2016年6月アーカイブ


梅雨明けも間近?

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三股町 田上

雷雨もあったが、雨は午前中でほぼ降り止んだ。午後3時を過ぎた頃から西空が急に明るくなってきた。
クヌギ材では相変わらず、ミナミマエグロハネナガウンカの羽化が続いている。

アジサイの葉裏に着地した、新成虫。たまには、うしろ姿を。
ミナミマエグロハネナガウンカ701A3029.JPG飛翔時以外、普段の生活では邪魔になるのでは?と気になる、でっかい翅。なぜ、こうしてV字型に立てておく必要があるのだろうか? まるでアンテナみたいだ。

夕方、雲間から太陽が顔を出した。

霧島山IMG_5466.JPG

〜おしらせ〜

8月5日〜26日、三股町文化会館で写真展を開催します。JR三股駅のみまたんギャラリーにも少し展示します。詳しい告知は改めてしますが、今夏のテーマは「虫と花」、です。来月はかなり忙しいので、早めに準備作業を進めています。講演は、8月7日(日)午後2時〜、の予定です。







倒木

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三股町 田上

雨は断続的に激しく降っていたが、中休みの合間に林に降りてみた。観察路はネザサが伸びて膝まで濡れてしまう。ヌルデが観察路を跨いで倒れていた。

ヌルデ倒木701A2900.JPG倒木のすぐ先には人工池があるが、今春、ヤブヤンマは一匹も羽化しなかった。昨年、10月にヤゴを数匹確認したのだが。

隣の林から倒れたでっかい杉の手前で、ヒサカキの倒木もあった。こちらは小木。奥に杉倒木が見える。

ヒサカキ倒木701A2908.JPG倒木の始末に加えて、観察路の草刈り作業をしなければ。明後日からはしばらく晴れるようだし。

エノキの梢を舐めるように舞う、タマムシの姿もあった。クヌギ材置き場では、日干しに余念の無いタマムシがいた。今日の飛び立ちは無理のようだ。

タマムシ701A2952.JPG




三股町 田上

西向きの縁側で、先週、チュンチュンと賑やかだったのは、スズメの巣立ちビナだった。縁側の庇には巣箱が設置してある。今年は、玄関先の巣箱とここと、二番が子育てを無事に終えた。

巣立ったあとにまた、カップルがやって来た。別のカップルだろうか。巣箱に入ったり出たり、中を点検しているようだ。
スズメIMG_1474.JPGこの巣箱は真ん中で二部屋に仕切られていて、出入り口は左右に2カ所ある。
なぜならこの巣箱、もともとは昆虫撮影用に拵えた箱で、巣箱としてはサイズが大き過ぎたのである。そこで急遽、真ん中に仕切り壁を入れた。

この巣箱を設置したのは、9年も前のことで、「昆虫ある記」にも載せたが、スズメのお宿騒動(住宅難)を見かねて、おせっかいにも拵えたのであった。

9年前の写真はこちら。設置直後の新居。
スズメ1423-1.JPG
さっそく、せっせと巣材を運び込んでいる、スズメ夫婦。
スズメ1423-2.JPG


延岡市 延岡市立植物園

観察会にはこれ以上に無い、と言えるほどの好天気に恵まれた。陽射しはキツいけれど、カラッとした風が心地良い。暑いのに汗をほとんどかかなかった。梅雨の中休みというより、梅雨明けではないか、と思わせる、そんな一日だった。

延岡IMG_1339.JPGニイニイゼミが午前中に数頭羽化していて、羽化直後の個体を参加者の子供たちが、見つけてくれた。そして、アブラゼミの初鳴きも聴くことができた。実際、アブラゼミを捕まえた子もいた。

参加者は家族連れの方々がほとんどで、総勢90名を超えた。私の解説が行き届かないことも多かったけれど、今日は歩いているだけでも心地良かったかと思う。

「これ何という虫?」という問い掛けのなかで、驚いたのがコブハナダカカメムシだった。小学生の男の子、こうしろう君が見つけてくれた。遊歩道のコンクリート製柵に止まっていたそうだ。

