日本紅斑熱

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アカギカメムシの羽化が今朝も見られた。
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この場所は、脚立最上段まで登ってようやく目線の高さにまで寄れる。

クヌギで見つけたアカイラガは、8日に脱皮して終齢となった。毎日、葉っぱをよく食べている。

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         ( アカイラガとマダニ 写真:OLYMPUS  TG-4 )

まだアカイラガの毒刺毛には刺されたことはないが、結構、痛いのだろう。

先日、10日の夜、阿蘇山から降りてから、左のお尻に軽い痛みを感じた。

座ったり立ち上がったりする動作で、下着に擦れるとチクリと感じる。手で触れるとわずかに皮膚が盛り上がっている。
帰宅後、嫁さんにお尻を突き出して見てもらったが、「赤くなってるよ」ということだった。
虫刺されかな?くらいで放っておいたのだが、昨夜になって違和感が強くなった。
寝床に入ってから指で患部を触れてみて、かさぶたのように感じたので、
思い切って引っ剝がした。

するとそれは、かさぶたではなく、飽血して肥大したマダニの一種だった。

マダニP9140058.JPG肥大化した体長は約4ミリ。おそらくこのマダニは、フタトゲチマダニで、
飽血肥大した体長からして、若虫(体長2ミリ)ではないだろうか。
成虫は体長3ミリで飽血肥大すると、10ミリ近くにもなる。

私のお尻に咬傷した本種を、嫁さんが「赤くなっている」くらいにしか見えなかったのも、2ミリという若虫だったからで、
しかもこうした小さな生き物を普段から見慣れていない「普通の人」だったからでもある。
もし私のような者が逆の立場で検分していたなら、2ミリといえども、決して見落としたりはしなかったはずだ。

本種は、日本紅斑熱のリケッチアを媒介するが、それは主に若虫によるものらしい(『Dr.夏秋の臨床図鑑   虫と皮膚炎』 夏秋優 ・著(秀潤社:2013)。

つまり、私はリケッチア感染した可能性も無くはない、とも言えるだろう。
そうではないことを祈りたいが。

指で無造作に引っ剝がせたのは、ほぼ飽血していたからだろうが、こういうやり方だとマダニ体内から血が逆流して感染し易いので、ほんとうはやってはいけない。
完全飽血させて自然脱離させるか、口器が皮膚内に残らないよう、慎重な脱離法をとる必要がある
一番確実なのは外科手術だそうだ。咬傷部位をごっそり切除するのだから、それはそれでかなり痛そう。

12年前だったか、やはり阿蘇山の放牧地を徘徊したあと、数日してから、体全身に赤い発疹が出て、高熱と激しい倦怠感に襲われ数日寝込んだことがある。
初めての経験でびっくりしたが、まさにリケッチア感染による日本紅斑熱病の症状だった。発症潜伏期間は1週間程度のようだ。

先日の10日、阿蘇山ではあまり距離を歩いてはないが、むしろ一カ所にじっと留まっている時間が長かった。牛の撮影に時間を掛けたからだが、放牧地でじっとしている時間が長いのは、マダニにどうぞいらっしゃい、と言っているようなものだろう。

阿蘇山だけでなく、うちの近辺でもマダニは多い。先月にも、庭で草むらに立っていたら、ズボンを登って来るマダニを発見したばかりだ。飼い犬にはマダニの予防薬を使っているが、人にもそんな便利な薬があるといいのだが、、、。





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