カメムシの最近のブログ記事


先日、カメムシの「越冬カラー」ということを書いた。

じゃあそれはどんな色よ?と言うわけで、今日はチャバネアオカメムシの

越冬カラーの登場。

チャバネアオカメムシ11.jpg上の写真は11月に撮影したチャバネアオカメムシ。エノキの葉っぱで日光浴している。

冬ごしを目前にして体色がくすんだ茶色味を帯びている。

やがてこのチャバネアオカメムシはどこか落ち葉の下にでも潜りこんで越冬したと思う。

春から夏にかけての活動期の姿は、こちら↓

IMG_93142.jpgチャバネアオカメムシはもっとも身近なカメムシで、夜の灯りにもよく飛んでくる。

あんまりたくさんやって来るので、多くの人から嫌われる虫でもあるだろう。

それはともかく、「越冬カラー」というのは鮮やかな色ではなく、地味な色であり、

木々の落ち葉が茶色になるのと見事に同調しているかのようだ。

カメムシたちが落ち葉の下に潜りこんで冬越しするのは、じつにうまくできた話だと思える。

「越冬カラー」への衣替えのタイミングは、日長が短くなる秋に入ってから始まるのだろうか?

では越冬から目覚めた春の頃はどうなるかと言えば、

その逆で、ちゃんと元の通りに鮮やかな体色が蘇ってくるのである。


地味な「越冬カラー」から元の鮮やかな体色に戻る、その劇的な変化を初めて私が見た

カメムシとは、じつはオオツノカメムシであった。

先日書いた池上本門寺で見つけたオオツノカメムシである。

落ち葉の下から発見できたオオツノカメムシは皆茶色の地味な姿で、

図鑑に載っている色彩とはまるで違うのに驚いた。

その越冬オオツノカメムシたちは春を迎えるといつのまにか綺麗な緑色の体に戻っていた。

地味な越冬カラーのオオツノカメムシの写真はポジフィルム写真しかないのでここで紹介でき

ないのが残念。で、夏の姿はこちら↓

ED5A7342.JPGカメムシの多くは死んでしまうと体色が褪せてしまう。標本にしても生きているときの色が

ほとんど残らない。

「越冬カラー」への色変わり、そして「越冬カラー」から元の体色への復元という

色素変化のメカニズムはとても不思議である。


今夜は家族と共に、落語と講談の公演を楽しんできた。

このところ仕事が忙しく休む暇もなかったが、この公演のチケットは前々から購入していた。

家族で一緒に出掛けるのは年にせいぜい2回か3回しかない貴重な時間だ。

さてさて、明日からしばらく、このブログ更新はお休みします。










衣替え

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昨日から今日にかけて雨が断続的に降り、寒い。

2月の末には冬物の洋服をほとんど片付けておいたのだが、

ちょっと後悔している。

さて、昨日のこと。

庭の畑でアオクサカメムシを見かけた。

アオクサカメムシは落ち葉の間かそれとも梢の茂みの中か、あるいは人工物の隙間か

そういう雨風を凌げる狭い場所に潜んでいたに違いない。

JX088150.jpgもっとも、越冬しているアオクサカメムシをこれまで見つけたことはない。

カメムシの越冬スタイルは圧倒的に成虫態が多いのであるが、

落ち葉の下でよく見つかる。

広い林床で冬越しカメムシを探す場合には、大きな木の根元などに探索範囲を絞ってみると

効率が上がる。これはオオムラサキやゴマダラチョウの越冬幼虫探しと似ている。

カメムシも秋に好んで集まる樹があって、その樹から地面へ下り落ち葉の間に潜りこむ。

