| ゴマダラチョウの幼虫は秋にエノキの幹を伝って落ち葉の下に降り、地上で越冬することはよく知られている。しかし当『ある記』でこれまで注目してきたように、稀に樹上越冬する場合もあることもかなり以前から調べられている。 ほとんどのゴマダラチョウ越冬幼虫が、茶褐色の体色となり落ち葉と一体となった姿で冬を過ごす事実は、私たち人の感覚に照らしても納得し易い。
ところで、この樹上越冬というスタイルがむしろ当たり前の習性として知られるチョウがいる。それは国内では奄美大島と徳之島だけに生息するアカボシゴマダラだ。このチョウはゴマダラチョウと同じHestina属であるが国外では中国、朝鮮半島、台湾に分布し、日本での極めて極限された分布は大きな謎を秘めている。 さて、本日は私が1994年に奄美大島で撮影したアカボシゴマダラ越冬幼虫を紹介しておこう(写真上、中)。撮影時期は2月で幼虫が見つかった木はクワノハエノキ(リュウキュウエノキ)である。ついでにこの年の前年、9月に撮影した♀成虫の写真(写真下)も添えておこう。 アカボシゴマダラは奄美大島と徳之島にしか生息していないが、現地では意外と普通に見かけるチョウのようだ。とりわけ越冬幼虫探しは初めての試みにもかかわらず、目星を付けた最初のクワノハエノキで見つけることができた。 このときはビデオクルーの撮影コーディネーターとして仕事に参加していたのだが、ビデオ撮影を開始したころから雨がポツポツと落ち始め、あせったことが今では懐かしい。
『出張撮影ではより太る日々!』
今週も「ある記」を数日間休んだ理由は、標本出張撮影の仕事があったからだが、こういった仕事では編集者などスタッフも一緒に行動をとるので、毎日の食事もきっちりと外食になる。普段、一人でフィールドを巡る場合なら体調の具合も考慮して「今日の昼はおにぎり一個で済ませておこう」などと気ままなメニューの選択も可能だが、一人でない場合そういう手抜きの食事ができない。 しかもどういうわけか、今回の出張先ではどんな店のどんなメニューを選んでも出てくるボリュームが凄まじいのである。すべて大盛り!でかハンバーグにでかコロッケ、てんこ盛りカツ丼!皿からあふれんばかりのカレールウ。ほどほどに残せばいいようなものだが、食べ物を残すことに若干の抵抗が残る世代の一人であるからして、けっこう頑張って食べてしまう。しかしどうしても食べきれず、残したこともさすがに何回かはあった。 そんな調子の外食生活をのべ3週間以上も続ければ、確実に太るに決まっている。
(写真は銀塩ポジからスキャニング、Nikon new FM2 マイクロニッコール100、28ミリ使用) | |