クモの最近のブログ記事


8月3日に延岡市愛宕山で見つけたオオスミコガネグモ幼体。

台風5号通過後、愛媛から戻る途中で立ち寄ることができなかった。

そこで今日は日帰りで探しに行ってみた。
3週間経っているので、成体になっているのでは?と期待した。

予想はしていたが、3日に見つけた場所にはいなかった。移動したのだろう。
かなりしつこく周辺を探してみたが、ジョロウグモばかり。

ジョロウグモ、オスがメスに求愛しているシーンも。画面右がオス。
オオスミIMG_9762.JPGメスはしかし、まだ幼体ではないだろうか?  ずいぶんと小さい。

テント型の巣網に、スズミグモ。

オオスミIMG_9719.JPG
オオスミIMG_9717.JPG
スズミグモはわが家の庭にも生息しているが、数は多くない。
奄美大島では狭い範囲に高密度で生息していたのが印象的だった。

夏も終わりに近い。ジョロウグモが目立ってきたのがその証の一つだ。
とは言え、まだまだ暑い。
汗だくになり、オオスミコガネグモを探し歩くこと、1時間。

正午の時報が遠くから聞こえてからしばらくして、いた!!

立ち止まって右手に振り向いたその場所に、目線の高さに、
あのオレンジ色の、見覚えのあるクモの姿があった。

「ここだよ!」 という声が聞こえたような、不思議な出会いだ。

3週間前のあの幼体とほぼ同じ姿。
オオスミコガネグモ幼体IMG_9737.JPGこの場所は3日に見つけた地点から数百メートル離れている。おそらく別個体だろう。
オオスミIMG_9744.JPG
腹部は頭胸部に比して小さいが、餌をまだ充分にとれていないせいだろう。
この様子だと成体に脱皮成長するまでには、まだまだ日数が掛かると思われる。
おそらく来月に入ってからだろう、成体になるのは。

今日、探し歩いた場所は、愛宕山の頂上付近のみ。
オオスミIMG_9752.JPG遊歩道を麓まで丹念に歩いて探せば、もっと見つかりそうな気もする。
愛宕山にはどの程度、生息しているのだろう。

いや、宮崎県内での生息地は他にもあるのだろうか?
県北の延岡に生息しているのなら、県南の三股町や都城市、日南市、串間市などにいても不思議ではないはずだ。

9月に入ってから、今度は、オオスミコガネグモ成体を探しに、愛宕山に出掛ける予定だ。
延岡にもう一件、家があるといいのだけどね、、、、。





今日は県北、美郷町の「おせりの滝」で昆虫観察会。
主催は、絵本サークル「スマイル虹」。
 おせりの滝.JPG
午前3時頃から雨となったが、降ったり止んだり。生憎の天候ではあったが、観察会は予定通りに行った。

昨日は午後3時から下見を行ったが、よく晴れて暑かった。おせりの滝では、本番で雨が降る、というのはこれまでにも2回あった。誰やら雨女さんが威力を発揮したのかもしれない。

観察会を午前中で終えて、午後から延岡市に移動。
延岡市内では路面は乾いており、曇ってはいたが雨はほとんど降っていない。

愛宕山のベニツチカメムシの様子を見ておいたが、今夏の新成虫は著しく少ない。梅雨入りが遅れたことや、雨が少なかったことが影響しただろうか?
それにしても驚くほど少ない。

愛宕山神社で、オオスミコガネグモの亞成体を見つけた。
オオスミIMG_7093.JPG
オオスミコガネグモ成体を見たのは、10数年前のことで、場所は屋久島だった。文一総合出版のクモ図鑑(新海栄一氏、著)に掲載されている写真がそれ。
本種は鹿児島以南に分布する南方系のクモで、まさか宮崎のしかも県北、延岡市で出会えるとは驚いた。延岡に来るとこうして必ず何か、スリリングな出会いがあるのも不思議。

明日から再び、四国、愛媛県に移動。
戻りの途中で、もう一度、このオオスミコガネを見ておきたい。

しかし、台風5号の動きはちと気になる。
明日、フェリーの運航は大丈夫だろうか?