カメムシの足取りを想像しながら、冬の林をひたすら彷徨い歩く私。

寒風の吹きぬける雑木林のなかで、

何かに憑かれたかのようにフラフラと歩くおっさん。誰の目から見てもただただ怪しいだけだ。

もしかして首吊りでもするのではないか?などと勘ぐられるかもしれない。

しかし、おっさんの目は妙に輝いている。希望に満ちている。ちょっと疲れ気味だが、、、。

幸いというか雑木林で人に会うことはほとんど無い。誰かに見られていることもない。

私は人の気配には相当、敏感であり、もし誰かが視界の届く範囲にいるならば、

必ず私の方が先に察知する。雑木林や山の中でもっとも注意を払うべきなのは、

案外、人間であろうかと思う。


もう25年も昔のことだが、大きなアカメガシワの根元の落ち葉から、

オオツノカメムシの雌雄を合わせて7匹見つけ出したことがある。

これには驚いた。場所は東京都大田区、池上本門寺。

カメムシには秋の頃に遠距離移動するものが多いが、オオツノもそうであるらしい。

どこをどう見渡してもオオツノカメムシの育つケンポナシの樹がない上に

普段はまったく見かけないにも関わらず、突如都会の公園などに現れることがある。

発生場所から遠く離れ適当な越冬場所を見つけるとそこに潜りこむのだろう。

オオツノカメムシは人間でいう肩にあたる部分に真っ赤で立派な角がある。

そして体はつややかな緑色。その緑と赤のコントラストがたいへん美しいカメムシだ。

落ち葉の下から見つけ出したオオツノカメムシはくすんだ茶褐色をしており、

角の赤色もいくぶん色あせている。

カメムシの仲間は冬になると地味な色に衣替えするものが多い。

これを私は勝手に「越冬カラー」と呼んでいる。

今日紹介した写真のアオクサカメムシは、越冬カラーから活動期の綺麗な緑色へと

移行しつつあるのではないだろうか。




にらめっこ

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うちの敷地に隣接する池では、アメンボが泳いでいる。

一昨日から紹介してきた池である。

この時期にもうアメンボが活動している!と驚くべきなのか、

それともここ南九州ではほぼ通年、アメンボが見られるのか、よくわからない。

ともかく、冷たい冬風の下、アメンボが何匹も気持ちよさそうに泳いでいる。

交尾カップルもいたが、それはどうやら写真下のコセアカアメンボのようだ。

JX1771691.jpg水辺に誘導しているうちに、メスは逃げてしまった。写真はオスである。

他にたくさん泳いでいるのは、アメンボ(ナミアメンボ)のほうで、体色は黒い。

アメンボ類は水面に落ちてもがいている小さな虫を捕食して暮らしている。

獲物がもがけば水面に波が立ち、その波動をアメンボはキャッチするということらしい。

水面でもっぱら生活するから、アメンボは半水生昆虫などとも呼ばれる。

アメンボは潜水できない、、、、、、と思う。産卵するときにメスが体を沈めることがあるようだ

が、普段は水面に浮かんでいる。

その水面を境界面として、アメンボとは逆さまの暮らしをしているのが、

マツモムシだ。

マツモムシは水中で背泳ぎをしながら、水面に落ちてくる獲物を窺っている。

JX1872812.jpgマツモムシの姿勢を見ていると、長い後ろ脚は泳ぐためのオールとして使い、

中脚の先端は水面でもがく獲物をキャッチするアンテナとして、

そして前脚は獲物をすばやく押さえ込むがために待機している、かのようだ。

こうして水中を漂いながら獲物を待っているから、「待つ」「藻」「虫」なのだろうか?


