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森上信夫さんの新著『身近な昆虫さんぽ手帖』(世界文化社)、が届いた。

さんぽ手帖.jpeg森上さんのこれまでの著書には『虫の呼び名事典』(世界文化社)、と『調べてみよう名前のひみつ昆虫図鑑』(汐文社)があり、森上さんの言われるところの「生きた標本写真」を存分に使った昆虫白バック本シリーズが3作揃ったことになる。

今回の『身近な昆虫さんぽ手帖』のタイトル通り、文庫版サイズで、カバーをとるとビニール表紙になっており、紐しおりまで付いている、まさに手帖型。
ちょっとのお出かけに本書を携え、森上さん独特の軽妙でユーモアのある文章を、写真を眺めつつ楽しむのもいいだろう。本棚から引っぱり出すのではなく、普段から机の片隅などに置いておき、気が向いたときにふと手に取って読める、という気軽さもある。
構成は春夏秋冬、四季の流れで組まれてあるが、気ままにどの頁からめくってもいい。


この時期コガネグモは成体が増えて、幼体はほとんど見かけなくなった。
「あ、まだいたか!」と思って近づくと、オスだったりする。が、それでもポツリと見つかることもある。

今日の夕方、犬の散歩で見つけたメスは、あと2回脱皮すれば成体になるかと思う大きさだ。

コガネグモ幼体IMG_5470.JPG


本日、見本が届いたのでお知らせします。
せみ.JPG「はじめて見たよ! セミのなぞ」(少年写真新聞社) 

詳しくは少年写真新聞社のHPをご覧ください↖︎。

イワサキクサゼミの撮影で、今年の4月、与那国島に渡った。入稿までもう数日しかないというギリギリのタイミング。
イワサキIMG_8277.JPG
例年なら3月半ば頃から成虫が鳴き始めるので、4月はじめなら問題ないだろうと。しかもその頃ならヨナグニサン第1化の羽化も始まっている、あわよくば二兎を得ようとした。
が、今春は全国的にも季節の進行が一週間以上遅れていた。

イワサキクサゼミの鳴き声どころか、島全体に虫の姿が少なく、一昨年同じ時期に渡島したときとは、まるで様子が違っていた。夜寝るときも、一昨年は窓を閉め切ってエアコンを使った(窓を開けたくても網戸が無かったので、蚊の猛攻が凄まじかった)。が、今年は窓を閉め切ってもちょうど良い按配で熟睡できた。

それでも一番大事な目的、土中にいるイワサキクサゼミの幼虫撮影は二日目で成果があり、ホッとした。難航することも予想して、サトウキビ畑での掘削許可を得る手立てまでとっておいたのだ。
今回も自分の直感力を信じてはいたが、いささか無謀な試みではないか、という一抹の不安もあった。初めての幼虫探しでもあったし。

幼虫を見つけて撮影している間、他の場所にトンボの撮影に向かった中瀬潤さんが、ほどなく戻って来た。えらく早いな〜?と、

「池に向かっていたら、途中でイワサキクサゼミが鳴いていて、成虫が多数いましたよ」との嬉しい報告!
おかげで成虫が鳴いている姿もこの日のうちに撮影できた。

しかし、イワサキクサゼミがまとまって見つかった場所以外では、その後、わずかに鳴き声を聞いたくらいだった。

じつにきわどい遠征撮影であったわけだが、天候にも恵まれた。
4頁分の写真撮影を無事成し遂げ、私は満足したが、
ヨナグニサンの撮影を楽しみにされていた、仙台在住の昆虫写真家、中瀬潤さんには、たいへん申し訳なかった。
今春のヨナグニサンの羽化は、我々が島を去ってから数日後に始まったようだ。








どんどん.JPG
「どんどん虫が見つかる本  虫を楽しむ!365日」 鈴木海花・著  尾園暁・写真
 (文一総合出版)

出会ってみたい虫を、どこに行ってどうやって探せばいいのか?
私が高校生の頃は、そうした情報を得るには、図鑑か、あるいは地元の県立博物館に陳列されている標本のラベルのデータであったりした。
陳列ケースのガラス越しに、ラベルのデータを読み取る視力は充分あったが、採集年が古過ぎてどうにもならない、というケースも多かった。しかし、地名と採集年月日だけを頼りに、フィールドを探し歩いた数々の経験は、もどかしさ故に出会えた瞬間の喜びも大きく、今でも心の奥深くに刻み込まれている。

虫を探すための指南書、というのはこれまでにもいくつかあるけれど、本書のようにグループごとにそれぞれの達人が登場もし、フィールド巡りをしながらの探索ガイド、というのは初めての試みではないだろうか。

私もちょこっと協力させていただき、著者の鈴木海花さんとフィールドをご一緒した。昨年の6月後半で、ベニツチカメムシの育児期にタイミングを合わせた。幸い天候や虫の状態にも恵まれ、予定通り、いやそれ以上の成果があったかと思う。


