| マンション裏には大きなムクノキが3本ある。 いや、あったと言うべきで、3本のうち真ん中の一本はとっくに立ち枯れている。 写真上の左の立ち枯れがその一本だ。 そして見て御覧のように、右側のムクノキにはフジの太い茎がまるで絞め殺しの木のごとく這い登っている。 フジは毎年5月ころ豪華絢爛に花を咲かせるのであるが、 いかんせんムクノキの頂上付近で開花するため、 その花を見るのは容易ではなく、花びらが散り始める頃にようやく開花に気付くという案配なのである。 で、その見えないフジの花では毎年、せっせとウラギンシジミの幼虫が育っており、 その幼虫が低いところの葉っぱで蛹になったりする。 しかもこのフジは8月の真夏には必ず狂い咲きして、 そしてそこへはすかさずウラギンシジミが産卵していくのである。 そんなムクノキも今は見事な色付きをしており、 面白いことにフジの紅葉もまさに同調して、鮮やかな黄色葉を展開している。 ムクノキの実はいかにも見た目には美味しそうで、無い!のであるが、 しかし、ムクドリやキジバト、ヒヨドリがぱくぱくと食べていく。 その実はまた、地上に落下するとそこで熟して、ヒカゲチョウやカメムシや他いろいろの昆虫の御馳走となっている。
 | |