| 『うんちレストラン』(ポプラ社)まもなく発売 2006/07/10(その1) | | ポプラ社の「ふしぎいっぱい写真絵本シリーズ5」として『うんちレストラン』が今月中に発売される。文、構成はライターの伊地知英信さん。 ライターの方と組んでの本作りは、初めてのこと。 私が糞虫に興味を抱いて、実際に撮影してみたいと思い始めたきっかけは、都内でセンチコガネを見たときからだから、ずいぶんと昔に遡る。それはもう20年も前のことだ。 その20年前。大田区、池上本門寺の一角で、一匹のセンチコガネが犬のうんちを地面の穴ぼこの中に引っ張り込んでいたその光景が、あまりにも印象的だったのである。 そのときの興奮は、ファーブルの昆虫記から受けた感動とは違って、当たり前の話ではあるが、実にリアルであったのだ。ごくごく普通種のセンチコガネではあるが、彼らの生き様がいかにも切々と私に訴えかけてくるように思われたのである。 かつてファーブルが伝えようとした興奮と感激の一端が、東京という都会の中でさえも、ちゃんとあるではないか!世界の何処にいても、誰もがファーブルになれるチャンスがあるのではないか!?と、いささか興奮し過ぎたのである。
実のところ、私のセンチコガネとの関わりは、これからが本番であると捉えている。土の中で営まれる生活史は、あまりにも秘密に満ちているからだ。 来年からの宮崎県は三股町の新居では、本格的に観察と撮影に取り組める絶好の環境なのである。
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