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『里山のヤママユ』(小学館クリエイティブ)が、来週21日に発売となります。
里山のヤママユ.JPG「ふれあい写真絵本」シリーズとして、同時に横塚真眞己人さんの『どこにいるの イリオモテヤマネコも同日発売です。

今頃になって気付いたのですが、表紙写真のヤママユ♀は、ほぼ実物大です。これは意図したわけではなく、偶然です。


『ヤママユガ観察事典』(偕成社)を出してから19年目。前にも書いたことがありますが、児童書でをテーマに扱ったものがカイコかミノムシに限られており、そのことが私にチャレンジ精神をかき立たさせた一因でもあったでしょう。蛾、ってとても面白い生きものであるのに、なんで誰も取り上げないの?、と私には 不思議でならなかったのです。

ヤママユを皮切りに、蛾に関わる絵本としては、シャクトリムシ、まゆ、イモムシ、カイコ、と写真絵本を出した私ですが、これからやるべきことは数多くあります。もっと蛾の魅力を本にして語りたい、と思っています。


蛾の絵本が稀だと書きましたが、絵本ではないですが、最近は少し傾向が変わってきています。

例えば、鈴木知之さんの『ずかん さなぎ』(技術評論社)は、昆虫全般を扱っていますが、蛾類の世界もかなり掘り下げて紹介してくれています。びっくりするような知見が満載です。鈴木さんの著書『虫の卵ハンドブック』や『朽ち木にあつまる虫ハンドブック』(文一総合出版)でも蛾類の扱いが多く、たいへん参考になります。


天蚕の繭

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東京都 新宿区

25日から東京に滞在し、今日が最終日。
午前中の打ち合わせを済ませると、あとは宮崎に戻るだけだ。
今回は6日間、隙間無くスケジュールを詰め込んだ。
あと一日、フィールド歩きの時間があったらと思うが、戻って宿題に取りかからないといけない。滞在したぶん、宿題も増える。

来春早々刊行する写真絵本の一冊は、天蚕(ヤママユ)のお話。
ヤママユ701A7782.JPG
写真の繭は、雑木林で見つかった繭。

左は、成虫が無事に羽化したあとで、羽化口が開いている。

右は、手に持つと重みがあり、揺するとカラカラ、乾いた音をたてる。
おそらくコンボウアメバチに寄生されているのだろう。
アメバチが蛹になったころ(ヤママユの蛹の中で)、この繭を開いてみようかと思う。

「ヤママユ観察事典」(偕成社)が、児童書の写真本としては初めての本だったが、私としての思入れは強い。ヤママユは野山に広く棲息しているが、人里の雑木林でも身近に見られる大型の蛾である。その大きく開いた美麗な翅は、怪しい瞳まで具えている。
そして、何より繭は絹糸(天蚕糸)を私たちに恵んでくれる。
魅力たっぷりなヤママユには、心惹かれる。

今回の新刊本の制作にあたって、
「ヤママユ観察事典」を作ったときには果たせなかった、長野県の安曇野市、穂高地区の取材、撮影を、今夏、2回に渡って実現できた。
天蚕の魅力に取り憑かれ、寄り添うようにして暮らす方々や、天蚕糸を紡ぎ織物を織る工芸家の方との出会いでもあった。

「ヤママユ観察事典」は、私なりに精一杯取り組んだと思うが、やり残したことも多く、宿題をたくさん抱えてしまった。一昨年、その宿題の一つ、ヨナグニサンの観察、撮影を少しだけ進めることができた。与那国島はとんでもなく遠い島だったが、今では森や海の様子を時々思い描くことができるようになった。今後も機会を見て最果ての島を訪れることだろう。

また、安曇野の地もかつて私にとっては遠い存在だった。が、今では安曇野の春、夏の光景を思い浮かべながら、次回の訪問時期をいつにしようか、とあれこれ考えている。

そして、一方、私は自分の住む宮崎県三股町の自宅林の整備作業も気にかけている。
多くの昆虫が出入りし、そのなかでもヤママユが毎年、ここで繭を紡いでくれるよう心掛けているのは言うまでもない。林の整備という山仕事はしかし、そうそう容易ではない。時間も必要だ。パソコンに向かっている時間が苦痛に感じることが多いのは、そのためでもある。
「椅子に座っている場合ではないだろう」、という声がいつも頭のなかで聞こえて来る。