私には最初、それがタカサゴキララマダニに見えた。色形、大きさとも、たしかにそっくりだ。ルーペで確かめて、「おお〜!!」と思わず唸ってしまった。私もコブハナダカカメムシの実物を見るのは、初めてだった。

コブハナダカカメムシIMG_1367.JPGずっとビニール袋に入れてあったので、蒸し風呂になり、かなり弱っていた。残念ながらこの写真を撮ったあと、脚を縮めて死んでしまった。いづれ、また是非、見つけたい。

延岡市での観察会を終えて、帰宅したのは午後4時。少し休んでから午後6時に犬の散歩に出た。ボタンクサギ群落のところで立ち止まると、待ってましたとばかり、目の前の林でヒメハルゼミの合唱が始まった。すぐに止んだけれど。人の気配に反応したのだろうか?

で、ボタンクサギの葉っぱを食べていた、大きなシャクトリムシもいた。
キオビゴマダラエダシャクIMG_1393.JPGデカイ!おそらく終令だろう。雰囲気からキオビゴマダラエダシャク、かと思う。本種は多食性なので、ボタンクサギも食べるのだろう、と仮にしておく。


キマダラカメムシ

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延岡市

延岡市の海辺に近い川沿いの公園で、観察会を行った。ここの海抜は2.6メートルだから、津波が来ると浸水する、と看板に書いてあった。国道10号線もすぐ近くなので、車の騒音も結構ある。

しかし、植栽を注意深く見ていけば、次々と虫のしわざや、虫が登場してくれた。サクラの幹では、キマダラカメムシの交尾カップルがいて、梢を見上げると、産卵直後の卵塊、ふ化幼虫群、2令幼虫群、と様々なステージが観察できた。

キマダラカメムシ卵IMG_1332.jpg
明日は、延岡市立植物公園でも、観察会を行う。

旅立ち

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三股町 田上

クヌギ材から、今日も2頭のタマムシが大空へと舞い上がって行った。これで何頭目だろうか。

こちらは、まだ離陸の練習中。何度も地面に落ちていた。

タマムシIMG_5387.JPG仕事部屋の傍にあるクヌギでは、でっかいヤママユ終令幼虫が彷徨っていた。
おそらく営繭場所を探し歩いているのだろう。

ヤママユ終令IMG_5429.JPG

羽化のピークを迎えているのは、ミナミマエグロハネナガウンカ。クヌギ材の菌類を食し成長する。
ミナミマエグロハネナガ羽化IMG_5367.JPG羽化シーンを撮影したいが、飼育下でなく野外で実現したい。なので、頻繁に覗き込むのだが、タイミングがなかなか合わない、それもそうだ。

写真の個体は羽化直後で、羽化は1時間以内に行われたかと思う。

三股町役場の企画政策課で、今夏開催する写真展の打ち合わせを行った。
三股町役場主催で開催する写真展は、今年で8回目になる。
役場の担当者の方々の協力も得て、写真展が少しでも自然に関心を向けるきっかけ作りの場になればと思う。前にも書いたが、都会と違って田舎ほど、自然への関心度が薄い。そこが問題なのだ。

明日は、再び延岡市に行く。行くというより、なんだか、延岡に戻る、という感覚になる。
さて、観察会本番の明後日、日曜日は予報では、晴れのようだ。本当かな?








三股町 田上

地名を正確に書けば、都城市 山之口町、となる。我が家は三股町と山之口町の境界線ギリギリに位置しており、道路を横切ると都城市になる。

犬の散歩で50メートルほど東に歩いたところで、ササの葉を食べていた、ウスキシャチホコ終令幼虫。
振動を察知して警戒の姿勢になった。
ウスキシャチホコIMG_1265.JPG幼虫の外見はシャチホコガ科には見えないが、こうした姿勢をとるところは、いかにもシャチホコらしい。

ウスキシャチホコの若令幼虫はササやススキの葉先に、特徴のある「しわざ」を残す。なので、この「しわざ」は拙著「虫のしわざ観察ガイド」に掲載する予定であったが、頁数の制約上入り切らなかった。

