menu前ページTOPページ次ページspace.gif

夕立と夕焼け 2008/07/31(その1)
 昨日も今日も、午後4時ころから激しい夕立があった。
雷もゴロゴロとなり、突風もあってさながら台風一過の感さえある。しかし、夕立だから雨もすぐに止む。
 午後3時頃までの猛暑がウソのように涼しくなって、夕立には感謝したいくらいだ。
 今日はうっすらと西空が赤く染まった程度だったが、昨日の夕焼けは綺麗だった(写真上/昨日の夕立直後の霧島山、写真下/昨日の夕焼け)。

(写真/E-3  14-54ミリズームレンズ)新開 孝

脱皮に伴う危険とは 2008/07/30
 昨日の深夜、午後10時。
 仕事部屋のすぐ外の草地を見て回った。
 室内撮影での深夜から早朝にかけて続く待機時間は長い。
 あまり気張らず、かといって油断することなく待機するというのは、かなり要領を得ないと難しい。待つ時間を苦痛にならないように過ごすにはそれなりの工夫が必要だ。

 草地を懐中電灯で照らすと、さまざまな直翅類、つまりバッタやイナゴ、キリギリス類などが多く目につく。
 クロコガネを食べていたのはキリギリス。コオロギ類の幼虫を貪っていたのはウマオイ。この手合いは食事に夢中になると、かなり接近して観察することもできる。
 風になびくススキで脱皮していたのはササキリ類の一種のメス(写真上、中)。
 彼らの脱皮はこうして深夜にひっそりと行なわれる。それは少しでも天敵の目から逃れるため、という理由もあるのかもしれないが、しかし先にも書いたように草むらには暗躍する肉食の直翅類も多い。

 さもあらん羽化脱皮の途中で体前半分を食べられたオナガササキリ(?)の死骸を早朝になって見つけた。長い産卵管を抜き出しにかかったタイミングで襲われたのだろう。それにしても体後半部を食べ残した訳は何でだろうか?

(E-520   50ミリマクロ/ストロボFL-36R)

新開 孝

追記/シオヤアブの獲物とは 2008/07/27(その3)
 シオヤアブは大柄なムシヒキアブだが、その獲物はコガネムシ類が多く、他にはセミやアブハエ類もよく捕らえる。

 昨日のこと、庭の草刈りをしていたらそのシオヤアブがアオメアブを捕らえていた。しかもそのシオヤアブはメスで、オスと交尾中。

 交尾中にメスがアオメアブを捕らえたのか?それともアオメアブをしとめたメスをオスがしとめたのか?後者の方が可能性としては高いように思われるが、真実は謎のままだ。


 本日の 尾園さんのブログ にもシオヤアブの記事が出ています。新開 孝

オオキンカメムシ、ふ化ピークを迎える 2008/07/27(その2)
 7月9日の段階ではまだオオキンカメムシの産卵は始まっていなかった。
寄主植物、アブラギリの実も小さかった。

 今日ふたたび同じアブラギリを訪れてみれば、すでにふ化幼虫が多数いたのであった(写真上/白い塊は卵殻)。2週間以上というのは少し間を開け過ぎたな、と悔やまれる。まだふ化していない卵塊もあったが、卵内の胚発生は進みふ化も間近となっている(写真中)。

 一つの卵塊あたり約120個〜200個くらいの卵がぎっしりと並べて産卵されている。いくつかの卵塊を見つけたが、ふ化率100%のものもあれば、70%程度のものもあった。

 オオキンカメムシのメス成虫もまだ居残っていて、お腹の大きい個体もいるので今後も産卵するものと期待できる。

 (写真上/E-3  50-200ミリズーム/ストロボFL-50使用)
 (写真中、下/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