さて、そろそろチェックアウトの時刻が近づいてきた。




カメムシの本の紹介

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宮崎県の陸生カメムシ.JPG
掲載種数452種、しかも生態写真で構成された、カメムシ本です。
A4の大型判型でずっしりと重みもあります。
誌面が大きくゆとりのあるレイアウトで見易いです。
まさにカメムシの豪華本、とも言えます。

著者の小松孝寛さんは、宮崎昆虫同会の会員で、私も会の活動のなかでお知り合いになりました。小松さんは、蝶を撮影なさっていてこれまでに写真本も出されています。ある日、小松さんから「カメムシを撮っています」と聞いたときは、ちょっとびっくりしました。カメムシに興味を抱く方が宮崎にもいらっしゃるのだ、という驚きでした。世間一般、お仲間は希少ですから。

それから数年後にこうして県内のカメムシのほとんどを網羅されたカメムシ写真本を刊行されました。

 本書は「宮日文化情報センター」、で購入できるようです。


小郡市 宝城中学校

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福岡県 小郡市

昨夜まで鳥栖市も福岡県と思い込んでいたが、鳥栖市は佐賀県。その東隣が小郡市。
小郡市はもちろん福岡県。

全校生徒110名の宝城中学校の文化発表会が催され、読書の集い、として講演に招いていただいた。
中学生を対象とした講演は初めて。私はこの年齢の頃、虫に惹き込まれた。

講演の前置きで自分の中学生の頃の話しを盛り込むつもりだったが、最初に女子生徒の子が私の紹介を詳しく語ってくれたので、前置きは短くできた。私の著書を引用しながら、わかりやすい話しにまとめてくれていた。

学校には少し早めに到着したので、裏手にある神社に寄ってみた。わずかな疎林があるだけだったが、
アラカシのドングリがたわわに実っていた。

アラカシ_5139.JPGウメにはイラガの繭が多数ついていたが、かなりの数がイラガセイボウの寄生を受けて、横っ腹に大きな穴があいていた。
セミの抜け殻がまったく見当たらないのが、不思議だった。環境からして、アブラゼミ、クマゼミが多数発生していいのだが。

サクラの梢には、ムネアカアワフキの幼虫巣がたくさんついていた。これまで見てきた中では一番、密度が高い。

ムネアカアワフキIMG_5146.JPGほとんどの枝先にびっしりと、石灰質のカタツムリ型巣が並んでいる。
中には排泄水の水滴がついているものも、多くあった。

ムネアカアワフキIMG_5157.JPGムネアカアワフキについて詳しくは、拙著「虫のしわざ観察ガイド」(文一出版)を参照してください。



月刊たくさんのふしぎ 11月号(福音館書店)

「わたしたちのカメムシずかん」 鈴木海花・文      はた こうしろう・絵
たくさんのふしぎ.JPG本書を読んだ子供達がいづれ大人になったとき、カメムシのことをどう思っているだろう。
昆虫や自然のことをどう感じる大人になるだろう。
そんな先のことまで考えても仕方が無いが、期待感を抱くのはやむを得ない。

少しでも自然を見る目に柔軟性をもてるといいのだけれど、
そんなきっかけを本書から授かれるのではないだろうか。

本書が届いて読んでいるうちに、なんとイラストの中に、机に置かれた拙著らしき表紙があった。
2002年に出した「カメムシ観察事典」である。残念ながら初版で打ち切りとなったが、少しはお役に立っていることもあるらしい。

「カメムシ観察事典」を出したとき、褒めるよりか、陰口の言葉が自然と私の耳に届くこともあった。クサイだけの嫌われ者のカメムシを本にするとは、というあきれた声だ。まあ、そういった非難めいた意見は当然出てくるだろうことは覚悟していた。

私はしかし、臆することなくこれからもまた「カメムシ」の本を出すつもりでいる。

「わたしたちのカメムシずかん」は、私の背中を押してくれる一方、虫の世界の魅力を伝える別の視点を教えていただけたような気がしている。






本の紹介

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昆虫のことをよく知りたい方に、お薦めの本。

昆虫の世界の魅力・基礎知識へと導いてくれる本です。

「昆虫博士入門」
大野正雄監修・山崎秀雄著(全国農村教育協会)

昆虫博士入門.JPG

「昆虫はすごい」丸山宗利 著 (光文新書)

昆虫はすごい.JPG
そして、昆虫の本ではないが、こちら。 いや、昆虫と深い関係にある生き物だ。

「こうもり」吉行瑞子ぶん・山本忠敬え (福音館書店)

