フィールドサインの最近のブログ記事


朝、犬の散歩のついでに、モズがはやにえをよく立てる場所に寄ってみた。

エノキの枝には蛾の幼虫が二つ刺さっており、どちらも新鮮。

このところ冷え込みも緩んで獲物に不自由していないのだろう、とそんな気がする。

エノキの隣の桑の木ではトノサマバッタの腹部が残されていた。

はやにえ11-01-040640.JPGはやにえに気をとられていたせいか画面の中に芋虫が写りこんでいるとは知らなかった。

他にはやにえの見落としがないかクワの枝先を丁寧に眺めていたら、

クワエダシャクの幼虫がいることに気付いた。

クワエダシャク幼虫11-01-040665.JPG一匹いるなら他にもいるだろうとしつこく眺めていると、いるいる!

次々と15匹も。

クワの樹はこれ一本だが斜面に生えているので枝を隅々まで探索することはできない。

したがって、おそらくもっと多数のクワエダシャク幼虫がついていたに違いない。

一本のクワにこれほど幼虫がついている理由は、この近辺にクワが少ないからだと

思える。クワの生えている密度が極めて低いのである。

東京の清瀬市などでは、街路樹のすき間やあちこちに実生のクワが生えていて、

たいへんクワが多かったが、それとは対照的である。

もっとも理由はそれだけだと、断定するわけにもいかないが。

クワエダシャク幼虫の止まる姿勢もそれぞれで、枝に水平密着型の場合だと

擬態も完璧に近く、かなり目立たない。

クワエダシャク幼虫11-01-040676.JPG


脱皮殻、卵殻、繭、古巣、、、などなど。

昆虫が野外に残した物件はたくさんあるが、これらを特に収集してきたわけではない。

なんとなく面白く思えたり、捨て置くのも勿体無い気がしたり、

あるいは本を作るとき必要に迫られて撮影し、そのまま保管していたりと、

知らず知らずに溜まってしまったのである。

そんな物件が整理もされずにゴチャゴチャ箱に詰めてあった。

先日、標本箱のチェックをした際にこの物件箱も何とかせねば、と思い立った。

そこで、いくつか選んで標本箱に並べてみることにした。

収集物も、整理して綺麗に展示しておかないと何の意味も為さない。

とりあえず標本箱2個に収めてみることにして、物件を選び出してみた。

JX2567622.jpg上の写真は選び出し途中の物件を並べてみたところ。

きちんと収集データのついたものと、そうでないものも混じっている。

古いものは1970年代のもあった。モズのはやにえまで入っていた。

たくさんある物件から選び出すだけでもけっこう時間が掛かる。

一つの箱には主に抜け殻だけを集め、もう一つには繭を中心に、古巣などで構成する。

JX2567641.jpg

抜け殻にはヤママユ幼虫の頭殻のように、5段階のステージが揃ったものもある。

そういう場合は台紙にステージ順に並べたい。

今回使う標本箱にはポリフォームやコルクの敷きがないので、針刺しはできない。

物件ひとつひとつの固定法を工夫しながら、接着剤で貼り付けることにした。

この方法だと、レイアウトの微調整をあらかじめきっちり出しておかないといけない。

なかなか厄介な作業ではあるが、苦労して完成した箱は大事に扱うことになるだろう。

人によってはこうしたコレクションを「自然の宝物」とも思えるのだ。





シシ肉あります

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午前8時過ぎ。

30メートルほど先の桑の枝先で、はやにえを立てるモズがいた。

ちょうどいいタイミングだった。

ツツッ、ツツッ、と二回にわけて獲物を素早く枝に刺した。

モズはすぐに飛び去ったので、急いではやにえの所へ駆けて行ってみた。

W21402543.jpgはやにえに立てられた獲物は、タイワンクツワムシのメス。

お腹はでっぷりと肥えている。いかにも食べ応えがありそうだが、

モズはこれを置き去りにしてまた別の場所で獲物を探しているようだ。

よほど満腹しているのか、あるいはタイワンクツワムシはあまり好みでないのか。

うちのチョロなら喜んでたいらげてしまうのだが。

桑の木は人が剪定して枝の切り口が鋭くなっており、

隣の枝にはトノサマバッタの頭が刺さっていた。


午前中は室内で仕事をして、午後から山仕事だった。

昨年刈って積み上げたままのササを処分する作業だが、これがかなり厄介だ。

枯れたササの山には蔓やさまざまな植物が繁茂して絡み、これを

ほぐすようにしてからでないと何もできない。ほんとうに地道な手作業となる。

いくつかあるササ山のうち、今日はたった一つの山しか処分できなかった。

作業終了間際になって、Hさんが軽トラでやって来た。

近くのイノシシ罠を見に来たそうだ。杉林の中に罠は仕掛けてあるが、

どうやらイノシシが出る場所が別の尾根に変わったらしい。

