桜島と霧島山

| | トラックバック(0)
午前6時半。車の屋根には薄っすらと雪が積もっていた。

しかし道路情報によれば松山道の規制は解除になっていたので

いつも通り八幡浜港へと出発した。途中、「雪に注意」という掲示が何箇所かで出ていたが、

高速松山道はまったく問題なく通行できた。

この時期には四国といえど山中を抜けるように走る高速道は雪で通行規制になることが

多く、一般道を走るか海沿いの国道へと回ることもある。

八幡浜市内に入ってみればあちこちにわずかながら積雪が見られた。

20120126WW264531.jpg八幡浜港もミカン山に取り囲まれている↑

全山、段々畑状にミカン園となっており、ほんのわずかだけ二次林が点在する。

愛媛県はミカン王国とまで言われるくらいだ。こうしたミカン山は県内に数多い。

私も小さいころからこうした風景を見慣れて育った。しかし、昆虫を通して自然に関心が

深まるにつれて、こうしたミカン山だらけであることに危機感を抱くようになった。

危機感というのは自分自身の生きがいに関わることだ。

ミカン山から目を移すと、そこには杉植林が広がっている。

これにも危機感を覚えた。どこか息苦しい。大雑把だがそういう息苦しさが長い年月の間に

積み重なっていったと思う。

八幡浜港から大分県、臼杵港までの船中では、『東京 消える生き物 増える生き物』

(川上洋一著:メディアファクトリー新書)
を読んだ。

川上さんは私より3つ歳上だが、おなじ昭和30年世代の方。

本書の内容は文章も読みやすくわかりやすい。時代の移り変わりによる社会の変化

と自然の様相の変化の関係が浮き彫りになっており、説得力がある。

いつもなら臼杵港から約1時間半の道の駅で昼食と休憩をとるのだが、

今日はそこをパスして一気に日向の道の駅まで進んだ。

遅い昼食は400円のカレーうどん。みやげにアジの干物とイカの一夜干しを買う。

都城ICを降りる手前からはるか彼方に桜島のシルエットがあった。そこから、

握り拳を突き出した腕のように噴煙がなびいていた。

20120126WW264538.jpgずっと噴火が続いている櫻島に比べて、不気味なほどに静かな霧島山。

20120126WW264550.jpg新燃岳が噴火してからちょうど一年。




« クロスジイラガ、ただいま飼育中       シロスジカミキリの新成虫 »