| 今日は一日、雑務に追われていた。空模様も良くないので近所の林にすら出向かなかった。
で、ふとパソコンに向かっていた手を休めれば、昨年羽化したウスタビガの繭殻が目に入る。 ヤママユの繭と違って、ウスタビガの繭は羽化したあとの空き繭でも色が褪せないで、綺麗な緑色をしている。そのため、かつては撮影に出向いた先々から繭殻を持ち帰り、膨大なコレクションとし、さらにはコルク板の額に納めて部屋の壁にそのコレクションを飾ったりしていた。 もっとも今の私の部屋ではそのようなコレクションの陳列スペースの余裕などは一切無い。美しい繭コレクションは全て押し入れの中にしまっている。
話がそれてしまったが、今日はそのウスタビガの繭の中を撮影してみた。
写真は、繭内部の底板であり、この中央の糸パッドに蛹のお尻が固定されていたわけである(写真上)。
レンコンのような穴が周囲を取り巻き、おそらくはこの穴が通気と水抜きの役目をしているのだろうと想像する。そして、この底板の先には(つまり繭最下部には)繭外部に通じる穴が一つ大きく開いていることは、ウスタビガの繭を手にしたことがある方ならよくご存知のはずだ(写真下/卵が付着している)。
ウスタビガの繭は、この他にも繭上部に押し広げることのできる開口部が、これまた微妙な構造で合わさっており、繭全体がいかにばらしい造形物であることかは、いくら賞賛してもし尽くせない。 そして、その造形物を一本の糸で芋虫が紡いでいく様は、何度繰り返して見ても、不思議な光景であることに変わりがない。
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