「ぼくは昆虫カメラマン」

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「ぼくは昆虫カメラマン」(岩崎書店)の見本が届いた。

ぼくは昆虫カメラマン.rtf.jpg読み物本の書き下ろしは初めてだが、この原稿の書き出しにはずいぶんと時間が掛かって

しまい、編集者の方にはご迷惑を掛けた。

今回のような表題でどこまで、どのように書くか、いろいろ考えてみたが、

昆虫観察記の内容を多めに盛り込む、という基本方針でいくことにした。

対象読者の年齢層も配慮し、ページ数もあまり欲張ることなく納めた。

大人の方が読むと、全体のボリュームに物足りなさを感じるかもしれない。

この本を読んだ子どもたちには、何かのヒントを掴んでもらえたなら、と願っている。

私自身が思春期から青年期にかけて、

数多くの本との出会いのなかで、さまざまな刺激を受けてきた。

いつのまにか自分が子ども達に向けてメッセージを発する立場になったのだなあ、

という感慨を、今回の本を書き上げてみてあらためて強く抱いた。

虫のことであまり熱くなってもらっても困ることもあるが、

近頃はそういう熱血昆虫少年はきわめて珍しい存在になってしまった。

とくに昆虫少年という肩書きなど必要はないと思うが、

自然のことにまったく背をむけてしまう大人になるよりか、

いつの日も自然ありきという観念を持てる大人になって欲しいとは思う。



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