シンジュサンの卵

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クロガネモチの葉表に、シンジュサンが産卵した。

白い卵は行儀良く並んでいる。

うちの嫁さんは歯並びが良いことを自慢にしているが、

その歯医者にも褒められたという歯並びとは、こういうことかい、と思えた。

XA065949.jpgわずかに弧を描くように並ぶのは、母蛾が体を安定させたあと、腹部端を左右どちらかから

振り子状に動かして産卵する動作を思い描くことができる。

XA065967.jpg卵の表面にはベージュ色の縞模様があり、黒点のほうは模様ではなく、

粘着液が空気に触れて固着したものと思われる。


ウスタビガはすべて、そしてヤママユも次々と繭を紡いでいるところだが(野外袋かけ飼育)、

これらと入れ替わりで、シンジュサンの幼虫たちがお目見えする予定となった。

それに加えて、通販で買い求めたカイコの卵がもうすぐ三日後あたりにふ化する。

前にも書いたが、私は飼育がそれほど好きではない。

好き嫌いは言ってられないが、仕事上、必要となる飼育室も敢えて拵えなかった。

飼育室は使わない期間も長く、どうせ物置になってしまうだろう、などと思っていたし、

その費用があるなら軽ワゴンの新車を買ったほうがいい。

ここ二ヶ月ほど飼育ケースなどが撮影部屋まで占拠するようになって、

これはイカン!と、大整理を行った。やはり飼育部屋があればあったほうがいいとは

思ったりするが、飼育のやり方、方針を徹底的に見直してみた。

徹底的とはいっても大した事ではないが、その気になれば、かなり省スペース化できる。

いつぞや潜水艦の船室みたいと書いた私の仕事部屋では、パソコンに向かいながらも

すぐ傍らに飼育棚があって、椅子に座ったまま卵や幼虫、蛹の様子をチェックできる。

同時に野外飼育の工夫もいろいろ試行錯誤していて、こちらでうまくいくものがあると

ずいぶん助かる。

飼育にあまり情熱を注げない自分だが、それでも思惑通りに産卵してくれたり、

野外でまず観察不可能に近い行動を間近で撮影できたときなどは、

やはり嬉しいし、やりがいを感じることがないでもない。

飼育に頼らざるを得ない撮影シーンも多くあるが、それらをできるだけ野外で行う工夫と

努力もつねに必要だと思う。

生活をしていく上で、できるだけモノを増やしたくないものだが、

それでも知らないうちにモノは増えてしまう。

とくに畑仕事、山仕事の道具類が増えてしまった。

それで庭の隅にある倉庫も手狭になり、倉庫の横に物置小屋を拵えることにして、

近所の大工さんに見積もりを出してもらうことにした。

写真展で使用した写真パネルの収納も必要になっているので、物置小屋の完成が

待ち遠しい。



(写真上:オリンパス EPL-1 LEICA 45ミリマクロ )

(写真下:オリンパス EPL-1 14-42ミリ リバース改造レンズ )



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