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ナガサキアゲハ幼虫の今日とは 2007/12/14
 いろいろ考えるところもあって,今日行く予定にしていた延岡市への遠征は中止にした。この遠征計画は来年に持ち越しになったのだが,やる以上は2,3日延岡市に滞在する必要があると判断した。日帰りはできるがそれでは仕事の成果は上がらないだろう。
 北九州市の自然写真家,武田晋一さんのように寝泊まりできる車を持っていれば腰も軽くなるのだろうが,私の自家用車フェスティバミニワゴンではどうにもならない。本当はならんこともないが私はできればちゃんとした布団で寝たい。
 
 そこで今日は,午前中いっぱいは山積みになったままの刈りザサを焼却処分する作業に没頭しなんとかそれを昼食までには終えることができた。

 午後から,これまで気になっていた撮影機材の改善工作をすることにした。それで必要な材料の買い出しに出掛ける前に検討していると,あっという間に1時間以上が経っていた。
 工作材料を買い込んでうちに戻ってみれば,飼い犬のチョロが散歩の時間だよと鳴きわめく。はやく行こうよ!とせがんでいる。

 犬の散歩の途中で昨日のナガサキアゲハ幼虫を見て見れば,寒風のなか元気にミカンの葉を食べていた。
 
 (写真/E-3 50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

ナガサキアゲハの幼虫と蛹 2007/12/13(その3)
 うちの敷地のすぐ下にクリ林がある。傾斜に3段ほどの平地があって上2段にはコナラやクヌギの幼木と大木があって,オトシブミ類の撮影や他にも昆虫観察の場としてよく通う場所だ。
 そして一番下の段がクリ林となっていて,そこに一本だけ小さなミカンの木がぽつんと隅っこに植わっている。

 ミカンの木は薄暗い場所のせいだろう,この夏にはモンキアゲハの幼虫や蛹殻が見つかっていた。今日は気になってちょっと見に行ってみた。するとナガサキアゲハのでっかい終令幼虫が2匹ついていた(写真上)。

 緑色型の蛹もひとつ見つかった(写真中)。まだ蛹化して間もない様子だ。

 他にも蛹の見落としがないかと枝を見ていたら,モズのはやにえになったカエルもいた(写真下)。カエルやトカゲなどはだいだいこうして脇の下やアゴのあたりから刺されていることが多い。

(写真/E−3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)

 
新開 孝

ゴマダラチョウの越冬幼虫 2007/12/13(その2)
 エノキの大木があったので根際の落ち葉をめくってみた。

 一本のエノキの根際から6匹のゴマダラチョウ越冬幼虫が見つかった。しかしその中に一匹だけツノが長く体型もでっぷりした幼虫がいた(写真上/中)。
 ときにこういう5令幼虫で越冬する場合もあるようだが,数は多くない。
 通常,ゴマダラチョウの越冬幼虫はツノが短い4令幼虫(写真下)だ。
 

 さて宮崎県の南部にはオオムラサキが生息していない。分布南限は都城市の青井岳あたりとも言われるが,確実に生息しているのはもっと北へ上がらないといけないようだ。しかし実際にはどうだろうか。オオムラサキの生息分布を調べるには今の時期に越冬幼虫を探すのもいいだろう。

(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)撮影場所/都城市 母智丘公園

 『ウスタビガのメスのその後』

 じつは,昨日撮影したウスタビガのメスが気に掛かり,今朝はふたたび都城市の関之尾滝に行ってみたのである。
 すると午前9時半の段階でまだ繭にぶらさがったままコーリングを続けていたのであった。その状況を見る限り,少なくともこのメスのもとにはまだ一度もオスが訪れていないことを物語っている。
 ウスタビガの発生時期は地方によっても違うが,早いところでは10月末から現れ始め,遅くは12月末まで見られる。しかし発生最盛期はほぼ11月中のようであり,こうして12月の初冬に入ってしまうとオスとメスの出会いも難しくなってくるようだ。新開 孝

