カマキリモドキの最近のブログ記事


まるで夏日。最高気温は30度!

午前中、室内撮影を少し片付けてから、オオカマキリモドキが来ていた柿の木を覗きに行くと、
コムラサキ♂がいた。

コムラサキIMG_9195.JPG
翅はだいぶ擦れているが、コムラサキを撮影する機会が少ないので、こういう場面は嬉しい。

こちらは、ヒメスズメバチ。
ヒメスズメバチIMG_9205.JPG
葉陰にはオオカマキリモドキのオスとメスが、それぞれ1頭づつ見つかった。

正午、一旦帰宅して、昨日、拾った渋柿の渋抜き作業を済ませた。
渋柿PA080047.JPG
ビニールを密封して冷暗所で2週間寝かせる、とレシピにはあったが、Hさんに教わったやり方は、天日に当てておけば、三日で渋が抜けて食べられる、ということだった。

ちょっと迷う。

さて、日が暮れた午後6時半。再び、柿の木の場所へ行った。
さっそく懐中電灯を向けると、いきなり思いがけない光景が、浮かび上がった。
コムラサキIMG_9268.JPG
オオカマキリモドキが、ハラビロカマキリに食べられていたのである。

ハラビロカマキリが、オオカマキリモドキを食べていたのである。

写真のハラビロカマキリは数日前からずっと同じ場所に陣取っていて、こうしたこともあり得るだろうなあ、
とは想像していたが、実際に目の当たりにできるとは驚いた。
オオカマキリモドキの頭胸部はすでに消失していた。

今夜も、蛾の仲間が多数、熟柿に来ていたが、それに混じってオオカマキリモドキの姿もあった。
これはきっと狩りの場面が見られると、大いに期待していたのだが、それは期待外れに終わった。

すぐ傍に蛾がいるにも関わらず、その獲物には目もくれず、熟柿の果汁をしきりと舐めていた。
コムラサキIMG_9346.JPG
あるいは、キノコバエ類など、獲物サイズとしてはピッタリなのがいても、オオカマキリモドキにとって、
果汁の魅力は絶大なようであった。別々の柿で2頭が果汁を夢中で舐めていた。

それに比べて、ハラビロカマキリが果汁を舐めるところは見たことがない。いや、だいぶ前に、クヌギ樹液を舐めるところを見たことはあるが、おそらくそれほど常習的な行動ではないように思える。

結局、今夜の観察では、オオカマキリモドキの狩りの様子を見ることも撮影もできなかった。
が、しかし、果汁を積極的に飲むこと、そして、より強大なカマキリの餌食にもなり得ることなど、
短い時間ではあったけど、大きな収穫と言えるだろう。

そして、オオカマキリモドキが柿の木に集まって来る理由は、夜の獲物探しだけではなく、柿の果汁目当てでもあったのではないか、と思えるようになった。

もちろん、これは夜間のことであり、昼間は、ただじっと葉陰で休んでいるだけである。

夜行性

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夜な夜な、オオカマキリモドキの観察をしている。

夜の熟柿レストランは、昼間より多くの昆虫たちで盛り上がっている。

カメムシ、蛾類がもっとも多い。
ねぐらIMG_1980.JPG
ここに通い詰める肉食常連客には、ハラビロカマキリが多く、今夜はウスバカゲロウの一種も来ていた。
そして、もちろんオオカマキリモドキの姿もあった。ただし、数は減った。
一晩に1頭見つけるのがやっと。
高い梢にもいて、おそらく見落としもあるだろう。

オオカマキリモドキの獲物は、小蛾クラスがせいぜいで、あまり大きな頑丈な体の獲物には歯が立たない。

昼間の柿の木に多数のオオカマキリモドキがいたのは、夜の狩りがお目当てであり、その居残り組であったのではないか、と想像する。

ツマグロカマキリモドキ、以外のカマキリモドキの多くは夜行性。
全国的に分布するキカマキリモドキの観察では、夜のクリ林でクリの花に来る昆虫を狩っていた。彼らの出現期は、6月のクリの開花期と重なる。地域や標高によっては違ってくるだろうが、少なくとも多摩丘陵ではそうであった。

そして、昼間、クリ林を歩くと多数のキカマキリモドキを見つけることができた。今回の柿の木のオオカマキリモドキと、良く似ていると感じた。
もっとも、その当時のクリ林は今は開発されて消滅したが。

柿の木の傍の薮では、ねぐらについたクロコノマチョウがいた。止まり方は、タテハモドキと似ている。二頭が並んでいるところも。
ねぐらIMG_8806.JPG
今朝は一番で、アブラゼミが鳴いていた。
夜は蚊が多くて、ボコボコに刺されてしまった。昨日、今日と蒸し暑い日が続く。

午前中、都城市の北東部でキノコ探しに費やしたあと、午後からオオカマキリモドキを見に行った。

昨日と同じ場所(上米公園)の柿の木を見上げると、すぐに見つかった。

オオカマキリモドキ10IMG_1841.JPG
ジョロウグモの網糸が気になったが、なんと!そこにヒラタミミズク終齢幼虫の脱皮殻があった。
ヒラタ抜け殻IMG_1845.JPGつまりこれは羽化殻でもあるが、ヒラタミミズクがこの場所で成長したことを物語っている。ここはヒラタミミズクの生息地と言えるわけだ。
こんな近い場所にいることを知って、嬉しくなった。三股町内で2カ所目。