水中にいるマツモムシを撮影する場合、池の水がよほど綺麗に澄んでいない限り、

上のような写真にはならない。今日の写真は室内の水槽に移して撮影したもの。

残念ながらうちのすぐ傍の池は猛烈に濁っており、カメラを沈めて撮影するのはほとんど

無理と思える。

沢から流れ込む場所では比較的水が澄んでいるが、その辺りは水深がとても浅い。


池の虫

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わが家の東隣には薄暗い杉林の縁に小さな沢がある。

その沢の流れは谷津田の手前で堰き止められ、池になっている。

この池にはアオサギやカワセミもよく来ている。

細い沢が流れ込む池の奥に回ってみて、網を入れてみた。

さっそく網に入ったのは、タイコウチだ。タイコウチは水生カメムシ。

JX1671252.jpg注射針のような口と逆三角形の顔が特徴的だが、体全体は泥や藻類でおおわれており、

枯葉のようにも見える。ほとんどじっとしており、動いたとしてもたいへんゆったりしている。

それとは逆に一旦泳ぎだすと、忙しい動きをしていたのは、ウスイロシマゲンゴロウ

JX1671351.jpgウスイロシマゲンゴロウは体長1センチあまり。腹側は少し赤味を帯びている。

池の奥に通じる小道はわが家の敷地であるが、今はササ藪になっていて歩きづらい。

頻繁に訪れたいので、小道の藪刈りをせねばと思った。

沢は見るからにオニヤンマの産卵場所である。




黒筋

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敷地に生えているナナメノキ(ナナミノキ)は、5月ころに、無数の小さな花を咲かせる。

この花はサツマシジミ幼虫の餌となるので、春にはサツマシジミがよく訪れる。

モチノキ科 ナナメノキは、雌雄異株だが、うちの木は実をつけるので雌株である。

ナナメノキはコナラとクヌギに挟まれて生えており、互いに梢が混み合ってきた。

そこでナナメノキの枝を少し剪定してみた。

前にも書いたが、ナナメノキの成長は非常に旺盛であり、萌芽力も抜群である。

毎年、枝を剪定しないとどんどん枝を広げてしまう。

ところがナナメノキの枝は手でも簡単に折れるほどに脆い。鋸を使えば容易に切断できる。

この木で薪割りすると「ななめに割れる」そうで、なるほどそこから名前がついたのだろう。

たくさん枝葉を落としたので、葉っぱの裏表を丹念に見ておいた。

葉裏にはチャタテムシ類の卵塊がたくさんあったが、それ以外には何も見つからない。

と、思っていたらクロスジホソサジヨコバイが一匹、現れた。

L10845771.jpg体長は4ミリ程度だろうか。うっかりするとパチンとはじけるようにジャンプして、逃げてしまう。

ナナメノキのすぐ傍に生えているヤツデの葉うらにも一匹いたが、本種を見るのは久しぶり。





クヌギ林

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うちから歩いて10数分の場所だから1キロ前後の距離だと思う。

以前から西の方向に見えるクヌギ林が気になっていた。

周りのスギ植林を押しのけるように茶色の樹林が丸く浮き上がっている。

今日、初めて林を訪れてみて、もともとここもスギ植林だったことがわかった。

クヌギの樹齢は10年~20年の若い樹ばかりだが、林床には規則正しくスギの枯れ株が

並んでいる。枯れ株はかなり古く、赤腐れした朽木である。

探せば見つかるだろうと思っていたヤママユの空繭も、越冬卵もあった。

L12136082.jpg
JX2159551.jpgヤママユの卵の表面には黒い紋様がある。

この黒い紋様は水につけてしばらく擦ってみれば、ほぼ綺麗に落ちてしまう。

卵のほんとうの姿は、純白なのだ。

母蛾が産卵するとき、分泌液を卵にまぶす。その分泌液は卵が枝にしっかりと固着する

ための接着剤になる。長い冬越しの間に卵が枝からはずれたら、まず命は無い。

春になってふ化した幼虫がクヌギの若葉に辿りつける可能性がゼロに近くなるからだ。

卵が枝からはずれないよう、分泌液は命綱として役立っているのだろう。

分泌液は最初、無色透明なのだが時間が経るにつれ黒化する。

試しに産卵直後の卵を密閉容器に入れておくと、卵は白いままだったことがある。

どうやら分泌液は空気中の成分の何かに一定条件で触れていないと黒化しないようである。

そのあたりの詳しい化学的変化について、何か研究がなされているのだろうか?