アゲハの蛹の色変化 2007/12/13(その1)
 先日,近くの牛舎で見つけたアゲハの蛹を紹介したのはちょうど1週間前のことだった。
 あのときの蛹をきちんとアップで撮影しておこうと思い,犬の散歩の途中で立ち寄ってみたのが一昨日のことである。

 するとなんと,緑色だった蛹が褐色へと色変わりしていた(写真)。
 

 正確に言うと褐色型への移行途中であり,よく見ればまだうっすらと緑色も残っていた。つまり発見日から数日内に色変わりが進行したようなのだ。
 これはしばらく継続観察しておきたいと思い,一昨日の撮影のあと蛹を回収しておいた。もしかして寄生されている可能性もあるからだ。
 そして今日,私の部屋に回収された蛹を眺めてみれば,完全に褐色型となっている。寄生を受けての色変わりとは違うようだ。

 アゲハの蛹の体色は食樹上では緑色,それ以外に移動して蛹になった場合はほとんどが褐色型や黒色型になる場合が多い。
 ユズの木から離れて牛舎のビニールシートで蛹化したものが,褐色型になるのは当然のことだったかもしれない。しかし今回のケースでは一旦は緑色になったのである。蛹の体色が落ち着くまでにこういう過程が必ずあるのかどうか?
 普通種のアゲハだからといって,こういう細かい観察はこれまで抜け落ちていた。
 かなりショックな出来事だった。新開 孝

ウスタビガのメス 2007/12/12(その2)
 雲行きは怪しいが今日は都城市「関尾之滝」に行ってみた(写真上)。周辺の林をロケハンするのが目的だったが,滝や江戸時代に造られた用水路など見て回るだけでも楽しい場所だった。さすがに観光客も多い。

 「関尾之滝」までは車で30分程度だが,三股町から出発して都城盆地を東西に横断する経路となる。この経路はこれまでに高千穂牧場などに出向く際に何度か通ったことがあるが,都城盆地はいかにも広いなあ,とつくづく感じる。
 もっとも盆地を南北に縦断すれば,さらに広大な土地の広がりを目の当たりにすることになるだろう。
 
 さて遊歩道を歩いているうちに,ケヤキが数本植えられた広場に出た。
 ちょっと貧弱なケヤキだったが,なんだか気になって梢を眺めてみた。もう時期は遅いがウスタビガでもいたりするかもしれない,そう感じたからだ。

 するとその直感は見事に的中した。繭にぶら下がったウスタビガのメスがいたのである(写真中)。同じ木の梢では他にも繭が3個ついていた。

 ウスタビガの羽化ピークはだいたい森林の紅葉時期にほぼ重なると言っていいだろう。しかし紅葉が散り始めてから羽化する遅組も確実にいて,過去には長野県,木曾福島で12月末のメスの羽化を見ている。この年は異例の暖冬でスキー場には雪がなかったのだが,,,,,。

 おそらく写真のメスは昨夜あたりに羽化したのだろう。繭にぶら下がったまま,お尻の産卵管を伸ばし,性フェロモンのうを膨らませてコーリングを続けていた(写真下)。

 しかしながら,このコーリングに応じるオスがはたしてこの時期にいるのだろうか?

(写真/E-3  14-54ミリズーム)
(写真中/E-3  50-200ミリズーム)
(写真下/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)

新開 孝

宮崎市のフィールド 2007/12/12
 宮崎市の南部には双石山山系とその東側に長く続く加江田渓谷とがあって,山歩きやキャンピングなど四季折々,自然を求めて訪れる人が多い。

 双石山(ぼろいしやま)は標高509メートル。青島の鬼の洗濯岩と良く似た奇岩(写真上)や巨石が山の特徴となっており,その砂岩層がボロボロと崩れ易いため「ボロいしやま」の名がついたようだ。

