| 街路樹としてよく植えられる キョウチクトウ。 この木は萌芽力も旺盛で新梢が次々と伸びてくる。 その若い茎や葉の裏には キョウチクトウアブラムシの コロニーがよく見られる(写真上)。 あまりにも密度が高いので アブラムシたちはお尻を45度から90度近くまで高々と上げる格好をとる。 ぎゅうぎゅう詰めの満員電車のようだ。 ただし彼らは新聞を読むでもなく皆食事中なのである。 こうして逆さの格好で口吻を植物組織内に深く射し込み汁を吸っている。 コロニーの中には有翅虫も見られる(写真中)。 新天地を求めて旅立つ日も近いのかもしれない。 キョウチクトウアブラムシは他にガガイモにもつく。アブラムシの天敵もいろいろ集まって来ており、クサカゲロウ類の卵もたくさん産みつけられている。細い糸の先についた卵は「優曇華(の花)」とも呼ばれる。 さっそくその幼虫を探してみたらコロニーの中に姿を潜めている1令幼虫が見つかった。 幼虫はアブラムシたちの脱皮殻を体に乗せており隠蔽工作をしている(写真下、頭は左向き)。 頭で抜け殻を掬い上げ、お尻を持ち上げる格好をして背中にヒョイと器用に乗せるのだ。 他にテントウムシ類も多数やって来るが、何も天敵ばかりが集まるというのでもない。 その中でよく目にするのがアシナガバチたちだ。 彼女らの飛来目的はアブラムシが排泄した甘露であり、その汁の染みが葉っぱなどの表面にびっしりついているのである。 アシナガバチはこれを丹念に嘗めとっていく。 それに対して、どういうわけか甘露欲しさに集まるアリ達の姿が皆無であった。
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