生首事件

| | トラックバック(0)
ハンミョウはときおりわが家の敷地内にもやって来る。
うちの庭はねぐらの場所にもよく選ばれるようだ。

ハンミョウは肉食性の昆虫だが、実際に狩りの様子を見る機会はきわめて少ない。
万が一目の前で獲物を捕らえても、そこへ近づく前にハンミョウも素早く移動してしまう。

さて、そのハンミョウが妙な歩き方をしていた。
ときおり、ガガガガッーと激しく噛みつくしぐさもする。

そっと近寄ってみれば、ハンミョウの左中脚にクロオオアリの頭がぶら下がっていた。

W2104873.jpgクロオオアリの触角は動いているが、もう死んだのと同然であろう。
しかし、その大アゴはガッチリとハンミョウの脚を挟み込んでいる。
クロオオアリを襲ったところ反撃に会い、写真のような事態に陥ったようだ。
首以外はハンミョウが食べたり、噛み切ってしまったのだろう。

このような生首事件はそれほど珍しいものでもない。
捕食性昆虫がアリを襲った場合にはよく生じる出来事であり、私もいろいろな虫で
目撃している。
アリの生首は、死んだショックで大アゴが閉じたまま固着してしまうようだ。


さて、今年の樹液の出方は、高い場所ばかりに集中し、撮影はほとんどできなかった。
やろうと思えばできるのだろうが、体調のこともあって見送ったのである。
定位置で時間をたっぷりかけて撮影するためにも、うちの林はうってつけの場所である。
樹液の出る場所は毎年、変わる。今年は運悪く、どれも高い場所だった。
そこで来年の撮影のためにも高所での撮影ができるような準備をしておこうと思っている。

以前にも林の高所で撮影するための足場を検討していた。
ちょうど集落に足場を扱う業者の方がいたので、いろいろ聞いてみたのだが、
工事現場でよく使うような足場ではなく、単管をジョイントで組み合わせるほうが良いだろ
うとアドバイスをいただいた。うちの林は傾斜地であるから、単管のほうが地形に合わせ
て組めるということだった。
10メートル以上もの高所になると問題が多いので、せめて5~7メートルまでの足場を考
えている。

JX106902.jpg林には立ち枯れてしまった樹齢20数年のクヌギもあって、これも冬のあいだには
伐採しておきたい。枯れ蔓が樹上まで絡まり、これは何かと撮影の障害になる。
大きなクヌギを伐採するには周りのササ藪を刈り払う作業も必要で、かなりの時間と
労力がいることだろう。
しかし、こうした山仕事はやってみるとじつに楽しい。

( 写真上/ E-520  ZUIKO D 35ミリマクロ+1.4倍テレコン、B3000S使用 )

( 写真下:クヌギ樹液に来たノコギリクワガタ/ E-620 ZUIKO D 50-200ミリ
  ズーム   )




« アカタテハ幼虫とシロヘリクチブトカメムシ       火山灰 »