 じつはこの双石山では過去にベニツチカメムシの採集記録があり,前々から気になっていた。宮崎県内でのベニツチカメムシ採集記録や産地情報はまだ少ししか集まっていないが,この双石山は今の所もっとも近場のフィールドである。うちからは車で登山口まで1時間程度で行ける。

 そこで昨日は双石山を訪れ,ついでに加江田渓谷(写真中)も巡ってみた。

 まず現場でやるべきことは,ボロボロノキを見つけることが先決。それも1本やそこらではなく,ある程度まとまって生えている場所を突き止めることが肝要だ。ベニツチカメムシの餌はボロボロノキの実であり,本種はこの木があるていどまとまって生えていて,しかも昼なお暗く強風の日でも穏やかな照葉樹林の林内環境が必須となる。その生息環境の様子は先月,佐賀県の既知産地で確かめてきたばかりだ。

 しかし,双石山での探索歩きの結果,それらしき木を一本だけ遠目に見ただけで,加江田渓谷においてもボロボロノキは一本も見つけることができなかった。どうやら探索ルートの選択が良くなかったようだ。はじめてのフィールドであるからこういう無駄歩きも仕方が無い。

 宮崎に移り住んでから私の知らない初めて出会う樹木はたいへん多い。とくに常緑照葉樹の類いである。宮崎が関東とはまったく違う植生なのは当たり前だが,まるで外国に来たような気分になるほど名前のわからない樹に次々と遭遇する。

 加江田渓谷では幸いにも樹木に種名プレートが付いているものがあって,昨日はタニワタリノキを覚えることが出来た(写真下)。タニワタリノキは九州の宮崎県や天草以南,そして屋久島に分布しているまさに暖地の樹だ。夏には淡黄色の球形花序をたくさんつけるのでたいへん目立つ樹のようだ。

 まだ他にも名前の知らない樹木が多数あってフィールドを歩くたびに気になってはいるが,これから少しづつ覚えていくしかない。

 昨日巡った双石山や加江田渓谷の林は主に照葉樹林で占められており,その豊かな植生には驚いた。宮崎県内や鹿児島,あるいは熊本などでもそうだが,ともかく渓流環境を歩くとどこも素晴らしいと感じてきた。水系環境が豊かなのも九州には火山があるおかげだろう。
 もちろん山の植生についてもたしかに宮崎では植林が盛んではあるけど,それ以上に照葉樹林環境が各地にたくさん残されている。
 私の郷里を引き合いに出すのは気が引けるが,愛媛の山地平地林ともその植林率が極めて高く,しかもミカン果樹園の作付け面積が広大であり,照葉樹林や広葉樹林といった林は宮崎に比べればはるかに少ない。移住先の候補から愛媛を早い時点ではずした理由の一つはそこにあるのだが,もちろんこれは私の大雑把な見方の結果だ。愛媛の自然も豊な場所はいくらでもある。
 仕事場,そして家族の生活の場としての移住先をいろいろと絞り込んで行く作業は長く時間が掛かったが,高知,島根,宮崎の3県が最後に残った候補地であった。

(写真上/E-500  魚眼8ミリ) 
(写真中,下/E-500  14-54ミリズーム)

新開 孝

イチモンジセセリ幼虫 2007/12/11(その2)
 犬の散歩で谷津田を歩いているとススキの葉のかじり痕が目についた。
 しかも葉を透かしてみれば幼虫の姿がシルエットになって見えた。

 そっと葉をめくってみれば,イチモンジセセリの若い幼虫がいた。

 さて,私の大学時代の恩師ですでに故人となられた石原保先生の著わした『農業昆虫大要』(養賢堂)を開いてみた。
 『農業昆虫大要』は私が高校生の頃に買い求め(松山市の「丸三」という書店だった)各頁に引いた赤線が懐かしく感じる。各頁に盛り込まれた昆虫の線画がいかにも魅力的で昆虫学に憧れた時期でもあった。

