アブラムシの最近のブログ記事


検死

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一昨日のアゲハ蛹を回収して詳しく調べてみたところ、
死因はわからないが、成虫の腹部は出来上がっていた。

アゲハ越冬蛹701A8082.JPG赤茶色に見えているところは透けている。つまり胸部から頭部にかけては、ほぼ空洞になっていた。
焼け焦げたのではなく、死亡してそののち腐食が進行したようだ。蛹内部には茶色の体液もわずかに残っていた。

ネザサやメダケの葉裏にごく普通に見られる、タケヒゲナガブチアブラムシ。
真冬にも関わらず、幼虫を産み落としている。

タケヒゲナガブチアブラムシIMG_2116.JPG
今朝の点検で自動撮影カメラには、初めてテンが写っていた。ただし、尻尾と後脚とお尻だけ。肝心のお顔はお預け。
しかし冬毛のテンは想像していたよりか、大きい。そして輝くように綺麗だ。

テンの動向は、糞の場所や落とした時期などから、薄らと想像できる。



三股町 田上

昨日、紹介したケヤキに集まっているアブラムシ。

ケヤキX0550478.jpg相変わらず有翅虫のほとんどは、じっとしたまま。長い翅が冷たい北風に煽られ、足場が悪くなったかのそりとわずかに歩む程度だ。

ウロチョロする黄色と緑色の幼虫の姿が今日は少ないが、樹皮の割れ目に数頭が固まって見えた。

ケヤキX0550428.jpgなるほどな、と納得して剥がれそうになった樹皮をめくってみれば、そこに幼虫たちがごっそり集まっていた。
ケヤキX0550438.jpg白い脱皮殻も散乱しており、樹皮下で暮らして成長していることがわかった。
寒風や雨を凌ぐにはうってつけの隠れ場所だろう。しかし、一例だけだが、潜り込んだクモに補食されている幼虫もいた。


(写真:OLYMPUS OM-D E-M5 Mark2   リバース高倍率改造レンズ、M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro  +ストロボFL-300R )

仕事にならず

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昨晩の大噴火から降灰は今日も一日中続いた。

洗濯物は再び、室内で干すことになった。

畑も一面、灰色へと逆戻りした。

一夜にして.JPGさて、こうなってくると仕事の撮影にも支障が生じるのは当然のこと。

カラスノエンドウが元気に立ち上がってきてアブラムシも爆発的に増えた。

そのアブラムシを撮影しておこうとしたのだが、灰の微粒子のために写真は使い物にならない。

IMG_3563.JPGアブラムシ産仔.JPGともかく小さな昆虫の住む世界も灰だらけである。

ナナホシテントウ.JPG雨が降って少しは落ち着いたかと思っていたが、噴火活動が続く限り降灰の影響から

逃れることはできない。


近所の畜産農家まで歩いてみた。

マシュマロ.JPG大きなマシュマロも灰を被っている。

そのマシュマロの一番手前を見てみれば、お皿に灰が盛ってあった。

小さなスプーンがさしてあって、子供のママゴト遊びだとわかる。

そうか子供たちは灰にメゲテはいない。いないどころか、遊び道具にしてしまう。

まあ子供たちにとっても灰は嫌であろうけど、嫌なことを忘れてしまえるのが遊びだろう。



私が主に活動の拠点とするフィールドは、全国どこにでもあるような、

ありふれた特徴のないさりげない自然環境だ。

決して誰かがこぞって集まるような特異な生物がいるわけでもなく、

特に美しい風景があるような場所でもなく、自然を求めて徘徊する人たちのほとんどが

サッサと通り過ぎて行くような環境。

そういうなんということのない平凡なフィールドのなかで、

興味深い生き様、ふしぎな姿の昆虫たちを掬いとる、発掘する、というのが、

私の基本的なやり方である。

理想的な場所は、住んでいる場所そのもの、そしてそのごく近くである。

考えることが多くなってしまった。



ササコナフキツノアブラムシは文字通り、ササ類の葉っぱに群れてつくアブラムシ。

白い粉をふいた集団がびっしりとササの葉うらについており、なんじゃこれは!