鰐塚山山頂 2008/07/27(その1)
 今日は宮崎昆虫同好会の「アサギマダラ、マーキング会」に参加した。
場所は宮崎市、田野町、鰐塚山山頂。

 あいにく山頂付近には雲が多く午前中はほとんど霧に覆われていたが、アサギマダラの数は多かった。一人で100匹以上にマーキングした会員の方もいたようだ。
ぼくは43匹。マーキングシートに書き込みながらだと、どうしても手間暇が掛かる。

 2時間程度とはいえ、捕虫網を振り続けたのは久しぶりのこと。昆虫写真を稼業にしてから捕虫網を持つ機会は滅多に無くなったからだ。学生の頃に比べてみれば、その腕も落ちたかもしれない。

 山頂では様々な昆虫が見られた。なかでもヒグラシを捕らえたオニヤンマの♀を撮影できなかったのは残念!重いヒグラシを持て余すかのように、あちこち止まり場所を求めて飛翔する姿を捉えることができなかった。

 山頂でよく鳴いていたのがホソクビツユムシ。前翅をグイッと持ち上げて鳴く姿がなんとも格好良い(写真中)。ホソクビツユムシにカメラを向けているうちにほんの束の間、晴れ間が出た(写真下)。

 他に、ミドリヒョウモン、アオバセセリ、イシガケチョウ、サカハチチョウ、キアゲハ、アカタテハ、アオスジアゲハ、オナガアゲハ、ジャコウアゲハ、カラスアゲハ、サツマシジミ、モンキアゲハ、ミヤマサナエ、コヤマトンボ、ウスバキトンボ、ヨツスジハナカミキリ、フタオビミドリトラカミキリ、ゴマダラカミキリなどが目についた。

(写真上、中/E-3  50-200ミリズーム/ストロボFL-50使用)
(写真下/E-520   8ミリ魚眼)
 新開 孝

タテハモドキ、夏型 2008/07/26(その2)
 数日前から近所の畦道でタテハモドキを見かけるようになった。

 今朝はゆっくりと滑空するタテハモドキがいて、おそらく羽化して間もないのだろう。これまで夏型の綺麗に開翅した写真を撮っていなかったな、と思い散歩中のチョロにも撮影に付き合ってもらった。

 犬の散歩には小さなショルダーバックを必ず肩に掛けるようにしている。この肩掛けベルトに犬のロープをカラビナで固定しておくと、両手が使えるので便利だ。
ちなみにバックの中には、折りたたみ傘、厚手のビニール袋、タッパー容器、おしのびネット、カメラのバッテリーなどが入っている。チョロは撮影中もじっとおとなしく待機してくれる。チョロがうちに引き取られたのはちょうど一年前の今頃だった。

 タテハモドキを撮影しながら、今日になって初めて思ったのだが、なんでタテハモドキという和名がついたのだろうか?
 タテハチョウ科らしからぬ姿をしているから?そうではないよなあ。これまで名前に馴染んでいるせいか、変には思わなかったが、よく考えてみれば何に対してモドキと称されるのか、その根拠らしきものが思いつかない。
 クロヒカゲモドキやキマダラモドキ、あるいはカマキリモドキといった和名種なら、それなりに頷けるのだが、タテハモドキ命名には如何なる経緯があったのか!?
そう言えば、ヒメジャノメなどジャノメチョウ類は、家の中に飛び込んで来ると、商売がうまくいくとかお金が貯まるとか、縁起が良いとされ、別名「銭蝶」とも呼ばれるそうだ。宮崎に来てから「銭蝶」という呼び名をお二人の方から教えていただいた。「銭蝶」、地方によっては別の呼び方もあるだろうか?