 先生の著述によればイチモンジセセリ幼虫を「ハマクリムシ」(葉捲り虫)または「イネツトムシ」(稲苞虫)と一般には呼ばれているとある。おそらくはイチモンジセセリという種名よりか,そういう呼称のほうが農家の方には通じ易いことと思われる。ときにイネの葉も加害するので害虫となることもある。

(写真/E-3 マクロ50ミリ+1.4倍テレコン)
 
新開 孝

サツマヒサゴゴミムシダマシ(?) 2007/12/11
 昨日,桝安森林公園で見つけたヒサゴゴミムシダマシの一種。

 「ひさご」という名の通り,体型は瓢箪型である。体長は12ミリ程度。
 本種は朽ち木の樹皮裏で見つけたのだが撮影しているうちに歩き始めた。
 ヒサゴゴミムシダマシ属のなかまは何種類かいて,どれもたいへん良く似ていて区別は難しい。しかし保育社の甲虫図鑑で調べてみると,サツマヒサゴゴミムシダマシのように思える。本種は鹿児島県本土と屋久島に分布していることになっている。桝安森林公園は都城市内であり鹿児島県に接しているからここにサツマヒサゴゴミムシダマシが生息していてもおかしくはないはずだ。

 ちなみにゴミムシダマシ科は日本に約360種,世界では16000種もが知られている。

(写真/E-3 35ミリマクロ+2倍テレコン)新開 孝

シャクトリムシ 2007/12/10
 桝安森林公園はうちから車で5分程度の低い山にある。
 車道は杉植林の中を抜けると様々な植栽木と芝地からなる自然公園に入り,そのままさらに上り坂を一気に突き進めば,眺望の良い頂上近くが終点となる。

 ここの公園は人の手が入り過ぎており,あまり昆虫の種類も期待できそうにないが目的を絞り込んで訪れてみればそれなりの成果がある。
 先日,見つけておいた脇道をしばらく歩いてみたら地面にはイノシシのぬた場の跡がやたらと多いことに気付いた。イノシシのフィールドサインはたいへん多いけれど彼らの姿を見たのはまだ一度だけだ。それも瓜坊だった。
 脇道に沿って照葉樹や落葉樹など雑木が生えており少し期待してみたのだが,道は100メートル程度で行き止まりとなり,その先は杉の植栽地であった。

 頂上近くのクヌギを見てみると,ハミスジエダシャク幼虫と思われるシャクトリムシがたいへん多い。
 写真上はよく見ていただければ左上がシャクトリムシであることがわかる。
 写真下は別個体を背中側から撮影したもの。
 ハミスジエダシャク幼虫の体色紋様には個体差が大きく,まるで別種に見える。
 本種はこうして若い幼虫態で冬越しをするが,暖かい日などは冬芽をかじって過ごす。

 「しゃくとりむし」は特別虫に興味がなくても,おそらく誰でもが知っている昆虫だと思う。
 今年の6月にはポプラ社から『どこにいるの?シャクトリムシ』という写真絵本を出版したので,興味のある方は是非それを手に取っていただきたい。図書館にも置いているはずだ。

新開 孝

米良神楽(めらかぐら) 2007/12/09(その1)
 昨日の午後から西米良村に家族で出掛けていた。

 西米良村は宮崎県の南北で言えばほぼ中央に位置し,熊本県との境となる山間部にある。谷深い山間に点々と家が散在しており,とても寂しい気がするが,暗くなってから米良神社に着いてみればたくさんの人出でにぎわっていた。

 私たち家族は,米良神社に赴く前に村所(そんじょ)という西米良村の集落地へと向かい,そこにある『カリコボーズの湯』という温泉に入ってみた。久しぶりの温泉は気持ちがいい。入浴後,夕食を済ませてから米良神楽の見学に行ってみた。
 午後8時過ぎ,ちょうど神楽が始まったところだった。

 神楽は夜を徹して行なわれるが,私と子供達は午前0時の休憩に入った時点で引き揚げ,近くにある小川城址公園のコテージに宿泊した。嫁さんは居残って今朝の午前6時半まで見学した。嫁さんの言うにはその2部の方がさらに面白かったという。なんとなくそれはわかる気がした。