断腸の思いで掲載できなかった「しわざ」は数多くある。いづれそれらも含めて、新規にガイドブックを作りたいと考えている。

すぐ傍の空き地では、ボタンクサギが咲き始めていた。

ボタンクサギIMG_1298.JPG
ボタンクサギの花には、黒いアゲハ類がよく訪れる。

ボタンクサギ群落の奥の林で、ヒメハルゼミの合唱がにぎやかに始まった。
前後してヒグラシの声も。ニイニイゼミはずっと、伴奏している。




天気は味方

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宮崎市 加江田

朝、延岡を発つときは雨だったが、宮崎市に入ってしばらくすると雨は止んだ。
今日の取材現場は、宮崎市加江田。ときおり小雨が降る程度で目的の仕事は順調に進み、本日で終了。

アカアシカスミカメムシIMG_5346.JPGアカアシカスミカメが林道脇の花に数頭、来ていた。


20日から始まって三日間、女性3名の方とフィールドでの取材を行った。そもそも誰かと一緒にフィールドを巡ることは年に1、2回程度で不慣れでもある。自分の性格上、独りでいることを好み、普段は誰かを伴うことをできるだけ避けてもいる。そういうわけで、いらぬ神経をついつい遣ってしまうのだろう。
正直、疲れた、と書いておこう。もちろん、楽しい一時を過ごせたのではあるが。

昨夜は、延岡のある居酒屋に女史二人と飲みに出掛けた。昼間は快晴だったが、ホテルを出る頃にはザアーザアー降りだったので、タクシーに相乗りした。美味い肴で話しも弾んだが、畳席だったので座骨神経痛の私としては結構、堪えた。掘りごたつの席はすでに予約済みで空いてなかった。延岡では人気の高い居酒屋だ。飲み終えてから、ラーメン屋を探して歩いた。ラーメン屋はすぐ近くにあった。味はそこそこ。もう一度、行くか、と問われれば、否。雨は止んでいたので、ホテルまで歩いて帰った。独りなら遠い距離だが、三人でなんだかんだと喋っていれば大した事は無い。



晴れ間出る

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延岡市 延岡市立植物園

本の取材で、昨日から延岡に滞在二日目。九州は大雨に見舞われたが、ここ延岡では青空の下夏日となった。
延岡植物園IMG_5305.jpg
キノコIMG_5314.jpg
小さなキノコの名前調べはこれから。

昨日は午後から雨になったが、午前中に目的の仕事を終えることができた。そして、今日は天気情報に反してまさかの快晴。

私と他3名の方の虫目で、自然観察。

いつもは独りで仕事をしているので、慣れない疲れが出た。

明日は、宮崎市内に移動。

ベニツチカメムシ

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宮崎県 延岡市

観察会の下見を行った。観察会は来週に予定しているが、参加予定者数が80名と、かなり多いようだ。
昨年の10月にも延岡市内で観察会を行ったが60名を超えていた。

観察会を開催する植物園のベニツチカメムシの様子も見てみた。すでに2令幼虫がボロボロノキの落果に集まっていた。

ベニツチ2令IMG_1032.jpg
ベニツチ親子IMG_1036.jpg



番犬

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三股町 田上

お米は籾で買う。なので、コイン精米機には毎月一回は通うが、半俵の30キロはけっこう重い。30キロの精米だと300円で上白精米できる。今日は午前中にこの精米作業を済ませて、午後4時から草刈り作業をした。

草刈りを終えて斜面林を登り切ると、ドッと疲れが出た。何もする気がしない。シャワーを浴びて汗を流すと、居間で休憩した。何も考えず、ぼーっとする。窓から入る風が心地良い。

休憩701A2875.JPG日が落ちてからしばらくすると、下の畑から犬の吠える声がするようになった。
昨日、下のサツマイモ畑の隅に仮拵えの犬小屋ができて、犬が2頭つながれた。畑を見ると、なるほど堀り返された痕があり、イノシシが出たことがわかった。