(写真/E-520 50ミリマクロ)

新開への連絡はこちらまで↓
yamakamasu@shinkai.info

 新開 孝

オオチャバネセセリ 2008/07/26(その1)
 オオチャバネセセリは関東から北にかけては広く普通に見かけるチョウだが、西日本では数が少なく、分布も局地的。北九州では、日本レッドデータの絶滅危惧1類に指定されている県さえあり、近年、とくに平地では減少傾向にあるようだ。
 ごく普通に見られるイチモンジセセリと違って、オオチャバネセセリの幼虫は主にタケやササ類の葉を食べるので、イネの害虫とはならない。

 オオチャバネセセリを宮崎に来てから見てないような気がしていたが、先日からうちの回りの畦道で姿が目立つ。久しぶりに撮影してみた。

(写真/E-520  50ミリマクロ)

新開 孝

夜の樹液〜その1 2008/07/25(その2)
 樹液に夢中になった昆虫は、どうやら少しは鈍くなるようだ。

 お互いに頭を付き合わせながらも、まったく気にすることなく樹液を吸い続けるヘビトンボとカブトムシのメス(写真上)。
 カブトムシがもしもオスだったら、大きな角が邪魔をして、このような場面にはならなかったのかもしれないが、ともかくまったくの他人同士でこうして一見仲良く食事をするというのも、たいへん微笑ましくもある。

 ズブリと樹液に顔を突っ込むヘビトンボと、上品にストローを使うフクラスズメ(写真下)。この両者も普段はまったく無関係な生活を過ごしているが、こうして夜となるとまるで旧知の仲のように一時を過ごす。

 
新開 孝

夜の樹液〜その1 2008/07/25(その1)
カサカサという音がした瞬間、すばやく枝を移動する怪しい影に気付いた。

 懐中電灯の灯りに照らし出されたのは、獲物を抱えたオオゲジ。
 おお!獲物もでっかいぞ!今夜の御馳走はフクラスズメだ。

 オオゲジは樹液酒場の常連客をジーッとねらっている。おそらく視覚はほとんど効かないであろうから、獲物の臭いや動きの振動などを察知しているのだろう。

(写真/E-3  50ミリマクロ+2倍テレコン)
(撮影場所/都城市 山之口町)

 新開 孝

蛇の目模様 2008/07/24
 薄暗い林の中をフワリ、フワリと舞う、コジャノメ。
 コジャノメに良く似たヒメジャノメは、林の縁あたりのもう少し明るい場所に見られる。「コ」か「ヒメ」かは、名前も紛らわしいが、慣れれば識別はそれほど難しくはない。先に書いたように棲んでいる場所も、コジャノメの方がより暗い環境。

 愛宕山の遊歩道を小学生たち数人が勢い良く駈けて登る。場所によっては勾配がきつく、階段をゆっくり登るのが精一杯だが、子供たちはとても元気だ。
 その子供たちのにぎわいが一瞬にして通り過ぎたあと、静寂の中を孤独に舞うコジャノメ。

 好きなんだなあ、この蛇の目が。

(写真/E-520   35ミリマクロ+1.4倍テレコン)
(撮影場所/宮崎県 延岡市 愛宕山)
新開 孝

釣り師とは 2008/07/23
 釣りは小学生のころに少しやった程度。趣味としてのめり込むほどではなかったが、それでも楽しかった。
 大人になってから、嫁さんの実家の海でタイ釣りをしたことがある。真珠筏の浮かぶ入り江から小舟で沖合に出る。釣り餌は小エビ。船べりから糸を垂れて、当たりを待つ。

 タプン、タプンと波の打つ音を聞きながら糸を垂れている時間は、ほんとうに心地良く、いつまでもこのままでいたいような気持ちになる。ググッと引きがきて、何度か目にはようやくタイを釣り上げることができた。小柄なタイだったが、綺麗な色をしていた。

 小さいころから海は好きだった。底知れぬ深みは恐怖だが、そこには数知れぬ生き物がうごめいている。生き物がどっさりといる、そのことが好きだった。

 朝の散歩で見つけたクモは、まさにタイ釣りのごとく糸を垂れていた。じーっと見つめていると、糸はかすかにユラリ、ユラリとあるかないかの風になびいている。
 なるほど、当たりを待っているのだな。