私が高校生の頃に本書があったとしたら、どうなっていただろう?
そんなこと今さら想像したところでどうしようもないが、なかったからなかったでも、私の探虫に注ぐエネルギーとは、それ自体が生きる喜びであったことに変わりはなかったはずだ。
あったらあったで、さらに先へ奥深くへと、ますます熱くなったことだろう。


花のレストラン

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新刊本の紹介です。

「ようこそ!花のレストラン」 写真・文:多田多恵子               少年写真新聞社
花のレストラン.JPG
著者は、植物生態学者の多田多恵子さん。

64ページのボリュームたっぷりの写真絵本です。
表紙デザインを見るだけで、思わず手にとりたくなります。内容はたいへん濃くて、大人の方でも読み応えのある植物生態学の入門書です。



昨日やり残した林の下草刈り作業だが、今日はパスして明日に持ち越し。

林に降りてしゃがみ込んでみれば、目の前でホソミイトトンボ♀が食事中だった。

ホソミイトトンボIMG_9794.JPG獲物はユスリカの一種。目一杯大きく写したくて、あえて対角線の構図にした。

ヒメヒラタアブ属の一種は、ホバリングしては花に着地していた。

ヒメヒラタアブIMG_9696.JPG

本の紹介

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鈴木知之さんの新刊本、「新・カミキリムシハンドブック」鈴木知之・著(文一総合出版)、が届いた。

カミキリムシハンドブック.JPG旧版「日本のカミキリムシハンドブック」の増補改訂版で、40頁増えて、とくに幼虫図鑑の頁が充実。カミキリムシの幼虫は似たようなのが多いが、識別点など解説がたいへんわかりやすい。




『里山のヤママユ』(小学館クリエイティブ)が、来週21日に発売となります。
里山のヤママユ.JPG「ふれあい写真絵本」シリーズとして、同時に横塚真眞己人さんの『どこにいるの イリオモテヤマネコも同日発売です。

今頃になって気付いたのですが、表紙写真のヤママユ♀は、ほぼ実物大です。これは意図したわけではなく、偶然です。


『ヤママユガ観察事典』(偕成社)を出してから19年目。前にも書いたことがありますが、児童書でをテーマに扱ったものがカイコかミノムシに限られており、そのことが私にチャレンジ精神をかき立たさせた一因でもあったでしょう。蛾、ってとても面白い生きものであるのに、なんで誰も取り上げないの?、と私には 不思議でならなかったのです。

ヤママユを皮切りに、蛾に関わる絵本としては、シャクトリムシ、まゆ、イモムシ、カイコ、と写真絵本を出した私ですが、これからやるべきことは数多くあります。もっと蛾の魅力を本にして語りたい、と思っています。


蛾の絵本が稀だと書きましたが、絵本ではないですが、最近は少し傾向が変わってきています。

例えば、鈴木知之さんの『ずかん さなぎ』(技術評論社)は、昆虫全般を扱っていますが、蛾類の世界もかなり掘り下げて紹介してくれています。びっくりするような知見が満載です。鈴木さんの著書『虫の卵ハンドブック』や『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』(文一総合出版)でも蛾類の扱いが多く、たいへん参考になります。


天蚕の繭

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東京都 新宿区

25日から東京に滞在し、今日が最終日。
午前中の打ち合わせを済ませると、あとは宮崎に戻るだけだ。
今回は6日間、隙間無くスケジュールを詰め込んだ。
あと一日、フィールド歩きの時間があったらと思うが、戻って宿題に取りかからないといけない。滞在したぶん、宿題も増える。

来春早々刊行する写真絵本の一冊は、天蚕(ヤママユ)のお話。
ヤママユ701A7782.JPG
写真の繭は、雑木林で見つかった繭。

左は、成虫が無事に羽化したあとで、羽化口が開いている。

右は、手に持つと重みがあり、揺するとカラカラ、乾いた音をたてる。
おそらくコンボウアメバチに寄生されているのだろう。
アメバチが蛹になったころ(ヤママユの蛹の中で)、この繭を開いてみようかと思う。

「ヤママユ観察事典」(偕成社)が、児童書の写真本としては初めての本だったが、私としての思入れは強い。ヤママユは野山に広く棲息しているが、人里の雑木林でも身近に見られる大型の蛾である。その大きく開いた美麗な翅は、怪しい瞳まで具えている。
そして、何より繭は絹糸(天蚕糸)を私たちに恵んでくれる。
魅力たっぷりなヤママユには、心惹かれる。

今回の新刊本の制作にあたって、
「ヤママユ観察事典」を作ったときには果たせなかった、長野県の安曇野市、穂高地区の取材、撮影を、今夏、2回に渡って実現できた。
天蚕の魅力に取り憑かれ、寄り添うようにして暮らす方々や、天蚕糸を紡ぎ織物を織る工芸家の方との出会いでもあった。

