糞虫

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糞虫

「くそむし」、「ふんちゅう」、どちらの読み方をするかは、その人の暮らす家庭、生活環境なども

関わってくるだろう。

ただ最近、「くそむし」という言い方をする人に出会わない。少し寂しい気もする。

うちの犬が庭に落とした糞に、その「糞虫」が来ていた。

もっとも突っ立って眺めているだけでは、糞虫の姿は見えない。

まずしゃがみ込んで、糞をひっくり返してみる。

すると日光を嫌って、地中に潜り込もうとする黒く小さな糞虫の姿が見つかる。

さすがにその場で手に取って眺めることは、私ですら躊躇する。

糞虫観察にはピンセットが必須の道具であり、これは上質のものを買っておいて損はない。

ピンセットで上品につまみとった糞虫を、机の上でじっくり眺めてみよう。

観察の前にティッシュを詰めた瓶ケースの中でしばらく彼らを泳がしておく。

ケースから取り出したら、こんどは水で濡らしたティッシュでかるく糞虫をぬぐってお清めだ。

X22583333.jpg手荒い仕打ちを受けた糞虫は、脚をピタリと縮めて死にまねをする。

丸っこい体だからまるでダルマのようになり、虫やら鼻くそやら何やら区別がつかない。

写真上は、体の下側から見たところ。

しばらくするとまずは触角を伸ばしてピコピコさせてから、脚をバタバタさせて生き返る。

すると今度は一転してすばやく歩き回り、滑走路を移動する軽飛行機となる。

離陸する一瞬前に、まず中脚を上げ、

X22583531.jpg前翅を浮かすと同時に、プロペラの後ろ翅がフル稼働して、一気に飛び立つ。

X22583512.jpg
このあと速度が上がって上昇するにつれ、前脚を前方に伸ばす姿勢になると思う。

飛翔するさっそうとした姿を写し止めようと思ったが、

何度も離陸を繰り返しているうちに、糞虫は疲れてしまったのかフライトしなくなった。

この糞虫は、フトカドエンマコガネのメスだが、体長は1センチにも満たない。

そんな小さな虫の飛翔を手持ち撮影しようというのだから、かなり無謀ではある。

ともかく、糞虫はその重厚な体型に似合わず、軽やかに飛翔する運動能力に恵まれている。

なぜなら、大地に落とされた糞ができるだけ新鮮なうちに、その神聖な場所へできるだけ

迅速に駆けつけたいからではないだろうか。

( 写真/  E-3 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン+ストロボFL36R )










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