松山空港、12時10分発の便は15分遅れで離陸した。
しかも直前まで何のアナウンスもなく、搭乗口もビルの真反対側に予告なく変更していた。
海側からの向かい風が強烈で、離陸滑走路に入って静止した機体が、
ジワリジワリと後退しているのが、車輪を見ていてわかった。 「こりゃあ、揺れるなあ!」
瀬戸内海を上昇し、やがて機体を傾けて航路を九州へと向けた。
新潮文庫、橋本治の「巡礼」を読みふけているうちに、もう九州上空に来ていた。
下界に見えるのは大分県だろう。
昨日、橋本治の「橋」を読み終えたばかりだが、同じ著者の本を続けて読みたく、
松山の明屋書店で買い求めたのが「巡礼」だった。 しか、なかったのだが、、。
やがて「あと15分で鹿児島空港に着陸します。」とのアナウンスが流れた。
ゆっくりと時計回りに旋回する窓の外には、高千穂岳とその奥の韓国岳が見えていた。
いつも庭から見慣れている山容を、こうして上空から見下ろすことは滅多にない。
当たり前だが。
「かなり揺れが予想されます。」とのアナウンス通り、いきなりガクンと急降下したり
左右にお尻を振る機体の後部座席で、本を閉じた。 やはり、酔いそうだった。
滑走路目指して降下していく時間が、やけに長く感じた。
狭い機内から解放されたい、
早く地面を踏みたい、という気持ちが強かったのだろう。
窓の外と、機内の様子とを見比べながら、どちらも現実だが、でもこの隔たり感は
すごく大きい、などと、何度も視線を移動させながら、ぼんやり考える。
壁一枚外は、誰も手を差し伸べてはくれない、死の世界なんだ。そこをこうして
移動している自分は、何だろう?
林や道路や建物が、グングンと接近してきて、滑走路にいよいよ下降していることが
実感できたとき、「さあ、揺れるぞ!」と身構えたが、それは肩透かしを食った。
機体は綺麗に穏やかに、タイヤに身を任せていった。
私の座席は11C、の窓際。11Bの隣は空席だった。
最後部座席12番代は空席だったので、私が一番最後部に座っていたことになる。
12番には窓が無い。ゴロンと横になれたのになあ。惜しいことした。
空港に着いてわかったことだが、貨物室は後部座席背面壁のすぐ後ろのスペースにあった。
しかも直前まで何のアナウンスもなく、搭乗口もビルの真反対側に予告なく変更していた。
海側からの向かい風が強烈で、離陸滑走路に入って静止した機体が、ジワリジワリと後退しているのが、車輪を見ていてわかった。 「こりゃあ、揺れるなあ!」
瀬戸内海を上昇し、やがて機体を傾けて航路を九州へと向けた。
新潮文庫、橋本治の「巡礼」を読みふけているうちに、もう九州上空に来ていた。
下界に見えるのは大分県だろう。昨日、橋本治の「橋」を読み終えたばかりだが、同じ著者の本を続けて読みたく、
松山の明屋書店で買い求めたのが「巡礼」だった。 しか、なかったのだが、、。
やがて「あと15分で鹿児島空港に着陸します。」とのアナウンスが流れた。
ゆっくりと時計回りに旋回する窓の外には、高千穂岳とその奥の韓国岳が見えていた。
いつも庭から見慣れている山容を、こうして上空から見下ろすことは滅多にない。
当たり前だが。
「かなり揺れが予想されます。」とのアナウンス通り、いきなりガクンと急降下したり左右にお尻を振る機体の後部座席で、本を閉じた。 やはり、酔いそうだった。
滑走路目指して降下していく時間が、やけに長く感じた。
狭い機内から解放されたい、
早く地面を踏みたい、という気持ちが強かったのだろう。
窓の外と、機内の様子とを見比べながら、どちらも現実だが、でもこの隔たり感は
すごく大きい、などと、何度も視線を移動させながら、ぼんやり考える。
壁一枚外は、誰も手を差し伸べてはくれない、死の世界なんだ。そこをこうして
移動している自分は、何だろう?
林や道路や建物が、グングンと接近してきて、滑走路にいよいよ下降していることが
実感できたとき、「さあ、揺れるぞ!」と身構えたが、それは肩透かしを食った。
機体は綺麗に穏やかに、タイヤに身を任せていった。
私の座席は11C、の窓際。11Bの隣は空席だった。
最後部座席12番代は空席だったので、私が一番最後部に座っていたことになる。
12番には窓が無い。ゴロンと横になれたのになあ。惜しいことした。
空港に着いてわかったことだが、貨物室は後部座席背面壁のすぐ後ろのスペースにあった。(写真: オリンパス E-M5 OM-D M.12-50ミリ )