宮崎に初めて来たころ一番印象的だったのがあちこちで見かける、

「しし肉有ります」という看板だった。

そしてここ三股町に住んでみてわかったのだが、冬場にはシシ鍋を食べる習慣が

ごく当たり前のことなのであった。

Hさんに前から気になっていたことを聞いてみた。

「毎年どれくらいイノシシを獲るのですか?」

「ああ、今年はこれまでに10頭以上獲ったねえ。

あ、しし肉食べる?じゃあ、あとで持ってくるわ。」

イノシシの罠にはシカも掛かるそうだ。シカは有害獣として駆除が奨励されており、

尻尾を役場に差し出せば、8000円になるそうだ。

シカは鼻の位置が高いせいか、地面近くに仕掛けた罠には掛かり易いという。

「シカ肉は刺身が一番美味いよ」、とHさん。

私も以前、長野でステーキにしてただいたことがあるが

これは柔らかくてとても美味しかった。ステーキでも生焼きがいい。

イノシシにしてもシカにしても、捕らえたあとはすぐに血抜きする必要がある。

こういう獣をナイフでさばくという作業はなかなか誰にでもできるものではないが、

そのうち解体作業などにも立ち合わせてもらいたいと思う。

L1143532.jpgHさんから「ちょっとだけどね、、、」といただいたシシ肉。

明晩の夕食はシシ汁にしよう!



春のはやにえ

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X2065532.jpg

モズのはやにえを、クリ林でいくつか見つけた。

はやにえは、秋や冬場にはよく見かけるが、

サクラも散り始めた今頃になってから見る機会は少ないように思う。

写真のニホンカナヘビは、つい先程に突き刺されたばかりのようで、まだ体は柔らかい。

他には、コアオハナムグリが2個体、そしてツチイナゴが一体、

同じようにクリの枝先に刺されてあった。

いづれも新鮮なはやにえであった。

この時期、モズは繁殖期の最中であって、モズのメスがねだり鳴きをして

オスから餌を受け取る様子があちこちから聞こえてくる。

春とはいっても花冷えする日が続き、モズの狩猟の成果にも影響があったのではないだろうか?

今日は一気に暖かくなった、そんな一日だった。

モズの目に止まる獲物の数も、連日の不作から一転してたちまち増えたのは間違いない。

彼らの習性としては、動く者はまず獲物として黙って見過ごすことはないはずだ。

衝動的に獲物に飛びかかっていけば、

あっと言う間に食べきれぬほどの食糧が手に入ったと思える。

(写真/ E-3  ズイコーデジタル50ミリマクロ )




このところ林の整備作業が停滞している。
雨もこの時期にしてはよく降ったし、なにかと忙しい日々だ。

昆虫写真家にとって、冬は暇だろう、などということはない。
撮影量は、たしかに減る。しかし、そのぶんシーズンに備えてやるべきこと、
机上での作業もかなりあって、のんびりとはしていられない。


X2052167.jpg 以前、ツチイナゴのはやにえを紹介したことがある。
野焼きで炙り出されて、そこをモズに捕まったのではないか?
と、推測した。
そのツチイナゴは翌朝には忽然と姿を消していた。とても冷え込んだ朝だった。

 私はそのツチイナゴのはやにえが刺さっていた小枝に、ずっと注目してきた。
なぜなら、その場所はモズが好んではやにえを立てるだろうと思われたからだ。

 そして今日、まさにその同じ小枝に、ケラが刺さっていた。
まだ死後硬直はきておらず、新鮮なはやにえだ。
この小枝はよほど絶妙な角度をもってもモズを待ち受けているのだろう。

X2052185.jpg    クリ林に行ってみれば、ツマグロヒョウモンの幼虫が見事にブスリ。

X2052199.jpg     ツマグロヒョウモン幼虫はすでに成長著しく、中令期と思われる。

 今日はモンキチョウも元気良く飛んでいたし、
           もう早春さながらのポカポカ陽気だった。
                            
  こんな日が続くと、あれほど焦れていた薪ストーブも、
        ま、いいか、なんてあっさりと忘れてしまいそうだ。




足跡

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今日はけっこう雨が降った。
おかげで一日中、室内の仕事をできた。

今日の写真は昨日、撮影したもので、シカの足跡


W2025554.jpg 足跡の大きさから、まだ若い個体と想像する。
この足跡は山の斜面から駆け下りてきて、小川を飛び越え、林道へと降り立ったときについたことが窺える。
雨の水溜りが干上がって、ちょうどチョコクリームを塗りたくったようになっていた。
シカがまさに踏み込んだ瞬間、ピチャッ!とチョコクリームがはじけたのではないだろうか。