番犬たちはずっと吠えているが、イノシシ撃退に効果あるだろうか。
我が家としては、ちょいとウルサい。

が、番犬たちが吠え立てるのは、案外、寂しいからではないだろうか。
いつもとは違う闇夜の中に放たれたのだから。

それに反して、うちのチョロは、まったく吠えもしない。

コガネグモ701A2846.JPG

2009年から13年まで、うちの周辺ではコガネグモがたいへん少なく、ほとんど見かけることがなかったが、2014年から増え始め、今夏は特に多い。2007年の頃とほぼ同じくらいだ。年によって変動が激しい。

ドウガネブイブイ

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三股町 田上

このところ、ヤブキリ♂の「シリシリシリ〜」という鳴き声が賑やかだ。さすがにもう、幼虫を見つけるのは難しくなった。

今日も出掛けることなく、主に室内作業。私の場合、フィールドに出掛けなくとも、仕事部屋の回りをうろつくだけでも自然観察ができる。フィールドの中に家があるとも言える。

足下からフワリと飛び出したのは、クロコノマチョウ夏型。
クロコノマチョウ701A2752.JPGクヌギの梢では、いましがた脱皮を終えたばかりのナナフシがいた。
ナナフシ脱皮701A2778.JPG
気付くのがもう少し早ければ、脱皮シーンを観察できたのだが。

クヌギ若葉をたぐり寄せて食事中だったドウガネブイブイ。私の近づく気配で、警戒してしまった。
ドウガネブイブイ701A2746.JPG
一旦フリーズしてしまうと、解凍するまでがじつに長い。さすがに付き合いきれず、部屋に退散した。

赤い虫コブ

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三股町 田上

クヌギの葉にできる虫コブ、クヌギハマルタマフシ。葉表だけでなく、葉裏にもできる。

クヌギハマルタマフシ701A2651.JPGこの虫コブを作らしめた主は、クヌギハマルタマバチ。一つの虫コブの中で、一匹の幼虫が育っている。単性世代であるから、秋に虫コブから羽脱してくる成虫はすべてメス。メスは冬にクヌギの花芽に産卵する。やがて春になると花にクヌギハナケタマフシという虫コブができる。この虫コブで成長するのは両性世代で雌雄が羽化する。

世代交代したり、虫コブの形成場所も形状も変化するなど、虫コブの世界は極めて複雑である。同種でありながら、世代ごとに別々の和名がついたりするのも、余計にややこしくしている。また、虫コブの名称も世代が違えば、別の和名がつく。なかなか、覚え切れないから敷居も高く感じる。

しかし、虫コブの色、形、には魅力たっぷりなものが多い。複雑な生活史はとりあえず後回しにして、その美しさ、神秘さを素直に表現してみようと思った。そういう思いを込めて作った本が、

「むしこぶ みつけた」(ポプラ社)

今の時期、クヌギハマルタマフシが次々と成長している。

昨日のノコギリクワガタ。雨のなかずっと同じ樹液に留まっていた。

ノコギリクワガタIMG_1017.JPG
夕方、雨が止んだ寸暇に脚立に登って様子を見てみた。脚立はしばらくクヌギの傍に置いておこう。

三股町 田上

昨日と同じクヌギ樹液では、一回り小さいノコギリクワガタ♂が♀をガードしていた。7㎝いや、7㎝を超える大型オスはどこに行ったのだろう。

時間をおいてしつこくクヌギを見上げてみれば、いたいた、あのでっかいオスが。

ノコギリクワガタ701A2721.JPG3メートル上の樹液に頭を突っ込んだメスをガードしていた。ここには、小柄なオス2頭も入れ替わりでやって来るものの、でかいオスに排除されていた。

よくよく見ていると、チビ助オスたちのお目当ては樹液であって、樹液を無心に吸う姿もあった。うまく立ち回れば、樹液をそっと吸えるポジションがある。しかし、なにせ、デカ♂はかなり神経質になっていて、ちょっとでも自分の脚にチビ助の脚が触れたなら、えらい剣幕で追い出しに掛かる。

デカ♂(大型♂)は、深追いはしない。彼は常にメスの体に脚をかけており、激しく追い立てるも決して、メスの体から離れることはない。自ら、メスに繋留められているのである。