まどい

| | トラックバック(0)
今月11日に産下された卵のうから、今朝になって子グモが出のうしていた。
まどいIMG_8835.JPG
画面下方の奥に白く見えるのが、卵のう。子グモは一カ所にかたまっていて、これを「まどい」と呼ぶ。
産卵の時期もまちまちだが、それにともなって出のうのタイミングにもかなりの巾がある。

うちの庭で確認できているコガネグモ(♀)は、7頭。敷地全部をくまなく探せばもっといることだろう。
コガネグモIMG_8848.JPG去年の4月に刊行した、岩崎書店の
「よみきかせ いきもの しゃしんえほん 24  うまれたよ! クモ

では、コガネグモの一生を扱った。

撮影は2014年からスタートしたものの、
コガネグモが少ない年がしばらく続いたこともあって、当初はうまくいくか少し不安だった。しかし、2014年の春、まるで私の期待に応えてくれるかのように、近所の谷津田では発生量が盛り返し、予定していた撮影を順調に進めることができた。

とは言え、他の仕事との時間配分の調整や、天候なども睨みながらの撮影は、苦労が絶えなかった。いつものことではあるが。

なかでも出のうの瞬間を捉えることは、最初から無理だろうと半ば諦めていた。卵のう内で孵化した子グモは10日以上を経てから出のうする。
けれど、その予兆などは外観からは一切窺えないからだ。それでも、3個の卵のうを毎日、見続けていたら、ある朝、そのうちの一個から出のうが一斉に始まった
瞬間を捉えることができた。
しかも、次の日からは泊まりがけで出掛ける予定が入っていたのだから、これほどの幸運はほかに無いであろうと喜んだのは言うまでもない。

毎日眺める、と書けば簡単のようであるが、この毎日、24時間とまでは言わないが、くる日もくる日も12時間以上、神経を通わせ続けることはかなりの精神的疲労となる。食事もときどき中断したりと、日常生活はズタズタに細切れにされる。
もちろん、苦しいだけではない。いづれ報われるであろう撮影の瞬間を想像することで、楽しみへと転化もしている。成功の瞬間をよりリアルに描けるかどうかは、かなり大事なポイントでもある。



サツマノミダマシ

| | トラックバック(0)
観察会で講師を務めた。場所は都城市 志和地(しわち)。
どんより曇ってはいたが、雨は降らなかった。

参加者は、小学1年生〜3年生。

林の縁は蝶道になっていて、じっと立っているだけで、次々とアゲハ類が飛んで来た。
アブラゼミの羽化殻も多かった。抜け殻はどれもオス。
けれど、メスの成虫を拾った子もいた。

1時間ほど虫や草木の観察をしてから、標本作りの実演を行った。
あらかじめ採集しておいた、ツマグロヒョウモンとミヤマカミキリの展翅と展脚。
もう今ではほとんどやらない標本作りだが、腕は落ちていない。
針技を駆使して、ミヤマカミキリは右翅だけを展翅した。

実演が終わったころ、クヌギの倒木にタマムシのメスが飛来した。
輝きながら舞うタマムシを皆で見る事が出来た。
「きっと卵を産みに来るからね」という予言が当たって良かった。


サツマノミダマシ
サツマノミダマシP7250021.JPG
イナゴの一種の幼虫
イナゴP7250032.JPG脱皮中で、4枚見える白いのはまだ翅芽。あと一回脱皮すれば成虫になる。

ナガコガネグモの幼体
ナガコガネグモP7250012.JPG
ツユムシの一種を補食中かくれ帯は縦一筋。

昨夜、ずっと観察してきたコガネグモが産卵をした。

卵のうIMG_8092.JPG
卵のうの糸色は写真のように黄色がかったものから、ヤママユの繭色のような若草色もある。糸色の違いがどのような理由によるものか興味深い。

産卵を終えたメスは、腹部がシワシワになって縮んでいる。このあと食べてはまた、産卵を数回繰り返す。6回、産卵したメスを観察したことがある。
ヒサゴクサキリの終齢幼虫を見るようになった。
カイゼルIMG_5759.JPG写真の幼虫はメスだが、顔面にはカイゼルひげのような紋様がある。この模様は、中令期の幼虫においてすでに備わっている。