「ヤママユ観察事典」は、私なりに精一杯取り組んだと思うが、やり残したことも多く、宿題をたくさん抱えてしまった。一昨年、その宿題の一つ、ヨナグニサンの観察、撮影を少しだけ進めることができた。与那国島はとんでもなく遠い島だったが、今では森や海の様子を時々思い描くことができるようになった。今後も機会を見て最果ての島を訪れることだろう。

また、安曇野の地もかつて私にとっては遠い存在だった。が、今では安曇野の春、夏の光景を思い浮かべながら、次回の訪問時期をいつにしようか、とあれこれ考えている。

そして、一方、私は自分の住む宮崎県三股町の自宅林の整備作業も気にかけている。
多くの昆虫が出入りし、そのなかでもヤママユが毎年、ここで繭を紡いでくれるよう心掛けているのは言うまでもない。林の整備という山仕事はしかし、そうそう容易ではない。時間も必要だ。パソコンに向かっている時間が苦痛に感じることが多いのは、そのためでもある。
「椅子に座っている場合ではないだろう」、という声がいつも頭のなかで聞こえて来る。

さて、そろそろチェックアウトの時刻が近づいてきた。




カメムシの本の紹介

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宮崎県の陸生カメムシ.JPG
掲載種数452種、しかも生態写真で構成された、カメムシ本です。
A4の大型判型でずっしりと重みもあります。
誌面が大きくゆとりのあるレイアウトで見易いです。
まさにカメムシの豪華本、とも言えます。

著者の小松孝寛さんは、宮崎昆虫同会の会員で、私も会の活動のなかでお知り合いになりました。小松さんは、蝶を撮影なさっていてこれまでに写真本も出されています。ある日、小松さんから「カメムシを撮っています」と聞いたときは、ちょっとびっくりしました。カメムシに興味を抱く方が宮崎にもいらっしゃるのだ、という驚きでした。世間一般、お仲間は希少ですから。

それから数年後にこうして県内のカメムシのほとんどを網羅されたカメムシ写真本を刊行されました。

 本書は「宮日文化情報センター」、で購入できるようです。


小郡市 宝城中学校

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福岡県 小郡市

昨夜まで鳥栖市も福岡県と思い込んでいたが、鳥栖市は佐賀県。その東隣が小郡市。
小郡市はもちろん福岡県。

全校生徒110名の宝城中学校の文化発表会が催され、読書の集い、として講演に招いていただいた。
中学生を対象とした講演は初めて。私はこの年齢の頃、虫に惹き込まれた。

講演の前置きで自分の中学生の頃の話しを盛り込むつもりだったが、最初に女子生徒の子が私の紹介を詳しく語ってくれたので、前置きは短くできた。私の著書を引用しながら、わかりやすい話しにまとめてくれていた。

学校には少し早めに到着したので、裏手にある神社に寄ってみた。わずかな疎林があるだけだったが、
アラカシのドングリがたわわに実っていた。

アラカシ_5139.JPGウメにはイラガの繭が多数ついていたが、かなりの数がイラガセイボウの寄生を受けて、横っ腹に大きな穴があいていた。
セミの抜け殻がまったく見当たらないのが、不思議だった。環境からして、アブラゼミ、クマゼミが多数発生していいのだが。

サクラの梢には、ムネアカアワフキの幼虫巣がたくさんついていた。これまで見てきた中では一番、密度が高い。

ムネアカアワフキIMG_5146.JPGほとんどの枝先にびっしりと、石灰質のカタツムリ型巣が並んでいる。
中には排泄水の水滴がついているものも、多くあった。

ムネアカアワフキIMG_5157.JPGムネアカアワフキについて詳しくは、拙著「虫のしわざ観察ガイド」(文一出版)を参照してください。



月刊たくさんのふしぎ 11月号(福音館書店)

「わたしたちのカメムシずかん」 鈴木海花・文      はた こうしろう・絵
たくさんのふしぎ.JPG本書を読んだ子供達がいづれ大人になったとき、カメムシのことをどう思っているだろう。
昆虫や自然のことをどう感じる大人になるだろう。
そんな先のことまで考えても仕方が無いが、期待感を抱くのはやむを得ない。

少しでも自然を見る目に柔軟性をもてるといいのだけれど、
そんなきっかけを本書から授かれるのではないだろうか。

本書が届いて読んでいるうちに、なんとイラストの中に、机に置かれた拙著らしき表紙があった。
2002年に出した「カメムシ観察事典」である。残念ながら初版で打ち切りとなったが、少しはお役に立っていることもあるらしい。

「カメムシ観察事典」を出したとき、褒めるよりか、陰口の言葉が自然と私の耳に届くこともあった。クサイだけの嫌われ者のカメムシを本にするとは、というあきれた声だ。まあ、そういった非難めいた意見は当然出てくるだろうことは覚悟していた。

私はしかし、臆することなくこれからもまた「カメムシ」の本を出すつもりでいる。

「わたしたちのカメムシずかん」は、私の背中を押してくれる一方、虫の世界の魅力を伝える別の視点を教えていただけたような気がしている。