夕方、犬の散歩ですぐ近くのクヌギ林に出向いてみれば、若いお父さんと男のお子さんがクヌギを見上げていた。
「いましたか?」の問いかけに「いませんね、まだ早いですかね」と、お父さん(おじさんかも)。

男の子は小学1年生くらいだろうか、うちのチョロを見て「あ、かわいい犬!」と駆け寄ってきて、すぐに撫でていた。

顔は傷だらけになっていたが、よほど活発な子なのだろう。元気のかたまりのような、近頃ではあまり見かけなくなった、やんちゃ坊主にホッとするものを感じた。

ノコギリクワガタ

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三股町 田上

庭のクヌギにノコギリクワガタ♂が来ていた。樹液が出ているようだ。

ノコギリクワガタ♂701A2515.JPG
このオスは、大アゴ先端からお尻までの体長が7センチもあり大柄である。

日が落ちてから改めて覗いてみれば、一回り小柄なオスも来ていた。写真の大柄なオスは、樹液を譲って少し離れた場所に佇んでいた。クワガタやカブトムシのオスは、餌場を巡って喧嘩ばかりしているイメージで捉えがちだが、それはあくまでも生活のほんの一部でしかないことも知るべきかと思う。

三股町 田上

居間の南側の窓からの眺め。
外の風景IMG_0971.JPG画面手前左から、コナラ、クヌギの小木が並んでいる。奥は斜面林。樹齢40年近いクヌギを中心にカラスザンショウ、センダン、アカメガシワ、イチイガシ、モチノキ、ヒサカキ、ケヤキ、エノキ、などが植わっている。手前のコナラとクヌギは4年前に50センチほどの実生を植えたのだが、家の屋根の高さと同じくらいまで成長した。

画面右はしに積んであるのがクヌギ材で、タマムシが2年前に産卵し、今夏は成虫の羽脱が始まったところだ。2年、3年、4年、、と長期間に渡って見続けることが、自然観察の要である。家に居ながらにしてこうした定点観察ができることは、ある意味、贅沢かもしれないが、それは精神世界でのことだけど、と付け加えておこう。

さて、目の前の私が植えたクヌギ小木では、面白いしわざが見つかった。キマエアオシャク幼虫のしわざだ。

キマエアオシャクIMG_0987.JPGこのしわざは、蝶でいえば、コミスジやイチモンジチョウ、などの幼虫の習性と酷似している。葉の先端から主脈を残して半ばまで喰い進み、主脈先端側には敢えて食べ残したところを萎れさせている。その萎れた所に幼虫は頭を下向きに静止している。これなら隠蔽効果もあるだろう。
キマエアオシャクIMG_0990.JPG上2枚の写真は昨日の様子。  今日も気になって覗いてみれば、雨のせいもあるだろうか、幼虫は静止場所を移動していた。
キマエアオシャクIMG_1002.JPG先端の萎れた部分がとれていて、幼虫は頭を上向きにほぼ直立している。
幼虫が自ら噛み切って落としたのか、自然に落ちたのかは判然としない。この様子を見ていると、さて蛹になる場所はどこよ?と、さらに興味が湧いてくる。


キマダラコウモリ

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三股町 田上

毎朝、仕事部屋の外灯をまず見ておく。昨夜、飛来した昆虫は少なかったようで、居残り組はわずかだった。 と思いきや、でっかいのが1頭いた。

キマダラコウモリガIMG_0941.JPG本種は、コウモリガより発生時期が早い、キマダラコウモリ、だ。


この時期にしては珍しいことだが、写真絵本の構成を練っている。年内に刊行予定だから、撮影の仕事の合間を縫って作業をするが作業効率は捗々しくない。

それでもまずは、表紙の写真を決めた。表紙の写真が決まるとあとあとの作業もやりやすい。これまでも先例があるが、もちろん本のテーマによってはそうそう簡単には決まらないことも多い。しかし、しばらくしてから、今回の本の判型が気になった。「あ!そういえば、横長ではなかったような、、、、」