GODOXのワイヤレスパワーコントロールフラッシュトリガーを、さっそく使っているが、これは実に便利。
2台のストロボDE300の光量調節を、カメラの位置からできる。もう踏み台もシンクロコードも要らない。チャンネルは16チャンネルまで設定可能。

トランスミッターXT16の細かい
設定を間違えなければ、ちゃんと光量調節ができる(Amazonのカスタマーレビューには「できない」という書き込みもあるがそれは間違い)。
肝心なのは、DE300の場合、スタジオフラッシュなので「SET」ボタンの長押しで「パワー比率表示モード」を「1.0~7.0」というモードにすること。これを怠ると、調節機能が働かないので注意が必要だ。


居間の窓枠から光ケーブルへと引っ越しをした、コガネグモ。
コガネグモIMG_7614.JPG
糸でグルグル巻きにされた獲物は、サツマコフキコガネだ。ボリュームたっぷりなので、時間を掛けて堪能している。コガネグモのお腹もはち切れんばかりに肥えている。
円網の直径は90センチ以上。
目線で撮影するには、2m脚立の天板に立たねばならない。
今日の写真は地上から、望遠ズームレンズで撮影。

円網の端っこにはオスがいる。左前脚2本を失い、痛々しい姿だ。

オスIMG_7611.JPG
メスは前に一度、オスを食べてしまったが、さて、このオスの運命はいかに。

ちなみに光ケーブルは地下に埋設する予定だったが、埋設管の中で何かトラブルがあって、導入工事がどうしても出来ず、止む無く空中に配線した。

庭のクヌギ小木にはコウモリガ幼虫のしわざで、樹液が滲み出ている。
今日はノコギリクワガタのペアがずっと陣取っていた。

ノコギリIMG_7598.JPGしばらくして、ゴマダラチョウとシロテンハナムグリ。
樹液IMG_7641.JPGレストランの間口が狭いので、ここにオオスズメバチが来れば、ずっと占拠されてしまう。じつは数日前までは、そうだった。オオスズメバチはどこか他の樹に通っているのだろうか。

せっかくの夏日だが、室内撮影の待機中なので、屋外に出る時間は小刻みに少しだけ。しかし、どうやら読みが甘かったのか、今日で撮影が終了する予定が明日に持ち越ししそうだ。予定していた草刈り作業も明日以降に延期した。


梅雨本番

| | トラックバック(0)
犬の散歩の途中で撮影することも多く、両手を使うときはリードを離す。
それでも、チョロが勝手に先へ行ってしまうことはない

チョロIMG_8011.JPGリードの持ち手に結わえてあるスコップが、ガラガラと音を立てるとチョロはピタリと、その場に留まるようになった。
10歳のチョロだからで、若い頃だとすぐさま喜んで駆け出していた。以前はスコップではなく、打ち込みペグを結わえていたものだ。

さて、窓枠のコガネグモ♀だが、今朝になってかくれ帯を新調していた。

701A0591.JPG
下に「ハ」の字型はよく見かけるタイプ。 今朝は亜成体を数匹、見つけたが、X字型のかくれ帯は一匹もいなかった。

ナツフジの花蕾には、ウラギンシジミの2令幼虫もいた。
IMG_5819.JPG1令幼虫が脱皮して2令になると、その途端、お尻の突起が現れる。(画面左側に頭)

1令の脱皮兆候(収縮運動)を捉えていたが、ちょっと目を離した隙に脱皮が完了していた。
まだ時間が掛かるだろうと油断したが、シジミチョウ類の幼虫の脱皮は動きが小さく、あっさりと終わってしまう。

昼前
から雨になり、夕方から強風を伴う激しい降りになった。
梅雨_Z5A0072.JPG


ウラギンシジミの♀が、庭のナツフジの花蕾に産卵していた。
遠目にも白い卵がたくさん付いているのがわかるほど、数が多い。

ウラギンシジミ卵IMG_5612.JPG
ゴルフボールのような卵。ふ化殻も多く、齧られた蕾もあるので、幼虫を探してみると、ふ化幼虫が見つかった。
ウラギンシジミふ化幼虫IMG_5603.JPGお尻の一対の突起はまだ無い。


昨日、脱皮して成体となった、窓枠のコガネグモ。

やはり、かくれ帯に変化が!
701A0475.JPGそれと、もう一つ大きな出来事もあった。

同じ円網にいた♂(30センチほど離れていた)が、今日になって交接を試みていたが、なんとこの♀に食べられてしまったのだ。
オスは、メスが成体になったことをどうやって察知できたのだろうか?
メスは性フェロモンを出しているのだろうか?