 神楽見学は初めての経験だったが妙に惹き込まれるものがあって,夜に弱い私でも深夜まで楽しめた。来年も是非,出掛けてみたい。

(写真下/仮面をつけた神様が登場すると見学者は思い思いにおひねりを投げ込む。おひねりが袖の中に入ると縁起が良いそうで,みんなそれをねらって楽しむ。うちの子も何度も挑戦していたがついに命中しなかった。)

 新開 孝

スズメバチ2種 2007/12/09(その2)
 小川城址公園のコテージは台所,洗面所,浴室,トイレなど完備されており大人4〜5人が宿泊できる。コテージに入ったのは深夜零時だったが,神楽見学の興奮覚めやらず,どうもすぐには眠れない。

 ビールと日本酒で嫁さんの叔父としばらく話し込んでいたが,あまり酔うこともなくそのまま疲れて布団に入った。

 さて,今朝はよい天気。米良の山は植林もあるが照葉樹林も濃く残っておりその山容は険しい。クヌギ林も点々とあってシイタケ栽培や炭焼きが盛んだったことがわかる。

 コテージの庭のサザンカにはキイロスズメバチとオオスズメバチが頻繁に訪花していた。(写真上,中)

 コテージのすぐ傍には炭焼き窯もあった。なぜか今は郵便ポストが寝転がっているが,少し前までは実際に炭焼きをしていたようだ。その炭焼き作業の様子のビデオ映像が同じ敷地内の歴史資料館で観覧できた。炭焼きはいずれ自分もやってみたいので,とても興味深くビデオを観た。
 イノシシ狩りの映像もあったが,実際に帰り道の山中で狩りの人達にも出会った。まさにリアルタイムでイノシシ狩りを目の当たりにすることになったわけだ。

新開 孝

迷彩色 2007/12/08
 庭のキンカンについたナガサキアゲハの蛹をあらためて撮影してみた。

 この蛹は先月末頃にアオムシコバチの寄生産卵を受けていた。数日にわたって何度も産卵されていたので,ナガサキアゲハの蛹は来春になってもおそらく羽化しないことだろう。

 一昨日,アゲハの蛹の体色のことに触れたが,このナガサキアゲハの蛹はキンカンの幹で蛹化したにもかかわらず緑色型とはなっていない。ナガサキアゲハの蛹色を決める要因はアゲハとはまた違うのだろうか?

 写真の蛹の体色はキンカンの樹肌を見事に模写したようなかなり細かい色紋様となっている。その迷彩色は見事であり隠蔽効果はきわめて高い。蛹になる時点で視覚的な感受性が高まりその視覚信号が体色決定機構に関与しているのではないか,などと想像したくなるほどだ。

 しかしその見事な隠蔽工作も寄生バチが相手ではまったく無駄となってしまう。

(写真/E-3  50ミリマクロ+1.4倍テレコン)新開 孝

持久走は苦手だったが 2007/12/07
 今朝は少し雨が降ったが,ちょうど良いお湿り程度となった。

 今日は子供の小学校で持久走大会が行なわれ,6年生のアルバム委員の私は学校にカメラを持って駆けつけた。いつまた雨が降り出してもおかしくない雲行きだったが,防水防塵仕様のOLYMPUS E-3なら心配することはない。E-3は今後も仕事で酷使するだろうからもう一台は必要に思う。それほどカメラ好きではない私でも仕事で使う道具は使って心地良いほうがいい。E-3は使っていて楽しいからちょうど肌に合うのかもしれない。手に馴染むという表現のほうが正しいかもしれないが,肌に合うという感触が私にはある。

