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日本紅斑熱

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アカギカメムシの羽化が今朝も見られた。
アカイラガIMG_1055.JPG
この場所は、脚立最上段まで登ってようやく目線の高さにまで寄れる。

クヌギで見つけたアカイラガは、8日に脱皮して終齢となった。毎日、葉っぱをよく食べている。

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         ( アカイラガとマダニ 写真:OLYMPUS  TG-4 )

まだアカイラガの毒刺毛には刺されたことはないが、結構、痛いのだろう。

先日、10日の夜、阿蘇山から降りてから、左のお尻に軽い痛みを感じた。

座ったり立ち上がったりする動作で、下着に擦れるとチクリと感じる。手で触れるとわずかに皮膚が盛り上がっている。
帰宅後、嫁さんにお尻を突き出して見てもらったが、「赤くなってるよ」ということだった。
虫刺されかな?くらいで放っておいたのだが、昨夜になって違和感が強くなった。
寝床に入ってから指で患部を触れてみて、かさぶたのように感じたので、
思い切って引っ剝がした。

するとそれは、かさぶたではなく、飽血して肥大したマダニの一種だった。

マダニP9140058.JPG肥大化した体長は約4ミリ。おそらくこのマダニは、フタトゲチマダニで、
飽血肥大した体長からして、若虫(体長2ミリ)ではないだろうか。
成虫は体長3ミリで飽血肥大すると、10ミリ近くにもなる。

私のお尻に咬傷した本種を、嫁さんが「赤くなっている」くらいにしか見えなかったのも、2ミリという若虫だったからで、
しかもこうした小さな生き物を普段から見慣れていない「普通の人」だったからでもある。
もし私のような者が逆の立場で検分していたなら、2ミリといえども、決して見落としたりはしなかったはずだ。

本種は、日本紅斑熱のリケッチアを媒介するが、それは主に若虫によるものらしい(『Dr.夏秋の臨床図鑑   虫と皮膚炎』 夏秋優 ・著(秀潤社:2013)。

つまり、私はリケッチア感染した可能性も無くはない、とも言えるだろう。
そうではないことを祈りたいが。

指で無造作に引っ剝がせたのは、ほぼ飽血していたからだろうが、こういうやり方だとマダニ体内から血が逆流して感染し易いので、ほんとうはやってはいけない。
完全飽血させて自然脱離させるか、口器が皮膚内に残らないよう、慎重な脱離法をとる必要がある
一番確実なのは外科手術だそうだ。咬傷部位をごっそり切除するのだから、それはそれでかなり痛そう。

12年前だったか、やはり阿蘇山の放牧地を徘徊したあと、数日してから、体全身に赤い発疹が出て、高熱と激しい倦怠感に襲われ数日寝込んだことがある。
初めての経験でびっくりしたが、まさにリケッチア感染による日本紅斑熱病の症状だった。発症潜伏期間は1週間程度のようだ。

先日の10日、阿蘇山ではあまり距離を歩いてはないが、むしろ一カ所にじっと留まっている時間が長かった。牛の撮影に時間を掛けたからだが、放牧地でじっとしている時間が長いのは、マダニにどうぞいらっしゃい、と言っているようなものだろう。

阿蘇山だけでなく、うちの近辺でもマダニは多い。先月にも、庭で草むらに立っていたら、ズボンを登って来るマダニを発見したばかりだ。飼い犬にはマダニの予防薬を使っているが、人にもそんな便利な薬があるといいのだが、、、。






今朝は少し手の込んだ室内撮影を午前中に行った。準備日も含めて二日掛かった。

作業の内容からすればアシスタントがいると効率が良いだろうが、

独りでやるのが好きなほうだ。それに私と呼吸が合うアシスタントを探す、あるいは

養成する手間隙を考えたら、やはり独りの方が楽であろうかと思う。

さて、午後からハッチョウトンボの生息地に行ってみた。もう出ている頃だろう。

現地に着いて歩き始めてすぐに、タカサゴキララマダニの姿が目に入った。

遠目にはカメムシの幼虫のようにも見えた。ともかく大きい。

タカサゴキララマダニ1.JPG脚を縮めてじっとしているので、そっと息を吹きかけてみたらモゾモゾと脚を広げる。

タカサゴキララマダニ2.JPG写真の個体はオス。本種はマダニの中では最大種であり、人も吸血される。

さて、ハッチョウトンボは少なからず発生していた。どの個体もまだ未熟で、写真のオスは

中でももっとも成熟した個体と思う。

ハッチョウトンボオス.JPGハッチョウトンボのあの小さな姿を写真で表現するのはたいへん難しい。

実物を見なければ話にならない、それがハッチョウトンボの魅力でもあるだろう。

ハッチョウトンボを一通り見て回ってから、ふと目に入ったのがアリスアブのメスであった。

アリスアブ♀.JPG雌雄の判別は頭部を見ればわかる。触覚のあたりで複眼が大きく離れているのがメス。

オスでは複眼が触角部分で接近している。アリスアブには体毛が銀色タイプと

金色タイプの2型があって、この写真のメスは銀色タイプだ。金色タイプのものは

キンアリスアブとよく間違われることがある。

他にもアリスアブがいないか探していたら、オスや金色タイプのメスも見つかった。

そしてスイカズラの葉っぱでは、ニセリンゴカミキリが後食している姿があった。

ニセリンゴカミキリ後食.JPG今日は終日、雨が降り続けた。止んだかなと思っても霧雨。完璧に止むことは無かった。