ニホンミツバチの蜜採り

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同じ集落の方からニホンミツバチの採蜜をするから、と声を掛けていただいた。

場所はうちから1キロ先の雑木林。

まずは下準備。

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巣箱を抱え上げてみれば、巣箱の重さで蜜の量もだいたい想像がつく。

「うん!重いぞ。これはどうかな?」

巣箱を用意した台の上に移動させ、前蓋を開ける。

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蓋にも巣盤がついているので、ナイフで切りながら慎重に開ける。

巣箱内一杯に巣盤が天井から垂れていた。

巣盤を一枚づつ丁寧に取り出す。

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巣盤は全部ではなく、三分の一は残しておく。

そうしておけば巣盤は冬を迎えるまでには元の規模まで回復できる。

この巣箱では働きバチの数はたいへん多いのだが、

思ったより貯蜜量が少ないということだった。

さっそく巣盤の一部をいただいた。

巣盤ごと口に入れると、なんとも濃厚な甘味が口中に広がる。

ああ、なんと幸せな時間であろうか!

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採蜜作業中、働きバチはパニック状態になるがほとんど刺して来ない。

作業なさる御夫婦は網帽子を被り、長袖で手袋をはめているが、私はTシャツ姿。

念のため帽子だけは被っていたが撮影中刺されることはなかった、、、、のだが。

最初の巣箱を終えて、もう一箱にとり掛かるとき、ちょっとハチの騒ぎ方が激しかった。

自分の立ち位置はハチの通り道を塞いでいるからヤバイなあ、と思った瞬間。

右手の人差し指付け根をチクンとやられた。

反射的に手にしていたカメラを落としてしまった。

ストラップを手首に巻いていなかったのもマズかった。

幸い地面は柔らかい土だったし、レンズから落下せずストロボが土まみれになった。

ニホンミツバチに刺されたのはこれで何度目だろう。

数年前、観察会の講師をしていて、

自然巣の前で「ええ、ニホンミツバチはおとなしくて滅多に刺されません」などと

解説をしている最中、参加者全員の見ている前で刺されたこともあった。


ニホンミツバチの飼い方や、採蜜の仕方には人によってかなり違いがある。

私が初めて取材、撮影した愛媛の方の場合、この方は名人とも呼ばれるほどの

熟練者だったが、そのときの様子は共著の「里山大百科」に載せた一連の写真である。

さすがに名人と言われるだけあって、網帽子も被らず素手で作業をしていた。

私はまるで自分が弟子にでもなった面持ちで、その作業の細かいところまで

しっかりと目に焼き付けた。


巣箱はできるだけ離して置いたほうが、一箱当たりの蜜量も多くなる。

できれば2キロ間隔で置くのがいいそうだ。しかし、それだと管理がたいへんである。

うちは1キロしか離れていないが、少しでも働きバチの活動域を広げれば

それに越したことはない。といいうことで、来春にはうちの敷地内にも

巣箱を一箱置いてもらえることになった。


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