| まだ網を張ってがんばっているジョロウグモがいた(写真上)。クモにしてみればガンバッテいるつもりはないのであろうが、私たちにはそう見えてしまう。8本あった脚が、6本になっているのも、いろいろ危険な目に遭ったことを物語っている。この巣網がある場所は、秋にはかなりの密度の高さでジョロウグモの巣網が掛かっていた場所でもある。待ち伏せ戦略で主に飛翔昆虫を捕らえるクモとしては、できるかぎり昆虫が多く通過する空間を選んでいるはずだ。つまり、そこには「昆虫道」あるいは「昆虫街道」なるものがあってもいいのではないか。 私はジョロウグモが張り巡らす巣網のような、赤外線センサーを造って、その「昆虫街道」を写真映像で表現したいと、常々考えている。もしセンサーを含むシステムが完成したら、まずは狡をして、ジョロウグモ巣網のそばに仕掛けてみようとも思う。
それでふと思い出したのだが、ある秋の事、林の中のジョロウグモ巣網に、やたらとニホンミツバチが掛かっているのに出会した。そのころ、私はジョロウグモの巣網に掛かる獲物の昆虫を調べ集めていたのだが、これはけっこう面白い結果になりそうで、いずれまとめたいと思っている。 それで「もしや!近くにミツバチの自然巣があるのでは!」とさっそく辺りを探ってみたところ、なんとイヌシデの根元からニホンミツバチのワーカーが出入りしているのが見つかった。所沢市郊外の雑木林で自然巣を見つけたのは初めてだったので嬉しかったこと、ジョロウグモに教えてもらったということ自体、大変勉強になったことなど、印象的な出来事であった。
さて、幾度かアップした「クロスジホソサジヨコバイ」のことだが、昨日から近所で若い幼虫から、熟令幼虫、成虫ともに多数、見つかっている(写真下、幼虫、成虫が多数見つかったヤツデ)。中里の林では幼虫がどんどん減っていたので、去年の暮れ慌てて羽化の撮影を強行したのであったが、どうやらそれも取越し苦労であったようだ。このサジヨコバイはいつ頃産卵し、今後どのような生活史を送るのやらも皆目検討が尽きかねるが、いずれにせよ、冬こそわが季節といわんばかりの繁栄ぶりには驚くばかりだ。
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