クヌギのあれこれ

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三股町 田上

朝、寝室の窓からオニヤンマ♂の舞う姿が見える。5メートル四方の範囲をグルグルと飛び続けているが、ときに休むこともある。
オニヤンマIMG_5171.JPG居間の窓辺には望遠レンズを付けたカメラが置いてあるので、そこから撮影してみた。カワラヒワを撮影するためにずっと置きっぱなしの400ミリレンズ+2倍テレコン。例年、この場所の上空でオスはメスをキャッチして交尾に至る。まさにオニヤンマのデートスポット、というわけだ。

写真画面の奥には、クヌギ材が積んである。伐採して2年目。先週、この材から羽脱するタマムシを見かけるようになった。まだ2頭だが、いづれも羽化不全で後ろ翅が伸び切っておらず、飛ぶことができなかった。材をよく見ると、羽脱穴がいくつかあった。
タマムシIMG_0894.JPGクヌギの葉に、赤い虫コブ、クヌギハマルタマフシが育っていた。

クヌギハマルタマフシIMG_0814.JPGこの虫コブは、若い葉にはできず、硬い成葉に見つかる。


三日前、鹿児島県財部町で見つけたオキナワルリチラシ幼虫。持ち帰ってツバキの葉を入れておいたら、繭を紡いでいた。繭の長さは、32ミリ。

オキナワルリチラシ繭IMG_5162.JPGV字型の谷間をうまく利用して、天幕状の繭ができた。羽化口は決まっていて、おそらく画面右側だと思う。羽化口は裂け易くなっていて、蛹が体を伸ばすと開く。

午前10時半〜正午過ぎにかけて、数回、うちの林や周辺で、ニイニイゼミが鳴いていた。




三股町 田上

庭のアブラナの種子を啄みに来ていた、カワラヒワ。2週間ほど前から、今度はノアザミの種子にやって来る。

カワラヒワIMG_5114.JPG今日は曇り空なので本番撮影の前に、テスト撮影をしておいた。明るさが足りないので、ISO感度を2000まで上げ、シャッター速度を千分の一以上に確保したが、さすがに拡大すると画像の荒れが目立つ。
綿毛種子を上手に啄む様子を撮りたい。食べる、という姿が伝わる写真にしたい。それには、やはり陽射しが欲しい。

お隣、鹿児島県の財部町に出掛けた。以前から何度も紹介してきた、ベニツチカメムシの生息地。目的の観察を終えて車に戻ろうとしたら、イヌビワの葉上に初めて見るイモムシがいた。

オキナワルリチラシIMG_0646.JPGオキナワルリチラシの幼虫だ。本種の食樹はツバキやヒサカキなので、おそらく風で吹き落とされたのかもしれない。

午後6時過ぎ、うちのすぐ近くの杉林で、ヒグラシが鳴いていた。

ゴマダラカミキリ

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三股町 田上

ユズの葉陰で見つけた、ゴマダラカミキリ♂。

私に気付いて慌てて飛び去った場所は、隣のキンカンだった。

ゴマダラカミキリ飛翔02IMG_0618.JPG去年はたくさんの花を咲かせたキンカンだが、今年はさっぱり。花蕾は一個も無い。

しばらく姿を見なかったベニシジミだが、羽化したばかりの新鮮な夏型が、目につき始めた。

ベニシジミ夏型IMG_0490.JPG
シラカシに移したミミズク♀だが、今日、網を外してみると、産卵痕が4カ所ついていた。

クヌギ朽ち木には、ミナミマエグロハネナガウンカの幼虫が10頭ほどたむろしており(終令がほとんどだが若令も混じっていた)、新成虫も1頭いた。





梅雨入り

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三股町 田上

梅雨入り宣言の報道をぼんやり眺めていた。それにしても、寒い。朝からずっと冬用のジャケットを羽織っていた。
玄関前のネズミモチに絡んだナツフジの葉裏に、ゲンジボタルのメスがいた。

ゲンジボタルIMG_0387.JPG下の谷津田からここまで飛んで来たのだろう。産卵場所を求めて旅立った、途中なのか?

