お引越し中

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このところ連日、ヤママユの越冬卵がふ化している。

ふ化した幼虫はこのあとも飼育を続け、繭を作って成虫が羽化するまでを見届けたい。

さて、ふ化は卵保存ケース内で行われるので、ふ化幼虫の姿を確認しだい、
それを飼育用の水差しに引越しさせるのが日課となっている。

W2276560.jpg飼育用の餌として、水差しにしたコナラの若枝を使っている。

コナラを使うのは芽吹きが早いことと、手に届く高さで若枝を容易に切り取ることができるからで、
餌としてはクヌギでも良い。コナラとクヌギで比較したとき、クヌギのほうが飼育成績が良いという研究結果もあり、大量飼育するところではクヌギを使う場合が多いようだ。

しかし、少数を飼育するときには、どちらの食樹を用いても飼育結果に差を感じたことはない。

写真には細い筆が置いてあるが、これでふ化幼虫を引越しさせる。

筆の先で幼虫の腹側から掬い取るようにして筆の上に乗せてから、水差しの葉っぱへと移す。
慣れてくれば指先で摘むこともできるが、余程熟練している人以外にはお奨めできない。

水差しの口にはティッシュなどをしっかり詰めて、幼虫が不用意に入水自殺しないよう気をつける。

水差しの下に白い鉢受けを敷いておけば、糞の掃除もやりやすいし、糞の量を眺めながら幼虫の健康状態も把握できる。

さて、幼虫がまだ小さいうちは飼育も楽であるが、令数を重ねて大きく育ってくると、
水差しもケースも大型になってくるし、餌交換など世話もたいへんになってくる。

飼育する数もほどほどにしないと、やがて悲鳴を上げることになりかねない。

そこで私の場合、4令幼虫あたり以降は、野外のクヌギやコナラの梢に袋がけをしての飼育に切り替えている。これができるのも、自分の林があるおかげであり、通常の多くの方はそうもいかないだろう。

そこでヤママユなど大型のイモムシを飼う場合には、極力数を少なくして、せいぜい5匹以内で大事に飼うのが無難だと言える。




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