| オキナワツノトンボ幼虫、動く!! 2004/04/23(その2) | | 昨年の7月28日、石垣島にて私の襟首に軟着陸して以来、飼育していた「オキナワツノトンボ幼虫」。
この幼虫は一度脱皮して終令幼虫(3令)となったが、私が用意した小枝の又に落ち着いてから、なんと昨日までの約9ヶ月もの間!一歩足りとも動くこと無く過ごして来たのである。
その幼虫がついに枝を降りた(写真上)。
写真下はアリジゴクとして馴染みある「ウスバカゲロウ幼虫」(画面左)を並べてみたところ。オキナワツノトンボ幼虫(右)は体長15ミリもあり大きい。
沖縄地方でのオキナワツノトンボ成虫の出現期は5月頃から。そうすると今時分が繭を造る時期に当たると思われる。してまさに、うちの幼虫は動いたのである!
幼虫の生息場所はこれまでの間接的な観察、採集報告例などからして、樹上である可能性が極めて高い。(もっともそれを直接観察で確認しようと今年の2月には石垣島、竹富島に渡ったのであるが惨敗に帰した。)
さて繭を造るとなると幼虫はどのような場所で、どのような材料を利用するだろうか? うちの幼虫の場合で考えてみると、幼虫の過ごして来た枝は枯れ枝であるから、繭の外壁用材が皆無である。
オキナワツノトンボの属するツノトンボ類の仲間では、キバネツノトンボの繭を私は知っている。 キバネツノトンボの幼虫は地上生活を送り、地上で枯れ草などを糸で綴って繭を造る。カイコの繭のように自分の吐いた糸だけで造る繭とは構造が違う。 おそらくオキナワツノトンボ幼虫もなんらかの外壁用材を必要とするのではないかと思う。 だからここにきて、幼虫は困ったのだ。 繭材を求めて動かねばならない。 今日がその初日であったのだ。と、思う。
そこで私は急遽、枯れ草などを容器に敷き詰め、幼虫をそっと落ち葉の上に誘導しておいたわけである。
さあ、ここで無事に繭造りをしていただきたい!! 本邦初、オキナワツノトンボ繭の写真がいよいよ撮影できるのであろうか!?
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