溺れる虫

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昆虫の死に様もいろいろだが、

死ぬ瞬間というか、死に至るような危険が迫った昆虫を見る機会も少なくはない。

先日、渓流でミヤマカワトンボの産卵を待っていたとき、

ノコギリカミキリが水面でもがいていた。どうやって落ちてしまったのか?それは謎だ。

ほんとうはそこも知りたい。

PXB03647.jpgこの姿を見てすぐさま手を差し伸べる人、いや安易に救おうというのはどこかおかしい、

ととりあえずは静観する人、ザマないなあ!と見下すような快感に浸る人、

こういう場面でどう感じどう行動に出るかは人によってまったく違うはずだ。

もっとも写真の虫がカミキリムシの一種とわかる人はごくわずかであり、

さらに言えば虫が溺れていることなど目に入らない人がほとんどであろう、とは思う。

渓流の水面にはしかし、不運にして落っこちる昆虫がたくさんいる。

そしてその多くは渓流魚や他の水生生物の餌となるだろう。

とくに仕掛けた罠でもないが、見方を変えればやはりこれは一種の罠とも言える。

その罠の恩恵を受けている生き物がたくさんいることだろう。

ノコギリカミキリおぼれる.jpg胸まであるウェダーを着用していても、水面ギリギリの撮影であっても、

カメラアングルをいろいろと選んでいるうちに、胸元から水が入ってくる。

渓流での撮影を続けているうちに首と腕まであるウェダーか、あるいはドライスーツが

欲しいと思い始めた。これは当然の成り行きで、撮影や観察をする上で動きに制約が

少ないほうがいいに決まっている。

ズブズブと水中撮影に嵌っていきそうな予感がする。





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