朝の犬の散歩ついでに、コガネグモを見ておいた。
幼体らしき個体は1頭のみで、他はすべて成体かと思う(少し自信が無くなった)。

かくれ帯IMG_3760.JPGX字には程遠い、かろうじて「ハ」の字型。
あるいは、

かくれ帯IMG_3761.JPG「チョン」の一筋のみも。
ほかにも数個体見たが、上写真のような、下側に「ハ」の字型が多かった。
「X」字型は意外と見つけにくいようだ。






居間の窓枠に巣網を張っているコガネグモ。
X字型のかくれ帯が、見事だ。(昨日、撮影)

IMG_6031.JPG
しかしここまでしっかりX字になるかくれ帯は、むしろ珍しいかと思う。多くは、中央でつながることはなく、しかも4本ならず、2本や1本の筋に省略?している。
何かおかしいなあ〜、とは感じていた。


そして、本日。  
窓を覗いて、「あ!脱皮しているよ!」と声を張り上げてしまった。

コガネグモ701A0461.JPG
今日の今日まで、ちょっと小振りの成体♀かと、思い込んでいた。
この最後の脱皮で、正真正銘の成体になったのである。
体がパンパンに張っていたのは、満腹していただけでなく、脱皮を控えてのことかと思えた。

コガネグモのかくれ帯について、幼体と成体で作り方に違いがあるような気がしないでもない。幼体のときのほうが、X字を几帳面に作る傾向があるような、ないような。もちろん、幼体のステージにもよるが、これは来春の宿題としておこう。

今日、成体になったメスが、今後、かくれ帯にどう手を加えるのか、注目したい。

アジサイの茂みで、食事中のオオカマキリ幼虫。体長3センチほど。別の場所では体長5センチを超えるのもいた。

オオカマキリ幼虫IMG_7961.JPGヤマアジサイの花粉を食べていたのは、ヨツスジハナカミキリ。
ヨツスジハナカミキリIMG_7942.JPG庭のヤマアジサイは大きくなり過ぎたので冬に剪定したため、花芽がわずかとなり今年の花数は少ない
ヨツスジハナカミキリIMG_7953.JPGセカセカと歩き回り神経質だが、食事に夢中になっているときには、いくら近づいても平気のようだ。葉っぱの上で、身繕いを始めた。

クリの葉っぱを食べていた、ネジロキノカワガの幼虫。
ネジロキノカワガIMG_7914.JPG特徴のある姿だが初めて見たので、まずは講談社『日本産蛾類生態図鑑』で調べてみたら、すぐに本種と判明。

撮影の仕事で必要な飼育虫の世話には、結構、時間が掛かる。飼育容器の洗浄、記録、ときには撮影もありで、あっという間に時間が経つ。
前にも書いたが、こうした室内撮影のために、撮影目的に応じた撮影台を拵えている。ライティングや撮影アングル、倍率によって、工夫を凝らした撮影台だ。

今日は新たな撮影台を組んだ。観察していた虫の撮影のタイミングが近いことに気付いたからで、できるだけ簡素で場所をとらないセットにしてみた。

室内撮影では、フルサイズの一眼レフを使う。あるいは敷地内や近所のフィールドなど近場の撮影も、もっぱらフルサイズ一眼レフカメラが安心できる。
操作性、ファインダーの見易さ、などがその理由だが、機材を酷使して生じるトラブルをできるだけ抑え分散するために、撮影場所や目的によってカメラ機材の使い分けは必要だ。
車で出掛けるときや、遠征の際にはAPS-Cカメラやミラーレスを使うことが多い。
とくに高倍率撮影ではミラーレスの独壇場となった。