ベニカミキリの産卵行動

| | トラックバック(0)
以前からベニカミキリの産卵行動を見ておこうと思いながら、

その気になれば簡単なはずなのに腰が重かった。いつでもできるから、と先送りしてきた

のがイケナカッタと思う。

今日は午後から一番近い場所の竹林へ行ってみた。地区のお祭りで使う竹をここの林から

毎年切り出しているので何度か来たことがある。昨年の暮れは帰省しており私は作業に

参加できなかった。

竹林田上.JPG筍を出荷するために手入れの行き届いた竹林なら明るく、広く、歩きやすいが、

ほとんどの竹林は写真のごとく放置され、密生し荒れている。歩くのもちょっと苦労する。

普段は余程の目的がなければ誰もこんな竹林に踏み入ろうとは思わないだろう。

さて、竹林に入ってすぐにベニカミキリが竹を登っている姿があった。

せかせかと早く歩くので、カメラを構えたころにはもう4メートルくらいまで到達し、

さらに登り続けてついに姿を見失った。

ベニカミキリの幼虫は枯れて倒れた竹から割り出すことができ、そういう枯れ竹には

成虫が羽化脱出した穴が多く空いている。

どういう状況の竹が産卵に選ばれるのか、いろいろ考えながら見て回るうちに

地上近くを舞うメスを2匹みた。

しばらくして、

お尻を擦り付けるようにして同じ場所を何度も往復するベニカミキリのメスを見つけた。

これは産卵衝動が高いメスだろうと思えた。

すると期待通り、目の前でそのメスは産卵を始めた。

ベニカミキリ産卵1.JPGじつはこの産卵を見る前に、ベニカミキリの卵は多数を見つけていた。

その卵が産みつけられていた竹は上の写真と同じく、切り倒されていたもの。

節のところにぐるりと一周するほど高密度に産卵された場所もあった。

先に書いたようにこの竹林では毎年暮れのころに竹を切り出す。

切り倒した竹のうち必要ないものはそのまま放置されており、

卵がたくさん産みつけられた竹や産卵行動を観察できた竹は、まさにそれだった。

切り倒されてからほぼ5ヶ月くらい経ている。

それでふと思い出すのは、ニホンホホビロコメツキモドキの産卵。

ニホンホホビロコメツキモドキのメスが好んで、というか彼女らの産卵が集中するメダケとは

刈ってから数ヶ月経ったもの。庭の畑にメダケで組んだ柵などは産卵行動を観察する

うってつけの場所だった。冬に刈ったメダケが春、5月ころには産卵適期となるようだ。

ベニカミキリの産卵を観察するため竹林を徘徊すること1時間40分。

その間にふと出合ったニホンホホビロコメツキモドキのメスは3匹であった。

マダケは太すぎるかと思うが、細い竹を探し当ててから産卵するのだろうか?

ニホンホホビロコメツキモドキ01.JPG「かぐや姫」のハイイロヤハズカミキリも2匹いた。





« ベニオビヒゲナガ       ベニカミキリの卵 »