こうもり.JPG
先日、私の講演会で、この本の著者の方とお会いできた。 かなりびっくりした。


「ハムシハンドブック」文一総合出版、届きました。

これまで東海大学出版会の「日本産ハムシ類幼虫・成虫分類図鑑」が

頼りでしたが、最新の情報と鮮明な写真によるハンドブックは極めて有り難い

文献の登場となりました。これで、ハムシ類の世界がさらに広がります。

こうしたミニ図鑑を読んでから、たっぷり想像力を膨らませてから、

野外にフィールドに出てみましょう。



河井大輔さんの本

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『北海道の森と湿原をあるく』(寿郎社)

というネイチャートレイルガイド本を知ったのは昨日のこと。

北海道の森と湿原を歩く.JPG本書は2003年4月に出版されている。

北海道の自然に憧れたのは学生時代だが、しかしやはり遠い。

ちょくちょく訪れることは不可能だし、どうせなら定住しなければ、という思いは、

亜熱帯の八重山諸島とて同じこと。狭い日本といっても、じつは広い。広過ぎる。

さて、本書を開いてみてびっくりした。じつに、内容が濃い!!読んで面白い。

カバーの冒頭にある文を引用してみよう。

「本書は、北海道の森と湿原を散策してみたい人のための

「自然遊歩道案内」である。登山でもウォーキングでもなく、

「遊歩」すなわち散歩で、自然を「歩く・見る・聞く」ことがテーマである。

森や湿原の小途を気ままに歩き、そこで出会うさまざまなものに

感動を見いだす。普通に歩けば十分もかからぬ道を、

数時間もかけて味わいながら進むような散歩のことである。」


冒頭のこの文章が本書の性格そのものをズバリ語っている。

たくさんの風景や植物、生きものの写真はどれも素晴らしく、

写真集として眺めるだけでもけっこう見応えがある。

しかしそれに加えてガイドの文章と自然観察についての語りも読み応えじゅうぶん。

本書は随所に特徴的な構成、解説が盛り込まれており、類書のガイドブックとは

かなり異質とも言えるだろう。

じつは、著者の河井さんとは一度だけ、仙台でお会いしたことがある。

にぎやかすぎる居酒屋だったのでゆったりとお話はできなかったが、

私は仙台のストリップ劇場のことばかりを語ったように思う。思うではなく、

たしかにそんなスケベな話ばかりした。

ま、それはともかく、

『北海道の森と湿原をあるく』(寿郎社)

河井大輔 写真・文

読めば北海道に行きたくなることは間違いないが、

行けなくとも得るものが多い。
本書は自然書として気ままにページを

めくっても楽しめるのである。










平凡社から 『くらしのこよみ』というビジュアル歳時記の見本が届いた。

本書はiPhoneやiPad、Android搭載携帯端末向けの暦アプリケーション

「くらしのこよみ」をもとにつくられたそうで、昨年11月から配信が開始され

今年1月までに約15万ダウンロード達成する人気アプリケーションとある。

『くらしのこよみ』は総ページ456頁、72候の言葉を中心にイラスト、写真、

俳句、旬の食べ物、行事などが掲載されている。

掲載されている写真で昆虫写真は私のツマキチョウと

高嶋清明さんが撮影されたゲンジボタルの光の軌跡、の2点しかないようだが(多分)

暦をめくる感覚で楽しめる本だと思う。

XA308120.jpg




クモの卵のう

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柿の枝先に二つ仲良く並んでいたのは、クモの卵のう。

最初はアカイラガの繭と勘違いしたが、糸を解体してみるとクモの卵のうだった。

アカイラガ繭ダブル.jpg卵のう内には孵化した子グモがびっしり詰まっていた。


これから出る本の紹介。

『こん虫のふしぎ全5巻』(偕成社) 監修:岡島秀治
                       編集・著:ネイチャー・プロ編集室

こん虫の親子表紙.jpg第5巻『こん虫のおやこ』の表紙写真は、ベニツチカメムシ

この写真は私が宮崎県内で撮影した。

「こん虫のふしぎ」シリーズは様々な写真家の写真で構成されているが、

どの写真が誰の作品かは記載されていない。


私の写真はほとんどが横位置の構図で撮影しており、

こういった縦長版型の表紙にはうまく納まらないことが多い。

人の視覚からして横長構図が落ち着くし、カメラの構造も横位置優先である。

縦位置のカットも撮影しておくのは、余裕があるときに限られる。