ライバル、現れる!

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クロコノマチョウの秋型が多くなった。

翅裏の色紋様は個体によって様々。そのバリエーションをきちんと見ておきたくなった。

家の真向かいの木陰に入って20分ほど、クロコノマチョウを撮影してみた。
一歩進むだけで足下からワラワラと大きな黒い影が舞い上がる。
4、5頭がいっぺんに飛び立つこともあって、どの個体に目を付けるか判断に迷うこともある。

ともかく、飛び立ったあとの着地点をしっかり見定めてから、慎重に近寄っては撮影する。
レンズは望遠ズームの300ミリ端を使用。
驚くほど、同じ紋様のものはない。これなら紋様を記録して個体識別ができそうなくらいだ。

狭い範囲で20分掛けて揃えた9頭。

くろこのまコレクション2017.JPG
このなかで、緑青光沢が目を惹くのが左列の一番上。
ウラギンシジミIMG_2632.JPG
昆虫観察会ではクロノコマチョウの幼虫が「バイキンマン」と称して、子供達に人気となるが、
しかし、成虫の姿をしっかり見た事がある子はかなり少ないかと思える。
現場でこのチョウを観察してもらうには、熟柿トラップを使うくらいしか、思いつかない。

〜蜂採りのライバルとは〜

クロコノマチョウを撮影しているとき、薮の向こうから人の会話が聞こえた。
会話の内容から、どうやら、オオスズメバチの巣探しをしている様子。
近所の方ではない見かけない2人組だった。
撮影を終えて家に戻る途中、双眼鏡と無線機を手にして上空を探っている一人を見かけた。

ははあ〜ん、うちの庭にHさんが仕掛けた餌トラップに、オオスズメバチがいっこうに来ない理由が読めたぞ。

目と鼻の先にあるクヌギ林で、その2人組が早くから餌トラップを仕掛けていたようだ。
しかも道路から死角になる位置で、私もうっかり気付かなかった。
なんとも用意周到なやり口だ。

しばらくしてHさんが様子を見に来たので、事情を話して、家の前の上空を見上げていると、白いリボンをヒラヒラさせて林に吸い込まれるにように消えて行くオオスズメバチの姿があった。
すでにマーキングも終え、巣場所探索は大詰めに入っているようだ。

「こりゃあ、だめじゃなあ。あっちはまるでプロじゃ。別の仕掛け、見て来ますわ」
と、Hさんがっかりした様子で去って行った。


今夜も上米公園で夜の観察を続行。

オオカマキリモドキは3頭以上、柿の実に来ていた。ようやく、小蛾の補食行動を2例、確認でき、撮影もできた。いづれも3メートル以上の高い枝なので、隣接するサクラに登ってなんとか撮影。柿の木を挟むようにしてサクラが二本並んでいる。これはラッキーだった。

観察を終えて去ろうとした間際、緑色型のハラビロカマキリに、オオカマキリモドキが補食されていた。オオカマキリモドキは、こうしたリスクがありながらも、この猟場に毎晩通って来ている。

柿の木の枝でねぐらについた、ウラギンシジミ。
ウラギンシジミIMG_9655.JPG


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