シカはしかし、三股町に住み始めてからまだ近場で目撃したことはない。
足跡を見るのも昨日が初めて。
この場所は、こどもが通っている梶山小学校に近い。


昨年、スミナガシ越冬蛹を見つけた川沿いの林道に行ってみた。
フィールドへ出るのは久しぶりのような気がするが、こことてうちから車で10分とかからない。

若いクヌギ林を歩いてみれば、ヤママユのまゆ殻がいくつか梢にぶら下がっていた。
まゆ殻は無事に羽化できたもの、あるいはそうではなく鳥にでも喰い破られたものなど、それぞれの運命を語っている。

ふと隅っこのクヌギを眺めてみれば、「やまかます」が二つぶら下がっていた。

W2025530.jpg「やまかます」はヤママユのまゆとは違って、絹糸の色がそれほど色褪せてはいない。
その形といい、色合いといい、だから「やまかます」は人気がある。

「かます:叺」と聞いても、その意味がわかる人は滅多にいないだろう。
「かます」は、今の時代なら民族博物館などへ出向けば見ることができる。
例えば宮崎総合博物館なら2階の展示室の壁にぶら下がっている。

ウスタビガのまゆを「やまかます」あるいは「つりかます」と呼ぶ地方もあるが、その名称は「かます」によく似ている形状からきている。

以前にも書いたことがあるが、ある時期、私はウスタビガの撮影に没頭していた。
それで秋深まって、新潟の山中でウスタビガのまゆを探していた。
まだ羽化していないまゆを梢の合間から見つけ出すのはきわめて難しい。
徒労の挙句、羽化して抜け殻となったまゆばかりしか見つからない、そんな苦い経験をずいぶんと繰り返した。
そんなある日、山仕事に来ていた一人のおじいさんに出会ったのである。

私はウスタビガのまゆを探しているという説明をしながら、これは通じないな、と気付いてから、
「あのう、やまかます、かますみたいな緑色のまゆ、を探しているのです。」
と言い直すと、
おじいさんは急に笑顔になって、ときどき見るよと、嬉しそうに教えてくれたのであった。

別れ際、熊には用心しなさい、とも忠告してくれた。
おじいさんの人生と私のそれとは何の接点もないはずだが、そのときはおじいさんと気持ちを共有できたような頼もしい気分になれたことを思い出す。


モズのはやにえを探してみた。

探すポイントはわかっているつもりなので、お目当ての場所を覗いてみれば次々と見つかった。
そのなかでも見つけて嬉しいのが、これ。


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コブシの枝にグサリと刺されていたのはケラ

顔を見るとなんだかうらめしそうだ。


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虫のしわざ

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夕方の犬の散歩途中で見つけたのが、この泥巣

W2195259.jpg ほぼ毎日、通っている場所なのにこれまでこの泥巣に気付かなかった。
おそらくは草のしげみに覆われていたせいだろう、と言い訳しておこう。

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このブロック土留めはなんとも味けが無い。しかし、そのわずかな傾斜、そして凹み、表面のざらつき具合、など諸々の条件をうまく利用するのが昆虫達の得意技でもある。
例えばこうして泥蜂のメス親は、子育て用の泥巣を残して立ち去る。
うまくすればこの泥巣の中の各個室では、泥蜂の子どもが春を待っているはずだ。

泥巣はかなり強固にコンクリート面に付着しており、巣をこわすことなく取り去るのは難しい。



昨日までの寒さが緩んだかと思えば、今日は正午前から雨となった。
外に出れば、空気が生暖かい。

うちの林に出入りするけものは、溜め糞を見かけることから、まずはタヌキだろう。
そしてニホンザル(目撃例一回)。さらに、イタチ(おそらくホンドイタチ。糞もよく見かけ、御本人にも2回ほど遭遇)。
あとアカネズミ(シャーマントラップで捕獲して確認済み)。
さらに可能性としては、ホンドギツネ(400メートル先のご近所の庭で目撃されている)、アナグマ、イノシシ、モグラ、ハクビシン。
あとコウモリ類も夜間には飛翔しているはずだが、種名までは確認できていない。

そして、まだ姿を見ていないがノウサギも多いようだ。

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ノウサギの糞は敷地の中でもよく見かける。
手にとってみれば、ノウサギの糞は乾燥していてまるでペットフードのようだ。
行儀良く一カ所にまとめてあるところが、なんとなく微笑ましい。

雨だから、というわけではないが、今日は室内でずっと工作をしていた。
もうだいぶ前から計画していた工作だが、なかなか時間がつくれなかった。