私がキンアリスアブ幼虫の、あの珍奇な姿を多摩丘陵で初めて見つけたのは、
今から19年前の3月だった。
薄汚れたフィールドノートをめくって、もうそんなに時が経ったのか!と驚愕する。
畦道近くの地面を掘るときに抱いた期待感、そして幼虫を発見したときの
何とも例えようのない喜び、興奮、、、、。 さまざまな想い出がぎっしりと詰まった
虫は他にもいるけれど、キンアリスアブはひとつ別格の存在だと言える。
キンアリスアブのメスは、クロヤマアリの巣口に産卵する。
ふ化した幼虫はただちにアリの巣内へと侵入しほぼ一年間、巣内で居候生活を送る。
長い居候生活に終止符を打ち、地上へと新成虫が姿を現すのが、5月のころだ。
その新成虫を見つけようと、群馬、水上のかつて通い慣れたフィールドに出向いてみたのが
24日の日曜日。
アリスアブはすぐにも見つかったが、キンコマチアリスアブはなかなか現れてくれなかった。
しかし、引き揚げる間際になってようやく一匹のメスを同行の鈴木さん、森上さんが
発見してくれた。感謝!感謝!
どうやら成虫の発生が例年よりか遅れているようだ。
写真上は、後ろ脚を使って翅の手入れをするキンコマチアリスアブのメス。
複眼が大きく離れていることから、メスだとすぐわかる。
そしてアリスアブとの識別は難しくない。
キンコマチアリスアブでは、腹部背面の毛色や毛の生え方に特徴が際立つ。
とくに赤紫色の金属光沢は印象的であり、アリの巣の近くでホバリングするときなど、
この色がよく目立つ。写真下ではその色がよく出ていないのが残念だが、、、、。
その一方、アリスアブは基調色が黒色であって、その節間に金色の毛帯が入る。
毛帯には金色と銀色の2タイプあるが、ともかく体全体に黒っぽいのがアリスアブだ。
写真上は、キンコマチアリスアブの卵。 光沢は無いが綺麗な純白。
アリスアブとキンコマチアリスアブの卵を並べてみた↓ 左がアリスアブ、右がコマチアリスアブ。
コマチアリスアブとアリスアブの卵は、肉眼でもはっきりと識別できるほど違う。
まず大きさでは、アリスアブの方が一回り大きい(写真は同倍率で撮影)。
卵色や表面の紋様も違う。
アリスアブではゴルフボールにあるような窪みが表面全体にあって、光沢が強い。
コマチアリスアブでは、毛状突起が表面全体に生えていて、そのせいかほぼ無光沢である。
コマチアリスアブのメスが産んだ卵が、うまくふ化してくれるだろうか。
無精卵であるかもしれない。
もしもふ化してくれたなら、なんとしても幼虫飼育を試みるつもりだ。
( 写真上段2枚/ E-520 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )
( 写真下段2枚/ E-3 ズイコー80ミリマクロ、38ミリマクロ+オートベローズ )
※ 当初、写真のアリスアブはキンアリスアブとしていましたが、
群馬県、水上に棲息するのはコマチアリスアブと判明したので、訂正します。
コマチアリスアブの腹部背面の黒色斑紋がコマチの特徴だそうです。
キンアリスアブとコマチアリスアブはよく似ていますが、混棲はしておらず、すみわけている
そうです。
私が過去に神奈川県川崎市や東京都町田市などで観察、撮影したものは
キンアリスアブで間違いないようです。
ご教示いただいた方にお礼申し上げます。
今から19年前の3月だった。
薄汚れたフィールドノートをめくって、もうそんなに時が経ったのか!と驚愕する。
畦道近くの地面を掘るときに抱いた期待感、そして幼虫を発見したときの
何とも例えようのない喜び、興奮、、、、。 さまざまな想い出がぎっしりと詰まった
虫は他にもいるけれど、キンアリスアブはひとつ別格の存在だと言える。
キンアリスアブのメスは、クロヤマアリの巣口に産卵する。
ふ化した幼虫はただちにアリの巣内へと侵入しほぼ一年間、巣内で居候生活を送る。
長い居候生活に終止符を打ち、地上へと新成虫が姿を現すのが、5月のころだ。
その新成虫を見つけようと、群馬、水上のかつて通い慣れたフィールドに出向いてみたのが
24日の日曜日。
アリスアブはすぐにも見つかったが、
しかし、引き揚げる間際になってようやく一匹のメスを同行の鈴木さん、森上さんが
発見してくれた。感謝!感謝!
どうやら成虫の発生が例年よりか遅れているようだ。
写真上は、後ろ脚を使って翅の手入れをする複眼が大きく離れていることから、メスだとすぐわかる。
そしてアリスアブとの識別は難しくない。
とくに赤紫色の金属光沢は印象的であり、アリの巣の近くでホバリングするときなど、
この色がよく目立つ。写真下ではその色がよく出ていないのが残念だが、、、、。
その一方、アリスアブは基調色が黒色であって、その節間に金色の毛帯が入る。毛帯には金色と銀色の2タイプあるが、ともかく体全体に黒っぽいのがアリスアブだ。
写真上は、アリスアブと
コマチアリスアブとアリスアブの卵は、肉眼でもはっきりと識別できるほど違う。まず大きさでは、アリスアブの方が一回り大きい(写真は同倍率で撮影)。
卵色や表面の紋様も違う。
アリスアブではゴルフボールにあるような窪みが表面全体にあって、光沢が強い。
コマチアリスアブでは、毛状突起が表面全体に生えていて、そのせいかほぼ無光沢である。
コマチアリスアブのメスが産んだ卵が、うまくふ化してくれるだろうか。
無精卵であるかもしれない。
もしもふ化してくれたなら、なんとしても幼虫飼育を試みるつもりだ。
( 写真上段2枚/ E-520 ズイコーデジタル35ミリマクロ+1.4倍テレコン )
( 写真下段2枚/ E-3 ズイコー80ミリマクロ、38ミリマクロ+オートベローズ )
※ 当初、写真のアリスアブはキンアリスアブとしていましたが、
群馬県、水上に棲息するのはコマチアリスアブと判明したので、訂正します。
コマチアリスアブの腹部背面の黒色斑紋がコマチの特徴だそうです。
キンアリスアブとコマチアリスアブはよく似ていますが、混棲はしておらず、すみわけている
そうです。
私が過去に神奈川県川崎市や東京都町田市などで観察、撮影したものは
キンアリスアブで間違いないようです。
ご教示いただいた方にお礼申し上げます。