朝、玄関前の植え込みで、問題のカメムシを見つけた。

何が問題かというと、まずは写真を見ていただきたい。

JX0738173.jpg発見当初、ホオズキカメムシの交尾カップルか?と思えたのだが、

この時期に配偶行動するわけないな、と、事の異変にすぐ気付いたのであった。

よく見れば、上に乗っているのはホオズキカメムシではなく、トゲサシガメである。

では、ホオズキカメムシがトゲサシガメに吸血されているのか、といえばそうでもない。

もし吸血されているならば、ホオズキカメムシがこうしてしっかりと脚を踏ん張って静止

できるはずもなく、とっくに絶命して伏していることだろう。

しばらく様子を見ていたが何事もなく、この擬似交尾のような状態が続くのであった。

これをずっと観察していては仕事にならないので、とりあえず部屋に戻った。

そして数時間後、ふたたび見に行ってみれば、

ホオズキカメムシが後ろ脚を使ってトゲサシガメを振り落とそうとしていた。

ときには翅を拡げるようにしてもがいている。

JX0738542.jpgホオズキカメムシの動きが慌しくなった理由はすぐにわかった。

トゲサシガメがしきりと口吻を突き立てているのである。ホオズキカメムシにとっては

命に関わる一大事である。懸命に振り落とそうとしているのは、わが身を守るためである。

やはりトゲカメムシが馬乗りになっているのは、捕食するのが目的だったのだろうか?

JX0738831.jpg何度も口吻を突き立てるのだが、どうもうまくいかないようだ。あちこちをまさぐる様にして

口吻の先が移動するものの、吸血には至らない。

そのうちトゲサシガメも諦めたのか、口吻を畳んでしまった。

かといって、ホオズキカメムシの背中から降りようともせず、しがみついたままである。

さらに数時間経っての夕方。

なんとまだ同じ格好のままである。

トゲサシガメはいったい、どうしたいのだろうか?

獲物となり得ないとわかれば、さっさと離れてしまえばよいようなものである。

しかし、なぜかホオズキカメムシの背中に馬乗りになったまま、夜を迎えてしまった。

この成り行きは明朝の観察を待つしかない。

(写真/ E-620 ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )







幼虫三態

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ナベブタムシのことが気になって、夏に見つけた川に行ってみた。

ナベブタムシは一年中、成虫も幼虫も見られるらしい。

残念ながらお腹の調子が急に悪くなって、探索は早々と諦めてしまった。

それでナベブタムシは見つからなかったが、ヒラタドロムシ幼虫や他の水生昆虫の

幼虫を何種類か掬うことができた。

まずはヒラタドロムシ類の幼虫。JX0437211.jpgダンゴムシを平たくしたような、扁平な体で石の表面に貼り付いている。

裏返せば、6本脚もちゃんとついている。

同じく扁平な姿をしているのは、コオニヤンマのヤゴ。

JX0437142.jpg他にも面白い幼虫を掬ったのだが、いづれ紹介するとして、

先日、東京で見つけたアカスジキンカメムシ幼虫を再び。

幼虫の背中側にある臭腺は3対(矢印の先)。

W2048112のコピー.jpgそよ風ふくさんの「日日面白日記」を読んでいて、ふと思い立ったのだが、

たしかに臭腺の開口部はたいへん見づらい。とくに一番前にある一対はルーペで覗いても

よく見えない。

カメムシ幼虫の臭腺を紹介するには、アカスジキンカメムシは向いていないと思う。

幼虫を摘んでいると、やがて指先や手のひらが茶色に染まるのでご用心。

カメムシの多くは成虫越冬する。卵や幼虫で越冬する種類は少数派で、

アカスジキンカメムシ、ニシキキンカメムシ、ヨコヅナサシガメ、ヤニサシガメ、

カモドキサシガメ類、、、、、、思いつく幼虫越冬カメムシはこんなとこだろうか。



( 写真上、下/ E-620 ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

(写真中 /   E-620  ZUIKO D 50ミリマクロ ) 






秋色

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私は秋という季節が好きなほうだが、反対にあまり好まない方も多いようだ。

