| 27日、28日と標本撮影の仕事に励み、本日は午前中の時間を使って木曽福島町(写真上)のフィールドを歩いてみた。 こうして木曽駒ヶ岳を背にした町全景の写真では、いかにも雪に閉ざされたように見えるが、実際には山道に入っても雪の無いところが多く、通常の靴で歩くことができる。さすがに活動している昆虫はガガンボの一種くらいしか目にしないが、気温は5度くらいだろうか。しかし、樹皮の隙間などで冬越しする昆虫をいくつか見つけることができた。
まずは「ベニモンツノカメムシ」(写真中)。 体長は11ミリ程度。ケヤキの樹皮の隙間に潜り込んでいた。ツノカメムシの仲間には色鮮やかな種類が多く、人気が高い。このケヤキでは他にもベニヒラタムシやキノカワガ、クチナガゾウムシの一種など様々な昆虫が潜んだり、静止していて楽しめた。テンのものと思われる糞もいくつか見ることが出来た。ニホンカモシカの足跡もある。
ニホンミツバチの飼育箱も雪対策であろうか、木で組んだ台の上に置いたり、(写真下)のように木の幹に針金で固定したものをあちこちで見かけた。写真の巣箱はスギか何かの木をくり抜いたものだ。ニホンミツバチの巣箱の形態は、日本各地でその土地柄の素材や作り方、置き場所に至るまで千差万別があって、興味深い。 このように丸太をくり抜くタイプは時間も手間も掛かって大変だと思うが、2年前に和歌山県で見た丸太方式ではさらに極め細かい工夫がなされており、野性ミツバチと付き合うなかでのそれぞれの人々の自然観が垣間見え、面白い。 | |