ジョロウグモの網糸には、オオカマキリモドキの翅もぶら下がっていた。
オオカマ翅IMG_1801.JPG離れた場所に3枚、計4枚の翅があった。柿の木に集まって来る昆虫は、すべからくクモの餌食になりうる、ということだ。

さて、オオカマキリモドキが柿の木に、まるで集まっているかのごとき状態を見て、
かつて所沢市の雑木林のヒメカマキリモドキや、多摩丘陵のクリ林のキカマキリモドキの観察に思いがつながる。

この続きはまた、明日。



カマキリモドキ

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今日で9月も最終日。当ブログは、来月あと30回更新で終了する。

このまま終了するのでは、ちょっと悔いが残るなあ、というのが一つある。

それは、宮崎に来てから一度もカマキリモドキ類に出会っていないこと。
出会っても無いので、一度も記事にできなかった。※1
ブログを閉じるにあたって、宮崎でのカマキリモドキ事情なるものを紹介できないままでは、少々、悔しい気持ちもある。

※1正確には一度記事にしている。2015年8月24日、高千穂町五カ所高原で、ヒメカマキリモドキを撮影しているが、その一期一会のみ。ヒメカマキリモドキは全国に分布しており、カマキリモドキ類のなかでもっとも普通種。
四国南部、九州にしか生息していない、しかも大型のオオカマキリモドキを見つけることが、まずは目標だった。

ところが、本日、ついにオオカマキリモドキを三股町内の上米公園で見つけることができた。しかも、白昼。
オオカマキリモドキIMG_1647.JPG
本種は、1994年高知県の安居渓谷で撮影して以来だから、じつに25年ぶりにその姿を拝むことができたわけだ。
安居渓谷は高知と愛媛の県境に近い場所だが、私が知る限りではなぜか愛媛県側では記録がない。※2
25年前に撮影できたといっても、それは夜の灯りに飛来した個体を飼育してのこと。
当時、仕事で仙台のホテルに宿泊していたおり、ずっと持ち歩いていたメスが、ケース内で産卵した。
しかし、卵はふ化せず、それで終わってしまった。

2 昨年、愛媛県の山地でも本種が採集されているようだ。いづれ記録が公表されるだろう。

オオカマキリモドキについては、卵とふ化幼虫の記載論文はあるが、それ以降の生態については、今もって謎のままのはずである。

午後4時過ぎ。3時間ほど撮影歩きしたあと、最後に柿に来ているゴマダラチョウを覗いてみた。
先日は途中から日が陰ってしまったので、晴天下で撮り直すつもりだった。
ゴマダラチョウは今日も来ていたが、生憎高い場所で撮影条件が悪い。
クロウリハムシがちょうど目線の高さの果実に2頭くらいついていて、それを見ていたらすぐ左手の葉裏に、アシナガバチがいた。

いや、それがアシナガバチそっくりに見えたオオカマキリモドキ。
私は思わず声を上げてしまった。
「ここにいたかあ〜!」

撮影しているうちに、手前の葉っぱをどかそうとした弾みで、飛び去ってしまった。
「しまった!」
でも習性からして、そう長くは飛翔しないはずだ、としつこく梢を見上げていると、少し離れた枝先にちょこんと静止していた(上の写真)。
お腹の大きなメスだったので、車まで走って捕虫網を取りに戻った。
すぐには移動しないはずという確信があった。

最近、網を滅多に使わないので、ちょっと緊張したが首尾よく採集できた。

で、もう一本、数メートル離れた柿の木を見てみた。
すると、すぐにも葉裏に止まったメスが見つかった。その木では次々と5頭も見つかった。
オオカマキリモドキIMG_1654.JPGオオカマキリモドキについては、明日も続きを書きます。


高千穂町 五カ所高原

22日~23日、県北、五カ所高原での昆虫調査に参加させていただいた。すぐ隣は熊本県、阿蘇山の山容も眺めることができる。草原環境が広がっているが、放牧は行われていない。
22日初日、歩き始めた途端、杉林の中でツチアケビが赤く光っていた。
ツチアケビIMG_7684.jpg
草原にはイノシシ、シカが棲息しているが、とくにシカによる食害は深刻で、植生がきわめて貧弱になっている箇所が多い。そこで地元の方々と宮崎昆虫調査研究会によって獣害ネットを設置し保護地区を見守っている。その効果あって、保護地区ではかつてあった植生が復活している。高原ならではの植物、昆虫をいろいろ観察できたが、久しぶりに出会えたのは、ヒメカマキリモドキだった。クヌギの梢にいた。腹部の大きさから一目でメスとわかる。
ヒメカマキリモドキIMG_7570.jpg
うちからは3時間少しかかる高原だが、特徴ある自然環境が豊に残る五カ所高原。
五カ所高原IMG_7760.jpg
今回、私のお目当ての虫は見つからなかったが、また時期をかえて訪れてみたい。

私、新開の書くサインについては、これまであまり説明をしてなかった、と思う。

サイン.jpg
誰が見ても、これは何かしらの虫だろうとわかる。
して、この虫の正体は?

じつは、このサインのモデルとなった虫は、カマキリモドキ である。