 さて幸い持久走大会の間に雨は降らず,薄日まで射してきて子供たちにとっては最高のコンディションとなったようだ。それでうちの兄弟2人の成績だが,これはちと芳しくない。だいたい走りのフォームが良くない。「頑張れ!!」と声掛ける以前にこれはダメだと諦めた。
 きちんと走り方の指導を受ければもう少しタイムも良くなると思われた。走ることは運動の基本だと思うが,ちゃんと指導してくれる先生はいないのだろうか。
 日頃からサッカーをしている近所の子はさすがに速い。ダントツで一位だった。小学校でいろいろとスポーツクラブができれば通うのも可能だし親の負担も少なくて済む。せっかく運動場があるのだから何とかできないものか。

 さてさて,本日はOLYMPUSの新製品のストロボが届いた。
 注文していたのはFL-36R,2台だった。これは単三電池2本で使え,小型軽量でありながら発光部が上下左右にとフレキシブルに動く。マニュアルで光量調節も可能でありなんといってもオリンパスRCワイアレスフラッシュ機能があるのが嬉しい。
 この機能はカメラ本体から離れた複数台のストロボを調光調節できる。これは気難しい昆虫の生態を撮影する場合には重宝する機能だ。

 またストロボをスレーブモードに設定すれば,通常のスレーブストロボとして使え,カメラの内蔵ストロボをマニュアルにしての多灯ライティングもできる。ここにサンッパクのスレーブストロボでも加えればさらに複雑なライティングも可能だ。

 写真上はFL-36Rを2台,スレーブモードにして,E-3の内蔵ストロボをマニュアルで使用して撮影した,「キングジョー」である。

 その撮影風景が写真中。ストロボの位置は撮影時より被写体に寄せてある。

 オプションとしてリフレクターアダプターFLRA-1というものも発売されておりこれも同時に購入してみた(写真下)。ゴムバンドで発光部に取り付けるのだが,大型ストロボのFL-50Rと共用できるようにゴムバンドの長さを調整できるところが芸が細かい。反射板としてはもちろんだが逆光時のハレ切りにも使えるので重宝する。これなんかは自分でも工作できる類いだが,製品を見てしまうとつい欲しくなった。
 まあ野外で無くすと一個,2000円近くはするから悲しいけれど,こういうのを製品化してくれるメーカーというのも何だか嬉しい気がする。カメラマンの声がよく届いているなあ,という気がするからだ。
 もっとも,「そんなことはないよ!!フォーサーズで高倍率マクロレンズが出てこないではないか!!」とお怒りのカメラマンも稀だがいらっしゃるのだ。
 
新開 孝

アゲハの越冬蛹 2007/12/06
 近くの牛舎でアゲハの越冬蛹を見つけた。

 牛舎の道路に面した側は青いビニールシートがかけてある。風よけのためだろうか,あるいは日除けの役目もあるのだろうか?
 それはともかくそのビニールシートのよく目立つ場所に,アゲハの蛹が張り付いていた。アゲハの蛹の体色には緑色や褐色や黒色などのさまざまなタイプがあるが冬越しする蛹は地味な褐色や黒色になることが多い。

 昔の実験で,アゲハの蛹の体色を決める要因の一つには,食樹の臭いが関係していることが確かめられた。例えばユズの木の枝や葉っぱで蛹になれば緑色となり,食樹から離れて臭いが届かない場所では褐色や黒色になる。
 しかし,いろいろと調べてみると蛹になる場所の条件によっては食樹の臭いが関与しなくても緑色になる場合もあることがわかってきた。体色を決める要因はたいへん複雑なようだ。 

 さて写真の蛹が緑色になったのは,ビニールシートの色やあるいはその表面の材質の滑らかさ,そして接地面積などが複雑に関係しているのではないだろうか?
 あたりを見回してみれば,牛舎のすぐ脇にユズの大きな木が一本植わっていた。アゲハの幼虫はそこで産まれ育ち,蛹になるときにビニールシートまで移動してきたのだろう。そこからユズまで数メートルは離れておりユズのニオイの影響はほとんどないと思われる。

(写真/E-330  14-54ミリズーム) 新開 孝
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