ヤママユ、まゆ紡ぐ

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明後日から、東京→群馬→東京という動きでしばらく家を空ける。

短期間でも家を空けるとなると、片付けておく用事もあって少し慌しい気分となる。

とくに飼育中の昆虫たちが問題だ。

ヤママユの幼虫はすべて林で放飼しているので、葉っぱの様子をチェックしておけば

いい。先日からまゆを紡ぐ幼虫も出始めたので、今朝も様子を見てみると、

あらたに3個のまゆがあった。

そのうちの2個はまだ営繭(えいけん)中だった。

こうして糸を吐いている段階では、糸の色も光沢があって綺麗だが、

W22010553.jpg糸壁が完成し、シュウ酸カルシウムの液体で繭が濡れたあとに乾くと、

白い粉ふき餅みたいになって、糸のつやが失せてしまう。

X32013721.jpgもっとも、このような粉ふき団子になった方が目立たなくてちょうどいいのかもしれない。

シュウ酸カルシウムでがっちりと繭は固められ、雨水も弾いてくれる。

写真の2個のまゆは、葉っぱに隠れることなく撮影にはちょうど具合がいい。

 ヤママユのまゆは、どれも綺麗な緑色になっている。

野外で育てばたっぷりと太陽光を浴びることができるおかげだが、

太陽光を浴びるタイミングは、まゆ作りに入ってから1日間。

太陽光をたっぷりと浴びてない幼虫が紡ぐまゆは、黄色になってしまう。

そこで室内飼育だとまゆ作りの少し手前から屋外や窓辺に出して日光浴をさせるか、

4000ルックス程度の青色灯を8~16時間浴びせておけばよい。

天気が悪い日が続くこともあるだろうから人工照明だと助かる。

私の経験だと蛍光灯の照射でも綺麗な緑色のまゆになったことがある。

室内飼育だと、幼虫期間は3週間~40日程度だが、

屋外であれば50日~70日かかる。

まゆを紡いでからだいたい6~7日で、蛹化する。


ヤママユの羽化時期にはバラつきが大きく、これが厄介だ。

その羽化ピークには7月~8月上旬ころと、9月後半の2回あると言われているが、

少ないまゆ数だと、そのピークは掴みにくい。

7月に入ったら毎晩、まゆを欠かさず監視するしかない。

だいたい午後7時~9時のあいだに羽化する。

羽化の1時間くらい前から、まゆの柄がついている方が濡れてくるので、

羽化の前兆をつかむのはそれほど難しくは無い。ただし、毎日の監視が

必要だ。


( 写真上/ E-520  シグマ105ミリマクロ サンパックB3000S )

( 写真下/ E-3    ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン
                             サンパックB3000S )
 




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