 そこでイタズラをしてみる。垂れた糸の先をそっと人差し指に絡めてみる。
 するとかの釣り師はすぐさまに反応する。

 ツツツツツー、綱渡り。

(写真/E-520  50ミリマクロ)新開 孝

オニグモ 2008/07/21
 午後8時過ぎ。仕事部屋の外に出てみると、ウメの梢にオニグモの円網が張られてあった。

 同じ場所に連日、網を掛けることもあれば、ほぼ毎晩のように場所替えしていることもある。

 クモは一般に嫌われることが多いが、人家に寄り添うようにして生活しているクモが多種類いる。人とともに生きているクモは、少なくとも無害であり、むしろその生き様はたいへん興味深い。

(写真/EOS-5D  シグマ50ミリマクロ)


 今日は地区の子供会の催し。プールサイドの芝生で焼き肉パーティー。
炎天下での炭火はとても暑かったが、昼間からのビールも旨い!。焼き肉もおいしい!

 夜から撮影待機だが、森上さんと最後の乾杯。森上さんは今回の滞在中、とても成果があったようだ。満足してくれたようだから、ぼくも嬉しい。
新開 孝

トウモロコシ畑 2008/07/20
 容赦なく照りつける夏の日射しを受けて大きく育った、トウモロコシ(写真上)。

 一見おいしそうだが広い畑のトウモロコシはどれも牛の肥育用である。人が食べても期待する味はしない。

 しかし背の高いトウモロコシは涼しい日陰を提供してくれる。これは良い案配だと、畑に沿って歩いてみた。

 トウモロコシの葉っぱに透けて見えるのは、クロコノマチョウの幼虫(写真中)。うっかりすると見落としてしまいそうだが、二本のツノが生えた頭部が黒くくっきりと浮かび上がってくる。あそこにもここにも、と次々と見つかる。

 どれどれ、幼虫の顔を眺めてみようではないか(写真下)。

(写真上/E-520  14-54ミリズーム)
(写真中、下/E-520  35ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 
新開 孝

ベニトンボ 2008/07/19
 わが家に滞在中の森上さんは、日頃の心がけが良いせいか撮影スケジュールは思ってた以上に捗っているようだ。

 そこで午後から三股町のある池に行ってみた。目的はベニトンボ。
九州の宮崎や熊本などにすっかり定着したベニトンボは、台湾以南から北上したものと考えられているようだ。つまり昔は生息していなかったトンボであり、南九州で広く見られるようになったのは、1980年代からという。
 ぼくが昔、本種を初めて見たのは屋久島だったが、そのときはずいぶんと感激したものだ。たしか牧場の片隅に設えた人工池だった。

 さて、今日の池にはショウジョウトンボ(写真中)も多く、シオカラトンボ、クロスジギンヤンマ、ウスバキトンボ、そしてハネビロトンボが見られた。
 トンボ以外ではミナミカマバエが多数群れていたが、この肉食バエを見るのも久しぶりのことだ。

ドジョウ掬いのような姿は、撮影中のぼく。こういうほおかぶりはときとして誤解を招きそうだから自粛するようにと、森上さんからは忠告を受けた。
 しかし、帽子をかぶるよりか手ぬぐいのほうが風通しが良く、涼しい。

 今夜の森上さんは夜間撮影に出発。ぼくは現場まで先導して、あとは息子と温泉に入ってから先に戻る。ぼくの仕事は野外スタジオで深夜から早朝にかけて粘る必要があるからだ。

(写真上/E-3  50-200ミリズーム)
(写真中/E-520  魚眼8ミリ+1.4倍テレコン)
(写真下/GX200 /撮影は森上さん)

 
新開 孝
menu前ページTOPページ次ページspace.gif
Topics Board
ホーム | 最新情報 | 昆虫ある記 | ギャラリー | リンク | 著作紹介 | プロフィール