寒風

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ルリモンハナバチを初めて見たのは、神奈川県の三浦半島、城ヶ島であった。

私はビデオ撮影の助っ人で同行していたが、そのときはクマゼミの羽化をねらっていた。

もう13年も前のことだ。

当時、東京に一番近くて確実なクマゼミの産地は、城ヶ島であった。今はどうだろうか。

昼間のうちにミズキなどで鳴くクマゼミを撮影し、夜を待って地面から這い出してきた幼虫

を見つけた。そのまま羽化を撮影するつもりでいたが、雨になってしまった。

仕方なく幼虫を宿に持ち帰り、室内でセットを組んで撮影した。

しかしビデオ撮影の照明にはAC電源が使えてずいぶんと助かった。

クマゼミの撮影を終えて他の昆虫を探していたとき、花に来ていたルリモンハナバチの姿が

目に入った。いささか興奮した私は、とっさに素手でこのハナバチを掴んでしまった。

掴んだ瞬間、電撃のような痛みが手のひらを襲い、あっという間にハチは飛んで行った。

なんとも愚かなことをしたものだが、ハチの綺麗な姿にまるで子供のように反応してしまった。


今日は冷たい風がずっと吹いていて、ともかく寒かった。

午後4時。早めに犬の散歩に出てみれば、足元の草むらでルリモンハナバチが眠っていた。

W2158314.jpg草の先端をくわえて、口だけで体を支えて眠るハチでは、コシブトハナバチをよく目にする。

ルリモンハナバチは、そのコシブトハナバチ類に寄生するハチだが、

眠る場所もその作法も、コシブトハナバチと同じとは、ちょっと興味深い。


ここの草むらは南向きの斜面になっていて、トノサマバッタもやたらと多い。

犬のチョロはそれを見つけ出しては、クチャクチャクチャと旨そうに食べる。

この頃はこうしてバッタ狩りに嵌っていて、草むらで留まる時間が長い。

一番の大物はタイワンクツワムシのメスである。

チョロの食事を眺めていると、ボイルした海老を頭から丸ごと齧っているような気がして

ならない。満足そうに見えるので、やっぱり美味しいんだろうなあ、と思う。






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