それはともかく、『新開孝の昆虫写真工房』は今年の11月1日をもって、

6年目を迎えた。ホームページのリニューアルは滞ったままだが、

ブログ更新は途切れながらも6年間更新してきた。

11月1日というのは私の誕生日でもあるので、また歳をとったなあと溜息が出る。

JX033616.jpg午前中は仕事をしたが、午後からは家の冬支度などあれこれ忙しかった。

嫁さんがシイタケ栽培するというので、菌を打ち込むための穴あけドリルを買い求めた。

ホダ木の穴あけ専用ドリルがあって、それもいくつか径の種類がある。

ホームセンターからうちに電話をかけて、その径を確認してから8.5ミリのものを選んだ。

うちの近所には、ホダ木にちょうど良く育ったクヌギ林があちこちにあるが、

持ち主の方たちが高齢者であるせいか、伐採される光景をまだ見たことがない。

今月はその伐採シーンを撮影する予定で、その準備も進めている。


夕方になってうちの林の中を歩いていると、アカメガシワの葉うらに一匹の

アカギカメムシが静止していた。体色はすっかり黄色になっている。

枝をもって引き寄せようとしたら、ポロリと落ちてきた。

JX033628.jpg国内のカメムシとしては大型であり、腹側を見ればキンカメムシ科の名にふさわしく

緑金色に輝いている。

止まっていたアカメガシワは9月にアカギカメムシが大量に繁殖した場所でもある。

一旦はほぼ全部のアカギカメムシが飛び去ってしまったのだが、

今頃になってこうして居残っているのがむしろ不思議に思える。

家のすぐ横のエノキではゴマダラチョウの幼虫が歩いていた。

JX033674.jpg明日は、三股町立図書館で展示してある写真パネルの回収作業がある。


( 写真全て/ E-620 ZUIKO D 50ミリマクロ )





東京の虫

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今日は朝から雨。



さて、28日~30日まで滞在した東京では、

所沢市、下新井の雑木林(所沢聖地霊園の南側)と、

清瀬市、中里の雑木林、そして都心の新宿御苑を歩いてみた。

新宿御苑は初めてだったが、他の2箇所はかつて私がメインフィールドとしていた場所。

昨日も紹介したが、新宿御苑と下新井ではアカスジキンカメムシ幼虫を見つけた。

JX0135141.jpg
(写真/ E-620 ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン )

アカスジキンカメムシは終令(5令)幼虫であり、やがて落ち葉の下に潜り込んで冬ごしする。

この幼虫は薄暗い森のなかだと、白黒模様に見える。それが鳥の糞に擬態している姿、

とも言われるが、むしろくっきりとした白黒模様はやたらと目立つ。

光がたっぷり当たれば、黒に見えていた部分は、

ほんとうは微妙な金属光沢を帯びた複雑な色彩であることがわかる。

こうしてクローズアップしてみれば、幼虫も成虫に劣らぬたいへん綺麗な姿をしている。

私は彼らを「森の宝石」とでも呼んでみたいのだが、世間のカメムシに対するイメージは悪く

「ええ!カメムシのどこが宝石!?」と、絶叫すら聞こえてきそうだ。


所沢市、下新井の雑木林ではコナラの枝でオオミドリシジミの越冬卵が見つかった。

L10126003.jpg
( 写真/ E-P1  ZUIKOマクロ20ミリ オートベローズ、トリミングあり )

ほぼ目線の高さ、太い幹から伸びた細枝の又に、卵はちょこんと産み付けられていた。

卵の直径は1ミリ足らず。

最初に目をつけた枝で見つかったからラッキーだったが、

近年、オオミドリシジミの数は減少しているように感じている。

オオミドリシジミの九州における分布は北に偏っており、しかも産地であっても個体数は

本州ほど多くはないそうだ。


アカスジキンカメムシ幼虫の背中には臭腺が開口している。

体に刺激を加えるとその開口部から臭いを放つが、ときに液体も溢れ出てくる。

その写真は以前撮影しておいたのだが、どうしても見つからない。

そこで新規に撮影しようというわけだ。

臭腺から出る液体はときとして勢いよく噴出し、これが目に入ることもある。

私も一度だけその経験があるが、痛くてしばらく目を開けることができなかった。

なんてことを書くと、ああやっぱりカメムシって、好きになれるどころか

忌まわしい虫!などという印象を強めるかもしれない。

しかし、私はそういう経験をしたからといって、「この野郎!!」などと

カメムシを罵ったりはしない。

それは、ごく当たり前に生じる事故でしかないからだ。

自然の中ではいろんな事故があり得る。

大騒ぎする前に、どんな事故がありうるのか、

それをできるだけ多く認識しておくことが、大事なことだと思う。