| あいにくの曇り空。そして小雨混じりで開始したテレビ番組収録だが、なんとか雨は早々にあがってくれた。
テレビ収録に立ち会う仕事の場合、原則として私のカメラは携行しない。しかし自分の車にはカメラ機材一式を積んであるので、昼食後のちょっとした合間に撮影した一枚が、ノササゲの種子であった。ノササゲは、マメ科のツル植物で、いかにもこじんまりとした花を夏に開く。 今朝はまず、エノキの根際の落ち葉で越冬中の、オオムラサキ、ゴマダラチョウ幼虫のビデオ撮影から入ったのであるが、その撮影現場のすぐ脇で写真のノササゲを見つけた。 局のカメラマン、照明録音担当(LAというらしい)の方、そしてディレクター(PDというらしい)、という三人のスタッフから一歩退いた隙に、何かと自然物を目ざとく探し当てるというのも、私の芸当の一つとなった。 ノササゲの種子のさやは、紫色でとても綺麗だ。以前、南四国の山中で撮影したことを想い起こしたのだが、たしかそのカットは「里山大百科」(TBSブリタニカ刊)の秋のページに掲載したと思う。そのカットを撮影したときは日射しもあって、紫色もくっきりと描写できていたと記憶しているが、本日は曇り空の下の撮影となってしまった。そこはデジタルカメラの本領発揮で、これまでの銀塩フィルムなら躊躇せざるを得ない条件でも、三脚も使わず自然光で撮影できてしまう。その結果は肉眼で見た印象にいかにも近い。
(E-500 マクロ35ミリ+1.4倍テレコン使用)  | |