ヒメクロオトシブミ

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昨年、クヌギの木を数本切り倒した。

その切り株からひこばえが伸びて、今は若葉を茂らせている。

ひこばえでは、ヒメクロオトシブミが盛んにゆりかご作りに励んでいる。

人が活動することで増える虫もいる。ヒメクロオトシブミなどはその典型だろう。

メスをめぐって、オス同士が激しく争う場面もある。

XA031766トリミング.jpg写真では交尾中のオスとそこへ飛来したオスが派手に喧嘩を始めたのだが、

交尾中のオスがどう見ても不利だ。

しかし両者は絡み合って団子になり、そのまま地上へと落ちてしまった。

メスは何事もなかったようにゆりかご作りを続行。

さて、出来上がったゆりかごは、ほぼ9割は切り落とされている。

切り落とす瞬間をこれまでに何度も撮影しようと試みたが、うまくいかなかった。

そこで、高速連続撮影可能なカシオのEX-FH25を使って撮影してみた。

カメラはゴールデンウィーク最中にも関わらず、発注して翌日には届いたので、びっくり。

で、さっそく触ってみて何となく使えそうだったのですぐに撮影開始。

電源がアルカリ単三電池4本、とういのも有り難い。接写もほどほどにできる。

ヒメクロオトシブミがゆりかごを巻き終えてから、いよいよ切り落とし作業に入ると、

かなり緊張する。

カメラは三脚に固定し、シャッターボタンに指を添えたまま、ひたすらゆりかごの揺れ具合を

じっと観察する。その微妙な揺れを読んで半押し状態からいつ本押しをするか決断する。

本押しのタイミングはかなり微妙だ。押したい気持ちを抑え、ギリギリ、あ!切れた!!

という瞬間にグイッと本押しする。慎重になりすぎて、早めに押してしまうとその時点から

高速連写撮影になり、そのあとしばらくはメモリーカードへの書き込み時間が必要で

撮影できない。あ!という瞬間、そこが肝心。

これまで通常のカメラだと、あ!という瞬間にシャターを押しても遅すぎた。

カメラの作動タイムラグが大きすぎるからだ。

ところが、EX-FH25ではパスト連続撮影という機能があって、

シャッターを本押しした以前の設定コマ数分、遡って撮影できる。

半押しした状態ですでに撮影記録が始まっているから、こういうことができる。

CIMG0301トリミング3.jpg
CIMG0302トリミング2.jpg
CIMG0303トリミング1.jpg写真ではシャッター速度が500分の1秒。それでも落下するゆりかごはブレている。

ISO感度、200に設定してみたが、

EX-FH25はCMOS裏面照射型で高感度にも強いらしいので、ISO400以上に設定して

シャッター速度を上げればよかったのかもしれない。

デジタルカメラもいろいろな機種が登場し、多様化してきた。

フィルムカメラのフィルムが、デジタル受像素子に置き換わっただけのカメラから、ようやく

デジタルらしい多機能性カメラへと展開してきた。

今は撮影目的に合わせて、カメラを選ぶ時代となった。



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