この記事を書いている横で、ポチンと音がした。ヤママユ幼虫が糞を落とした音だ。ついで、パチ、パチ、と葉を齧る音も。でっかい糞がコロンと転がっている。繭作りは間近だが、今夜ではないな。



トックリバチ泥巣

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三股町 田上

今日は午前中に草刈り作業の続きを行った。草刈り機は3台あって、それぞれ使い分けている。草丈が短い場所や、人工物、石などに近接したところでは、ワイヤーカッターをセットした専用刈り機を使う。これは一番馬力の小さいタイプだが、軽くて作業は楽だ。2時間ほどで終了した。

草刈り機を掃除するため、飼育室に置いてあったブラシを手に取ろうとしてびっくり。
「あれ、こんなところに トックリバチの泥巣が!?」

トックリバチIMG_0368.JPG飼育室は雨風を凌げる半屋外だから、こうしてトックリバチが営巣することが多い。

トックリバチIMG_0369.JPG



刈る

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三股町 田上

今さらだが、地名の読みの確認。「みまたまち、たがみ」 です。

陽射しが強い下、草刈り作業をした。西向き法面は傾斜がきついので、足下を気遣いながらの作業はくたびれる。ちなみに画面右下は「唐芋畑」で、焼酎の原料。

草刈りIMG_0253.JPG斜面の草刈りは右手が上になる向きで刈り進む(つまり画面奥から手前へと)。草刈り機は右から左へと刃を振るからだ。刈草は下に落としていく。2回ほど小休止を入れたが、暑い割に空気が乾燥しているので思ったほど汗をかかなくて済んだ。1時間半で作業を終了し、シャワーを浴びる前に自分の頭髪も刈った。ちょうどつなぎを着ているので都合がいい。大地を刈るのも頭を刈るのも似たようなものだと毎度、思う。丸坊主だと刈るのも楽チンである。以前は時々床屋に行ってたが、ある日、「バリカンあるんでしょ?自分で刈れば」と床屋の親爺さんに言われてから、そこまで言われては仕方が無いと、床屋通いを諦めた。床屋での一時は私としては、気分転換に良かったのだが、親爺さんも余計な出費と気遣ってくれたのだろう。

先月、24日から庭のイチイガシに袋掛けで放飼していたミミズク♀だが、今日、シラカシに移した。ずっと同じ場所の幹に止まっていたように見えたが、袋を外して幹を調べてみると、産卵痕が8カ所も残っていた。しばらく不在にしていた間に産卵したようだ。
産卵痕が今後、1年、2年、、、と経ていくうちにどのようにう変化していくだろうか。

天敵の天敵とは

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三股町 田上

近所のナツグミが、まっかに熟した。実りの重さで枝が全て垂れている。

ナツグミIMG_0189.JPGこのままでも食べれないことはない。えぐみさえ気にしなければ。鳥たちはよく啄ばんでいる。さらに完熟して崩れてくると、昆虫も多く群れる。どうやら人は、味覚について、ある勘違いをしているのかもしれない。

アブラムシの天敵、ナナホシテントウが、そのアブラムシの傍でへんてこりんな格好になっていた。
ナナホシの天敵IMG_0177.JPGへんてこりんに見えるのは、すでに死んでいるからだ。自分の意志が通じない、ただ単に物理法則に支配された姿なのだ。私たち人間は死に直面したとき、そういう事態を忌み嫌い、たいへん恐れる。それはともかく、アブラムシの群れという餌の宝庫にいながらして、ナナホシテントウが死を迎えた理由ははっきりしている。

ナナホシの頭上左寄りに、薄オレンジ色の塊があるが、それは繭であり、繭を紡いだのはテントウハラボソコマユバチ。この寄生バチの♀親は、ナナホシやナミテントウの成虫に、自分の卵を産み付けるのである。写真の場面に出会う少し前に、寄生蜂の用意した時限装置が働き、ナナホシは動きを止めたのだ。ただし、時限装置が可動しても、ナナホシはすぐには死ねない。痺れて自由が効かなくなった状態のまま、繭を紡ぐ天敵の姿をじっくり見学させられるのだ。

繭を逆光で透かして見れば、中は空っぽであったから、テントウハラボソコマユバチはすでに羽化して旅立った後のようである。

                                                                                (使用機材: EOS-80D EF-S60ミリマクロ )