_6202.JPG今日は、草刈り作業をした。2時間以上掛かったが、暑いので堪える。30分おきに給水と休憩をとった。


西日本、とくにここ南九州では、ミンミンゼミは山のセミであり、平地ではまず見かけない。
ミンミンゼミIMG_5924.JPG我が家から車で10分程度、裏山に少し上がれば、ミンミンゼミの合唱が聞こえる。ここは、都城市山之口町、桝安森林公園だ。森林公園といっても、自然観察のための遊歩道などなく、ただ、頂上まで車道とわずかな駐車場が整備されているだけ。猫の額より狭いけれど、ピンポイントの観察で時々訪れている。ミンミンゼミの鳴いている場所は高いので、撮影のチャンスに恵まれなかったが、虫コブの観察をしているうちに、目の前のミズキに飛来し、「さあ〜撮ってたもれ」とばかり、鳴き始めた。予想通り、近づくと敏感ですぐに飛び去ってしまった。

ミズキの近くの草薮には、マダラエグリバ幼虫がいた。エビヅルの葉を食べていた。
マダラエグリバ幼虫IMG_5951.JPG
マダラエグリバ幼虫の紋様は、鳥のフンにそっくり。

今日のミンミンゼミ写真や先日のクロアゲハなど、キャノンの

EF-S55-250mm F4-5.6 IS STMを使うようになった。この望遠ズームは軽い上に撮影最短距離も短い。




アシナガオニゾウムシは、夜の灯りによくやって来る。これまでの出会いは草むらで数回以外は、ほとんどが灯りに来た個体ばかり。普段、それほど目に付く虫でもない。
アシナガオニゾウムシ_5A_8767.JPG前脚が一番長いが、六本脚全部が長めの体つき。するとゾウムシ類の得意技である擬死にも、影響があるように見える。

アシナガオニゾウムシ_5A_8751.JPG折り畳んだ脚が、体に密着せずはみだしちゃうん、だよね。
それでもアシナガオニゾムシの擬死時間はかなり長い。待ちくたびれて目を離しているうちに、トコトコ歩き出して姿を眩ましてしまう。
前脚がうんと長いのはオスであり、メスでは前脚、中脚、後脚の長さはほぼ揃っているようだ。
ようだ、というのも、じつはメスの姿はこれまで一度も見ていない。メスに会いたいと思う。

数日前から、lクツワムシの鳴き声が盛ん。今夜もかなり賑やかだ。

正午過ぎ、庭の日向に置いた温度計は「47度」、日陰に置いても「37度」。

都城市 早水町

だからと言う訳ではない、先日から始めている川虫の撮影に出掛けた。森のなかを流れる渓流。
こういう護岸の無い渓流が、宮崎にはまだ数多く残っている。これは自慢してもいいことだ。田舎の良さをアピールするなら、森と川が健全であることを誇らしく語るべきだ。ま、都城市は杉植林が多過ぎるのではあるが。三股町も同じく。一般の人が踏み込める自然林の森は少ない。

渓流PXB24022.jpg川面を覗き込んでいたら、いきなりヤマセミが上流から飛来し、私の頭上をかすめてすぐ傍の梢に止まった。直線距離にして2メートル、という近さ!しかし、それは一瞬のことで、ヤマセミが止まった枝は折れ、びっくりしたように下流へと飛び去った。
いや、私の姿に驚いて着地する枝の見立てを誤ったのか、あるいはいきなり羽ばたいたせいで、折れたのか。いづれにせよ、私もヤマセミも互いに、びっくり仰天。一層、涼しくなったのは言うまでもない。

カメラを水中に入れていると、魚たちが群れて寄って来る。「何やってんだい!?」とでも言いたげな顔をして通り過ぎるのは、カワムツだろうか?
渓流PXB24013.jpg水中撮影は、TG-3も使ったが、やはりファインダーを覗ける、水中ハウジングカメラが断然扱い易い。
OLMPUSのマイクロフォーサーズカメラ、EPL-1用に特注で作った水中ハウジングに、INONの水中ストロボS-2000の組み合わせ。
渓流P8020163.jpgレンズは広角ズームとマクロ45ミリの二本が使える。しかもズーミング用ダイヤルは、マクロレンズのマニュアルフォーカス操作にも使えるという優れもの。このハウジングは「Proof」で作ってもらった。年に数回しか稼働しないが、ここぞというときには、このシステムが活躍する。
ウェダーでは限界も感じる。ついつい深みにはまると、脇から浸水するからだ。
この先、川虫の生態撮影にどこまで入れ込むのかによるが、いつまでも水ものは苦手、と言い逃れている訳にもいかないだろう。



庭にアオメアブの交尾カップルがいた。
アオメアブ交尾IMG_5699.JPG
上が♀で、♀はこうして獲物を抱えて食事中のことが多い。そうでもなければ、オスを相手にはしてくれないのかもしれない。下の♂の翅の開き具合が、気になる。

そういえば、昨日の平尾台では、久々にカヤネズミの巣を見つけた。中は空っぽだったが、かわいい編み巣が懐かしかった。
カヤネズミの巣P7310019_1.jpgそう、20年ほど遡れば、カヤネズミの巣は結構、目にしていた。我が家の庭にも巣があったのだが、それが近年、急激に減ったようだ。こうした、世間では認知度の低い生き物たちが、次々と姿を消している。普通に人里に暮らしていた生き物たちが、次々と姿を消していくのは何故だろう?
珍しい生き物が減ることには敏感な世間だが、人里に普通にいた生き物の行く末には、案外、無頓着である。

番外編〜

さて、昨日のこと小倉のホテルに宿泊中、ノートパソコン(MacBook Air)のモニターが真っ黒になって、使えなくなった。もし、これが講演旅行先だったら、と思うと恐ろしくなった。
PRAMのリセット、あげくにはOS-Xの再インストールまでやってみたが(2時間)、症状は改善されす。
アップルのサポートセンターに電話し、相談した結果、修理出しとなった。ギリギリ無償修理期間内だったのが幸い。