ネジ

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わが家に朝陽が降り注ぐ時刻は、田上集落の中でも一番遅い方ではないか、と思う。

少し高台にはあっても、背後に藪立する林の壁に陽射しは遮られてしまうからだ。

W2015455.jpg日当たりの良い場所へと直行したくなるのが、朝の散歩気分である。

しかし、チョロにしてみればほんとうは、陽射しの暖かさよりも匂いの誘惑の方に従いたいらしい。
私の歩く方角とは別の方へ逸れようとする。でも、そのささやかな抵抗もすぐに諦め、おとなしく私の希望する道順の先を行くようになる。

ま、我慢してくれ。


W2015475.jpgこのごろにしては久しぶりに霜が降りた。
その白いふりかけのおかげで、シロアリの喰い痕だろうか、その彫刻がくっきりと鮮やかになる。
昨日の朝はヒバリが低空でさえずっていたが、、、、、、、。

前々から気になって、ときおりカメラを向けていたものがある。


W2015477.jpg田んぼの水路にある、水門だが、これは身の回りのあちこちに見つかるネジのなかでも、特大級であろう。
水門の稼動システムは、このネジの仕組みが要であり、それ以上でもそれ以下でもない。
この鉄製の水門には、どこか親しみを感じてしまう。
このような農業器械というものはどうにか周りの風景に馴染んでいる。

水門のまさに心臓部と言えるネジ棒の上部分には、塩ビパイプが被せてある。
大事な稼動部分のネジ山を保護しようという目的だろうか。

残念ながら、まだこの水門を誰かが操作している場面に行き当たったことはない。
勝手に自分で操作することなど、もちろん許されるはずがない。

人がネジのハンドルをクルクル回す様子を、私はまるで幼児のように好奇心たっぷりに眺めるのだろうと思う。だが、これまでのところ、ここの水門にやってくるのはアオサギをはじめとする水鳥達くらいのようだ。写真ではわからないが、ペンキのような水鳥の糞が夥しい。

(写真/E-520 14-54ミリズームレンズ)



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