と驚いた方も多いことだろう。。

W21835283.jpg
(  写真/ E-520  ZUIKO D35ミリマクロ+1.4倍テレコン )


このアブラムシは普通に見られるが、発生場所は局所に偏る傾向があって、

いざ探すとなるとあちこちにいくらでもいるアブラムシでもない。

先日、近所の林縁でかなりまとまって発生していることに気付き、しばらく通ってみることに

した。白く目立つコロニーではあるが、葉うらに隠れているのでうっかり見過ごすことも

多い。今回はツンツンと舞うゴイシシジミのおかげで発見することができた。

P7160370.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ )

ゴイシシジミはアブラムシの群れの近くに卵を産みつける。

JX1900992.jpg
( 写真/ E-620  ZUIKO 20ミリマクロ オートベローズ )

学研の幼虫図鑑によれば、ゴイシシジミ卵の直径は0.35ミリ、高さ0.15ミリとなっている。

たしかに小さい卵だ。卵の天井は平坦であり特徴的だが、他のシジミチョウの卵に比べた

ら単調で面白くない。しかし写真の卵はアブラムシの粉をまとっているから、卵のほんとう

の姿はもっと綺麗なのかもしれない。撮影するなら産卵直後に行うべきなのだろう。


さて、ササコナフキツノアブラムシの群れには、兵隊アブラムシがいることで有名だ。

兵隊アブラムシは群れにやって来る天敵に対して攻撃を加え、群れの防衛に貢献する。

群れの周辺を歩き回り、警戒を怠らないのだ。

そして例えば、ゴイシシジミの卵を発見すると、これを潰そうとしたり、あるいは引き剥がし

て排除しようと努める。次の写真は、兵隊アブラムシがツノを卵の下にあてがい、

てこの原理を使って引き剥がそうとしている場面。

JX1901121.jpgしかし、兵隊の努力は報われることがない。ゴイシシジミの卵は潰れもせず、

ピクリとも動かない。それほど強固にできており、しっかりと葉の表面に接着され

ているのである。

見ていると、次々と兵隊がやって来て攻撃を加えてはあきらめて去っていく。

もちろん兵隊たちの攻撃はいつも無力なわけではない。

天敵の種類によっては卵を潰し、捕食者を撃退する場面も見ることができる。

つまり、ササコナフキツノアブラムシに特化した天敵と、そうではなく兵隊たちに

排除されてしまう捕食者たちの両者がいるわけである。




脇役だが

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昨日は半年ぶりに草刈作業をしてみた。

してみた、というのは、やはりまだ体の調子が気に掛かるからだ。

筋力が落ちてもいるので刈り払い機を扱うのも慎重になる。

途中でけっこうバテテ、しばらく林内の倒木に座り込んでしまった。

それでも2時間ほどかけて、かなりの面積をこなした。

そうこうしているうちに小学校PTAの懇親会の時間となった。

シャワーを浴びている時間もなかったので、着替えだけして駆けつけてみれば、

参加者のほとんどの方が座についていた。

女性陣と男性陣が見事に分かれており、なんと男性陣のテーブルには空きが無い。

仕方が無いので女性陣の方へ割り込ませてもらった。

しばらくすると、私を見かねてか、男性陣のほうに席を用意してくれた方がいた。

さて、今日は雨となり、終日、デスクワークとなった。

そこで写真は数日前のもの。

X2157092.jpgナナホシテントウは昆虫のなかでもたいへんな人気者で、昆虫写真の仕事の上でも

注文や依頼は多い。

その一方、かならず被写体となるもナナホシテントウの餌として扱われるのがアブラムシ。

アブラムシという呼び方は、ときにゴキブリを指すのでこれまた不人気の要因になる。

ま、ウジャウジャと植物にたかる様は、気味悪いと嫌われ、園芸家にとっては憎き

害虫にしか過ぎない。そんなわけで、アブラムシに主演の依頼はまず来ないのだ。

だがしかし、待てよ。

アブラムシの姿をじっくりと見たことがある人が、どれだけいるだろうか?

気味悪いのは集団であるが故で、渋谷駅前の怒涛のような人ごみも

少し離れてみればいくら美人が多数混じっていようとも、

その有様は誰が見てもけっして心地よいものではない。

そう、アブラムシもよ~くその個体を見てみるべきだ。

美人ではないかもしれんが、なんとも可愛いやつなのだ。

X2157112.jpgそして、今の時期、どれも皆メスであって、成虫はこうしてお産に励んでいる。

厳密に言えば、お産ではなく産仔というが、ま、そんなことはどうでもいい。

こうしてたくさんのメスがどんどんこどもを産むので、あのような群れになってしまう。


( 写真/ E-3  ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン)