| エゴノキの実に、エゴヒゲナガゾウムシの姿が多い。
すでにほとんどの実は、このヒゲナガゾウムシのメスが残した産卵痕がついている。たくさんの産卵痕を見ていくと、その穿たれた大きな穴に、頭を突っ込んでいるメスや、あるいはお尻を差し入れて産卵中のもの、そしてその側でメスの仕草を見守るオスなどと、エゴヒゲナガゾウムシたちは、今まさに活況の最中である。
あるメスが産卵中のところへオスがやってきて、プロポーズを始めた瞬間に出会した。そのオスはきわめて小柄であり、メスと比べると体長では半分しかない。 メスは産卵中であるから、オスが背中に這い登っても交尾は不可能だ。
エゴヒゲナガゾウムシを見ていると、その体の大きさにはずいぶんとバラツキがあることに気付く。今日は極小のメスを見て驚いたりしたが、体格の大小はオス、メスの性別に関わり無く生じる。 その理由は、幼虫時代を過ごしたエゴノキの種子内の栄養状態に大きく左右されるからであろう。エゴノキの種子にも大小のバラツキがあるから、豊かなゆりかごとそうでないものとでは、当然ながら幼虫の成育の差にも大きく影響するに違いない。
(EOSキッスデジタルN マクロ65ミリ)  | |