| 昨日、「樹上越冬のゴマダラチョウ幼虫が姿を消した」と書き込んだばかりである。 そして「今の時期に幼虫が移動するとは考えにくい」として、幼虫が居なくなった理由を天敵のせいにしてしまった。 ところがである。本日、午前11時22分。 クヌギ林の中にぽつんと生えているエノキの幹で、歩くゴマダラチョウ幼虫を目撃してしまった! 幼虫は地上へ向ってゆっくりながら、頭をふりふり歩いて降りていく(写真上)。 つまり昨日の私の推定は間違っていた可能性も高い。 ここのエノキでも、別のゴマダラチョウ幼虫が樹上越冬していたということであろうか? しかしこの光景は、とても冬のものとは思えない。 またしても繰り返すが、やはりこの冬はかなり暖冬なのだ。
ゴマダラチョウ幼虫が目指す地上には、残念ながら落ち葉が僅かしかない。クヌギ林は落ち葉かきをした後である(写真中、エノキの根元。矢印のところを幼虫が歩いている)。
そこで私は近場から落ち葉を掻き集め、さらに朽ち木や枝も重しとして、幼虫の潜り込める、ふかふかのベッドを用意した(写真下)。 発見当初、幼虫が歩いていたのは地上から50センチあたりであったので、 私の応急処置もなんとか間に合ったのである。 まあ、余計な御世話ではあるが。
ここまで書き込んできて、ふと別の考えが浮かんだ。 はたしてこの幼虫、ほんとうに樹上越冬していたのであろうか?と。 それは幼虫の体の色が落ち葉と同じ茶色であることが、引っ掛かるからである。 今までに私が見た樹上越冬の幼虫はいずれも、樹肌そっくりの灰褐色であったはずだ。 もしかしたら、ここ近日中に行われた「落ち葉かき」の作業でもって、 前々から落ち葉に降りていたはずの幼虫が撹乱され、日光の下に曝され、 驚いた幼虫が渋々樹上に一時避難していたのではないだろうか? その幼虫が、日曜日の静かな朝、こうして落ち葉の下に戻ろうとしていたのではないか?
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